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戦略実現のための思考伝播:チームの自律性と共創のカギはサイファーだった!

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September 11, 2025
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 戦略実現のための思考伝播:チームの自律性と共創のカギはサイファーだった!

株式会社ログラスの木村です。

私は Loglass 人員計画のプロダクトマネージャーを担当しています。

サイファーとはヒップホップ文化で参加者が輪になってラップを行い、互いに刺激し合いながら創造性を高める場のことです。

私達はチームのあり方や方向性を表現するメタファーとしてサイファーという言葉を日常的に使うようになりました。互いの立場は尊重しながらも、職種や役割を意識しながらきちんと主張していく事が、事業戦略とアラインされたプロダクト戦略を実現していく近道だと考えています。

私達は最初からこのようなスタイルを意識していたわけではありません。

Loglass 人員計画のプロダクトチームはエンジニア、デザイナー、QA、プロダクトマネージャーで構成されるバーチャルな組織です。

私がチームに参加した際は、前任者からの引継ぎと同時に新メンバー3名が加入するという大きな変化の中でスタートしました。顧客理解が最も低い私が新たなPdMとなり、チームには戸惑いや混乱が生じる中、プロダクトはPMFを目指すという課題もありました。

このチャレンジングな環境から約1年間でチームがどのように変容し、共創体制を構築してきたか、その過程と学びを共有します。

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木村恵介

September 11, 2025
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Transcript

  1. 2 ⾃⼰紹介 新卒で京セラ系の SIer に入社しエンジニアからキャリアを開始。その後、経 営企画や新規事業立ち上げ担当を経験。 コールセンター領域の SaaS ベンダーに転職しプロダクトマネージャーを担当 し既存プロダクトのグロースを実現。同社が

    M&A されたことで、PKSHA へ JOINし、PKSHA Communication 社でコールセンター領域 PdM チーム のマネージャーに従事。 10年程度プロダクトマネジメントを経験。 2024年5月から Loglass 人員計画のプロダクト開発責任者を担当。 株式会社ログラス プロダクト開発責任者 ⽊村 恵介 Keisuke Kimura
  2. Loglass ⼈員計画 5 機能1. 各部⾨の「採⽤‧異動‧退職‧休職⾒込み」の要望収集‧進捗管理 機能2. バイネームでの「⼈件費の予算策定‧予実管理‧配賦」 ⽇本初 バイネームでの精緻な ⼈件費予実管理等により

    利益を⽣み出す⼈員計画クラウド ※ 「⽇本初」(※)次世代型(経営管理ツール連携)「⼈員計画‧要員計画」専⾨クラウドツールに関する市場調査(㈱未来トレンド研究機構調べ)<2024年1⽉31⽇時点>(補⾜:機能)個⼈名を基にした(バイネームでの精緻な)「⼈件費(予算 策定‧予実管理‧配賦)」「採⽤‧異動‧退職‧休職⾒込みの要望収集‧進捗管理」オールインワン標準装備。当社は、本機能に関して特許出願済です(特願2023-199861)
  3. Loglass ⼈員計画プロダクトチーム開発プロセス スプリントサイクル 〜オーソドックスなスクラムチーム〜 6 ⽊曜⽇ ⾦曜⽇ ⽉曜⽇ ⽕曜⽇ ⽔曜⽇ DS

    DS DS DS DS リリース可能⽇ リリース可能⽇ OKR進捗確認 (with ビジネス) 要件 / 仕様確認 (with ビジネス) スプリント レビュー ロードマップ 確認 振り返り会 プランニング
  4. はじめに プロダクトマネージャーの責務とは • プロダクトの成⻑にコミットし続ける ‐ プロダクト戦略を描く ‐ 戦術に落とし込み実⾏可能な組織を作り、戦術を実現する • ⽬標達成やプロダクト成⻑のためにチーム‧メンバーを動機づけする

    ‐ プロダクトマネージャーが考えたことがそのままお客様に提供されるわけではない ‐ 思考がチームに伝播してプロダクトが開発されて、更に事業チームがマーケティングや営業、オンボーディング などの⼯程をへてお客様にお届けされる 9
  5. 2nd ターム ⽅向性の再定義 チームの状態と課題 17 • チームのゴール指標がアウトカムベースになっていない ‐ デリバリーに関する⽬標となっていて、全員での認知が取りにくい • メンバー変更によるチーム全体の顧客理解度の低下

    ‐ チームの半数が新⼊社員 ‐ 最初期メンバーの異動 • 中⻑期的な観点やお互いの価値観や⼤切にしたいことなどを理解することに時間を使えていない ‐ ⾜元や眼の前の仕事をこなすことに注⼒している ‐ チーム⽂化形成はおろそかになっている
  6. 2nd ターム ⽅向性の再定義 チーム全体がゴールを認識する 〜アウトカムベースの指標〜 19 Onboarding 利用開始し自走する Adoption 利用定着し契約更新する Expansion アップセル・クロスセルする

    このフェーズに価値提供を⾏う事がゴール指標 受注後、オンボーディングに進むお客様が増えたため ゴール指標:該当期中に利用開始を行うべきお客様と合意できた件数
  7. 2nd ターム ⽅向性の再定義 チームやプロダクトのゴール指標を作成する際に意識していること 20 • プロダクトの成果が遅⾏指標ということに安易に逃げない ‐ プロダクトが成⻑していくと、複雑性が増していく ‐ この機能により◯◯万円の売上ということはなくなっていく

    ‐ それでもアウトカムとして出すべきものは何かを考える • 指標の抽象度が⾼いことを理解し議論する ‐ 何作るやどうするという指標ではなくなると、指標とやるべきことの接続性がイメージしにくくなるので、き ちんと議論し理解のための時間を取る • 該当期中で何に注⼒し、計測可能な成果であることにこだわる ‐ 成⻑の継続性を担保するために、四半期等の期中で成果を出す必要がある
  8. 3rd ターム 戦略浸透と⾃律性の獲得 Why ⾃律性 25 プロダクトマネージャーがコミットすべき事項 • お客様への深い理解 ‐ 1次情報を取りに⾏く

    ‐ 1次情報を踏まえて戦略を描く • 透明性と説明責任を果たす ‐ 戦略と戦術(ロードマップ)の状況を適切にステークスホルダーへ説明する
  9. チーム開発プロセス スプリントサイクル 29 ⽊曜⽇ ⾦曜⽇ ⽉曜⽇ ⽕曜⽇ ⽔曜⽇ DS DS

    DS DS DS リリース可能⽇ リリース可能⽇ OKR進捗確認 (with ビジネス) 要件 / 仕様確認 (with ビジネス) スプリント レビュー ロードマップ 確認 振り返り会 プランニング
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