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テストプロセスで大事にしていること テックタッチ株式会社 QA エンジニア Michiya Maki JaSST nano vol.35

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自己紹介 焼き鳥が焼ける QA エンジニア 巻 宙弥(まき みちや) プログラマ→システムエンジニア→マネージャ→IT コンサルタント 昨年、スタートアップのテックタッチ( 株) にQA エンジニアとして転職 michiya.maki.1 makky_tyuyan 昨年から自分で串打ちして焼く「おうちやきとり」にハマってます。 # 札幌串打同盟 マイブーム 北海道札幌からフルリモートで勤務中

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はじめに 本スライド中の“ テスト“ とは、開発後のプロダクトを評価 するだけではなく、開発プロセス全体を対象に行う品質管 理・品質保証の活動全てを指します。

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本日話すこと テストプロセスで大事にしていること 〜意図を持ってテストする〜

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開発プロセスと体制 LeSS (Large-Scale Scrum ) 1 スプリント2 週間 約3 ヶ月に1 度のリリースサイクル 引用)https://less.works/jp/less/framework 開発プロセス 体制 QA は業務委託のメンバー含めて9 名 スクラムチームにQA が1 〜2 名 QA が品質マネジメント活動のタスクも実施する

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私の担当領域 スクラムチームの一員としてテストプロセスを実施 QA チームとしての品質マネジメント活動   (品質保証・品質管理のプロセス改善など)

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意図を持ってテストするとは? 「なぜこのテストが必要なのか」を意識すること

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避けたいシーン このテストはなぜ実施 する必要があるのか?

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今まで実施 しているから 避けたいシーン このテストはなぜ実施 する必要があるのか? XXX が 言っていたから 不安だから テストのアウトプットに対する 「このテストはなぜ実施するのか?」という問いに、 「今まで実施しているから」・「不安だから」・「XXX が 言っていたから」という回答になってしまう状態

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意識したいこと プロジェクトリスク プロダクトリスク

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プロジェクトリスクとは プロジェクトのマネジメントや統制に関連するものである。 プロジェクトリスクには、以下のようなものがある: ⚫ 組織的な問題(作業成果物の納期遅れ、不正確な見積り、コストダウンなど) ⚫ 人の問題(例:スキル不足、対立、コミュニケーションの問題、人手不足など) ⚫ 技術的な問題(スコープクリープ、ツールサポートの不備など) ⚫ サプライヤーの問題(例:第三者による納品の失敗、サポート企業の倒産など) プロジェクトリスクは、顕在化した場合、プロジェクトのスケジュール、予算、スコー プに影響を与え、プロジェクトの目的を達成する能力に影響を与える可能性がある。 引用)https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_VersionV40.J01.pdf

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プロジェクトリスクとは プロジェクトのマネジメントや統制に関連するものである。 プロジェクトリスクには、以下のようなものがある: ⚫ 組織的な問題(作業成果物の納期遅れ、不正確な見積り、コストダウンなど) ⚫ 人の問題(例:スキル不足、対立、コミュニケーションの問題、人手不足など) ⚫ 技術的な問題(スコープクリープ、ツールサポートの不備など) ⚫ サプライヤーの問題(例:第三者による納品の失敗、サポート企業の倒産など) プロジェクトリスクは、顕在化した場合、プロジェクトのスケジュール、予算、スコー プに影響を与え、プロジェクトの目的を達成する能力に影響を与える可能性がある。 引用)https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_VersionV40.J01.pdf スプリントの機能開発が予定通りに進まず リリースサイクルに影響を及ぼすもの全てを指す

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プロダクトリスクとは プロダクトの品質特性(例えば、ISO 25010 品質モデルに記述がある)に関連するもの である。プロダクトリスクの例としては、機能の不足や誤り、誤った計算、ランタイム エラー、貧弱なアーキテクチャー、非効率なアルゴリズム、不十分な応答時間、貧弱な ユーザーエクスペリエン ス、セキュリティの脆弱性などが挙げられる。プロダクトリス クが顕在化した場合、以下のようなさまざまな負の結果をもたらす可能性がある: ⚫ ユーザーの不満足 ⚫ 収益、信頼、評判の損失 ⚫ 第三者への損害賠償 ⚫ メンテナンスコストが高い、ヘルプデスクに負荷がかかる ⚫ 刑事罰 ⚫ 極端な場合、身体的な損傷、重傷、または死に至ることもある 引用)https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_VersionV40.J01.pdf

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プロダクトリスクとは プロダクトの品質特性(例えば、ISO 25010 品質モデルに記述がある)に関連するもの である。プロダクトリスクの例としては、機能の不足や誤り、誤った計算、ランタイム エラー、貧弱なアーキテクチャー、非効率なアルゴリズム、不十分な応答時間、貧弱な ユーザーエクスペリエン ス、セキュリティの脆弱性などが挙げられる。プロダクトリス クが顕在化した場合、以下のようなさまざまな負の結果をもたらす可能性がある: ⚫ ユーザーの不満足 ⚫ 収益、信頼、評判の損失 ⚫ 第三者への損害賠償 ⚫ メンテナンスコストが高い、ヘルプデスクに負荷がかかる ⚫ 刑事罰 ⚫ 極端な場合、身体的な損傷、重傷、または死に至ることもある 引用)https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_VersionV40.J01.pdf プロダクトの設計・機能・仕様に関連し プロダクトそのものの評価に影響を及ぼすもの

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「なぜテストするのか?」 プロジェクトリスク プロダクトリスク どっちに対処?

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「なぜテストするのか?」 プロジェクトリスク プロダクトリスク どっちに対処? 意図を持ってテスト

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プロジェクトリスクへの対処 実例

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リリースサイクルを意識したスプリントゴールが設定されているか? QA がボトルネックになりうるストーリーはないか? 品質を担保するため、最適なコストパフォーマンスでテストできそうか? 事前に確認できるアウトプットはないか? プロジェクトリスクへの対処 スプリントプランニングで、3 ヶ月に1 度のリリースサイクルに影響が あるリスク有無を問いかけられるように、プランニングに参加する QA エンジニアとしてできること 問いかけの例

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プロジェクトリスクへの対処 プロジェクトリスクを軽減するため、各チームのスプリントプランニン グ後に、QA チームのプランニングを行う。 知識不足、スキル不足、リソース不足等の人に起因するプロジェクトリ スクを見分け、状況に応じてチーム間のリソースを共有する。 QA チームとしてできること テストに必要なドメイン知識 が不足している テストに必要なスキルが不足している スケジュールに対しリソースが不足する懸念 プロジェクトリスクの例 ※ ※ ドメイン知識:特定の分野や領域で必要とされる専門的な知識や情報のこと

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プロダクトリスクへの対処 実例

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プロダクトリスクへの対処 機能要件の達成/ 未達成にこだわらず、プロダクトが顧客に価値を提供で きるか、テスト分析で検討する。 QA エンジニアとしてできること PdM が解決したい課題とはなにか? 顧客が体験する価値はなにか? 機能要件の受け入れ条件とプロダクトの価値にギャップがないか? 機能要件の価値を言語化できるか? 問いかけの例

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プロダクトリスクへの対処 QA チームとしてできること 隔週でプロダクトの新機能をQA チームで共有し、プロダクトリスクの有 無を検討する。プロダクトの機能性や使用性に課題が上がった場合に は、プロダクトチームに共有し、リスクの評価を働きかける。 「〜」という表現は顧客が誤解しそうだ 「〜」と「〜」の手順は使用性を損なう可能性がある 「〜」のようなケースは検討されているか? 共有の例

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まとめ

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まとめ プロジェクトリスク プロダクトリスク 意図を持ってテスト

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ご清聴ありがとうございました ご清聴ありがとうございました