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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 少しキモの冷えるお話 2019年11月某日 BLUECORE.NET管理人 localYouser / Yuichi Tominaga

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 このスライド書いちやつたおぢさん 冨永 勇一(とみーさん、ろーかるさん などとよばれる) (株)インターネットイニシアティブ 九州支社 技術部所属 2016年までMr.Onpremiseとしてクラウドに抗うも、2018年ごろから徐々にクラウドか ら逃げられなくなり、Azureをやりこむようになった人 現在は難病(重症筋無力症)を患うも、あれこれ工夫しながら技術支援を中心とした 活動をしつついろんな案件推進を実施中。筋無力症患者会会員やってます。 技術ブログをやってます。(闘病日記も兼ねてます) https://www.bluecore.net Facebook/Twitter/Fediverseなど、SNS活動もぼちぼちやって ます。SNSサーバを動かしていたりもします。

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 秋になりましたね。紅葉のきれいな季節です。 そんな日においても、我々Sierは常々肝を冷 やしながら生きています。

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 キモの冷える話・・・ こんかいは Windows Server 2003 と言う旧いOSを Azureへ持っていけるか?というお話

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 当然、エンジニアたちはこう叫びます。 お代官様、それだけは なにとぞかんべんを・・ しかし、そうは問屋がおろしません お客様にもいろーんな事情があるそうです エンジニアはあれやこれや理由をつけて回避しようとしますが・・・ Windows Server 2003!?あの子は、あの子はこの世にはいないはずよ! 死亡日:2015年7月14日 享年:壱拾弐歳(死因:老衰)

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 しかし実は • Windows Server 2003をAzureに持ってきてはいけないという明示 的な禁止事項はない • が、基本的には「くるな!くるんじゃねぇ!」と個人的に思って らっしゃる方はそこそこいらっしゃる・・・が、動かすことそれ自体は許さ れる 宇田周平さんのブログサイト https://www.syuheiuda.com/?p=4763

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 また、実は・・・なのだが。 • カスタムサポート契約があれば、一応限定的なサポートは受けられ る • 所謂partial supportと言う奴。 • 前提としてpremierサポートの契約が必要 これ自体がコスト大 • Market Placeではイメージは提供されない • 独自にイメージを準備する必要がある 参考: https://support.microsoft.com/ja-jp/help/3206074/running-windows-server-2003-on-microsoft-azure それでもあんた、あんなのつかうつもりかい?

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 宇田先生の手順をベースに • 宇田先生のブログにある手順は、Hyper-V上のVMがベース • 今回はVMwareベースのVMに対してAzure移行を実施 • は?SiteRecovery使えば行けるんじゃね?って? だから、うごかねーっ つってんの! はい、マジにジョブが動いてくれません。 理由は後述します

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 必要なもの • Azure VM:1台 • Azure Blob Storage:1つ • VNET:1つ • NSG:1つ • サブネット:1つ(NSGと関連付けるとよいかも) • V2Vコンバーター • VMware基盤:1セット • Hyper-V基盤:1セット • あの子を:1セット・・・・そう、2003と名のつくあの子よ・・

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 全体的な流れ ディスクイメージ エクスポート ディスク形式変換 Hyper-V上で 起動  仮想マシンイメージとして、OVFテンプレートでExport  OVFだとVMDKファイルは別だしで出力される  VMDKファイルをVHDへ変換する  今はどうかわからないけど、VHDXはダメだったはず  NICのドライバを装填するため、Hyper-V上で起動、統合 サービスをインストールする  Hyper-V上で起動したVMじゃないと、統合サービスイン ストーラが動作しない。  Azure上のVMはHyper-Vベースで動作する

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 全体的な流れ ページBLOBとして アップロード マネージドディスク 変換  Azure Storage ExplorerでページBLOBとしてアップロード  ExpressRouteを組まない限りインターネットを経由  アップロードは1Gbpsフレッツ回線だと300Mbps程度出 て結構あっさりアップロードできた  ページBLOBをマネージドディスクへ変換する  Azure VMを作成、これに変換したマネージドディスクをア タッチしてOSを起動する。たぶん、起動する。 たぶん、動く きこえる、きこえるぞ!悪魔の胎動が!!

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 はい、うごきました。 大抵のデバイスはほぼ認識していた (ある意味・・懐かしい)

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 キヲツケテネ・・・  今のところまともな動作が確認できたのはStarwind V2V Converter  MS製コンバータ(MVMC)は古くてあまり使えない  Azure Storageがクラシック形式に制限されている  VMFS6は認識できない・・・など コンバータ IPアドレスは 変わる Hyper-V必須  VMDKをVHDに変換しただけでは、NICドライバがない  Azure VMにおいてネットワーク通信は生命線  ネットワーク通信できないVMはタダのゴミだ・・・・  IPアドレスは絶対変わるぐらいの気構えで・・  どーしても変えたくない!という時は以下の対策を  あらかじめ既存と同じIPアドレス体系を構成  あらかじめネットワークインタフェースを構成  静的プライベートIPアドレスを設定  作成したVMへ手動アタッチを ドウナッテモシラナイヨ・・

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 くるしみはいつまでもつづくよ • Azure VM Agent、動きません! • Azure Site Recoveryが動かない理由はこれです。 • Azure Backupも当然動きません。 • SecurityCenter/LogAnalyticsも多分動きません。 • デバイス構成が変わりますので・・・・ • 再アクティベーションを求められることがあります • アクティベーションはSSLを経由してMicrosoftと通信します • MicrosoftはもうTLS1.2しか許してくれません • ・・・・・電話アクティベーションが必要となる可能性があります これ、地味に です

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 徐々に詰んでいくバックアップ • サードパーティの製品でイメージバックアップしたら? • 光学ドライブにどう装填するの? • オペレーションはパパっとできるの? • 復旧OSを使ったらネットワークつながんなくなるから何もできないけ どいいの・・・? • 仮想化バックアップ製品使えばいいんじゃないの? • どうやって仮想化ホストを制御するの・・・・・・? そう、実は意外にも、 現行のバックアップアーキテクチャが動かせないという問題が辛い どうしたらいいか・・・実は多分レガシー中年おじさんが知っている

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 できる数少ないこと • 電源のオン・オフ・シャットダウン • 基本メトリック監視(CPU/メモリ/ディスク等のメトリック監視) • ネットワークとの通信 • まいくろそふとあっぷでーと(httpベースの昔のやつ) 監視はオンプレで やれ アンチウイルスも オンプレでやれ 外部公開するな、 やめろ ドライバがうまく動か ん?あきらめろ

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BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 まとめ • レガシーなOS,実は動かそうと思えば動かせる • その手順はステップも多く、かなりめんどくさい • あぢゅーるの連携はほとんど皆無といってよい • 意外とクラウドの仮想マシンって不自由 事情とコストを秤にかけて熟慮の上でやるように • プレミアサポート&カスタムサポート契約なければ「絶対やらない」ぐ らいの強い意志を持って対応を • こうしたケースの最善解は壱拾年保証ハードウェア をベースにしたオン・プレミス構成なんだよ マジで