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UXライターのタスクの透明性を上げて スクラムチームの共有知に昇華している話 2022.08.04 Thu. LINE Technical Writing Meetup vol. 15 8chari(はっちゃり) SmartHR UXライター

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8chari(はっちゃり) SmartHR UXライティンググループ UXライター Twitter:@8chari_88 SmartHRでは ・2021年6⽉ UXライターとして⼊社 ・プロダクト上のテキスト、ヘルプページ、 ライティングガイドを担当 職歴 ・テクニカルライター ・PMO ・マニュアル制作ディレクター 2

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SmartHR Tech Blogで書いた記事がベース ● 記事では、開発チームのことを「フィーチャーチーム」と 記載していましたが、「スクラムチーム」の⽅がより⼀般的で、 ほぼ同義のため、本資料では「スクラムチーム」と表現します🙏 ● スクラム開発の⽤語に馴染みのない⽅もいるかもしれないので、 補⾜しながらお話していきます。 ● スクラム開発に関わっている⼈はもちろん、 ヘルプページやドキュメント作成の属⼈化に悩んでいる⼈にも 参考になれば幸いです。 お話に⼊る前に期待値調整 3 [SmartHR Tech Blog]ヘルプページ作成タスクの透明性を上げたら、UXライターの経験知を共有知に昇華できた話

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● SmartHRのサービス紹介 ● SmartHRのUXライター ● スクラムチームでの取り組み ● さいごに 話すこと ※本⽇のスライドは後⽇公開予定 4

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SmartHRのサービス紹介 5

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SmartHRのUXライター 8

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UXライターが担うもの 9

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UXライターの具体的な仕事 10 スクラムチームの⽂⾔作成のリード ライティングガイドを通じた体験統⼀ コンテンツによるユーザーの⾃⾛⽀援

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スクラムチームの ⽂⾔作成のリード 11

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12 ドライバー(キーボードを触る唯⼀の⼈) ● 実際にガイドラインを⾒たり既存UIを⾒たりして⽂⾔モミを⾏なう ● ほかのメンバーを信頼し、思いついた⽂⾔を躊躇せずに出す ドライバー以外(キーボードを触らない⼈) ● 全体の理解度を上げて、より良い⽂⾔になるように気づきを 積極的にあげる ● なぜ、その⽂⾔でないといけないかの根拠を⽰せるように ドライバーに協⼒する

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13 UXライター ● Slack上にスレッドを⽴てて、⽂⾔検討で考えたことや 根拠を書き込んでいく ● 検討する中で仕様について気になることがあれば、 チームのメンバーをメンションして聞く UXライター以外 ● UXライターの発⾔で気になることや疑問があれば 適宜書き込んだり、リアクションする

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ライティングガイドを通じた 体験統⼀ 14

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https://smarthr.design/ SmartHR Design System 15

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https://smarthr.design/products/contents/ ライティングガイド 16

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コンテンツによる ユーザーの⾃⾛⽀援 17

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https://knowledge.smarthr.jp/hc/ja/ ヘルプページ 18

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https://knowledge.smarthr.jp/hc/ja/ ヘルプページ 今⽇はこのヘルプページに スクラムチームで取り組んでいる話です

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ここで、 いきなりですが 20

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みなさんは、どんな体制で ヘルプページを 作っていますか? 21

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22 開発チームとは 別のチームが 作っているよ 別の会社さんに 外注しているよ 他の業務も やりながら ⾃分⼀⼈で 作っているよ そもそも ヘルプページが ないよ…

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スクラムチームで ヘルプページに取り組む 23 ちょっと めずらしいかも…

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ヘルプページはプロダクトの⼀部 😊ヘルプページを⾒なくても プロダクトを操作できることが理想 😢でも、⼈事労務や⼈材マネジメントの領域は、 業務や関連する法律が複雑で難解 👉ユーザーの理解をサポートする 「ヘルプページは重要なプロダクトの⼀部」という 考え⽅が社内に根付いている 24

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SmartHRのスクラムチーム 25

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スクラムチームとは スクラムチームは機能横断型で、 各スプリントで価値を⽣み出すために必要な すべてのスキルを備えている (スクラムガイドから引⽤) 26

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スクラムチームとは スクラムチームは機能横断型で、 各スプリントで価値を⽣み出すために必要な すべてのスキルを備えている (スクラムガイドから引⽤) 27 ⾔い換えてみます👇 チームメンバーだけで「リリース」まで辿り着ける スキルセットを揃えられていることが条件

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プロダクトマネージャー プロダクトデザイナー プロダクトエンジニア QA UXライター ※⼈数はイメージです ※LeSS(⼤規模スクラム)についての参考記事:⼤規模スクラムで⾒えてきたマルチPdM体制の⾯⽩さと難しさ【SmartHRのPdM連載第1弾】 - SmartHR Tech Blog SmartHRのスクラムチーム 28 A B C D E

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企画・仕様検討 要件定義 (リファインメント) 作業計画 (スプリントプランニング) リリース スプリント 開発サイクルをもっと詳しく:図説:SmartHRのプロダクト開発サイクル 2021 ver. プロダクト⽂⾔、 ヘルプページの⽅針決め プロダクト⽂⾔や ヘルプページの作成をリード UXライターのお仕事 ⽂⾔チェック、 ヘルプページの作成 ユースケースや仕様の理解、 ユビキタス⾔語の定義 UXライターと開発との関わり 29 短期間で反復して 開発する期間の単位 (SmartHRでは1週間)

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スクラムチームでの ヘルプページの取り組み 30

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その前に、 UXライターの誕⽣秘話 31

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チャットサポートの中に含まれ、 プロダクトのスクラムチームとは別の組織 ● ヘルプページの作成はスクラムチームとは別のプロジェクトで管理 ユーザーの理解をよりサポートできるよう、 画⾯のUIテキストとヘルプページを読む体験を統⼀したい ● UXライターとしてスクラムチームに加わる ● 画⾯のUIテキストを担当しながら、 ヘルプページの作成も引き続き担当(今ここ) もともとはヘルプページのみを担当 32

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UXライター以外のチームメンバーの疑問 33 ヘルプページは 開発のどのタイミングで 着⼿しているんだ? ヘルプページの要件定義、 何を定義して ⾒積もればいいんだろう? 必要な作業って 本当に書くだけ? そもそも、どうやって 書けばいいんだ? 書いたことない…

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スクラムチームにおける ヘルプページ作成の課題 34

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ヘルプページの作成に関するタスクやノウハウが チームに伝わっていないと ● UXライター以外のメンバーがタスクの存在に 気づきづらく、サポートに⼊りたくても⼊れない ● タスクの内容からUXライター以外でも できるかどうかを判別できず、タスクを取れない 「顧客に早く価値を届けること」から遠ざかる 35

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タスクを取れないと ● UXライターがどのように作業しているのかが 他のメンバーに伝わらない ● UXライターが不在のときにタスクが⽌まる という属⼈化した状況になり、 顧客に早く価値を届けられなくなる😫 「顧客に早く価値を届けること」から遠ざかる 36

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チームのメンバーに相談 「ヘルプページ作成タスクの 透明性を上げよう」 37

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1. 現状のプロセスをUXライターが可視化 1. 現状をもとに、チームで取り組むための 理想のプロセスを検討して可視化 1. 理想のプロセスを運⽤するための詳細を明⽂化 ヘルプページ作成のタスクの透明性を上げるために 38

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1. 現状のプロセスをUXライターが可視化 39

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1. 現状のプロセスをUXライターが可視化 40 開発プロセス ● 誰が ● 何をやるか(タスク) ● 観点(タスクをやる際に考慮すること) ● その他(上記以外でメモしておきたいことなど)

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1. 現状のプロセスをUXライターが可視化 41 ヘルプページに関する タスクのほとんどをUXライターが実施

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1. 現状のプロセスをUXライターが可視化 42 開発後半になるにつれて、 タスクが増加

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2. 理想のプロセスをチームで検討して可視化 43 UXライター以外の職能が取り組みやすいように、 ヘルプページ以外の開発アイテムと同じプロセスにすることを意識

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2. 理想のプロセスをチームで検討して可視化 44 「UXライター」から「Bチーム」に変更。

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2. 理想のプロセスをチームで検討して可視化 45 UXライターがやった⽅が品質を担保できるタスクもあると考え、 「UXライターがやること」という⾏を追加

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46 2. 理想のプロセスをチームで検討して可視化 ヘルプページ作成のタスク、理想のプロセスを チームで認識を合わせられた🎉

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3. 理想のプロセスを運⽤するための詳細を明⽂化 47 暗黙知となっていたUXライターの経験知を ほかのメンバーが理解できる形で⾔語化できた 👇 モブライティングなどを通じて プロセスや考慮する観点を⽇頃から少しずつ チームにインプットしていたことが⼤きい

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理想のプロセスで運⽤して どうだったか 48

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😊 UXライターの経験知を⾔語化、 判断根拠などをメンバーに共有しやすくなった 😊 複数の職能視点で考えることができ、 スクラム開発における創発の効果がある 😊 UXライターが不在でもタスクが⽌まらないことが増え、 リードタイムの短縮につながっている 良かったこと 49

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😊 UXライターに限定されていたスキルとタスクが可視化され、 チームのスキルとタスクに変わったと実感しています。 😊 他のメンバーもできるようなドキュメントをまとめていた点も 素晴らしかった。他チームにも参考になると思います。 😊 UXライターがマンパワーで1⼈で何とかするという 負荷の⾼い状況を変えられて良かったです。 😊 この活動により、今まで8chariさんがやりたいけれど できていなかったことができるようになっていたら嬉しい。 😊 実践した結果を振り返って、より良くできると良さそう。 また⼀緒に考えていきましょう。 ほかのメンバーからの声 50

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● 開発メンバーとの距離が近い ● チームの課題はチームで解決するカルチャー ● 職能を超えて、メンバーが複数の役割を果たす ● モブでの作業が⽇常的 51 チームのスキルとタスクにできる背景

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● プログラムの実装もヘルプページもチーム全員で取り組みたい 👉作業が属⼈化しない、創発の効果が期待できる ● だが、実装もヘルプページもチームでリファインメントして、 プランニングして…だと、時間が掛かることは事実 👉リリースが遅れ、顧客に早く価値を届けることから遠ざかる ● チームでリファインメントやプランニングするヘルプページは 厳選する必要がありそう 👉例:チームのスキルの底上げや創発が期待できそうな ヘルプページを対象 とはいえ、課題はある(最近の事情) 52

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スクラムチームにおける ヘルプページの取り組みは まだまだ始まったばかり 53

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でも 「きっと、もっと良くなる」 そう思えるチーム 54

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さいごに もう少し お付き合いください 55

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絶賛採⽤中です! https://open.talentio.com/r/1/c/smarthr/pages/45059 😊ポジションの魅⼒ ● 急成⻑中のプロダクトの開発チームに参加し、UXライターとしてコミットできる ● プロダクトエンジニアやプロダクトマネージャー、プロダクトデザイナー、QAなどの 社内のプロフェッショナルと、⾃社プロダクトのユーザーのどちらにも直接関わりながら仕事ができる ● SmartHRのバリューの1つである「⼀語⼀句に⼿間ひまかける」を体現することが、 プロダクトの品質向上に直接結びつく 何でも聞けるカジュアル⾯談もあります! https://smarthr.co.jp/casualvisit/ SmartHRのスクラムチームで働きたくなったら 56

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ご清聴ありがとうございました 緊張した…