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コミュニケーションツールの使い分けと工夫

Nozomi Miyasaka
February 27, 2023

 コミュニケーションツールの使い分けと工夫

Nozomi Miyasaka

February 27, 2023
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  1. 現代におけるコミュニケーションの整理と
    人間が感じる不安、そして弊社での取り組みや意識について

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  2. コミュニケーションの種類
    同期
    (リアルタイム)
    非同期
    👂聴覚 視覚👀
    対 面
    音声通話
    チャット
    メール
    ビデオ通話
    ボイス
    メッセージ
    同期 / 半同期 / 非同期
    コミュニケーションには、完全にリアルタイムである「同期的コ
    ミュニケーション」と、非リアルタイムである「非同期コミュニ
    ケーション」がある。
    音声通話やビデオ通話もリアルタイムのコミュニケーションのよう
    に感じられるが、通信環境によるタイムラグが必ず生じる。
    また、チャットは非同期だと思われるが、リアルタイム性の問われ
    るコミュニケーション形式のため、半同期となる。
    聴覚 / 視覚
    ビデオ通話は視覚的ではあるが、全ての非言語的手がかり(表情や
    ジェスチャー、声のトーンなど)を受け取ることはできない。
    チャットとメールは視覚と言っても、文字だけである。

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  3. 非言語的手がかりによる影響と矛盾
    「非言語的手がかり」とは、文字通りコミュニケーションにおいて手がかりとなる表情・視線・ジェスチャー・声のトーンなどの非言語的要素である。
     多い
    正確に
    伝わる
    対 面
    音声通話
    ビデオ通話
     非言語的手がかり








    対面の方が伝わりやすい、はウソ?!
    左図は実験に基づいた結果なのだが、人間は実際「非言語的手がか
    り」が多い対面の方が、自分が伝えたいことが相手に正確に伝わりや
    すいと思い込んでいる。
    対面以外だと伝わった感覚がない
    対面の方が伝わりやすいと思い込んでしまう理由は、対面以外だと
    非言語的手がかりが少ないため、「伝わった」感覚が持てないから
    である。目が合わないのも一つの原因。
    非言語的手がかりは、伝わった感覚に有用
    実際に物事を正確に伝えることに関しては、非言語的手がかりはむし
    ろ障壁になりうるが、「伝わった」感覚を抱くためには有用である。
    チャット

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  4. 雰囲気の共有は、対面が一番
    「雰囲気」は、一人の感情を他者が次々と感じ取って「模倣」し、「伝染」していくことにより醸成される。タイムラグがあると感情が寸断され、共有が困難になる。
    対 面
    ⚡ ⚡
    オンライン
    「楽しさ」や「幸せ」を共有でき、他者との壁が壊れ、一体
    感を味わうことのできる「集団的沸騰」を感じられる状況。
    また「笑い」を共有することもできる。笑いには、人間に
    とって「同じ文化を共有した仲間であること」を証明する機
    能があるのだ!
    雰囲気を共有できないオンラインでは、一人の感情が盛り上
    がってもタイムラグにより寸断されてしまう。
    笑いを共有することができないので、どうしても「白けた
    ムード」になってしまい、仲間意識を生むこともできない。

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  5. 対面の方が安心できる人が多い
    弊社のアンケート結果でも明らかなように、「オンライン」よりも感情の共有が可能な「対面」の方が安心できる人が多い。
    n=17
    7
    8
    1
    1

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  6. コミュニケーションの目的によって使い分けよう!
    対面も非対面もそれぞれメリットとデメリットがあるので、どんなコミュニケーションをしたいかで使い分けていくのが良い。
    正確に内容を伝えたい
    音声通話
    チャット
    心のつながりを大事にしたい
    対 面
    心のつながりを大事にしたいけど
    物理的に集まれない
    ビデオ通話

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  7. パートナーが不安に思うことランキング - ビデオ通話編
    「伝わった」感覚がないことにより不安を覚える人や、話し出すタイミングが掴めない人が多い。
    1位 話し終えた後、パートナーの反応が読めない
    2位
    自分の意見が伝わったか分からない ・ 話し出すタイミングが分からない ・
    話しづらいので、発言するのを諦めてしまう
    5位 会議が長引く

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  8. 意識すること - ビデオ通話編
    ビデオ通話では、対面の「擬似体験」となるように意識していきましょう!
    タイムラグを小さくする
    ● 少人数の会議であれば、ミュートをしない
    ○ 発言前のミュートの解除の動作を省く
    ○ 非言語的手がかりが伝わりやすいようにする
    ● イヤホンマイクを使う
    ○ パソコンに喋りかけるより、早く届く
    ● チャットを活用する
    ○ 参加者は全員チャット画面を常に開いておく
    ○ 発言するタイミングが掴めない場合は、
    チャットで発言する
    「伝わった」ことを伝える
    ● 話の途中では積極的に相槌を打つ
    ○ よそ見をしない
    ○ 頷くジェスチャーをする(やや大げさに)
    ○ 邪魔にならない程度に声を出して相槌を打つ
    ● 話し終わったら、賛成 / 反対 にかかわらず、理解
    したことをまず伝える
    ○ なるほど / そうですね / 理解しました etc...

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  9. 意識すること - ビデオ通話編 - カレンダーの設定
    会議が長引くことや、全員集まったのか確認できないことに不安を抱えているパートナーもいます。
    会議を早く終える
    ● 会議の時間を5分〜10分短縮して設定する
    ○ 予定の設定で「会議の迅速化」を設定する
    ○ ビューの設定を「30分未満の予定を30分間の予
    定と同じサイズで表示
    しない」のもおすすめ
    会議に遅れずに参加する
    ● スヌーズの設定をする
    ○ 2021/3/22に実装された新機能
    ● 予定の通知を設定をする
    ○ いくつでも追加できる

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  10. パートナーが不安に思うことランキング - チャット編
    文章の細かな印象からパートナーとの心理的距離感まで、不安を抱えている人が多い。
    1位 細かなニュアンスが伝えられない ・ 冷たく感じる/感じさせてしまう
    3位 文章を作るのに時間がかかる
    4位 反応がない/遅い ・ パートナーと仲良くなるきっかけがない ・ 雑談ができない

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  11. 意識すること - チャット編
    リアルタイム性が求められつつも、正確に物事を伝えることに適したチャットでは、感情の誤解を招かないようにしましょう!
    リアルタイム性をなるべく担保する
    ● 自分宛(@channel含む)のメッセージは、なるべく早
    く何かしらの反応をする
    ○ 遅いと何か問題があるのではと感じてしまう
    ○ 最低でもスタンプを押す
    ○ スレッドでの返信の方が通知が行くので分かりやすい
    ○ まとめてチャットをチェックする時間を設けている人
    はそれでもOK
    ● 送信者が先にスタンプを押しておく
    ○ ほしい反応に該当するスタンプを先に押しておくこと
    で、他の人が反応しやすくする
    ○ 複数人宛てに送る場合に効果的
    「細かなニュアンスが伝えられない」不安は、本当に課題なのか考えてみましょう🤔
    感情を伝えたいのであればチャットは不適切ですし、業務の内容であれば全て言語化するべきです。
    冷たく感じさせない文章を作る
    ● 短文の場合は「。」を使わない
    ○ 理由は次のページで!
    ● 語尾に何かをつける
    ○ 「!」、「ー」や絵文字など何かしらついているだけ
    で、冷たく感じづらくなります
    ● 普段から雑談をして信頼関係を築く
    ○ 冷たく感じる理由の一つは、相手のことをよく知らな
    いからかも
    ○ 理由は次の次のページで!

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  12. 短文に「。」があると冷たく感じるワケ
    チャット
    チャットは、「文章で話す」ツール
    チャットは、メールや手紙などの長い文章でのやりと
    りと、会って話す会話の中間のコミュニケーション
    ツールと言えます。
    「。」は、文章を区切る機能しかない
    「。」(句点)は、本来は文章と文章を区切る役割しか
    ありませんし、もちろん実際の会話には存在しません。
    本来の用途とは異なる句点に、意味づけをして
    しまう
    短文で話しているにもかかわらず句点が使われると、
    受け取り側は違和感を覚え、句点に何かしらの意味が
    あるのではないかと解釈してしまう。
    例えば、以下の3つでも受け取り方が異なりますよね。
    ● 「ねえ!」(感嘆符は喜びや楽しさが伝わる)
    ● 「ねえ」(感情が乗っておらず中立的)
    ● 「ねえ。」(神妙な感じを醸し出す)
    文章を区切る必要のない場面で「。」を使うと、不要な意味
    づけをされてしまうので、使わないようにしましょう!
    ・・・・・

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  13. 雑談をしよう!
    パートナーと仲良くなるきっかけがない、雑談ができないことで、心理的安全性が保たれないことがあります。
    研究者が発見した雑談の効果
    ● 従業員の前向きな気持ち に貢献する(contributes
    to employees’ positive emotions)
    ● 幸福感を促進する
    (promotes well-being)
    ● 職場での良好な仲間意識 を醸成する
    (fosters good workplace citizenship)
    噂話や上司の愚痴、センシティブな個人の話ではなく、
    ありきたりで表面的な会話こそ、これらの利益をもた
    らすのだそう。オンライン/オフライン関係なく有効で
    す。
    信頼関係が築かれることで、創造的なアイディアが生ま
    れやすく、生産性も向上するとのこと!
    雑談は本当にあなどれないのだ…!
    1.分報の運用
    ● パートナーに1日1回ランダムに質問をしてくれる
    slack連携アプリ
    ○ 会えば「週末何した?」など何かしら気軽に話しかけ
    られるかもしれないが、離れていては話題のきっか
    けがない…を解決してくれる
    2.Collaさん の導入
    ツールや人の性格によって雑談量に差が出るのは必然的
    だが、そこに問題はない。ただ大事なことは「雑談をす
    る」ことなのだ。
    ● 自分だけの空間として気軽につぶやき、雑談の
    きっかけになる
    ○ 人によってつぶやく量にはかなりの差が出る

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  14. まとめ
    会議の目的を振り返り、最適なコミュニケーション方法を採用する🤗 - p.5
    それぞれにおいて「伝わった」ことを特に積極的に伝える💡 - p.8、p.11
    パートナーの不安を認識し、良好な関係を築こう!🤝
    1
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  15. 参考文献
    KAYAKURA.「ビデオ通話の社会学-疑問解決・ストレス解消 知って得するビデオ通話の豆知識-」.https://kayakura.me/video-chat/,(2021/04/15)
    FASTCOMPANY.「2 science-backed benefits of making small talk with
    coworkers」.https://www.fastcompany.com/90537949/2-science-backed-benefits-of-making-small-talk-with-coworkers,(2021/04/15)
    lifehacker.「文の終わりの「。」はなぜ冷たく感じるのか?」.https://www.lifehacker.jp/2020/06/214187dont-use-periods-in-texts.html,(2021/04/02)

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