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レセプトについて 詳しくなろう 薬剤師 たけお

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今日話すこと 目的 レセプトとは レセプト請求の仕組み レセプトデータを読み解いていこう おまけ レセコンについて オンライン資格システムについて 電子処方箋について

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注意事項 レセプトデータ構造は「令和2年7月版 編集 社会保険診療報酬支払基金 」をもとにし ています https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/rezept/iryokikan/iryokikan_02.files/jiki_t01.pdf 最新のデータは変更があるかもしれないです。

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レセプトとは レセプト業務とは、組合健保や協会けんぽ、市区町村などの健康保険の保険者に診療報酬を請求する業 務のことを指します。「レセプト」とは、保険者に請求する診療報酬明細書のことです。 「診療報酬」とは、診療に要した費用のことで、診療報酬点数表に基づいて点数で算出されます。「医療 費」は診療報酬点数から 1点=10円として金額で算出されます。 日本では国民皆保険制度により、加入者が診察を受けるときは最大で医療費の 3割を患者が負担し、残 りの7割は健康保険組合などを運営する保険者が負担する仕組みとなっています。

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レセプトとは

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レセプト作成業務の流れ 1. 診療情報の入力 2. レセプトの作成・出力 3. レセプト点検 4. 医師による確認、審査支払機関への提出 5. 返戻対応

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診療情報の入力 診療が終わると、その日の診療内容(診療情報)をレセプトコンピュータ(以下、レセコン) に入力(診療内容を表すコードを入力) このコードに応じて自動的に診療報酬点数が計算されレセプトが作成される

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レセプトの作成・出力 月初めにレセプトの作成・出力を行う レセプトには患者一人ひとりの1ヵ月間の診療内容・診療報酬を記録するため、患者一 人につき1件のレセプトを作成 クリニックでも病院でも行われ、ときには月に数千件という量のレセプトを作成することも

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レセプト点検 レセプト業務のメイン業務(主に各医療機関の医療事務が担当) レセコンに入力されている情報と実際の診療内容と相違がないかをチェックする 傷病名と診療行為、処方薬との整合性などを人の目で点検 また、実際にある疾病に対して診療が行われていても、条件によっては算定できないこ ともある(返戻) 診療内容と算定ルールの理解が必須で超重要 気になる方は「診療報酬請求事務 能力検定試験」を勉強してね

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医療従事者への修正依頼 レセプトの内容に不整合の疑いがある場合は、医師や薬剤師に再確認、相違があれば 訂正してもらう 添付資料の提出が必要な場合は、文書の作成や内容の確認依頼も必要になる

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審査支払機関への提出 作成した全レセプトの記載内容がすべて正しく整ったら、レセプトと診療報酬請求書を審 査支払機関に提出 レセプトは月末締め、翌月10日までに提出 なので月初の事務さんはピリピリしています。こわいです。 事務さんがピリピリしていたらレセプトで大変なんだと思いましょう

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返戻対応 レセプト請求に対し、審査側が適当でないと判断した場合に、レセプトが医療機関に戻っ てきて、精査・修正のうえ再提出を求められること 医療行為の適否の判断が難しい場合に実施され、審査側から一方的にレセプト自体が 差し戻される 基準は審査機関ごとに異なる。群馬なら保険通ったのに...みたいなことも起こる 名古屋(愛知?)は厳しくて、三重はゆるいらしい

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おまけ レセコンとは 会計業務の効率化を行いたいならレセコン 診察(調剤)業務を中心に患者情報管理の効率化を行いたいのなら電子カルテ(電子薬歴)

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レセコン一体型 受付から調剤、会計業務までの情報を一元管理できるのがメリット 例えばカケハシのMusubi Musubiは電子薬歴のみ(一部レセコンとは連携可能) 調剤業務は効率化するよ!けどレセプト請求作業は別でがんばってね😊 (レセコン一体型から切り替えた場合、総業務量は変わらないという声も...)

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ただレセプト一体型は大変 2年に一度の診療(調剤)報酬改定 各医療ベンダーはシステムとマスタデータの大改修作業が必要 しかも国からの改定発表は3月、新制度は4月から施行 一応改定方針は12月頃から発表しているが、そうはいっても3ヶ月ほどでリリースさせな ければならない

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国の交付 1ヶ月も無い デスマーチ不可避

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本題 レセプトデータを解説

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次のコードは何を意味しているかわかりますか? HO,06132013,999,1234,2,1500,,,,,,,, いきなりですが

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それでは順に解説していきます 分からないですよね

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電子レセプトデータはCSVファイルです 電子レセプトデータの中身は状態を保持しており、上から順番に読み取らないと正確な 情報になりません 電子レセプトデータの中身は行毎にカラム数が異なります 行が異なれば、同じ列に同じ値が入っていても意味が同じとは限りません まず基本

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一列目は「レコード識別情報」と呼ばれる その行が何の情報を記録しているかを表している HO,06132013,999,1234,2,1500,,,,,,,, であれば「HO」の部分。 ちなみにこれは「保険者レコード」であり、保険者情報を表している まず1列目を確認せよ

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電子レセプトデータのイメージ

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「レコード識別情報」はIR 医療機関の情報を表しており、レセプトデータの先頭行にのみ記載されている 例) IR,1,13,1,1234567,,基金病院,202007,00,03-1234-5678 医療機関情報レコード

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「レコード識別情報」はRE レセプトで請求される患者の基本情報 次のREまでのレセプトデータは、全てこのREレコードに紐づく 例) RE,100,1115,202006,基金 花子,2,19930702,,20200612,,,,,A123-456,,,,,,,,10,,,,,,,,,,,,,,,キキンハナコ, レセプト共通レコード

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「レコード識別情報」はHO 患者の保険情報を表す 例) HO,01131234,12345678,1234567,30,100000,,90,57600,,,44400,1,20, 保険者レコード

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「レコード識別情報」はKO 患者の公費情報を表す 例) KO,51131234,0001234,,30,5500,10000,,11000,,0,0 公費レコード

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「レコード識別情報」はJD 患者の保険情報を表す 例) JD,1,1,,2,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, 受診日等レコード

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こんな感じで様々なレコードがあります 詳細のドキュメントについては、医科・歯科・調剤毎にPDFが分かれており、それぞれ社 会保険診療報酬支払基金が公表しています 各数値の詳細な意味を知りたい方はぜひ見てみてください 全部を説明すると長くなるのでここまで

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1. IR,...(医療機関情報、必ず1行目のみに記載) 2. RE,...(ここから患者Aさんのレセプト情報) 3. HO,... 4. JD,... 5. … 6. RE,...(ここから患者Bさんのレセプト情報) 7. HO,... 8. JD,... 9. … 電子レセプトデータの構成イメージ

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YOJOもレセコン導入しているので電子レセプトデータはあるはず、たぶん 気になる方は実データを見てみることをお勧めします。 実データを見るのが一番

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レセプトとは保険者に請求する診療報酬明細書のこと レセプト業務とは、保険者に診療報酬を請求する業務のこと レセコンと診療報酬明細書を自動で作成してくれるシステムのこと 電子レセプトデータは状態依存CSVファイルです まとめ

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ちなみにレセプトだけでこんな分析ができます エムティーアイ(ルナルナの会社)のCLINICBOADというサービス(開発はどこか別の会 社) https://clinicboard.jp/ デモがきれい https://clinicboard.jp/top?after_sign_in=true&priority_hospital_id=999999

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おまけ  オンライン資格システム 電子処方箋

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  ● オンライン資格システム ○ レセプトデータをオンラインで確認できるシステム ○ 提出されたレセプトが見えるだけで、リアルタイム性はない ○ データフォーマットは以下の XML ■ https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/download/docs/f6b6db62f5bca4c71572969a43b accd5.pdf ● 電子処方箋 ○ リアルタイムで直近の処方箋が確認できる ○ オンライン資格システムの導入が必須 ○ データフォーマットは HL7 CDA ■ https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000539186.pdf