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AI駆動開発がもたらす⾰新と実践 2025/07/18 髙橋 俊⼀ (a.k.a shuntaka)

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事前の環境準備(してなくても受講可能な⼿順で進⾏します) 2

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⽬次 3 ‧AI駆動開発の実践前に知っておきたいこと ‧AI駆動開発の実践(⽣成AIの開発業務での活⽤例) ‧AI駆動開発で起きる課題とその向き合い⽅

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AI駆動開発の実践前に知っておきたいこと

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AI駆動開発を取り巻く環境の現在地 5 主な生成AIプロバイダー、サービスのリリースタイ ムラインです。 ※ 進化の流れは自分の定性的な感覚に基づくため、人によって 違う点ご了承ください 🙇

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AI駆動開発を取り巻く環境の現在地 6 2022年11月にGPT-3.5がローンチ

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AI駆動開発を取り巻く環境の現在地 7 24年中盤基本的にChatGPTやClaudeのような チャットUIサービスでソースを生成。 ソースコードとログをコピー /ペーストし、プロンプトに して、トラブルシューティングしていた。 3.5 Sonnetがコーディングに強く、 CursorやClineと いったAIコーディングエージェントも SNSや技術ブ ログでプラクティスが共有されるようになった。

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AI駆動開発を取り巻く環境の現在地 8 24年後半から年明けに海外 ,国内のCursor, Devinの導入事例を良く見るようになった。 AIモデルと外部データの通信標準化規格として MCPが登場。

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AI駆動開発を取り巻く環境の現在地 9 25年頭MCPに注目があつまり、必要なコンテキス トをシームレスに取得したり、 Web検索をかけなが らコード生成する記事に注目が集まる。 25年5月にClaude Codeが扱いやすくなり一部の 企業で活用されるようになりました ・定額プラン(Max $100, $200) ・VSCodeプラグインを使った連携

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AI駆動開発を取り巻く環境の現在地 10 各社が続々と投入 GoogleのGemini CLI、AWSのKiro

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⽣成AIエコシステムの急速、⾮連続な進化はつづく 11 多くのテック企業が生成 AIに投資をしており、毎月のようにト レンドのツールが変化。 (コスト, 生産性の観点) 3年でAIモデル はより賢く、 ⾃律的に... Anthropic/Google(モデルプロバイダー )からAIエージェントが発表された例 https://windsurf.com/blog/windsurfs-next-stage 企業間の連携や買収など、この先競争が激化する過程で 様々な種類の変化が起こり得る。 WindsurfのCEO含む主要メンバーが Googleへ移籍

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AIコーディングエージェントの多様化、⾼機能化 12 AIコーディングエージェントには同じカテゴリでも癖 や特性があり、個人で好みは変わる。 汎⽤ 特化 アシスタント ⾃律型 CLI, 定額 VSCode fork Devin Cline v0 Lovable CodeRabbit Amazon Q Kiro Windsurf Cursor Copilot AWSに強い CLI 4象限で昔は表現がある程度できていたが、 去年からあるツールは高機能化が進んでいる。 コンセプトの強いサービス出てきた。 仕様ドリブン開発 UI特化 PRレビュー特化 browser use アシスタントと書いてある領域でもアシスタントは 人間の方で、メインで書くのはエージェント側な ケースが増えています。 ⾼い⾃律性

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コンテキストエンジニアリング 13 コンテキストは、AIモデルが一度に理解・処理できる情報の 範囲や記憶容量。Claude 20万、Gemini 100万トークン。 ※1 学習データが豊富は汎用的な機能は Zero Shotでも自走し て機能を作ってくれる。反面、独自性のあるドメインロジック の実装は、適切なコンテキストを与える必要がある。その中 に収まるようにやりとりをする必要がある。 ClaudeCodeにはsubagentという仕組みが備わっており、親 agentのコンテキスト圧迫しないような仕組みが搭載されて いる。これは利用者もコントロール出来る仕様にもなってい る。 https://rlancemartin.github.io/2025/06/23/context_engineering/ ※1 モデルごとに中身をどの程度反復し解釈するか差異があるのでカタログスペック = 性能というわけではない。

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勿論実装以外の活⽤も無限にある 14 ・要件定義  DeepReserchを使った競合調査、分析 ・タスク管理  タスク登録作業なども MCP連携し、自然言語ベースで起票 (ツールを作らなくて良い ) ・ドキュメンテーション  レガシーシステムなどもコードからドキュメントを生成可能 ・テスト  テストデータの作成、画像や動画なども短時間で生成可能。網羅的なテストケースの生成など ・簡易なデータ分析 ・運用/保守 etc…

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AI駆動開発の実践(⽣成AIの開発活⽤例)

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Backlog MCPを使った柔軟なチケット作成、更新 16 プロジェクトのチケットはどうしても管理の都合上起票項目が 多かったり、マークダウンテンプレートに沿った形で項目を埋 めたいとか後から全体に対して追加したい項目が発生したり します。 過去はAPIを叩くスクリプトを書きましたが、現在は MCP経由 で自然言語で対応することができます。 ※ Claudeの場合、Claude Codeとレートリミットを共有しているためコーディング作業分レートが なくならないように考える必要があります

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UI実装 17 UI作成でモデルのマルチモーダル機能だけでなく、 Figmaの情報を利用することで精度を上げる 画像の解釈能⼒⾼い! が、画像のみだと解釈され ないデータもある😥 ⾊情報など開発に必要な 情報も返却可 MCPでUI⽣成 画像でUI⽣成 Figmaデータ 7b68eeで微妙に違う ※ 画像でもFigma MCPでも思っ た⽣成ができないケースは多く、 別途コンテキスト情報を与えるな どプラクティスが必要。 (現在はDev mode MCPが良いと 思います)

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構築したREST APIをMCP化して管理画⾯⼯数を削減 18 REST APIにMCPのガワを被せ、UIを作らず管理画面相当のことが可能。

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Text to SQLで簡易分析 19 前項とほぼ同じ。 ・非エンジニア職でも自然言語で DB問い合わせ可能 ・エンジニア職でも簡単なクエリは AIのミスも少なく、 SQLを書かずに確認可能なので効率が良い。 ClaudeのDesktop Extensions (DXT)でMCPツールチェ インの配布が簡単になった。 またデータベースから取得したデータコンテキストにもつ ため以下に繋げれる。 ・日報やレポートの作成 ・グラフ、散布図など簡易な可視化

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レガシーシステムの分析、リバースドキュメンテーション 20 既存システムのドキュメント化にも利用可 能です。 ただしClaudeの場合、大体1万行。 Geminiで5万行くらいが目安です。 超える場合は別途分割する必要がありま す。 Lost in the middle問題やハルシーネー ションもあるので、叩きを作るのに利用し ています。

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AI駆動開発で起きる課題とその向き合い⽅

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課題: ハルシネーションや精度が悪い 22 精度の問題 → MCPで副作用のある作業は、なるべくミニマムに実行して検証 ハルシネーションの問題 → 叩きや雛形を作成するに留め、ヒューマンインザループでタスクをこなう。レビューや 認知が出来る量に止める。認知できる範囲に留めないと、実際にコードを書くより負債 が溜まってしまうケースもあるので注意。

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課題: ⽣成AIツールやエコシステムのキャッチアップの時間がない 23 ・AIコーディングエージェントは組織で多様化させ、トレンドが変わった際に知見を共有 できるようにしておく。ただ変わること、変わらないこともあるので何かツールで得た知 見は無駄にならない。 ・Agenticなツールは開発者側である程度慣れる必要がある。まずは VSCode系のAI コーディングエージェントの補完機能から初め徐々に自律的なツールに慣れていくのが 良いと思う。 ・生成AIエコシステムについてはやはり定期的な知識の更新は今後も必要となるため、 溜めすぎずブログなどウォッチして差分を吸収するのが良いと思う ...

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まとめ、今後 24 ・自然言語を使ったAI駆動開発が今後主流になっていく ・ソフトウェア開発分野では、スタンダードな Webアプリケーション開発分野において、実際にコードを書くよ り早いことが多く不可逆な革新が起きている ・AIコーディングエージェンは多様化、高機能化しておりより高く生産性をあげるには、生成 AIエコシステム やツールの使い方、そのアーキテクチャについて学ぶ必要がある