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  #scrumat Genki Sano リーダーになったら 未来を語れるようになろう @スクラム祭り2025 神奈川トラック 2025/10/04

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  #scrumat 自己紹介 2 佐野 元気 Genki Sano 所属 : 株式会社カオナビ 職種 : バックエンドエンジニア(PHPer) 役割 : エンジニアリングマネージャー 趣味 : キャンプ、コーヒー、サウナ、ライブ参戦 @sanogemaru

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  #scrumat 3 はじめに とある日の1on1にて

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  #scrumat 4 はじめに リーダーとして 意識しておいた方がいいことって 何かありますか? 質問です!

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  #scrumat 5 はじめに 「リーダーは未来を語れると良いよ」 私の回答

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  #scrumat 6 はじめに この回答に至るまでの 頭の中を話します

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  #scrumat INDEX   #scrumat 1. リーダーになった際の視点の変化 2. 未来を描く3つの視点 3. 未来を語る難しさと工夫 4. まとめ INDEX 7

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  #scrumat INDEX   #scrumat 1. リーダーになった際の視点の変化 2. 未来を描く3つの視点 3. 未来を語る難しさと工夫 4. まとめ INDEX 8

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  #scrumat ● プレイヤーとしては、スプリントゴールの達成に「集中」 ● 目の前のことで精一杯 ● プレイヤーとして大事な姿勢であり、悪いことではない プレイヤーとしての視点 9 尊敬 Respect 集中 Focus 確約 Commitment 勇気 Courage 公開 Openness 1.リーダーになった際の視点の変化

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  #scrumat リーダーとしての視点 ● リーダーになると、それだけでは足りない ● 未来を見据えることが求められる ● 下記の両方の視点を持ち、バランスを取る必要がある ○ 目の前の課題を見て解く ○ 未来を見てチームを導く ● 視点が変わるのではなく、増える 10 1.リーダーになった際の視点の変化

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  #scrumat 『孫子』 (金谷治 訳注), 岩波文庫, 2000年, 軍形篇 11 勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、 敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む 1.リーダーになった際の視点の変化

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  #scrumat なぜ視点を増やすのか ● 勝つ軍は、戦う前に準備を整えて勝利を確実にする ● 準備を整えるのは軍を率いる将(リーダー)の役割 ● チームが集中できるように、未来を見据えて導くのがリーダー 12 1.リーダーになった際の視点の変化

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  #scrumat なぜ視点を増やすのか ● ソフトウェア開発は不確実性が高い ● 短いサイクルで「検査」と「適応」を繰り返す必要がある ○ 未来だけを見ていても現実離れしてしまう ○ 目の前だけを見ていても長期的に迷走する ● 「未来を見据える」と「目の前を見る」のバランスが大事 13 1.リーダーになった際の視点の変化

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  #scrumat 14 リーダーは 目の前の課題に向き合いつつ 未来を見据えられると良い 1.リーダーになった際の視点の変化

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  #scrumat INDEX   #scrumat 1. リーダーになった際の視点の変化 2. 未来を描く3つの視点 3. 未来を語る難しさと工夫 4. まとめ INDEX 15

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  #scrumat どんな視点を持つと良いか 16 ● 以下の3つの視点で未来を描けるのが◎ A. 進む方向を示す(ビジョン) B. 進む道を整える(基盤づくり) C. 進む仲間を育てる(体制づくり) 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat A. 進む方向を示す(ビジョン) ● チームとして何ができるようになりたいか? ○ 仮説検証を自律的に回せる ○ ユーザー価値についてチームで語れる ○ etc. 17 👉 目指せそうな「理想的なチーム像」を描く 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat A. 進む方向を示す(ビジョン) ● 理想のチーム像を描くために、いろんなチームの話をインプットする ● インプットする方法はたくさんある ○ 本・ブログを読む ○ 社外コミュニティで話を聞く(セッション、廊下 etc.) ○ etc. ● そのまま当てはめても、上手くいかないことがほとんど ● まずはそのまま試しても良いが、必ずふりかえってカイゼンする 18 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat B. 進む道を整える(基盤づくり) ● 技術的負債の返済で「守り」を固める ● プロセスや仕組みを整えて「道」を舗装する ○ 情報共有を滑らかにし、必要な情報に「透明性」を持たせる ● 新しい挑戦を準備して「未来の道」を拓く ○ カイゼン文化を根付かせる 19 👉 ビジョンに向かう道のりにある障害を取り除く 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat C. 進む仲間を育てる(体制づくり) ● 低レベルでのクリアは難易度が高く、戦い方が限られる ● レベルアップすれば選べる戦い方も広がる ○ 育成か? ○ 採用か? ○ 外部の力を借りるか? 20 👉 戦い方の可能性を広げる方法を考える 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat https://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html 21 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat C. 進む仲間を育てる(体制づくり) ● どんな人と一緒に働くか がとても重要 ● 信頼できる仲間を見つけて、戦い方の可能性を広げていく 22 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat 23 ビジョンを立てて そこから逆算して 今やるべきことを設計する 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat 24 どのくらい先の未来を 見据えられるとよい? 疑問 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat 25 見据える期間は “まず半年” から 私の意見 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat 見据える期間はまず半年から ● 最初は「半年後」を見られれば十分 ○ 現実とのつながりがまだ強く、仮説も立てやすい期間 ○ アクションにも落とし込みやすい ● 徐々に見据えられる期間を伸ばせるように鍛える ○ 次のステップとして最低でも1つの上のレイヤの人を見ると◎ ○ 2つの上のレイヤの人を見るのが理想 26 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat https://note.com/sanogemaru/n/n6b5f08fb647a 27 2.未来を描く3つの視点

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  #scrumat INDEX   #scrumat 1. リーダーになった際の視点の変化 2. 未来を描く3つの視点 3. 未来を語る難しさと工夫 4. まとめ INDEX 28

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  #scrumat 未来を語る難しさ 29 ● 語っても伝わらないことがある ○ 目の前のタスクで精一杯 ○ 想像しやすい過去のことに目が向きがち ○ コンテキストが合わない ○ etc. 👉 「言う」と「伝わる」は別物 3.未来を語る難しさと工夫

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  #scrumat 未来を語る工夫 30 ● 以下を設計して、工夫する必要がある ○ 語る場 ○ 語るタイミング ○ 伝え方 3.未来を語る難しさと工夫

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  #scrumat 未来を語る”場”の工夫 31 ● 個別に話して、事前に仲間を作る ● 普段のふりかえりを「むきなおり」の時間にする ● 別で時間を確保して、特別感を出す ● etc. 👉 「未来を考えるモード」に切り替えて集中してもらう 3.未来を語る難しさと工夫

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  #scrumat 未来を語る”タイミング”の工夫 32 ● チームを立ち上げた ● 大きめの開発タスクがリリースできた ● コミュニケーションのズレが課題として多く上がってきた ● etc. 👉 モードを切り替えやすいきっかけを探す 3.未来を語る難しさと工夫

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  #scrumat 未来を語る”伝え方”の工夫 33 ● 図やロードマップを使って、視覚に訴えかける ● 途中経過を相談して、一緒に考えてもらう ● 学んだものを共有し、コンテキストを合わせる ● etc. 👉 未来をみんなで理解して考えられる状態にする 3.未来を語る難しさと工夫

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  #scrumat https://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html 34 3.未来を語る難しさと工夫

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  #scrumat 未来を語る工夫 35 ● 場を設計し、「未来を考えるモード」に切り替えて集中してもらう ● メンバーがモードを切り替えやすいタイミングを探す ● 未来をみんなで理解して考えられるような伝え方にする ● フェイス・トゥ・フェイスで話すのが効率的で効果的 3.未来を語る難しさと工夫

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  #scrumat 36 未来の語るのは難しいので 相手の立場に寄り添って伝える 3.未来を語る難しさと工夫

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  #scrumat INDEX   #scrumat 1. リーダーになった際の視点の変化 2. 未来を描く3つの視点 3. 未来を語る難しさと工夫 4. まとめ INDEX 37

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  #scrumat まとめ 38 ● 半年先を語ることはリーダーの第一歩 ● チームを「未来を考えるモード」に切り替えてから語ると◎ ● プレイヤー視点とリーダー視点、その両方を行き来することが大切 ● まずは自分なりに未来について考えてみることから 4.まとめ

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  #scrumat 39 リーダーになったら 未来を語れるようになろう! 4.まとめ

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  #scrumat Thanks! 相談・指摘・その他 下記のX(Twitter)アカウントまでお願いします! 40

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  #scrumat 41 参考・出典 ● リーダーになったら未来を語れるようになろう - Genki Sano ● 上の視座を知るためにやってみたいこと - Genki Sano ● 強いチームと開発生産性 - id:onk ● レガシー回避のPHP開発術 - Ryo Tomidokoro ● コード品質はやはりビジネスに影響を与える - mtx2s’s blog ● アジャイル宣言の背後にある原則 ● 『孫子』 (金谷治 訳注), 岩波文庫, 2000年 ● 六内円栄 『Thisコミュニケーション』 ジャンプコミックス