Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
事業ドメインを絞り込むことで磨かれるプロダクトマネジメント
Search
Norio Shimizu
November 06, 2018
Technology
5
7.8k
事業ドメインを絞り込むことで磨かれるプロダクトマネジメント
「穴」を埋める話です
Norio Shimizu
November 06, 2018
Tweet
Share
Other Decks in Technology
See All in Technology
IaC を使いたくないけどポリシー管理をどうにかしたい
kazzpapa3
1
150
雲勉LT_Amazon Bedrock AgentCoreを知りAIエージェントに入門しよう!
ymae
2
200
ローカルVLM OCRモデル + Gemini 3.0 Proで日本語性能を試す
gotalab555
1
130
入社したばかりでもできる、 アクセシビリティ改善の第一歩
unachang113
2
350
OSだってコンテナしたい❗Image Modeが切り拓くLinux OS運用の新時代
tsukaman
0
130
大規模モノレポの秩序管理 失速しない多言語化フロントエンドの運用 / JSConf JP 2025
shoota
0
360
国産クラウドを支える設計とチームの変遷 “技術・組織・ミッション”
kazeburo
4
8.1k
組織の“見えない壁”を越えよ!エンタープライズシフトに必須な3つのPMの「在り方」変革 #pmconf2025
masakazu178
1
800
FFMとJVMの実装から学ぶJavaのインテグリティ
kazumura
0
160
Kubernetesと共にふりかえる! エンタープライズシステムのインフラ設計・テストの進め方大全
daitak
0
440
技術広報のOKRで生み出す 開発組織への価値 〜 カンファレンス協賛を通して育む学びの文化 〜 / Creating Value for Development Organisations Through Technical Communications OKRs — Nurturing a Culture of Learning Through Conference Sponsorship —
pauli
5
520
TypeScript 6.0で非推奨化されるオプションたち
uhyo
15
4.9k
Featured
See All Featured
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
329
39k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
210
24k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
340
57k
Faster Mobile Websites
deanohume
310
31k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
73
4.9k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
231
54k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
180
10k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
162
23k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
84
9.3k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
21
1.3k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
407
66k
Statistics for Hackers
jakevdp
799
230k
Transcript
事業ドメインを絞り込むことで 磨かれるプロダクトマネジメント pixiv Inc. 2018.11.06
2 清水智雄 @norio ピクシブ株式会社 執行役員 pixiv運営本部長 / 新技術プロジェクトプロデューサー • pixiv本体のプロダクト責任者をやりながら、
3D関連のプロジェクトもやってます。 (今動いてるキャラもこれ) • 元はUIデザイナー兼エンジニア
3 • (2013) • (2015) • (2015) • (2017) •
(2017) • (2018) 直近 年間で つのプロダクトをリリース
4 事業ドメインを絞っているからこそ実現できた なぜ短期間に多くのプロダクトをリリースするこ とができたのか?
5 2007年リリースのイラスト・ マンガ・小説の投稿プラットフォーム 作品発表と交流に特化した世界最大規模の サービス • ユーザー数:3,100万 • 総作品数:7,500万 •
平均投稿数:19,000 作品/日
6 新規登録ユーザーの分布 日本 40.7% アメリカ 11.8 % その他 27.8% 台湾
3.8 % 韓国 7.9% 中国 8.0 %
7 周辺サービス・プロダクト
BOOTH 創作物のためのマーケットプレイス。 ネットショップを無料で簡単に立ち上げ ることができる。 今年5月にユーザー数100万人 突破 • MAU:230万
pixivFACTORY 画像や原稿をアップロードするだけ で、誰でも簡単にグッズや同人誌をつ くることができるサービス。 BOOTHと組み合わせれば、 在庫を持たずにグッズ販売できる。
pixivFANBOX クリエイターを支援できる 一般公開前は50人だったクリエイター が、今年4月末に一般公開して7月ま でに一気に3万人を超え、 総支援額も1億円突破。 現在も伸び続けている。
11 pixiv Sketch スマホ・タブレット時代のイラストコミュ ニケーションサービス お絵かき機能や自動着色機能つき • 月間投稿数12万 • 月間リアクション数250万
12 VRoid Studio 3Dキャラクターを絵を描くように モデリングできるキャラクターメイカー
13 • Youtube動画:138万再生 • 累計ダウンロード:25万超え • Twitterフォロワー:4万人超え • Twitterトレンド1位を2回獲得 •
地上波TV番組やAbemaTVさんでのご紹介など… 今年2月にプロジェクトスタート、7月末にβリリース 新しい挑戦だったが早期にリリースすることができた
14 ドメインを限定してプロダクトを つくり続けるメリットとは?
15 「未来にあって当たり前のものをつくること」 そもそも「プロダクトをつくる」とは何か?
16 • あって当たり前だけど、今はまだないもの • 今はまだポッカリ空いたままの穴がある状態 • 埋まっていない穴を埋めるのがプロダクト づくり 未来にあって当たり前のものをつくること 穴
17 穴の形を正確に把握しないとうまく埋められない =課題解決・マーケットフィットできない 穴の形は多種多様
18 • 解決しなければならない問題は無限にある • すべてを把握することは不可能 • 遠くからでは、どこにどんな穴があるのか わからない 穴はまるで宇宙の星のように膨大な量で 且つ広範囲に広がっている
19 • これがドメインを絞り込むということ ◦ ピクシブは「創作活動」にまつわる領域に限定 近づいて範囲を絞ってどんな穴があるのかを 把握する
20 • 今何が起きていて、これから何が起きるのか • どのような人たちがどのような問題を抱えているのか • 何が妨げていて、何が足りていないのか • それぞれの相互関係も把握できる •
次第に埋めるべき穴が見つかり、 埋め方も導き出せる ドメインを絞り込めば、詳細が見えてくる
21 • そのプロダクトが生まれた後は、 それがなかったことを思い出せなくなる • これが「未来にあって当たり前のものづくり」 ◦ 例:Slackなど 埋めてしまえば、まるで最初から埋まって いたかのように「当たり前」になる
22 • 誰よりもその領域について理解し、流れを把握し、考 え、未来を描くことができれば、 誰よりも一歩先を歩み続けることができる ◦ 例えばピクシブは「創作活動」にまつわる ドメインにおいては世界中の誰よりも理解し、考え 続けることができる 特定領域(ドメイン)のプロフェッショナルになるこ
とが重要
23 クリエイター コンテンツ コンシューマ 「創作活動が もっと楽しくなる 場所を創る」
24 • 社員全員が同じドメインにいるため、体制変更が柔軟に高 速に行える ◦ ドメイン知識が高レベルで共有されている ▪ 仕事をしていく中で自然と知見が蓄積される • 最初はドメイン知識がなくてもOK
▪ 引継ぎがスムーズ • 新しいプロジェクトを始めやすい ドメインに対する知見と技術の応用がきく
25 • 技術の応用がきく ◦ pixiv Sketchの技術と人材がVRoid Studioを生んだ • 例:Sketchのお絵かき機能 ◦
内部の技術はOpenGL ▪ 元々はリアルタイム3Dのための技術 ▪ 3Dの技術と人材が集まっていた ドメインに対する知見と技術の応用がきく
26 • 特定の領域のみ見続けているだけでは、 埋めるべき穴を見誤る • 埋めるべき穴は時代の変化とともに変わっていく ◦ 例:スマホの普及前と普及後 ドメインを絞り込むことと、 視野を狭めることは違う
27 • 日々、増えていく新しい穴を常にチェック • 特定のドメインに軸足を置きつつ、ズームアウ トして広い視野で時代の流れを掴む ◦ VRoidはそのようにして生まれた ドメインを絞り込むことと、 視野を狭めることは違う
28 • 時代の大きな流れや周辺のドメインで何が起 きているのかを常時チェックしながら、埋める べき穴を常に探ることが重要 ◦ ズームイン・ズームアウトを常に 繰り返す必要がある ◦ 誰よりも早く埋めるべき穴を発見できる
ドメインを絞り込むことと、 視野を狭めることは違う
29 • ドメインにコミットし続けることで次第に そのドメインとそのユーザーに対する理解が深まり、愛着が わく • そのドメインの理解者であることが ユーザーにも伝わり、ユーザーからも 次第に愛される存在になっていく ドメインと愛
30 • 特定のドメインに軸足を置き、 • 時代の変化を見つつ、 • 埋めるべき穴を見つけ、 • 的確に穴を埋め、 •
価値をコミットしつづけることで、 • ユーザーとのエンゲージメントが高まり、 • 愛されるプロダクトを提供できるようになる。 事業ドメインを絞り込むことで 磨かれるプロダクトマネジメントまとめ
31 • ピクシブで「未来にあって当たり前のもの」を つくりましょう!!! • Wantedlyで応募してね!! プロダクトマネージャー募集中!
32 ご清聴ありがとうございました