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ネットワーク構成図を考える: NW(図)の基本と モデル指向NW図のススメ 1 TIS株式会社 萩原 学 2020/02/22 OSC 2020 Tokyo/Spring

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自己紹介 • 萩原 学 (HAGIWARA Manabu) – ネットワークの話が好きです • 今日の資料はこのへんにあります 2 twitter.com/ github.com/ qiita.com/ speakerdeck.com/ corestate55

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今日話したいこと • ネットワーク図、ちゃんと描いてますか? • 「ネットワークって何を描けばよいのかよくわから ないけど、とりあえず、何かつながってるのがわか ればいいよね」からの卒業 • ネットワークって何からできていて、 図としてどう表現するのがよいかを考えましょう!! 3

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ターゲット層 4 平成26年秋期問32 リピータの特徴|基本情報技術者試験.com https://www.fe-siken.com/kakomon/26_aki/q32.html これにぱっと答えられない、 それぞれの役割や違いを うまく説明できない

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NWの理解と「NW図」 • NWがどんなもので成り立つのかわからないと 図として表現できない / 図を読み取れない 5 NWは「勝手につながるもの」ではない!! 変につなぐことで起きるトラブルもあります 2011/01/07 東京消防庁の119番不具合、職員の人為ミスか :日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0703V_X00C11A1CC1000/

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クラウド使うからNWの理解は要らない? 6 https://twitter.com/yo12525/status/1220211817693077504 JANOGerとクラウドのワクワクする関係 :: JANOG45 https://www.janog.gr.jp/meeting/janog45/program/excitingcloud 今日まずやりたいのは NWの「変わらないもの」 を理解しましょう というところ。

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NWの構成要素を理解しよう 7

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(注意事項) • 初心者・非NW担当 エンジニア向け • “ネットワーク” = TCP/IPとEthernetの話 • 厳密さよりも直感的な理解を優先 8

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ひとりで全部やれるのであれば べつにネットワークとかいらないですね。 なぜネットワークが必要なのか? 9

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ひとりでぜんぶやれるわけじゃない。 複数の人が共同して何かやろうとすると それぞれの情報交換が必要になります。 10 「ネットワーク」の発生

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ネットワーク = コミュニケーション 誰かから (source) 誰か宛に (destination) 情報を送るもの。 必ず 2人以上の登場人物(ノード)がいる 最小のネットワーク 11

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改札前 にきて! 改札 表現する方法(言語、文字…) 伝える媒体(空気、紙…) 伝えたいこと 伝わったこと 手紙 両方が同じになってはじめて「伝わった」といえる コミュニケーション (情報伝達) 12 解釈 表現や解釈の方式・その合意 表現 発声 What is KAISATU? KAISATU

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hoge みんなが同じルールを共有しておく • 日本語を使います • 紙に書きます • 本文の前に時候の挨拶があります • etc protocol [名] 1. 外交儀礼;(軍隊・宮廷などの)儀礼,慣習;儀礼上のしきたり,エチケット 2. ((形式))条約原案,条約議定書;補足協約,協定付随書 3. (実験などの)観察記録;《医学》プロトコル,(研究・治療などの)実施要綱 4. 《コンピュ》プロトコル,通信規約(◇ネットワークの接続手順) 5. 《哲学》プロトコール,命題(protocol proposition) 13 protocolの意味 - goo辞書 英和和英 https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/protocol/#ej-67375 手紙

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14 The Internet isn't a thing. It's an agreement. インターネットはモノではない。合意である。 ― David Weinberger World of Ends https://www.worldofends.com/

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コミュニケーションのカタチ 15 何を使って 情報を伝えるか (使うもの・メディア) どこの・誰に 情報を伝えるか どのような 情報を伝えるか (表現・会話の決め事)

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メディア: 物質・物理現象 • 物理的特性・特徴に応じた使いどころがある。 – 信号減衰、ノイズ/揺らぎ、強度、コスト、…… – 光の速度を超えた情報交換はできない 会話による情報伝達の場合 • 情報の表現には日本語を使う • 情報の伝達は音声 = 空気をメディアとして使う 16 hoge

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最小のネットワーク (糸電話モデル) • 直結されている • 相互に情報を送り合える • 片方がしゃべったことがそのまま相手に出力される • しゃべる/聞く はどちらか片方 (半二重通信) 17 • メディア = 糸と考えてみる。 hoge hoge

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複数人で会話するには? 18 hoge

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• みんな一続きの糸で直結されている • 糸を共有している (共有メディア) • ある人がしゃべるとほかの人がみんな聞こえる (broadcast) • ある人がしゃべっている間はほかの人はしゃべれない (半二重通信) 19 hoge hoge hoge hoge

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20 • 部屋でしゃべるのも同様(空気モデル) 同じ部屋の人がひとつのメディアを共有する hoge

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(原始的な)Ethernetのイメージ = 糸電話 21 実際ひとつのワイヤをみんなで共有してた。 hoge hoge hoge hoge

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参考 The Ethernet Evolution From 10 Meg to 10 Gig How it all Works!, Hadriel Kaplan & Robert Noseworthy, Atlanta, 2001. https://www.iol.unh.edu/sites/default/files/knowledgebase/ethe rnet/ethernet_evolution.pdf 22

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参考 23 10BASE2ケーブル | エイム電子株式会社 http://www.aim-ele.co.jp/products/10base-2/ By © Raimond Spekking / CC BY-SA 4.0 (via Wikimedia Commons) https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=69527036

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メディアの特性 • 弱くなった信号を増幅してくれる (リピータ) • コリジョンドメインを操作するものではない (L1:物理層のデバイス) • 遠いと信号が弱くなってしまう(減衰) • 信号が弱くなるとノイズの影響が大きくなる (SNR) 24 …… hoge hoge hoge ?? !

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メディアの抽象化 25 物理実体 複数のメディア、 信号増幅やノイズ対策が必要 理想化された通信チャネル 物理特性の抽象化・ 概念的にひとつの媒体としてふるまうもの 追って出てくる L2(データリンク層)のこと

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参考 26 Provisioning Neutron networks with the NSX-v Plugin - Superuser https://superuser.openstack.org/articles/provisioning-neutron-networks- with-the-nsx-v-plugin/ よく見る、 「ひとつの線にぶら下がっているノード」 の図は何を意味しているのか?

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共有メディアの問題: 衝突 • 同時にしゃべっちゃう (衝突:Collision) • ぶつかったらランダムに待機してタイミングをずらす(CSMA/CD) • 衝突が起きる範囲 = Collision Domain つながってる糸(糸電話モデル)、ひとつの部屋(空気モデル) 27 えっと あの

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共有メディアの問題: 効率 • 発言者はひとり • 人が増えると発言可能な時間が減る (衝突も増える) • メディア共有には限界がある 28 hoge あの… ちょっと おれおれ おーい もしもし ねえ

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メディアを「区切る」 A B C D 29 hoge 話すときだけ切り離せれば A-B, C-Dが同時に会話できる。 hoge Foo Foo • しゃべりたい人のところだけつなぐ → コリジョンドメインの分離 → 各コリジョンドメイン内は独立して会話ができる

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(参考) A B C D 30 ブロードキャストドメイン → ブロードキャストできる範囲 → 同じメディア上にあって直接声がかけられる範囲 コリジョンドメイン → 衝突が起きる範囲

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スイッチの登場 A B C D 31 • 高機能化… 直接会話する2点間だけ直結させる • コリジョンドメインの操作 • 最小のコリジョンドメイン: P2P • いまどきのネットワークだといちいちコリジョンドメインとか意識しません。 hoge hoge Foo Foo

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(参考) 32 クロスバースイッチ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3% 83%AD%E3%82%B9%E3%83%90%E3%83%BC %E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%8 3%81 Switch Fabrics: Input and Output Queues and Buffers for a Switch Fabric - EtherealMind https://etherealmind.com/switch-fabric-input-output- buffers-queues/

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(参考) • “XXハブ” – つながり方(トポロジ)の形態 • どこをつなぐか、どうやって決める? – “Learning switch” とかでググる • ブリッジとスイッチの違い – やりたいことは同じ – 処理実体(ソフト/ハード)・冗長化機能の有無などによるちがい – ググる • パケット通信と回線交換 – 例示の都合上、図が回線交換っぽい感じですが、TCP/IP/Ethernet はパケット通信なので注意 (あくまでも「直感的な理解」むけ) 33

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メディアによる制限を超える • 同じ「メディア」を共有していて、 直接「会話」できる。 「声」がそのまま届く範囲は限られる。 • 「遠くにいる」= 違う部屋にいる • 直接は会話できない あ ? 34

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メディアによる制限を超える 35 あ ? 位置(場所) : 相手はどこにいるのか? そこまでの道のり : どんな経路で情報を届けるのか? IP (Internet Protocol)

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IP: 郵便モデル (“住所”) 36 市 区/地域 都道府県 国 町 10.0.0.0/8 10.1.0.0/16 10.1.3.0/24 10.1.3.128/25 10.1.3.192/26 国 通信事業者A 企業X 支社 部署

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よその部屋の人との会話 A: 郵便局役 B C D • Pは部屋の中にいないということが判別できる (IPアドレスから判別) • Aがほかの部屋との中継役だと知っている (デフォルトゲートウェイ) • Aいる? っていうのをみんなに聞く • Pに伝えたいことをAにわたして中継してもらう Aさん いる? おるで 37 Pと 話したいので Aに中継して もらう

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ルータ: “道のり”の制御 38 P県 Q県 X区 私の管轄はX区 私の管轄は P/Q県 私の管轄は Z県 Z県あては↑に、 P/Q県とX区あては↓に 送ろう • だれがどこを管轄しているのかを常に交換し合う (動的経路制御) • インターネットではBGP4というプロトコル Z県 A

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Network Layer 直接つながっていない人との 全体の伝言ゲームをどうやるか → IPの世界の話 39 D A P あ あ K L M 途中でいろいろな メディアをまたぐ 直接つながっている人との 会話をどうやるか → Ethernetの世界の話

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Network Layer Layer1: 物理層 どういうメディアを使うか。 (材質、形状、信号、…) Layer2: データリンク層 同じメディアにつながっている人 同士(隣同士)でどうやって会話を 成立させるか。 Layer4: トランスポート層 会話のしかた 40 TCP/IP Model: What is TCP IP Stack? Protocol Layers, Advantages https://www.guru99.com/tcp-ip-model.html Layer3: ネットワーク層 同じメディアでつながっていない 人同士で、どうやって会話を成立 させるか。

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Network Layer 41 Layer1: 物理層 どういうメディアを使うか。 (材質、形状、信号、…) Layer2: データリンク層 同じメディアにつながっている人 同士(隣同士)でどうやって会話を 成立させるか。 Layer4: トランスポート層 会話のしかた TCP/IP Model: What is TCP IP Stack? Protocol Layers, Advantages https://www.guru99.com/tcp-ip-model.html Layer3: ネットワーク層 同じメディアでつながっていない 人同士で、どうやって会話を成立 させるか。 何を使って 情報を伝えるか (使うもの・メディア) どこの・誰に 情報を伝えるか どのような 情報を伝えるか (表現・会話の決め事)

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必ずしも1:1対応ではない レイヤ間の対応関係 42 L2: 理想化(抽象化)されたメディア L3: アドレス空間(サブネット)と それらの関係性 A B C D 192.168.1.0/24 2001:db8:1::/48 192.168.2.0/24 2001:db8:2::/48 A,B,C D • ひとつのL2セグメントを 複数の物理機器/メディアで 構成する • 複数のL2セグメントを ひとつの物理機器/メディア で構成する • ひとつのL3セグメント (サブネット)を 複数のL2セグメントで構成する • 複数のL3セグメントを 1つのL2セグメントで構成する L1: 物理的な実体 Wifi A B C D

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NW図を読む/描く 43

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NW図を読み書きする • 一般的にこうだっていうのはない – ケースバイケース • 定石 – 基本的な考え方 • (NW)図の語彙 • NW図の実例 44

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定石 • 何のために書くのか目的をはっきりさせる • 心得1: 論理構成と物理構成を分けよ • 心得2: 大胆に省略せよ • 心得3: ルールを決めよ 45 日経NETWORK 2006年1月号 pp.22-32 わかるネットワーク図の書き方 | 日経 xTECH(クロステック) https://tech.nikkeibp.co.jp/it/article/COLUMN/20091119/340762/

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定石 • 簡潔さを保つ • 物理的な概念と論理的な概念を分離する • 線を交差させない • 直線をそろえる • できる限り線引きする • アイコンを整列させる 46 O‘Reilly Japan - ネットワークウォリア https://www.oreilly.co.jp/books/9784873113548/

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目的をはっきりさせる 47 「宣言的プログラミング」とSDNのひとつの形態 https://www.slideshare.net/miyakohno/mk-network- programmability03

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目的をはっきりさせる • 図をもとに何を知りたいのか (Read), 図で何を伝えたいのか (Write) – 人(担当者)によって必要な情報や見方は違う – 場合によっては「構成図」すら必要としていないこともある • 「構成図」を必要とする理由はなにか? – 通信先の何かを知りたい – どこを通るか? 暗号化の有無? 帯域? Next hop? フィルタ(Firewall)・負荷 分散・アドレス変換などの有無? • 知りたいことが含まれるような図か? – 知りたい・伝えたい情報が図の中に含まれているか? 48

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図に必要な要素は何か? • NWの構成要素はいろいろある – それぞれレイヤ・機能・特徴・制約がある – どの構成要素がどう通信にかかわるかは、通信元/先(フロー)次第 – フロー = 元/先の組み合わせ : パターンが大量にあるので検討が大変 • 図の目的に対してどんな要素が必要になるか? – 知りたいこと・そのための通信パターン・通信を実現させるために必要な機能 や情報をイメージできているか? – 動的な要素・静的な要素を分けて考える 49

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モデルベースに考える 50 network(topology) node termination point link ネットワークモデル化の議論から見た SDN/NFV “YANG 祭の傍らで“ 栃尾 祐治(株式会社富士通研究所), MPLS JAPAN 2015 https://www.mpls.jp/2015/index.html RFC8345 (March 2018) https://tools.ietf.org/html/rfc8345

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モデルベースに考える • 目的次第なので 厳密に全部描く必要はないけど、 ポイントはある • レイヤ・ノード・リンク・端点は何か? • なにを省略したか説明できるか? • ルールが統一されているか? • 境界はどこか・何が変わるか • 同じものが別な表現になっていないか • 分けるべきものが識別できるか • 対向・隣接・グループ etc で整合性が 取れているか? 51 例外・ルールが変わる点、 その境界は何でどう変わるのか? 対向のレイヤ・抽象度等、 整合性が取れているか? 機能や役割、 同じグループにいるものが 統一されているか? 省略された 何か この線(リンク)は 何を意味するのか?

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図の要素 = “語彙” • 色、形状、大きさ、方向、テクスチャ、位置、値、 (動き) 52 Visual Representation from Semiology of Graphics by J. Bertin Slides by: Sheelagh Carpendale https://innovis.cpsc.ucalgary.ca/innovis/uploads/Courses/InformationVisualizationDetails/09Bertin.pdf 視覚変数

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図の要素 = “語彙” 53 色 形状 大きさ 方向 テクスチャ 位置 値 種類 特性 関係 レベル 距離 強度 密度 順序 グループ カテゴリー (線の)長さ (線の)幅 類似性: 色・形状・大き さの似ているものはそうで ないものより関連性が高い 近接性: 要素同士が近接 しているものはそうでない ものより関連性が高い」 同調性: 同じ方向に同じ 速度で動く要素は、固定さ れた要素や異なる方向に動 く要素よりも関連性が高い 動き 文脈 ゲシュタルトの法則 (群化の法則) 重なり合い 深さ Chapter.3 ビジュアル・コンプレキシティ 情報パターンのマッピング http://www.bnn.co.jp/books/3855/

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図の要素 = “語彙” 54 Jock Mackinlay. 1986. Automating the design of graphical presentations of relational information. ACM Trans. Graph. 5, 2 (April 1986), 110-141. 改訂版: プログラマーが効果的な可視化を作成する (前編) - Qiita https://qiita.com/keiono/items/9042bf58224ca54bdb45 違いがわかりやすいもの・ わかりにくいものがある 示したいものによって 適切な “channel” は異なる

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(NW図例) 色・形状・テクスチャ 55 con0 GRT Lo0: 192.168.255.1, [HENET48]:255::1/128 Gi0 Fa8 Fa6 .201 .1 [HENET48]::1/64 .1 .1 .1 .65 Wl0 Gi0 Gi0.201 Gi0.202 BVI1 .2 Dot11radio0 Dot11radio1 0.202 1.201 [4] mgmt 192.168.4.0/24 VL104 802.11b(2.4GHz) xxxxxxxx (wpa-psk) [Key: xxxxxxx] 802.11a(5GHz) xxxxxxxx (wpa-psk) [Key: xxxxxxx] Cisco 892W lambda-edge Ap801 lambda-ap wlan11b 192.168.254.64/26 VL202 wlan11a 192.168.254.0/26 VL201 (Mgmt) 192.168.253.0/25 VL1 [HENET64]::2/64 Tu0 [HENET48]:100::201/64 ゴミ箱ルート(Null0) - 10.0.0.0/8 - 172.16.0.0/12 - 192.168.0.0/16 .194 eth1 MicroTik RB952Ui .195 802.1abgn(2.4/5GHz) (wpa-psk) rb24g, xxxxxx [Key: xxxxxxxxx] 管理アクセスユーザ admin or stereocat (localから) dhcp 192.168.88.10-254 .1 Fa0 wlan11b_1 192.168.254.192/27 VL203 VPN_POOL 192.168.254.128/26 L2 Segment (VLAN) x [x]::x/xx IPv4 Addr (last octet) IPv6 Addr (last octet) No. Interface Host Device (PC/VM) Host Routing Instance (GRT/VRF, VM) Link (GbE), Trunk/Black Link (10/100/Device Internal) Link (Serial Console) Wireless LAN Host Device (Hardware) Black/Trunk Colored/Access

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ESXi4 ESXi3 OSPF Area1 OSPF Area0 lambda-edge GRT Lo0: 192.168.255.1 [HENET48]:255::1/128 lambda-core2 GRT Lo0: 192.168.255.2 [HENET48]:255::2/128 Vyatta VyattaCore6.3 Lo: 192.168.255.4 rtr6 GRT Lo0:192.168.255.8 [HENET48]:255::8/128 lambda-core1 GRT Lo0: 192.168.255.9 [HENET48]:255::9 NVR500 Vyos Vyos/1.1.0(64bit) Lo: 192.168.255.10 [100] External 192.168.100.0/24 DHCP: .2-191 .201 .1 .202 [0] Global 192.168.0.0/24 VL100 .2 .2 [252] bgpexp 192.168.252.0/30 VL600 .2 .2 [5] Global2 192.168.5.0/24 VL105 [6] CoreConnect 192.168.6.0/24 VL106 .1 [1] Internal 192.168.1.0/24 VL101 [3] NAS 192.168.3.0/24 VL103 上流/外部 セキュリティ低 (NW図例) 方向・位置 56 ESXi4 ESXi3 OSPF Area1 OSPF Area0 lambda-edge GRT Lo0: 192.168.255.1 [HENET48]:255::1/128 lambda-core2 GRT Lo0: 192.168.255.2 [HENET48]:255::2/128 Vyatta VyattaCore6.3 Lo: 192.168.255.4 rtr6 GRT Lo0:192.168.255.8 [HENET48]:255::8/128 lambda-core1 GRT Lo0: 192.168.255.9 [HENET48]:255::9 NVR500 Vyos Vyos/1.1.0(64bit) Lo: 192.168.255.10 [100] External 192.168.100.0/24 DHCP: .2-191 .201 .1 .202 [0] Global 192.168.0.0/24 VL100 .2 .2 [252] bgpexp 192.168.252.0/30 VL600 .2 .2 [5] Global2 192.168.5.0/24 VL105 [6] CoreConnect 192.168.6.0/24 VL106 .1 [1] Internal 192.168.1.0/24 VL101 [3] NAS 192.168.3.0/24 VL103 下流/内部 セキュリティ高 冗長系 (primary) 冗長系 (secondary) 外部 セグメント 内部 セグメントB ファイルサーバ セグメント 内部 セグメントA 境界ルータ (NAT/Firewall) コアスイッチ

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(NW図例) 色・形状・テクスチャ 57 今年のみどころ・体験する | Interop Tokyo 2019 (インターロップ東京 2019) https://www.interop.jp/2019/shownet/point/ https://www.interop.jp/common/june/img/sho wnet/point/shownet_topology.pdf

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(NW図例) 色・形状・テクスチャ 58 上流/外部 集中/中心 Backbone Core 分散 Edge 分散 Edge 紙面全体を使うため Edge(下流)をグループ分け 縦横でレイアウト 外部接続は省略して大まかな構造だけ 横位置そろえて対称におくことで 類似のものであることを示す

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参考 (ShowNet) • 「いかにA3に収めるか」 • 全体を見渡すことができる • 運用に必要な情報が網羅され ている • まとまっている • 目線移動が自然 • 説明が不要であること • 箱の配置をトポロジレイヤで 揃えること • ヒモを曲げないこと • ヒモの交差を最小にすること • 色に統一感とメリハリを与え ること • 冗長な情報をできるだけ排除 すること 59 Interopのネットワーク図を描くエンジニア:Geekなぺーじ https://www.geekpage.jp/blog/?id=2010/6/10/2 図面とともにあらんことを!:第二面 - ネットワークのゲンバ (2014) | Interop Tokyo 2014 https://www.f2ff.jp/interop/2014/noc/shownet-topology- map_4.php 実例解説あり

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Topology Node Link TP 図のルール: モデル(構造・役割・意味)と視覚変数 (図としての表現)の変換・対応付け 60 色 形状 大きさ 方向 テクスチャ 位置 値 動き 例の対応 こういう作り にしたい なるほど アレとコレを そうする 視覚変数 NW図 モデル やりたいことが図を介して「伝わる」こと 共通認識

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そのうえで • 簡潔さ / 省略 – 情報量と複雑さのコントロール – “塩漬け” にならないこと (更新のしやすさ) • 検索性・視認性 – 「どこに何があるか」か見てわかる/検索できる • 文字のサイズとレイアウト・重なり合い・隙間 : 印刷時は要注意 • 拡張性(スケーラビリティ) – 要素の増減に対応できるか? – 増減があるものはそれを見越した図にしておく 61

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レイヤ別NW図のメリット・デメリット • ◎ 簡潔さ • × 図(レイヤ)間対応関係の理解 – L2など N:M にマップされるものを図で表現 するのは難しい – とはいえ実際の作業では必須で、 レイヤ串刺しにして作業や設定を考えている • × システム全体の把握 – ある側面・ある部分での理解にとどまりがち 62 ひとつひとつの図はシンプルでも 上から下まで通して見ようとすると 複雑になってしまう やりたいこと →実体は何か・何をすべきか

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どうする? • 万能な書き方はない – NW図に埋め込まれる情報は多様 • システムの肥大化・複雑化 抽象化レイヤ(仮想化 etc)によってよりややこしく… – 抽象化レイヤから下を見なくてよい (XaaS) ならだいぶ楽 – 下まで全部見る人は大変… 63

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どうにかしたいよね 64

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目指す世界 • 構成図 “職人芸” からの脱却 – 人による「図」読み書きの機械化 • 人も機械も読み書きできる ネットワーク図と、 図を基にした自動化システムとか できないものか? モデル中心 システム設計・運用 Fig data (config) RFC8345: Network Topology Data Model Monitor Network 各種 データ ソース 65

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Fig RFC8345 Topology data Network 利用者 (NWオペレータ) 自動化・テスト・ シミュレーション CMDBなど 各種データソース トポロジ エディタ 考えたいこと 66 モデル中心の設計・設定・構成変更 構築・本番作業前の事前チェック・テスト・シミュレーションへの応用 「図を書いたらその通りのシステムができる」へ

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考えたいこと • ログ等のデータ分析への応用 – システム構成に関する知識 + 統計/ML etc 67

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まとめ 68

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NW図を読み書きする • NWの構成要素とその役割を理解する • 図の目的を決める • モデルを意識して「図のルール」を決める – ノード/リンクとその端点, 対向同士の整合性 – レイヤ・役割・グループ、それが変化するポイント(境界) – 異なる観点の図: その間で何がどう対応しているのか – それらの視覚的表現(視覚変数への変換)の統一 69

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参考 • OpenFlowで覚えるネットワーク https://www.slideshare.net/stereocat55/tremaday7 – 前半部分はこれがベースになっています (公式REMIXだよ) – この資料ではL2周りに着目して OVS/OpenFlow で実際に動かしてみ ようという話があります。 70