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現代におけるコミュニケーションの整理と 人間が感じる不安、そして弊社での取り組みや意識について

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コミュニケーションの種類 同期 (リアルタイム) 非同期 👂聴覚 視覚👀 対 面 音声通話 チャット メール ビデオ通話 ボイス メッセージ 同期 / 半同期 / 非同期 コミュニケーションには、完全にリアルタイムである「同期的コ ミュニケーション」と、非リアルタイムである「非同期コミュニ ケーション」がある。 音声通話やビデオ通話もリアルタイムのコミュニケーションのよう に感じられるが、通信環境によるタイムラグが必ず生じる。 また、チャットは非同期だと思われるが、リアルタイム性の問われ るコミュニケーション形式のため、半同期となる。 聴覚 / 視覚 ビデオ通話は視覚的ではあるが、全ての非言語的手がかり(表情や ジェスチャー、声のトーンなど)を受け取ることはできない。 チャットとメールは視覚と言っても、文字だけである。

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非言語的手がかりによる影響と矛盾 「非言語的手がかり」とは、文字通りコミュニケーションにおいて手がかりとなる表情・視線・ジェスチャー・声のトーンなどの非言語的要素である。  多い 正確に 伝わる 対 面 音声通話 ビデオ通話  非言語的手がかり 内 容 伝 達 の 正 確 度 対面の方が伝わりやすい、はウソ?! 左図は実験に基づいた結果なのだが、人間は実際「非言語的手がか り」が多い対面の方が、自分が伝えたいことが相手に正確に伝わりや すいと思い込んでいる。 対面以外だと伝わった感覚がない 対面の方が伝わりやすいと思い込んでしまう理由は、対面以外だと 非言語的手がかりが少ないため、「伝わった」感覚が持てないから である。目が合わないのも一つの原因。 非言語的手がかりは、伝わった感覚に有用 実際に物事を正確に伝えることに関しては、非言語的手がかりはむし ろ障壁になりうるが、「伝わった」感覚を抱くためには有用である。 チャット

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雰囲気の共有は、対面が一番 「雰囲気」は、一人の感情を他者が次々と感じ取って「模倣」し、「伝染」していくことにより醸成される。タイムラグがあると感情が寸断され、共有が困難になる。 対 面 ⚡ ⚡ オンライン 「楽しさ」や「幸せ」を共有でき、他者との壁が壊れ、一体 感を味わうことのできる「集団的沸騰」を感じられる状況。 また「笑い」を共有することもできる。笑いには、人間に とって「同じ文化を共有した仲間であること」を証明する機 能があるのだ! 雰囲気を共有できないオンラインでは、一人の感情が盛り上 がってもタイムラグにより寸断されてしまう。 笑いを共有することができないので、どうしても「白けた ムード」になってしまい、仲間意識を生むこともできない。

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対面の方が安心できる人が多い 弊社のアンケート結果でも明らかなように、「オンライン」よりも感情の共有が可能な「対面」の方が安心できる人が多い。 n=17 7 8 1 1

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コミュニケーションの目的によって使い分けよう! 対面も非対面もそれぞれメリットとデメリットがあるので、どんなコミュニケーションをしたいかで使い分けていくのが良い。 正確に内容を伝えたい 音声通話 チャット 心のつながりを大事にしたい 対 面 心のつながりを大事にしたいけど 物理的に集まれない ビデオ通話

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パートナーが不安に思うことランキング - ビデオ通話編 「伝わった」感覚がないことにより不安を覚える人や、話し出すタイミングが掴めない人が多い。 1位 話し終えた後、パートナーの反応が読めない 2位 自分の意見が伝わったか分からない ・ 話し出すタイミングが分からない ・ 話しづらいので、発言するのを諦めてしまう 5位 会議が長引く

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意識すること - ビデオ通話編 ビデオ通話では、対面の「擬似体験」となるように意識していきましょう! タイムラグを小さくする ● 少人数の会議であれば、ミュートをしない ○ 発言前のミュートの解除の動作を省く ○ 非言語的手がかりが伝わりやすいようにする ● イヤホンマイクを使う ○ パソコンに喋りかけるより、早く届く ● チャットを活用する ○ 参加者は全員チャット画面を常に開いておく ○ 発言するタイミングが掴めない場合は、 チャットで発言する 「伝わった」ことを伝える ● 話の途中では積極的に相槌を打つ ○ よそ見をしない ○ 頷くジェスチャーをする(やや大げさに) ○ 邪魔にならない程度に声を出して相槌を打つ ● 話し終わったら、賛成 / 反対 にかかわらず、理解 したことをまず伝える ○ なるほど / そうですね / 理解しました etc...

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意識すること - ビデオ通話編 - カレンダーの設定 会議が長引くことや、全員集まったのか確認できないことに不安を抱えているパートナーもいます。 会議を早く終える ● 会議の時間を5分〜10分短縮して設定する ○ 予定の設定で「会議の迅速化」を設定する ○ ビューの設定を「30分未満の予定を30分間の予 定と同じサイズで表示 しない」のもおすすめ 会議に遅れずに参加する ● スヌーズの設定をする ○ 2021/3/22に実装された新機能 ● 予定の通知を設定をする ○ いくつでも追加できる

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パートナーが不安に思うことランキング - チャット編 文章の細かな印象からパートナーとの心理的距離感まで、不安を抱えている人が多い。 1位 細かなニュアンスが伝えられない ・ 冷たく感じる/感じさせてしまう 3位 文章を作るのに時間がかかる 4位 反応がない/遅い ・ パートナーと仲良くなるきっかけがない ・ 雑談ができない

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意識すること - チャット編 リアルタイム性が求められつつも、正確に物事を伝えることに適したチャットでは、感情の誤解を招かないようにしましょう! リアルタイム性をなるべく担保する ● 自分宛(@channel含む)のメッセージは、なるべく早 く何かしらの反応をする ○ 遅いと何か問題があるのではと感じてしまう ○ 最低でもスタンプを押す ○ スレッドでの返信の方が通知が行くので分かりやすい ○ まとめてチャットをチェックする時間を設けている人 はそれでもOK ● 送信者が先にスタンプを押しておく ○ ほしい反応に該当するスタンプを先に押しておくこと で、他の人が反応しやすくする ○ 複数人宛てに送る場合に効果的 「細かなニュアンスが伝えられない」不安は、本当に課題なのか考えてみましょう🤔 感情を伝えたいのであればチャットは不適切ですし、業務の内容であれば全て言語化するべきです。 冷たく感じさせない文章を作る ● 短文の場合は「。」を使わない ○ 理由は次のページで! ● 語尾に何かをつける ○ 「!」、「ー」や絵文字など何かしらついているだけ で、冷たく感じづらくなります ● 普段から雑談をして信頼関係を築く ○ 冷たく感じる理由の一つは、相手のことをよく知らな いからかも ○ 理由は次の次のページで!

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短文に「。」があると冷たく感じるワケ チャット チャットは、「文章で話す」ツール チャットは、メールや手紙などの長い文章でのやりと りと、会って話す会話の中間のコミュニケーション ツールと言えます。 「。」は、文章を区切る機能しかない 「。」(句点)は、本来は文章と文章を区切る役割しか ありませんし、もちろん実際の会話には存在しません。 本来の用途とは異なる句点に、意味づけをして しまう 短文で話しているにもかかわらず句点が使われると、 受け取り側は違和感を覚え、句点に何かしらの意味が あるのではないかと解釈してしまう。 例えば、以下の3つでも受け取り方が異なりますよね。 ● 「ねえ!」(感嘆符は喜びや楽しさが伝わる) ● 「ねえ」(感情が乗っておらず中立的) ● 「ねえ。」(神妙な感じを醸し出す) 文章を区切る必要のない場面で「。」を使うと、不要な意味 づけをされてしまうので、使わないようにしましょう! ・・・・・

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雑談をしよう! パートナーと仲良くなるきっかけがない、雑談ができないことで、心理的安全性が保たれないことがあります。 研究者が発見した雑談の効果 ● 従業員の前向きな気持ち に貢献する(contributes to employees’ positive emotions) ● 幸福感を促進する (promotes well-being) ● 職場での良好な仲間意識 を醸成する (fosters good workplace citizenship) 噂話や上司の愚痴、センシティブな個人の話ではなく、 ありきたりで表面的な会話こそ、これらの利益をもた らすのだそう。オンライン/オフライン関係なく有効で す。 信頼関係が築かれることで、創造的なアイディアが生ま れやすく、生産性も向上するとのこと! 雑談は本当にあなどれないのだ…! 1.分報の運用 ● パートナーに1日1回ランダムに質問をしてくれる slack連携アプリ ○ 会えば「週末何した?」など何かしら気軽に話しかけ られるかもしれないが、離れていては話題のきっか けがない…を解決してくれる 2.Collaさん の導入 ツールや人の性格によって雑談量に差が出るのは必然的 だが、そこに問題はない。ただ大事なことは「雑談をす る」ことなのだ。 ● 自分だけの空間として気軽につぶやき、雑談の きっかけになる ○ 人によってつぶやく量にはかなりの差が出る

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まとめ 会議の目的を振り返り、最適なコミュニケーション方法を採用する🤗 - p.5 それぞれにおいて「伝わった」ことを特に積極的に伝える💡 - p.8、p.11 パートナーの不安を認識し、良好な関係を築こう!🤝 1 2 3

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参考文献 KAYAKURA.「ビデオ通話の社会学-疑問解決・ストレス解消 知って得するビデオ通話の豆知識-」.https://kayakura.me/video-chat/,(2021/04/15) FASTCOMPANY.「2 science-backed benefits of making small talk with coworkers」.https://www.fastcompany.com/90537949/2-science-backed-benefits-of-making-small-talk-with-coworkers,(2021/04/15) lifehacker.「文の終わりの「。」はなぜ冷たく感じるのか?」.https://www.lifehacker.jp/2020/06/214187dont-use-periods-in-texts.html,(2021/04/02)