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OKR基本のキ OKR導入に向けたOKR解説資料

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私とOKR ● OKRは、Googleやメルカリなどの企業で一定の成功を収めており、 僕自身マネジメントする中で目標管理手法としてかねてより注目し ていた手法 ○ 私「MBOは自由度が高すぎ、もう少し型化したい」 ○ ↑この思いに応える手法としてOKRに着目したのがきっかけ ● 免責事項:一通りOKR基本知識については知っているが、OKRの実 運用をガッツリ経験しているわけではない(のであまり実践的な話 はできないかも...)

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● OKRとは目標管理のフレームワーク。 ○ 組織・チーム・個人が同じ方向を向き、全力で業務に取り組み やすくするためのフレームワーク。 ● Objective と Key Result の2つからなる。 ○ Objective: 目標 ○ Key Result: 目標の達成度を計る指標 OKRとは

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既存の概念との違い

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MBO vs OKR 出展: OKRとは? 【Googleが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い - カオナビ人事用語集

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MBO vs OKR 高頻度・定期的に 進捗チェック 人事評価目的ではない 全社で目標が リンク(関連)する 明確なKey Result指標 により成果を測定 ストレッチ目標 ✅ POINT 出展: OKRとは? 【Googleが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い - カオナビ人事用語集

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OKRは関連する(OKRツリー) 出展: OKRとは? 【Googleが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い - カオナビ人事用語集

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OKRは関連する(OKRツリー) 出展: OKRとは? 【Googleが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い - カオナビ人事用語集 すべては このObjective の達成のため!!! 全社で共有!! 会社Objective 達成のための 部門目標

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OKR vs KPI 出展: OKRとKPIの違いとは?自社に合う目標管理手法を選ぶヒント

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OKR vs KPI 出発点は 事業! 出発点は 目標! 出展: OKRとKPIの違いとは?自社に合う目標管理手法を選ぶヒント 事業の進捗の計測のため 目標の達成度の可視化のため

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Why OKR?

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なぜOKR? ● 会社の目標と部署の目標は関連しているか? ● 部署の目標の達成は会社の目標の達成に接続するか? ● 同じ部署にいるわれわれは同じ目線で一緒に働けているか? ● 会社と部署は同じ目標に向かっているのか?

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❌ AS IS ○ TO BE 開発部 会社 壁 会社 開発部目標 開発部 会社目標 営業部,マーケ部 etc. 開発部目標 会社目標 X部目標

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OKRとは何か?

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● 1970年代 インテル元CEOのアンドリュー・グローブによって考案 ● 2000年代初頭 GoogleがOKRを導入 ● 2000年代中頃〜 Googleの成功を受けて LinkedIn、Twitter、Uber など名だたる米国テック企業もOKRを導入 ● 2010年代中頃 日本企業でもOKR導入事例が出始める(メルカリ ・SanSanなど) ✅ OKRの火付け役でもあるGoogleがOKRドキュメントをまとめてくれ ているのでそれを読めば大体OKRの基本はOK。 OKRの歴史

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● 「我々は何を目指したいのか?」 ○ この問いに対する答えが、目標(Objective) ● 「目標までの到達度をどのように測ればよいか?」 ○ この問いに対する答えが、成果指標(Key Result) OKRとは 参考:アンドリュー・S・グローブ著『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』 

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● OKR を 0.0~1.0(0〜100%)の数値で評価 ● OKRでは目標の60~70%の達成率が理想 ○ 逆に達成率が100%の場合、そのOKRの設定レベルは不適切で、 もっと野心的な目標を立てる必要がある ● OKRは組織の全員に公開して、誰もがお互いの作業状況を確認でき るように ✅ 基本はストレッチ目標を設定し、OKRを組織全体に公開せよ。 OKRのキホン

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Objective & Key Results

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● 目標は若干気後れするくらいの高いレベルに設定することが推奨さ れる = ストレッチゴールの設定 ○ 「ムーンショット」と言える目標を目指す(ワクワク感) ● 目標の数は3~5つに絞る ○ 目標が多すぎると気が散って集中できなくなる ● 具体的、客観的、かつ明確な言葉を使用する ○ ふわっとした曖昧な言葉は使わない ○ 󰢃NG例「業界No.1のリーディングカンパニーになる」 ■ 何か言っているようで何も言っていない Objectiveの特徴

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● 󰢃NG例:<現状維持>となるような表現は使わない ○ 「採用を続ける」 ○ 「市場での地位を維持する」 ○ 「◯◯を継続する」など ● 󰢏OK例:到達点や状態を示す表現を使用する ○ 「山を登る」 ○ 「パイを5つ食べる」 ○ 「✕✕をリリースする」など Objective設定のコツ

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● 1 つの目標につき、成果指標を3つほど設定する ○ Objective同様、少ない数にフォーカスすることが大事 ● 成果指標は、数値化して測定し、簡単に評価できるようにする ● 計測可能で、実現すれば目標達成に直接結びつくことがわかるよう な指標にする Key Resultsの特徴

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● 行動ではなく、行動の成果を定義 ○ 󰢃NG例:「顧客満足度を評価する」 ○ 󰢏OK例:「◯月✕日までに顧客満足度を公表する」 ● 計測可能な指標には、完遂の証拠を含める ○ 証拠は、入手可能で、信頼性があり、容易に見つけられるもの でなければならない ○ 󰢃NG例:「あるお客さんが「とても満足した」って電話口で 言ってたので顧客満足度は高い」 ○ 󰢏OK例「今期のNPSスコアは◯◯だったので「スコアを✕✕以 上に改善する」という目標は達成できた」 Key Results設定のコツ

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✅ ここまでのまとめ ● 野心的な Objective 3つ程度を設定 ● Objective に紐づく定量的な Key Results 3つ程度を設定 ● Key Result は数値化して測定し簡単に評価できるようにする

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● 最初に組織全体のOKRを決定 ○ 組織を何階層に分けてOKR設定すべきかも決める ● 各チーム(& 個人)のOKRを決定 ○ チームOKRは組織OKRの少なくとも1つに関係させる ● 組織全体の OKR に整合性を保つ ○ ref. OKRツリー OKRの決め方

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OKRスケジュール ● 四半期毎にOKRを更新する ● 期中にOKRを再検討・調整するのはOK

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OKR 注意点

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● OKRは従業員を評価するためのツールではない ○ 󰢃NG例「人事評価をしやすくするためにOKRを導入します!」 ● OKRは社内共有のタスク管理ツールではない ○ 󰢃NG例「OKRでタスク管理します!」 ○ 具体的なタスクではなく、抽象度の高い目標 OKRの注意点

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● OKR”だけ”で人事評価は行わない ○ 評価の参考にするのはアリだと思う ● 高すぎる目標、低すぎる目標 ○ 低すぎる目標はパフォーマンスを最大限に引き出せない ○ 高すぎる目標は「どうせ達成無理だし...」とやる気を削ぐ ● トップ・マネジメント層がOKRにコミットせず、現場に丸投げ ○ そこにコミットメントがないとOKR制度が形骸化する OKR運用アンチパターン

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OKRワークショップ

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1. Objective の決定 (2時間) ○ (個人)Objective の案出し ○ (グループ)Objective の選定 2. それぞれの Objectives に対応する Key Result の決定(2時間) ○ (個人)Key Result の案出し ○ (グループ)Key Result の選定 ワークショップ:OKRを考えよう

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● ワークショップ後に、右の OKRシートが埋まっている 状態を目指す 成果物のイメージ

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作成したOKRをチェックしよう! ✓ チームのObjectiveが組織の成果指標のいずれかにつながっている か? ✓ チームのObjectiveにより組織のOKRを達成する可能性が高まる か? ✓ チーム外の人からこのチームが取り組むべきと思われている事項は 抜けていないか? ✓ Objectiveは3つ以上あるか? ✓ Objective1つにつきKey Resultは3つ以上あるか? 参考:OKRチェックリスト

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● Google re:Work - ガイド: OKRを設定する ● OKRとは? 【Googleが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い - カオナビ人事用語集 ● OKRとは?意味やKPIとの違い、具体例、企業事例などを解説 | NEC ソリューションイノベータ ● アジャイルな開発組織のOKRベストプラクティス&アンチパターン ● OKR運用失敗の3つの理由―、なぜ高すぎる目標が逆効果になるのか | Coral Capital ● 「OKR導入に失敗」OKRと日本企業の相性が悪い3つの理由 参考資料

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参考書籍 ● ジョン・ドーア (2018)『Measure What Matters: 伝説のベン チャー投資家がGoogleに教えた成功手法OKR』日経BPM ● クリスティーナ・ウォドキー(2018)『OKR(オーケーアール) シリコ ンバレー式で大胆な目標を達成する方法』日経BP

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Appendix

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● OKR x 評価を語るとよく「OKRを評価に使うな」警察が出現する👮 ○ これは半分正解で半分間違いだと思う ● OKRの結果をそのまま人事評価に反映させるのが間違いであり、人 事評価に一部使うのは問題ないと考える ○ OKRは当期最もフォーカスしたいことであり、そこにチームは 全力で取り組んでいるわけだから、何らかの形で評価に入って くるのは自然な流れに思う ● Googleも一部使っている(使っていた?)という記述がある “ラズロ・ボックによると、グーグルではOKRが評定に締める割合は3分の1以下だ” ― ジョン・ドーア著『Measure What Matters』 OKRと人事評価

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OKRとワクワク感 「ムーンショット」と呼べるような、組織・チームの皆がワクワクする 目標を設定することが大事 “Oは従業員が毎朝、わくわくしながらベッドから飛び出すようなものにしよう。” ― クリスティーナ・ウォドキー著『OKR』 “グーグルを前進させているのは、ムーンショット文化だ。とんでもなく野心的なこと を実現するのはとんでもなく大変だ(中略)測定可能な目標を毎年設定し、四半期単 位に問題を分解していくと、ムーンショットが実現可能なことになっていく。” ― ジョン・ドーア著『Measure What Matters』

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コミット目標とストレッチ目標 Objective カテゴリ 説明 達成度 期待値 具体例 コミット目標 組織として必ず達成すると決め、確 実に達成されるようにスケジュール やリソースを積極的に調整する目 標。 100% ・重要プロダクトのリリース ・重要機能のリリース ストレッチ目標 (野心的目標) 壮大なビジョンを実現するための野 心的な目標。チームの業務遂行能力 を超えるくらいの背伸びした目標と なる。 70%以上 ・2040年までに世界からマラ リアを撲滅 ・YouTubeユーザーの一日あ たり総視聴時間を10億時間へ ・Chromeのアクティブユー ザー数2000万人 ジョン・ドーア著『Measure What Matters』の情報を元に作成

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質の高いOKR設定例 悪い 普通 良い Objective カーレースのインディ500で優勝する Key Results ・ラップスピードを速 くする ・ピットストップの時 間を短縮 ・平均ラップスピードを 2%速くする ・ピットストップの平均 時間を1秒短縮 ・平均ラップスピードを 2%速くする ・風洞試験を10回実施 ・ピットストップの平均時 間を1秒短縮 ・ピットストップのエラー を50%減らす ・ピットストップを毎日1 時間練習する ジョン・ドーア著『Measure What Matters』の情報を元に作成

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健全性指標 ● 健全性指標とは:OKRとは別にモニタリングし続けるべき重要な指 標のこと ● 目的:OKRにフォーカスするあまり、失ってしまいそうになる指標 を忘れないようにするため ● 例:顧客満足度、チームの健康状態 ● 評価:赤・黄・青の三色で評価 ○ 赤色は危険信号 クリスティーナ・ウォドキー著『OKR』の情報を元に作成