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知識の非対称性を越える ― PdMがエキスパートと築く、 信頼と対話の 『意思決定の技術』 2025/11/21 株式会社enechain 坂田 太駿

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新卒でグリー株式会社に入社。 以降エウレカ、メルカリなど 主にtoCサービスのプロダクトマネージャーを担当。 2024年7月にenechainに入社し、 電力卸取引のオンライン取引マーケットプレイスや 電力卸取引における信用リスクヘッジサービスを担当。 坂田 太駿 テクノロジー本部 プロダクトマネジメントデスク シニアプロダクトマネジャー Profile 2

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未経験ドメインに入った私がぶつかった知識の非対称性 知識にギャップが ありすぎて 議論ができない 01 3

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未経験ドメインに入った私がぶつかった知識の非対称性 知識にギャップが ありすぎて 議論ができない 議論ができても 詳細がうまく 擦り合わない 01 02 4

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未経験ドメインに入った私がぶつかった知識の非対称性 知識にギャップが ありすぎて 議論ができない 議論ができても 詳細がうまく 擦り合わない 擦りあったはずの 内容が実は 全然違っていた 01 02 03 5

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知識ギャップがあり、信頼も議論の土台もない状態 PdMとしてチームが納得して動ける『意思決定』ができる 6

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今回の前提となる『目指した意思決定』 動き出せるだけの方向性を作り都度修正できる意思決定 DO 揺るぎないゴールに向けた1本道を引く意思決定 DON'T 7

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知識にギャップがありすぎて議論ができない 01 9

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これ、意味わかりますか? スポット価格品代分 現在値差=未精算を対象かつスポット価格が確定している日を対象に、Σ (粒度※に 合わせた平均スポット価格×同対象期間のデリバリー済電力量kWh) で計算。清算後 に現在値差はなくなる 現物BG渡し (買いも売りも両方とも) のみの場合 (現物JEPX渡しは不要) ベースであれば24時間の平均で可能。ピークであれば、8-20の時間帯の平均で 可能。将来的に通変取引まで対応するとコマが最小粒度となる 10

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これ、意味わかりますか? スポット価格品代分 現在値差=未精算を対象かつスポット価格が確定している日を対象に、Σ (粒度※に 合わせた平均スポット価格×同対象期間のデリバリー済電力量kWh) で計算。清算後 に現在値差はなくなる 現物BG渡し (買いも売りも両方とも) のみの場合 (現物JEPX渡しは不要) ベースであれば24時間の平均で可能。ピークであれば、8-20の時間帯の平均で 可能。将来的に通変取引まで対応するとコマが最小粒度となる ??? 11

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未経験ドメインに入った私がぶつかった知識の非対称性 01 知識にギャップが ありすぎて 議論ができない 知識なし 信頼なし(該当プロジェクトにおいては) 決定余地ほぼなし 01 12

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徹底的に理解するために時間を使い、 から を得る 理解 信頼 ① 用語や概念がわからなかったら勉強会を依頼 自分で調べてわかりそうなことでも、一般論と異なるドメイン特有の定義もある。 自分で学習してわかったと思ったが、実はわかっていないパターンは避けるべきなの で直接教わるのが吉。 KPI=会話時間 ② ユビキタスは積極的に整理して認識を揃える 貢献余地の少ない初期にもチームに貢献できるのは、チームの学習を助けること。 理解のためのアクションを他メンバーにも役立つ形で実行する どう解決したか? 知識の穴を晒すことで、周りに正確に自分のレベルを理解してもらい、 最速で知識ギャップを埋める 13

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徹底的に理解するために時間を使い、 から を得る 理解 信頼 どう解決したか? 信頼 0→1フェーズ:信頼の獲得 知識がない部分をオープンにしつつ、全力で埋めて信頼を得る 対話 教わる対話 議論できないを最速で卒業するためにもエキスパートに直接教わる。 意思決定 意思決定のための土台を、知識+信頼の獲得によって築く この時点では主体的な意思決定はできない。サポートに徹する。 14

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議論ができても詳細がうまく擦り合わない 02 15

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認識が擦りあって仕様を書いたけど... この書類の処理フローは「作成→承認or棄却」ですよね そうです!それぞれの時刻がログとして残ればOKです そういうユースケースもあるんですね 必要度を確認してスコープを見直しましょう あ、棄却されるってことは同じ内容で値だけ変えて再作 成したい場合もあるんだけど、棄却したものは複製みた いことできる? 16

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未経験ドメインに入った私がぶつかった知識の非対称性 02 議論ができても 詳細がうまく 擦り合わない 抽象的すぎ or 具体的すぎ 02 17

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① 全体図やフロー図をつくり要素を洗い出す 勉強会とは異なり、インプットした内容から全体像やフロー図を作ってエキスパートにあ てることで暗黙知を可視化する。網羅的な整理が必要だが存在しない場合、この作業は 自分だけでなくチームの理解を助ける。 KPI=整理の数 ② 分岐に注意してレアケースも見落とさない 勉強会や口頭議論ではメインケースの話や個々人のイメージする代表例をベースに話し て、レアな分岐の議論が漏れることもある。 どう解決したか? 抽象と具体の間にある実在するパターンの整理や 詳細なフローを武器に、詳細にすり合わせる 抽象と具体の“中間”を整理 暗黙知 することで を可視化 18

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実例 20

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どう解決したか? 信頼 1→10フェーズ:信頼の拡大 整理と可視化を通じて、チームに新しい理解をもたらす存在として信頼される。 対話 整理する対話 教わるだけではなく自分から発見・解消に向かうコミュニケーションをとることで 知識+信頼を広げていく 意思決定 深めた知識と理解で方向づける エキスパートの中にはあったが未整理の暗黙知を可視化することで、擦り合わせながら 意思決定を方向づけ、チームを前に進められる。 抽象と具体の“中間”を整理 暗黙知 することで を可視化 21

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擦りあったはずの内容が実は全然違っていた 03 22

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認識が擦りあって仕様を書いたけど... あれ、xxxのパターンではどうなるの? この前の整理ではなかったパターンですね 23

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ここまでのフェーズとの大きな違い Before After PdMからズレを確認・指摘しないといけないケースも出てくる 信頼なし → 理解できたね+信頼あり 信頼あり+オーナータスクあり 知識なし 教えてもらう 整理できたらお手柄 認識は揃っている(はず) 仕様策定している ズレたときの「確認主体」 24

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未経験ドメインに入った私がぶつかった知識の非対称性 03 擦りあったはずの 内容が実は 全然違っていた 信頼を損なわないような ズレの解消 03 人ではなく成果物で擦り 合わせる 25

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① 明確なレビュー対象成果物とタイミングを設定 ここまでとは違いMTG等の議論ベースでは仕様レベルの細かなすり合わせは不可能。参 加者に依存しない&人に責任が行かないように成果物を定義して、アウトプットへのレ ビューをコミットしてもらうことでズレを防ぐ。 成果物 × チェックポイントで“巻き戻り”を防ぐ KPI=ズレの発見 ② ズレの発見を歓迎する レビューはズレの発見をする公式な場として機能する。経験上進捗確認MTGでの指摘や slack等での「突発的」な指摘は双方心地よくないことが多く、100%ズレは生じるもの として、タイミングと扱いをコントロールすることで信頼を損ねにくい どう解決したか? ズレは起きるものとして成果物を定義して、 心地よいズレの検知をデザインする 26

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信頼 維持フェーズ 議論をするようになれば食い違いや対立も起こりうる。信頼関係を維持できるようなプ ロセスを用意する。 対話 ズレを見つける対話 対象とタイミングをコントロールすることで「歓迎されるズレの発見」を生む対話を作 り出す 意思決定 1人で決めずチームで修正する意思決定を実現 ズレの発見と修正のサイクルを作れれば、高速にブラッシュアップされ、チームで納得 する意思決定ができる 成果物 × チェックポイントで“巻き戻り”を防ぐ どう解決したか? 27

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まとめ:信頼と対話の『意思決定の技術』とは? 知識にギャップが ありすぎて 議論ができない 議論ができても 詳細がうまく 擦り合わない 擦りあったはずの 内容が実は 全然違っていた 01 02 03 信頼 信頼の拡大 対話 整理する対話 意思 決定 知識と理解で 方向づけ 信頼 信頼の維持 対話 ズレを見つける 対話 意思 決定 チームで修正する 意思決定 信頼 信頼の獲得 対話 教わる対話 意思 決定 意思決定のための 土台を築く KPI=会話時間 KPI=整理の数 KPI=ズレの発見 28

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Thank you