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経営者が新規事業を失敗 させてしまう7つの罠 株式会社ソニックガーデン 倉貫義人

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倉貫 義人 株式会社ソニックガーデン代表取締役(創業者) 株式会社クラシコム社外取締役 ● 1974年、京都出身、10歳からプログラミング ● 立命館大学→大学院、学生ベンチャーで働く ● TIS株式会社、デスマ、アジャイル開発の普及 ● 受託開発 → 社内システム → 社内ベンチャー

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動いただけでは価値はない t 損益分岐点 売上開始点 売上 変動費 固定費

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正しく作るだけでは価値はない

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一度作っただけでは価値はない 時間 構築 償却 Point of Use (サービス業の発想) Point of Salse (製造業の発想) 時間 品質 品質

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ソフトウェアのパラダイムシフト ● 絶対バグを出さない → 出してもすぐに直す ● 絶対サーバ落ちない → 落ちてもすぐに復旧 ● 予見的なデータ設計 → データは変わる前提

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新規事業のための組織 ● 開発よりも運用、DevOps、継続性と保守性 ● 完成よりも成果、コストパフォーマンス重視 ● 計画よりも適応、なんでもやる、ルール無用

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社内ベンチャーのMBO ● 低コスト戦略で黒字化、しかし親会社が合併 ● 製品よりチーム、チームを続けていくために ● 株式会社ソニックガーデン設立、MBOの実施

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株式会社ソニックガーデン ● 2011年、TIS社内ベンチャーをMBOして創業 ● 社員36名、システム受託開発・自社サービス 「働きがいのある会社ベストカンパニー」「ホワイト企業アワード」「グレートカン パニーアワード」「テレワークチャレンジ特別奨励賞」

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見積り・要件定義なし ドキュメントなし プロジェクトなし 契約時間なし 納品のない受託開発

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通勤のない働き方 通勤なし 本社オフィスなし 申請・制限なし 勤怠報告なし

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管理のない会社経営 上司・指示命令なし 承認・決裁なし 部署・管理職なし 売上目標・評価なし

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著書

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原理とは 「必ず成功するわけではないが、外れたら必ず失敗するもの」

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起業家が新規事業を 失敗させてしまう7つの罠

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プロダクトオーナーが不 在がち 「熱意と能力のあるリーダーの時間が確保されていること」

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事業のコアをアウトソース しようとする 「起業家の経験こそが事業のコアになる」

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一度やれば成功するとい う謎の自信 「売れるかどうかは顧客・市場が決める」

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現場や顧客にヒアリング いかない 「事業を進めるにはインプットと経験が必要」

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うまくいかない理由を開 発のせいにする 「サービスがよくないと売れない」

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クックパッドの◯◯版が ほしい 「サービスの本質を掴んでいること」

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優先順位を決めない、全 部ほしがる 「やりたいことをする、よりも、できることをする」

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経営者が新規事業を 失敗させてしまう7つの罠

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たくさんの関係者を入れ る 「新規事業に人は足りないくらいがちょうど良い」

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進捗の管理をしっかりと する 「事業として価値を生んでいなければ、進捗はゼロである」

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結果よりも制約を重視さ せる 「あらゆるものを逸脱したとしても、結果を出せば良い」

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既存事業と数字で比較 をする 「どんな事業も最初は小さく始まるものだ」

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新規事業の狙いが他に ある 「企業の思惑を入れてうまくいくほど、新規事業は甘くない」

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ロジカルにリスクを排除 する 「仮説を検証することこそが、新規事業なのだ」

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事業ごとにチームを組み 替える 「継続させたチームの中でいくつも事業に取り組む方が良い」

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新規事業のジレンマ ● はじめる段階で予測はつかない、が、 企業が投資するには事前の見通しが必要 ● 会社員でやるにはリターンが少ない、が、 辞められると企業の新規事業にならない

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ソニックガーデンの部活

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既存事業と新規事業の違い 通常業務 新規事業 問題を解決する 戦術・制約・計画 足し算・積み上げ 再現性・必然性 マーケット・組織 ビジネスモデルが先 理想を実現する 戦略・正論・ビジョン 引き算・逆算 セレンディピティ インサイト・個人 ビジネスモデルが後

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部活 ● 時間の使い方、新規事業は指示・計画は無理 ● 期限なし、予算は部費、失敗OK、技術で遊ぶ ● 会社の時間とお金で、仲間と遊ぶ会社の副業

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部活の意義 ● 投資なし、思いついたらいつでも挑戦できる ● 新規事業の練習として、何度でも挑戦できる ● タイムリミットがないので、長く挑戦できる

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遊ぶように働く ● 楽しい仲間と共に好きな仕事を長く続けたい ● お金を稼ぎすぎるより、人生の時間を大切に ● 働く時間を短くするより、働く時間を楽しく

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納品のない受託開発

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新しいITのビジネス ● 小さく始めて大きく育てる、終わりなく続く ● 要件定義よりも、日々の変化で改修を続ける ● ユーザのフィードバックからグロースハック

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改めて受託開発の問題 ● 発注者と受注者のゴールの違い、不幸の元凶 ● 要件定義どおりに完成する使えないシステム ● 一括請負における圧倒的な費用対効果の悪さ

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納品のない受託開発 ● 月額定額で、開発と運用をずっと続けていく ● 顧問として、一人ですべての工程を担当する ● 働く時間でなく、働いた成果を提供する契約

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お客さまは何が嬉しいか ● 要件定義は要らない、仕様変更し放題できる ● 営業を介さずにプログラマと直接相談できる ● 作らない提案がもらえる、気軽に相談できる

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フィットするニーズ ● 内製するのは、開発者の採用と育成が難しい ● SIerに発注するのは、柔軟性が低くて高価格 ● フリーランスに頼むのは、いなくなるリスク

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著書