Slide 1

Slide 1 text

事業ドメインを絞り込むことで 磨かれるプロダクトマネジメント pixiv Inc. 2018.11.06

Slide 2

Slide 2 text

2 清水智雄 @norio ピクシブ株式会社 執行役員 pixiv運営本部長 / 新技術プロジェクトプロデューサー ● pixiv本体のプロダクト責任者をやりながら、 3D関連のプロジェクトもやってます。 (今動いてるキャラもこれ) ● 元はUIデザイナー兼エンジニア

Slide 3

Slide 3 text

3 ● (2013) ● (2015) ● (2015) ● (2017) ● (2017) ● (2018) 直近 年間で つのプロダクトをリリース

Slide 4

Slide 4 text

4 事業ドメインを絞っているからこそ実現できた なぜ短期間に多くのプロダクトをリリースするこ とができたのか?

Slide 5

Slide 5 text

5 2007年リリースのイラスト・ マンガ・小説の投稿プラットフォーム 作品発表と交流に特化した世界最大規模の サービス ● ユーザー数:3,100万 ● 総作品数:7,500万 ● 平均投稿数:19,000 作品/日

Slide 6

Slide 6 text

6 新規登録ユーザーの分布 日本 40.7% アメリカ 11.8 % その他 27.8% 台湾 3.8 % 韓国 7.9% 中国 8.0 %

Slide 7

Slide 7 text

7 周辺サービス・プロダクト

Slide 8

Slide 8 text

BOOTH 創作物のためのマーケットプレイス。 ネットショップを無料で簡単に立ち上げ ることができる。 今年5月にユーザー数100万人 突破 ● MAU:230万

Slide 9

Slide 9 text

pixivFACTORY 画像や原稿をアップロードするだけ で、誰でも簡単にグッズや同人誌をつ くることができるサービス。 BOOTHと組み合わせれば、 在庫を持たずにグッズ販売できる。

Slide 10

Slide 10 text

pixivFANBOX クリエイターを支援できる 一般公開前は50人だったクリエイター が、今年4月末に一般公開して7月ま でに一気に3万人を超え、 総支援額も1億円突破。 現在も伸び続けている。

Slide 11

Slide 11 text

11 pixiv Sketch スマホ・タブレット時代のイラストコミュ ニケーションサービス お絵かき機能や自動着色機能つき ● 月間投稿数12万 ● 月間リアクション数250万

Slide 12

Slide 12 text

12 VRoid Studio 3Dキャラクターを絵を描くように モデリングできるキャラクターメイカー

Slide 13

Slide 13 text

13 ● Youtube動画:138万再生 ● 累計ダウンロード:25万超え ● Twitterフォロワー:4万人超え ● Twitterトレンド1位を2回獲得 ● 地上波TV番組やAbemaTVさんでのご紹介など… 今年2月にプロジェクトスタート、7月末にβリリース 新しい挑戦だったが早期にリリースすることができた

Slide 14

Slide 14 text

14 ドメインを限定してプロダクトを つくり続けるメリットとは?

Slide 15

Slide 15 text

15 「未来にあって当たり前のものをつくること」 そもそも「プロダクトをつくる」とは何か?

Slide 16

Slide 16 text

16 ● あって当たり前だけど、今はまだないもの ● 今はまだポッカリ空いたままの穴がある状態 ● 埋まっていない穴を埋めるのがプロダクト づくり 未来にあって当たり前のものをつくること 穴

Slide 17

Slide 17 text

17 穴の形を正確に把握しないとうまく埋められない =課題解決・マーケットフィットできない 穴の形は多種多様

Slide 18

Slide 18 text

18 ● 解決しなければならない問題は無限にある ● すべてを把握することは不可能 ● 遠くからでは、どこにどんな穴があるのか わからない 穴はまるで宇宙の星のように膨大な量で 且つ広範囲に広がっている

Slide 19

Slide 19 text

19 ● これがドメインを絞り込むということ ○ ピクシブは「創作活動」にまつわる領域に限定 近づいて範囲を絞ってどんな穴があるのかを 把握する

Slide 20

Slide 20 text

20 ● 今何が起きていて、これから何が起きるのか ● どのような人たちがどのような問題を抱えているのか ● 何が妨げていて、何が足りていないのか ● それぞれの相互関係も把握できる ● 次第に埋めるべき穴が見つかり、 埋め方も導き出せる ドメインを絞り込めば、詳細が見えてくる

Slide 21

Slide 21 text

21 ● そのプロダクトが生まれた後は、 それがなかったことを思い出せなくなる ● これが「未来にあって当たり前のものづくり」 ○ 例:Slackなど 埋めてしまえば、まるで最初から埋まって いたかのように「当たり前」になる

Slide 22

Slide 22 text

22 ● 誰よりもその領域について理解し、流れを把握し、考 え、未来を描くことができれば、 誰よりも一歩先を歩み続けることができる ○ 例えばピクシブは「創作活動」にまつわる ドメインにおいては世界中の誰よりも理解し、考え 続けることができる 特定領域(ドメイン)のプロフェッショナルになるこ とが重要

Slide 23

Slide 23 text

23 クリエイター コンテンツ コンシューマ 「創作活動が  もっと楽しくなる  場所を創る」

Slide 24

Slide 24 text

24 ● 社員全員が同じドメインにいるため、体制変更が柔軟に高 速に行える ○ ドメイン知識が高レベルで共有されている ■ 仕事をしていく中で自然と知見が蓄積される ● 最初はドメイン知識がなくてもOK ■ 引継ぎがスムーズ ● 新しいプロジェクトを始めやすい ドメインに対する知見と技術の応用がきく

Slide 25

Slide 25 text

25 ● 技術の応用がきく ○ pixiv Sketchの技術と人材がVRoid Studioを生んだ ● 例:Sketchのお絵かき機能 ○ 内部の技術はOpenGL ■ 元々はリアルタイム3Dのための技術 ■ 3Dの技術と人材が集まっていた ドメインに対する知見と技術の応用がきく

Slide 26

Slide 26 text

26 ● 特定の領域のみ見続けているだけでは、 埋めるべき穴を見誤る ● 埋めるべき穴は時代の変化とともに変わっていく ○ 例:スマホの普及前と普及後 ドメインを絞り込むことと、 視野を狭めることは違う

Slide 27

Slide 27 text

27 ● 日々、増えていく新しい穴を常にチェック ● 特定のドメインに軸足を置きつつ、ズームアウ トして広い視野で時代の流れを掴む ○ VRoidはそのようにして生まれた ドメインを絞り込むことと、 視野を狭めることは違う

Slide 28

Slide 28 text

28 ● 時代の大きな流れや周辺のドメインで何が起 きているのかを常時チェックしながら、埋める べき穴を常に探ることが重要 ○ ズームイン・ズームアウトを常に 繰り返す必要がある ○ 誰よりも早く埋めるべき穴を発見できる ドメインを絞り込むことと、 視野を狭めることは違う

Slide 29

Slide 29 text

29 ● ドメインにコミットし続けることで次第に そのドメインとそのユーザーに対する理解が深まり、愛着が わく ● そのドメインの理解者であることが ユーザーにも伝わり、ユーザーからも 次第に愛される存在になっていく ドメインと愛

Slide 30

Slide 30 text

30 ● 特定のドメインに軸足を置き、 ● 時代の変化を見つつ、 ● 埋めるべき穴を見つけ、 ● 的確に穴を埋め、 ● 価値をコミットしつづけることで、 ● ユーザーとのエンゲージメントが高まり、 ● 愛されるプロダクトを提供できるようになる。 事業ドメインを絞り込むことで 磨かれるプロダクトマネジメントまとめ

Slide 31

Slide 31 text

31 ● ピクシブで「未来にあって当たり前のもの」を つくりましょう!!! ● Wantedlyで応募してね!! プロダクトマネージャー募集中!

Slide 32

Slide 32 text

32 ご清聴ありがとうございました