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少し肝の冷える話
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YuYu
November 22, 2019
Technology
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少し肝の冷える話
ヒヤリハットでも、障害事例でもありません。
でもそれに匹敵する辛いお話をさせてもらおうかと思います。
ふくあず night #2の発表作品
YuYu
November 22, 2019
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Transcript
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 少しキモの冷えるお話 2019年11月某日 BLUECORE.NET管理人 localYouser / Yuichi Tominaga
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 このスライド書いちやつたおぢさん 冨永 勇一(とみーさん、ろーかるさん などとよばれる) (株)インターネットイニシアティブ 九州支社 技術部所属 2016年までMr.Onpremiseとしてクラウドに抗うも、2018年ごろから徐々にクラウドか
ら逃げられなくなり、Azureをやりこむようになった人 現在は難病(重症筋無力症)を患うも、あれこれ工夫しながら技術支援を中心とした 活動をしつついろんな案件推進を実施中。筋無力症患者会会員やってます。 技術ブログをやってます。(闘病日記も兼ねてます) https://www.bluecore.net Facebook/Twitter/Fediverseなど、SNS活動もぼちぼちやって ます。SNSサーバを動かしていたりもします。
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 秋になりましたね。紅葉のきれいな季節です。 そんな日においても、我々Sierは常々肝を冷 やしながら生きています。
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 キモの冷える話・・・ こんかいは Windows Server 2003 と言う旧いOSを Azureへ持っていけるか?というお話
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 当然、エンジニアたちはこう叫びます。 お代官様、それだけは なにとぞかんべんを・・ しかし、そうは問屋がおろしません お客様にもいろーんな事情があるそうです エンジニアはあれやこれや理由をつけて回避しようとしますが・・・ Windows Server
2003!?あの子は、あの子はこの世にはいないはずよ! 死亡日:2015年7月14日 享年:壱拾弐歳(死因:老衰)
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 しかし実は • Windows Server 2003をAzureに持ってきてはいけないという明示 的な禁止事項はない • が、基本的には「くるな!くるんじゃねぇ!」と個人的に思って
らっしゃる方はそこそこいらっしゃる・・・が、動かすことそれ自体は許さ れる 宇田周平さんのブログサイト https://www.syuheiuda.com/?p=4763
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 また、実は・・・なのだが。 • カスタムサポート契約があれば、一応限定的なサポートは受けられ る • 所謂partial supportと言う奴。 •
前提としてpremierサポートの契約が必要 これ自体がコスト大 • Market Placeではイメージは提供されない • 独自にイメージを準備する必要がある 参考: https://support.microsoft.com/ja-jp/help/3206074/running-windows-server-2003-on-microsoft-azure それでもあんた、あんなのつかうつもりかい?
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 宇田先生の手順をベースに • 宇田先生のブログにある手順は、Hyper-V上のVMがベース • 今回はVMwareベースのVMに対してAzure移行を実施 • は?SiteRecovery使えば行けるんじゃね?って? だから、うごかねーっ
つってんの! はい、マジにジョブが動いてくれません。 理由は後述します
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 必要なもの • Azure VM:1台 • Azure Blob Storage:1つ
• VNET:1つ • NSG:1つ • サブネット:1つ(NSGと関連付けるとよいかも) • V2Vコンバーター • VMware基盤:1セット • Hyper-V基盤:1セット • あの子を:1セット・・・・そう、2003と名のつくあの子よ・・
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 全体的な流れ ディスクイメージ エクスポート ディスク形式変換 Hyper-V上で 起動 仮想マシンイメージとして、OVFテンプレートでExport
OVFだとVMDKファイルは別だしで出力される VMDKファイルをVHDへ変換する 今はどうかわからないけど、VHDXはダメだったはず NICのドライバを装填するため、Hyper-V上で起動、統合 サービスをインストールする Hyper-V上で起動したVMじゃないと、統合サービスイン ストーラが動作しない。 Azure上のVMはHyper-Vベースで動作する
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 全体的な流れ ページBLOBとして アップロード マネージドディスク 変換 Azure Storage
ExplorerでページBLOBとしてアップロード ExpressRouteを組まない限りインターネットを経由 アップロードは1Gbpsフレッツ回線だと300Mbps程度出 て結構あっさりアップロードできた ページBLOBをマネージドディスクへ変換する Azure VMを作成、これに変換したマネージドディスクをア タッチしてOSを起動する。たぶん、起動する。 たぶん、動く きこえる、きこえるぞ!悪魔の胎動が!!
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 はい、うごきました。 大抵のデバイスはほぼ認識していた (ある意味・・懐かしい)
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 キヲツケテネ・・・ 今のところまともな動作が確認できたのはStarwind V2V Converter MS製コンバータ(MVMC)は古くてあまり使えない
Azure Storageがクラシック形式に制限されている VMFS6は認識できない・・・など コンバータ IPアドレスは 変わる Hyper-V必須 VMDKをVHDに変換しただけでは、NICドライバがない Azure VMにおいてネットワーク通信は生命線 ネットワーク通信できないVMはタダのゴミだ・・・・ IPアドレスは絶対変わるぐらいの気構えで・・ どーしても変えたくない!という時は以下の対策を あらかじめ既存と同じIPアドレス体系を構成 あらかじめネットワークインタフェースを構成 静的プライベートIPアドレスを設定 作成したVMへ手動アタッチを ドウナッテモシラナイヨ・・
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 くるしみはいつまでもつづくよ • Azure VM Agent、動きません! • Azure Site
Recoveryが動かない理由はこれです。 • Azure Backupも当然動きません。 • SecurityCenter/LogAnalyticsも多分動きません。 • デバイス構成が変わりますので・・・・ • 再アクティベーションを求められることがあります • アクティベーションはSSLを経由してMicrosoftと通信します • MicrosoftはもうTLS1.2しか許してくれません • ・・・・・電話アクティベーションが必要となる可能性があります これ、地味に です
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 徐々に詰んでいくバックアップ • サードパーティの製品でイメージバックアップしたら? • 光学ドライブにどう装填するの? • オペレーションはパパっとできるの? •
復旧OSを使ったらネットワークつながんなくなるから何もできないけ どいいの・・・? • 仮想化バックアップ製品使えばいいんじゃないの? • どうやって仮想化ホストを制御するの・・・・・・? そう、実は意外にも、 現行のバックアップアーキテクチャが動かせないという問題が辛い どうしたらいいか・・・実は多分レガシー中年おじさんが知っている
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 できる数少ないこと • 電源のオン・オフ・シャットダウン • 基本メトリック監視(CPU/メモリ/ディスク等のメトリック監視) • ネットワークとの通信 •
まいくろそふとあっぷでーと(httpベースの昔のやつ) 監視はオンプレで やれ アンチウイルスも オンプレでやれ 外部公開するな、 やめろ ドライバがうまく動か ん?あきらめろ
BLUECORE.NET 趣味で自宅ITインフラを組んで遊んでいるものだ。 まとめ • レガシーなOS,実は動かそうと思えば動かせる • その手順はステップも多く、かなりめんどくさい • あぢゅーるの連携はほとんど皆無といってよい •
意外とクラウドの仮想マシンって不自由 事情とコストを秤にかけて熟慮の上でやるように • プレミアサポート&カスタムサポート契約なければ「絶対やらない」ぐ らいの強い意志を持って対応を • こうしたケースの最善解は壱拾年保証ハードウェア をベースにしたオン・プレミス構成なんだよ マジで