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戦略実現のための思考伝播:チームの⾃律 性と共創のカギはサイファーだった! Scrum Fest Mikawa 2025 2025年9⽉6⽇ 株式会社ログラス ⽊村恵介 1

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2 ⾃⼰紹介 新卒で京セラ系の SIer に入社しエンジニアからキャリアを開始。その後、経 営企画や新規事業立ち上げ担当を経験。 コールセンター領域の SaaS ベンダーに転職しプロダクトマネージャーを担当 し既存プロダクトのグロースを実現。同社が M&A されたことで、PKSHA へ JOINし、PKSHA Communication 社でコールセンター領域 PdM チーム のマネージャーに従事。 10年程度プロダクトマネジメントを経験。 2024年5月から Loglass 人員計画のプロダクト開発責任者を担当。 株式会社ログラス プロダクト開発責任者 ⽊村 恵介 Keisuke Kimura

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サービスラインナップ 4 経営企画領域のBPO・ コンサルティングサービス 精緻な人員数・ 人件費管理を実現する 経営企画の 予実管理を変える

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Loglass ⼈員計画 5 機能1. 各部⾨の「採⽤‧異動‧退職‧休職⾒込み」の要望収集‧進捗管理 機能2. バイネームでの「⼈件費の予算策定‧予実管理‧配賦」 ⽇本初 バイネームでの精緻な ⼈件費予実管理等により 利益を⽣み出す⼈員計画クラウド ※ 「⽇本初」(※)次世代型(経営管理ツール連携)「⼈員計画‧要員計画」専⾨クラウドツールに関する市場調査(㈱未来トレンド研究機構調べ)<2024年1⽉31⽇時点>(補⾜:機能)個⼈名を基にした(バイネームでの精緻な)「⼈件費(予算 策定‧予実管理‧配賦)」「採⽤‧異動‧退職‧休職⾒込みの要望収集‧進捗管理」オールインワン標準装備。当社は、本機能に関して特許出願済です(特願2023-199861)

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Loglass ⼈員計画プロダクトチーム開発プロセス スプリントサイクル 〜オーソドックスなスクラムチーム〜 6 ⽊曜⽇ ⾦曜⽇ ⽉曜⽇ ⽕曜⽇ ⽔曜⽇ DS DS DS DS DS リリース可能⽇ リリース可能⽇ OKR進捗確認 (with ビジネス) 要件 / 仕様確認 (with ビジネス) スプリント レビュー ロードマップ 確認 振り返り会 プランニング

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本⽇のテーマ 7 戦略実現のための思考伝播:チームの⾃律性と共創のカギはサイファーだった!

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はじめに 本⽇アジェンダ 8 1. 1st ターム 混乱期 2. 2nd ターム ⽅向性の再定義 3. 3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得

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はじめに プロダクトマネージャーの責務とは • プロダクトの成⻑にコミットし続ける ‐ プロダクト戦略を描く ‐ 戦術に落とし込み実⾏可能な組織を作り、戦術を実現する • ⽬標達成やプロダクト成⻑のためにチーム‧メンバーを動機づけする ‐ プロダクトマネージャーが考えたことがそのままお客様に提供されるわけではない ‐ 思考がチームに伝播してプロダクトが開発されて、更に事業チームがマーケティングや営業、オンボーディング などの⼯程をへてお客様にお届けされる 9

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はじめに 戦略と戦術について 〜バケツに⽔を貯める場合〜 10 ⽔を出す ⽳を塞ぐ

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はじめに 事業戦略とプロダクト戦略のアラインとは 11 • フォーカスすべき対象を合意する ‐ 業種‧業態、フェーズ(受注‧導⼊など) など • チームの⼒を何に集中させるか、やらないことを決める

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はじめに 本⽇アジェンダ 12 1. 1st ターム 混乱期 2. 2nd ターム ⽅向性の再定義 3. 3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得

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1st ターム 混乱期 当時のチーム⽂化 ⽬標に向かって絶対にやり切る 13 常勝


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1st ターム 混乱期 プロダクトマネージャーが問われたこと 14 お客様に深い理解があり、課題と解決策を提⽰できるのか? チームの実⾏強度を継続し更に向上させられるのか?

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1st ターム 混乱期 強⼒なエンジニアと強い⽂化により、チームが回り、⾃分⾃⾝のバリューは発揮できな かった 15 プロダクトマネージャー エンジニア デザイナー QA 新⼊社員 EM 新⼊社員 新⼊社員 まずは顧客理解‧プロダクト理解に専念 初期 途中参加

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はじめに 本⽇アジェンダ 16 1. 1st ターム 混乱期 2. 2nd ターム ⽅向性の再定義 3. 3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得

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2nd ターム ⽅向性の再定義 チームの状態と課題 17 • チームのゴール指標がアウトカムベースになっていない ‐ デリバリーに関する⽬標となっていて、全員での認知が取りにくい • メンバー変更によるチーム全体の顧客理解度の低下 ‐ チームの半数が新⼊社員 ‐ 最初期メンバーの異動 • 中⻑期的な観点やお互いの価値観や⼤切にしたいことなどを理解することに時間を使えていない ‐ ⾜元や眼の前の仕事をこなすことに注⼒している ‐ チーム⽂化形成はおろそかになっている

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2nd ターム ⽅向性の再定義 チームメンバーの異動により半数が⼊社半年以内で構成 18 プロダクトマネージャー エンジニア デザイナー QA ⼊社半年以内 EM ⼊社半年以内 ⼊社半年以内 新⼊社員 初期 途中参加

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2nd ターム ⽅向性の再定義 チーム全体がゴールを認識する 〜アウトカムベースの指標〜 19 Onboarding 利用開始し自走する Adoption 利用定着し契約更新する Expansion アップセル・クロスセルする このフェーズに価値提供を⾏う事がゴール指標 受注後、オンボーディングに進むお客様が増えたため ゴール指標:該当期中に利用開始を行うべきお客様と合意できた件数

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2nd ターム ⽅向性の再定義 チームやプロダクトのゴール指標を作成する際に意識していること 20 • プロダクトの成果が遅⾏指標ということに安易に逃げない ‐ プロダクトが成⻑していくと、複雑性が増していく ‐ この機能により◯◯万円の売上ということはなくなっていく ‐ それでもアウトカムとして出すべきものは何かを考える • 指標の抽象度が⾼いことを理解し議論する ‐ 何作るやどうするという指標ではなくなると、指標とやるべきことの接続性がイメージしにくくなるので、き ちんと議論し理解のための時間を取る • 該当期中で何に注⼒し、計測可能な成果であることにこだわる ‐ 成⻑の継続性を担保するために、四半期等の期中で成果を出す必要がある

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2nd ターム ⽅向性の再定義 チーム全体がお客様の業務理解を深める 21 • お客様のジョブを実現するためのプロダクト活⽤をロールプレイで体験 ‐ 利⽤部⾨にメンバーをアサイン:⼈事部⾨、事業部⾨ ‐ 部⾨がどのように連携してジョブを完了するのかプロダクトを活⽤してフローを確認 ‐ 不便な点や改善点を全員で認識できるようにする

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2nd ターム ⽅向性の再定義 チーム全体がお互いの理解を深める 22

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はじめに 本⽇アジェンダ 23 1. 1st ターム 混乱期 2. 2nd ターム ⽅向性の再定義 3. 3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 7割のメンバーが新⼊社員などで途中参加 バーチャルチームからレポートラインを持つ組織となる 24 プロダクトマネージャー (プロダクト開発責任者) エンジニア デザイナー QA EM 初期 途中参加 新卒 新⼊社員 新⼊社員

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 Why ⾃律性 25 プロダクトマネージャーがコミットすべき事項 • お客様への深い理解 ‐ 1次情報を取りに⾏く ‐ 1次情報を踏まえて戦略を描く • 透明性と説明責任を果たす ‐ 戦略と戦術(ロードマップ)の状況を適切にステークスホルダーへ説明する

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 Why ⾃律性 26 Why What How

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの始まり 〜オフサイトミーティング〜 27

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 コミュニケーションにサイファーが定着 28

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チーム開発プロセス スプリントサイクル 29 ⽊曜⽇ ⾦曜⽇ ⽉曜⽇ ⽕曜⽇ ⽔曜⽇ DS DS DS DS DS リリース可能⽇ リリース可能⽇ OKR進捗確認 (with ビジネス) 要件 / 仕様確認 (with ビジネス) スプリント レビュー ロードマップ 確認 振り返り会 プランニング

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーを継続する仕組み 〜DS〜 30

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーを継続する仕組み 〜振り返り会〜 31

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Cypher's Chain 32

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーを継続する仕組み 〜プロダクトマネージャーとしての意思決定〜 33

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜デザイナーのスクラム研修受講〜 34

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜お客様オンボーディング参加による顧客理解〜 35

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜1次情報以外でのお客様業務理解〜 36

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜チーム全体で AI-Native 化へ挑戦〜 37

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜カオスを欲する新卒エンジニア〜 38

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜適切なお客様ヒアリングタイミングの提⾔〜 39

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜社内へ情報共有機会を増やす提⾔〜 40

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜チームのゴール指標を各⾃指標にアライン〜 41

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3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 サイファーの連鎖 〜チームの実⾏強度を⾼めるための提⾔〜 42

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今後の展望 お客様とのサイファーを実現させる 43 Onboarding 利用開始し自走する Adoption 利用定着し契約更新する Expansion アップセル・クロスセルする お客様も巻き込みプロダクト価値を追求

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最後に プロダクトマネージャーとして⼤切にしたいスタンス 44 • 思考を正しく伝播してチームが⽬標に向かうための⾃律性を促す ‐ お願いや指⽰ではなく⾃分ごととして動けるような動機づけを意識する • そのためには適切な情報提供とコミュニケーションの場作りが⼤切

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最後に サイファーしましょう!! 45 • 戦略を描き、アウトカムベースゴール指標を作る • 戦略やゴール指標をチームに伝播し、チームが集中すべき事項を明確化する • ⾃律性が連鎖する仕組みを作る • チームがサイファーに向けて動き出す

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