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© 2020 Adobe. All Rights Reserved. Adobe Colorではじめる UIのカラーユニバーサルデザイン 伊賀 公一 | NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構 副理事長 伊原 力也 | freee UXデザイナー

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人間の色覚の多様性に対応した
 配色デザインの必要性と
 アドビのアクセシビリティツール
 CUDO 伊賀 公一


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色とはある帯域の電磁波を眼で電気に変換し、脳が感じている感覚 


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多くの人は赤緑青の3色とその混合ですべての色を表現できる 


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3色で表現できる理由は眼の中に3種の光センサーがあるから 


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4 Color Vision
 RH2 SWS1 SWS2 LWS
 2 Color Vision
 SWS1 LWS 
 何種のセンサーが眼にあるか 


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3Color Vision 
 SWS1 LWS(M) LWS(L) 
 2 Color Vision
 P SWS1 LWS(M)
 D SWS1 LWS(L) 
 Human color vision Evolution


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No content

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No content

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過去の少数派の色覚型に対する扱い
 ・小学校の色覚検査で判明(1922年〜
 ・就職や進学に過大な制限があった(現在はほとんど廃止)
 ・自覚もないため、カミングアウトしない
 ・色に対する話題を避ける。
 ・自分の色感に誇りを持てない


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色と情報デザイン
 ・かつては情報デザインの配色は少なかった
 ・より多くの情報を
 ・より正確に
 ・より早く 伝えるために配色が有効活用されている
 ・色弱者が発生している


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色弱者は
 ・各個人に対して医学的な治療ができないか
    人類の進化の結果生まれた色覚の多様性は治療できない
    2色覚を3色覚にするような補正めがねは理論的に不可能
 ・ユニバーサルデザインで社会が対応する
    利用者に多様な色覚の人がいることを想定して配色する
    当事者に聞く(精度が高い・ハードルが高め)
    色覚シミュレーション(精度は低い・ハードルが低い)


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No content

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Color Vision Simulator


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色覚シミュレーションの誤った使い方 


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元画像
 
 
 Adobe PS
 
 
 Stark XD
 
 
 Stark Scketch
 Reliability of Color vision Simulator


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Color name problem


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Color Name
 ● White
 ● Black
 ● Red
 ● Blue
 ● Yellow
 ● Green
 ● Purple Violet
 ● Gray ……...


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困ること
 ・理解されてない/自覚もない
     白黒だと思われている →白黒ではない
     1万人に1人くらいだと思われている→男性10〜20人に1人
 ・見分けやすい色が違う
     色を微調整すれば判別できる
 ・色の名前でやりとりできない
     半分くらいは当たる


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Social Rule
 JIS safety color Z9103 (2018)
 JIS安全色普及委員会web www.safetycolor.jp 


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問題点の再分析
 ・背景の上の文字が色覚型によって読めない
 ・強調された部分が感じられない
 ・色分けされた分類が伝わらない
 ・色の名前が伝わらない
 ・分かり易い色に微調整する
 
 ・色名を追記する


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まとめ
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多様な色覚とAdobe アクセシビリティツール
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 ● 人類の色覚は進化の結果多様性がある
 ● 少数派の色覚型は世界に2—3億人いる
 ● 医学的な治療ではなく社会が共生のために対応すべき
 ● 情報デザインには多様な色覚に対応した配色のユニバーサルデザイン=CUDが 必要
 ● 色に変えての文字追記や形状変化だけでは情報の不公平が起こる
 ● デザイナーはシミュレータなどを使用して色の微調整を行うと良い


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誰もが自分の色の見え方に誇りを持てる社会に
 thank you
 Koichi Iga
 
 facebook.com/koichi.iga


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多くの人が見分けられる
 UIデザインのプロセス
 freee 伊原 力也


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多くの人が見分けられるUIデザインのプロセス
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 ● アクセシブルな色づかいの 3 段階
 ● チェックと調整の 5 アプローチ
 ● 抽象から具体への 5 ステップ


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アクセシブルな色づかいの3段階
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アクセシブルな色づかいの3段階
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 1. 色以外でも伝達する
 2. コントラストを確保する
 3. 色覚多様性に対応する


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1. 色以外でも伝達する
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 『デザイニングWebアクセシビリティ』より


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1. 色以外でも伝達する
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 『デザイニングWebアクセシビリティ』より


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1. 色以外でも伝達する
 『patternomaly』より


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2. コントラストを確保する
 『デザイニングWebアクセシビリティ』より
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2. コントラストを確保する
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 『達成基準 1.4.11: 非テキストのコントラストを理解する』より


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2. コントラストを確保する
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 日本語
 アルファベット
 UIや図版
 3:1以上
 ● 30px以上のテキスト 
 ● 24px以上の太字
 ● 24px以上のテキスト 
 ● 19px以上の太字
 ● 背景色や隣接色との差異 
 ● 隣接色との境界線
 ● フォーカスや選択を
 色で示すときの差異 
 4.5:1以上
 上記未満の
 サイズのテキスト
 上記未満の
 サイズのテキスト
 (規定なし)
 『達成基準 1.4.3: コントラスト (最低限)を理解する』および『達成基準 1.4.11: 非テキストのコントラストを理解する』より


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3. 色覚多様性に対応する
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 『東京都カラーユニバーサルデザインガイドライン』より


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チェックと調整の5アプローチ
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チェックと調整の5アプローチ
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 チェック
 調整補助
 色以外で伝達
 ● Stark
 ● Photoshop
 (なし)
 コントラスト
 ● Stark
 ● contrast.app
 ● Contrast Finder
 ● Color Safe
 色覚多様性
 ● (Stark) ● Photoshop
 ● Adobe Color


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色以外で伝達:チェック
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 チェック:Stark (Pro)

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コントラスト:チェックと調整
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 チェック:Stark (Pro) 調整補助:Contrast Finder

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色覚多様性:チェックと調整
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 チェック:Photoshop 調整補助:Adobe Color

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抽象から具体への5ステップ
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抽象から具体への5ステップ
 ムードボード
 カラーパレット
 スタイルタイル
 コンポーネント
 画面デザイン
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ムードボード+カラーパレット原案
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アクセシビリティツールで競合回避
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OKなら保存
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XDからカラーテーマ呼び出し
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スタイルタイル
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スタイルタイル:色以外で伝達をチェック
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スタイルタイル:コントラストをチェック
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スタイルタイル:コントラストを調整
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スタイルタイル:色覚多様性をチェック
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スタイルタイル:色覚多様性をチェック
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スタイルタイル:色覚多様性に対応する調整
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Contrast Grid でパターン出し
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 『Eightshapes Contrast Grid』より


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UIコンポーネント
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画面デザイン
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根本の段階から意識しておく
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 ● UI検討の初期段階でチェック&調整しておくことで軸をつくる
 ● Contrast Grid で把握しつつUIパターンを増やし、色を展開する
 ※展開しきってから調整を行うとバランス取りに苦労する
 ● 一品物のUIや図版があるケースでは個別にチェック&調整を行う
 ● 検証済のパターンのみ使うよう留意&周知する
 ※置き方次第で、コントラストもCUDも、容易にNGになり得る


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検証済のパターンのみ使うよう留意&周知する
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すでにある画面から改善するには
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逆流して整理する
 ムードボード
 カラーパレット
 スタイルタイル
 コンポーネント
 画面デザイン
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逆流して整理する
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 1. 既存の色を収集してグループ分けする
 2. 構成要素を特定する(重複を整理する)
 3. パターンを定義する
 4. アクセシブルな色に調整する
 『Design Systems』より


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既存の色を収集してグループ分けする
 『Color Audit』より


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既存の色を収集してグループ分けする
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 ● 様々なテキストのタイプと階層構造
 (本文、見出し、ブロック引用)を表示する
 ● リンクと行為(要となるCTA、補足CTA、リンク)を強調表示する
 ● メッセージに注意を引く、メッセージに違いをつける(確認、警告)
 ● コンテンツを区切る、または強調する(背景、境界線)
 ● データのタイプを区別する(表、グラフ内)
 『Design Systems』より


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人の目でチェックしよう
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東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト
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 『東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト』より


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東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト
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 『チャートのカラーをアクセシビリティを考慮した色へ変更する #1172』より


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東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト
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 『チャートのカラーについての再考、パターンの提案、アンケート作成を行う #2364』より


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board:CUD対応
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 『多様な色覚に配慮したカラーユニバーサルデザイン(CUD)に対応しました』より


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フェンリル:弱視当事者を交えたワークショップ
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 『新卒社員がアクセシビリティ勉強会に参加して感じたこと』より


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freee:色覚多様性レビュー会
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 『freeeアクセシビリティー・ガイドラインを一般公開しました』より


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まとめ
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多くの人が見分けられるUIデザインのプロセス
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 ● アクセシブルな色づかいの3段階:色以外で伝達→コントラスト→色覚対応
 ● チェックと調整の5アプローチ:シミュレータと調整ツールを併用
 ● 抽象から具体への5ステップ:根本から対応する&ルールを周知する
 ● すでにある画面から改善するには:現状を収集して整理する
 ● 人の目でチェックしよう:結局、伝わるかどうかが大事


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