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上流設計の成果物として モデルのみを納品した話 2022.9.15 設計モデリングLT会 vol.4 miure https://m-miura.jp/

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発表概要 ● 対話型モデリングによる上流設計のためのフレームワークを提案し、 それを効果的に実践することのできるツールも提供・開発しています。 ● 提案手法を地域企業によるシステム開発に適用し、完全にモデルベース な上流設計を実現した。その様子と成果を具体的に紹介する。

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発表の流れ ● 自己紹介 ● アプローチ ● 実践例の紹介 ● モデル&ツールデモ ● 担当者の声 謝辞 実践例・モデル・画面の公開にご快諾を頂くなど、 株式会社中海テレビ放送様に多大なご協力を頂き ました。ここに記して謝意を示します。

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Copyright levii Inc. All rights reserved. 自己紹介 三浦 政司 (みうら まさし) JAXA宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 准教授 深宇宙探査技術実証機(DESTINY+)プロジェクトチーム 株式会社レヴィ 共同創業者/システムデザイン研究所所長 専門分野 ● 制御工学  :分散協調制御、飛翔体誘導制御 ● システム工学:システム設計論、システムモデリング ● 工学教育  :PBL型工学教育 好きなこと ● 蟻コロニーの飼育 ● 自転車 ● コミック m-miura.jp 2024年打上予定 DESTINY+

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機会があったら話したいこと(呼ばれるの待ち ● 蟻コロニーの創設と飼育          <- https://r.m-miura.jp/ants/ ● 自然言語処理技術の無駄遣い        <- https://note.com/miure ⇨「異世界転生あるあるを導出」「ネット上の怖い話を分類」など  ● 木材腐朽菌のエージェントシミュレーション <- https://bit.ly/fimas2021 ● 人工知能鹿肉品質判定器「ジビエーアイ」  <- https://r.m-miura.jp/gibierai/ ● ロケット工学、宇宙開発、分散協調制御の話 システム 我が家で生まれたアリ 自然言語処理で 異世界転生あるあるを導出 木材腐朽菌 種間競争 MAS

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アプローチ

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アプローチ:対話型モデリングによる上流設計 1. 視点をわける 2. システムモデルで対話する 3. 視点をつなげる 運用 フロー 機能 構造 運用フローを実現する のに必要十分な機能が 挙げられているか? (整合性観点)

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1. 視点をわける 2. システムモデルで対話する 3. 視点をつなげる 運用 フロー 機能 構造 運用フローを実現する のに必要十分な機能が 挙げられているか? (整合性観点) モデルを描くための前提 モデルを描きながら対話することで 合意できる(ちょうどいい) 要求・アーキテクチャを探す モデルを描きながら対話 するときの注意点 アプローチ:対話型モデリングによる上流設計

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機能 物理 運用 抽象度高 抽象度低 抽象度が高過ぎるとこ ろで合意しても、 認識がずれる 抽象度が低すぎると 合意がとれない 合意の難しさ:「ちょうどいい」が分からない どのような視点で理解・共有すればよいか?

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機能 物理 運用 抽象度高 抽象度低 どのような視点が必要か? どの抽象度で表現するか? 探索する必要がある! 合意の難しさ:「ちょうどいい」が分からない

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システミング® ● 誰でも対話型モデリングを上手に実践できることを目指して 構築したシステムデザインのためのフレームワーク ● 基本的な考え方をまとめたガイドブックを配布中 株式会社レヴィのWebサイトにてガイドブックを無料配布中:levii.co.jp

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システミングを効果的に実践できるツール:Balus® ● オンラインで対話しながら協働的にモデリング ● 簡単な操作で素早くビュー(視点)と システムモデルを作成 ● ビューやモデルを手軽に再利用 ● 適度な形式ルールによる柔軟なモデリング ● 豊富なコミュニケーション機能

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実践例

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紹介事例:株式会社中海テレビ放送によるシステム開発 ● 本社:鳥取県米子市 ● 鳥取県西部をエリアとするケーブルテレビ局 ● 電力小売事業を展開する地域新電力事業者でもある 今回紹介する事例の開発対象システム ● 新サービス「オール電化プラン」の お申込み受付システム ● 「誰でも簡単にお申込みができる」 を目指してLINEと連携 ● 新プランでどれだけお得になるか、 電気料金をシミュレーション https://www.chukai.co.jp/

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開発の流れ 対話型モデリングによる上流設計 ● 要求ヒアリング、要求定義 ● アーキテクチャ設計 モデルを中心に置いた実装フェーズ ● 詳細設計 ● 実装 上流設計の成果物としてモデルを納品 リリース・運用 レヴィ 中海テレビ 地域のベンダ 中海テレビ レヴィ モデルで対話 モデルで対話 開発支援

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上流設計で構築したモデル

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対話型上流設計の様子

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Balusの画面を見ながら モデリング結果を紹介します

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業務フロー(全体)

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業務フロー(特定のシナリオ)

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ユースケース

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状態遷移

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画面コンポーネント

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結果

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完成したシステムの画面(一部)

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完成したシステムの画面(一部)

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完成したシステムの画面(一部) 完成したシステムは順調に運用されている

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担当者の声 インタビュー回答者: 株式会社中海テレビ放送 営業部営業二課課長 森 龍一さん 「発注する側」も設計に参加して欲しいシステムのあり方を伝えることができまし た。そのおかげで、手戻りらしい手戻りや関係者間の認識違いがほとんどなくて、 計画通りに開発を進めることができました。 いつもは認識を合わせるためにドキュメントをたくさん書くことが多いのですが、 今回はその手間が減りました。いつもと違って「1件のプロジェクトにかかりっきり になっている」という状態になりませんでした。 それだけ効率的に進めることができたということですね。

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担当者の声 いつもは運用を開始してからたくさんの質問や要望が来て業務負荷になることも あるのですが、今回はほとんどありません。 システムの運用に関わるたくさんのメンバーが設計に参加できたことが 良かったのかなと思っています。ドキュメントだけだと設計に関する会話に参加で きませんからね。 時間が経ってからでも設計の意図が分かるというところがいいですね。私も一緒 につくった図なので、後から見ても設計の意図や意思決定の理由が分かります。 機能追加などを行う際に役に立ちそうです。 インタビュー結果については https://levii.co.jp/cases/21/ に詳しく掲載しています

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実践例のまとめ ● 中海テレビさんによる新サービス申込み受付システムの開発において Balusを用いた対話型モデリングを実践した。 ● 納品物がモデルのみという形の完全にモデルベースな上流設計を実現した。 ● 実装フェーズにおいても、モデルを中心にしたコミュニケーションによって ベンダ/ユーザが認識を合わせたり、機能や運用を検証したりした。 ● 対話型モデリングにより次のような効果が得られた ■ 特別な訓練を受けたわけではないユーザが設計に参加することができた ■ ユーザ目線の意見を確実に取り入れ、手戻りのない開発を実現した ■ ドキュメントを記述する手間が減り、効率的な開発を実現した ■ 設計意図を理解することのできるモデルが資産として残った (後続の開発や新機能追加などの際に活用できる)

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