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すいか農園記 SORACOM UG Online #7 ~ 農業に IoT を活用しよう!農業活用特集!

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お話しすること ● すいか農園でのIoT活用事例 ○ シーズンごとの課題や結果等 ○ 導入したものや失敗談など ■ 課題 ■ 導入 ■ システム構成 ■ まとめ

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みなさんへ ● これを機会に、少しでもすいかのことを 知ってもらえるとうれしいです😆 ● これ、もっと簡単にできるよ!などあればフィードバック いただけるとさらにうれしいです😂

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自己紹介 ● 知野雄二 ● 長野県長野市の「日本システム技研」でWebエンジニアしてます󰞵 ● SORACOM UG 農業活用コミュニティ コアメンバー🍅 ○ 主に雑用、Web、クラウド担当してます! ● お酒(🍺他)やドライブ(🚲・🚗他)すきです ● 最近、コーチングにも興味あり👀 ● SNS ○ twitter: @chinoppy0727 ○ facebook: 知野 雄二

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自己紹介 ● 浦野さん ● 雅秋園 園主 ○ https://gasyuuen.com/ ○ ぶどう狩りの観光農園の園主 ● 私が農家の方たちと関わるきっかけをつくってくれた方 ● ぶどうを育てながら ハードウェア側の検討や開発、設置等もしてくださってます

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レジュメ ● 農園について ● すいかと、すいかが育つ場所について ○ 種まき〜収穫まで ○ 育苗ハウス、畑 ● シーズンごとの事例 ○ 2019年シーズン ○ 2020年シーズン ○ 2021年シーズン ● まとめ

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農園について

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農園について ● 土肥農園 ○ https://www.dosuika.com/ ○ 土肥さんが運営するすいかに特化した農園(秋ころは野菜も出荷) ○ ブログやすいかについてなど充実しているのでせひ、 HPみてみてください🎉 ○ 土肥農園のすいか「どすいか」もぜひ!よろしくお願いします 🍉 ※本発表のシステムに関連した問い合わせ等はお控えお願いします 🙏 ※すいかの注文はどんどんお願いします! ● 規模 ○ 育苗ハウス:1つ ○ 畑:5つ ■ 内訳:4つが「すいか畑」、1つが「野菜畑」

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すいかと、 すいかが育つ場所 について

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すいかの栽培が本格的に始まるのは 何月からか知っていますか?👀

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種まき〜収穫まで 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 ※ あくまでもスイカを育てるなかの一部を抜粋したものです 苗を育てる(種まき、接ぎ木など) 苗を畑への定植作業 収穫 育苗ハウス 畑   まだまだたくさん作業があり、今回、対象としている月以外にも、もちろん作業があります

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育苗ハウス ● 苗を育てるハウス

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畑 ● 苗を定植してスイカを収穫するところ

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シーズンごとの 事例

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シーズンごとの概要 ● 2019年シーズン ○ 育苗ハウス ■ 温度管理 ● 2020年シーズン ○ 育苗ハウス ■ 温度管理 ○ 畑 ■ 温度管理、土壌水分測定( pF) ● 2021年シーズン ○ 2020年シーズンのアップデート

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2019シーズン

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シーズンごとの概要 ● 2019年シーズン ○ 育苗ハウス ■ 温度管理 ● 2020年シーズン ○ 育苗ハウス ■ 温度管理 ○ 畑 ■ 温度管理、土壌水分測定( pF) ● 2021年シーズン ○ 2020年シーズンのアップデート

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課題 - 2019 ● 育苗は温度管理が重要!!! ● 育苗ハウスの温度を「15℃〜30℃」を保つ ○ ⇒下回ったり、超えてしまうとすぐ葉が黒くなってしまう・・・

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Sens'it を使用して温度測定・通知 ● 簡単に導入できるけど、まだ実績がないためお試しで育苗 ハウスのうち1つにSens'itを設置 ● 温度の精度も試すため、温度計と一緒にハウスに いれて測定 ● あと、閾値を逸脱したら通知

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構成 - 2019 Funnel AWS Lambda Amazon DynamoDB Amazon API Gateway AWS IoT Core 通知 監視 育苗ハウス

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ただ・・・😣 問題もあり・・・

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Sens'itが壊れてしまった・・・😓

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湿度がほぼ100%・・・ ● 育苗ハウス内は湿度ほぼ100% ● Sens'it V2は防水ではない・・

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工夫はしたのですが・・・ ● ナイロンの袋にいれてみた ⇒湿度は抑えられるけど、袋内の温度がすぐ下がらないため  余計に通知されてしまった・・・ ● サランラップを巻いてみた ⇒通知については抑えられたけど、湿度100%・・・

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2019シーズンとしては ● Sens'itで簡易的にセンサを導入できる ○ 温度の精度 ⇒仕様通り精度に問題はなし ( https://soracom.jp/store/5214/ ) ● 導入し監視・通知することにより、他の作業を安心してできる ○ 定期的に見に行っていたが、それをしなくてすむ ○ 寒い時期にいれるヒーターがついていないことにも気がつけた ● だたSens'it V2について ○ 防水ではないので注意・・・ ○ 路地でも結露で水が結構、貯まるので注意・・・ ○ バッテリーが切れる前に充電しておいた方がよさそう ■ バッテリー切れると送信開始されるまで時間がかかった・・・ ■ バッテリーの数値が 3.6を下回ったら充電するようにしました

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2020シーズン

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シーズンごとの概要 ● 2019年シーズン ○ 育苗ハウス ■ 温度管理 ● 2020年シーズン ○ 育苗ハウス ■ 温度管理 ○ 畑 ■ 温度管理、土壌水分測定( pF) ● 2021年シーズン ○ 2020年シーズンのアップデート

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課題 - 2020 ● 育苗ハウス ○ 育苗ハウスの温度を「 15℃〜30℃」を保つ ○ 複数の育苗ハウスの温度管理をしたい ● 畑 ○ 複数の畑があり、高低差もかわるため、気温もかわってくる 気温によりビニールトンネルの開閉をしたいが、数が多くすごく時間がかかってしまう・・・ 開閉の判断をしたい(一番怖いのは、寒い日や霜) ■ 温度管理(ビニールトンネルの中)をして開閉の必要があるか知りたい ○ 灌水のタイミング ■ 土壌水分測定(pF)

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課題 - 2020 ● 育苗ハウス ○ 育苗ハウスの温度を「 15℃〜30℃」を保つ ○ 複数の育苗ハウスの温度管理をしたい ● 畑 ○ 複数の畑があり、高低差もかわるため、気温もかわってくる 気温によりビニールトンネルの開閉をしたいが、数が多くすごく時間がかかってしまう・・・ 開閉の判断をしたい(一番怖いのは、寒い日や霜) ■ 温度管理(ビニールトンネルの中)をして開閉の必要があるか知りたい ○ 灌水のタイミング ■ 土壌水分測定(pF)

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● TWE-LITE ○ 小型、省電力を保ちながら長距離通信を実現 ○ ただ、障害物等には弱い ○ https://mono-wireless.com/jp/products/TWE-LITE/index.html ○ 防水もしっかり対策💪 ■ TWE-LITEをタッパーの中にいれて防水対策 ○ センサの値をTWE-LITEで送信 センサとTWE-LITEを使用して温度管理・通知

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構成 - 2020 Funnel AWS Lambda Amazon DynamoDB Amazon API Gateway AWS IoT Core 通知 監視 育苗ハウス

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時々、夜になると温度が クラウドへアップされてない🤔

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時々、夜になると温度が クラウドへアップされてない🤔 温度

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防寒対策のため夜は昼間より ハウスに被せるものが増える 寒冷紗(かんれいしゃ)など

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電波強度

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温度計のみハウスにいれるように改修 ● 温度計のみを育苗ハウスにいれるようにして アンテナ(赤い部分)含む本体を育苗ハウスの 外にだすようにしました😆 ○ もともとは、本体含め育苗ハウスのなかにはいっていました

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課題 - 2020 ● 育苗ハウス ○ 育苗ハウスの温度を「 15℃〜30℃」を保つ ○ 複数の育苗ハウスの温度管理をしたい ● 畑 ○ 複数の畑があり、高低差もかわるため、気温もかわってくる 気温によりビニールトンネルの開閉をしたいが、数が多くすごく時間がかかってしまう・・・ 開閉の判断をしたい(一番怖いのは、寒い日や霜) ■ 温度管理(ビニールトンネルの中)をして開閉の必要があるか知りたい ⇒ちなみに、ビニールトンネルは 約80列あります!(※2021シーズン実績) ○ 灌水のタイミング ■ 土壌水分測定(pF)

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Sens'itでビニールトンネルの中の温度管理 ● 畑のビニールトンネルはそれほど湿度は高くない ● 他のハウスで普通に計測できていたのでおそらく壊れるこ ともなさそう ● 2つの畑にひとつずつ設置 ● ちなみに ○ TWE-LITEも検討したが周りに電源がなくクラウドへ アップするラズパイが設置できない・・・ ○ 別々の畑で1箇所ずつでもよいので計測したい

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ただ直射日光は浴びてしまうので・・・ ● 傘をつくって防ぎました ○ 浦野さんの手作りです 👏

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課題 - 2020 ● 育苗ハウス ○ 育苗ハウスの温度を「 15℃〜30℃」を保つ ○ 複数の育苗ハウスの温度管理をしたい ● 畑 ○ 複数の畑があり、高低差もかわるため、気温もかわってくる 気温によりビニールトンネルの開閉をしたいが、数が多くすごく時間がかかってしまう・・・ 開閉の判断をしたい(一番怖いのは、寒い日や霜) ■ 温度管理(ビニールトンネルの中)をして開閉の必要があるか知りたい ⇒ちなみに、ビニールトンネルは 78列あります!(※2021シーズン実績) ○ 灌水のタイミング ■ 土壌水分測定(pF)

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● Wio LTE JP Version + Wio Extension – RTC + モバイルバッテリー をボックス化 してpF計と接続 ○ WioLTE JP Versionを常に起動しているとすぐにバッテリーがなくなって しまうため ○ RTCで1時間毎、起動⇒クラウドへ pFをアップ⇒電源OFFをするよう にしました! ビニールトンネルの土壌水分測定

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構成 - 2020 Funnel AWS Lambda Amazon DynamoDB Amazon API Gateway AWS IoT Core 通知 監視 育苗ハウス 畑

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● 試運転している中で、高温でモバイルバッテリーの温度保護が働いて 電源が落ちてしまう時があった・・・ ● 日射を遮るカバーと検証用にボックス内の温度を測るように改良 ボックス内の温度が上がってバッテリーが落ちてしまう・・・

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2020シーズンとしては ● 育苗ハウス ○ 最初のうちは途切れることが多かったですが、センサのみをハウスにいれたり 工夫することによりだんだんと安定してきました 🙌 ○ 温度の精度についても問題なく通知、監視することにより 2019シーズンと同様の成果がありました ● 畑について ○ Sens'it、Wioともに順調に稼働 ○ 自宅と畑、畑同士も離れているので遠隔監視できることにより、 別のところを確認しながら安心して今の作業ができるようになった ○ 経験値でやっていたことが、数値でみれるようになり根拠を もって水やりや、ビニールトンネルの開閉ができるようになった

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2021シーズン

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シーズンごとの概要 ● 2019年シーズン ○ 育苗ハウス ■ 温度管理 ● 2020年シーズン ○ 育苗ハウス ■ 温度管理 ○ 畑 ■ 温度管理、土壌水分測定( pF) ● 2021年シーズン ○ 2020年シーズンのアップデート

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課題 - 2021 ● 育苗ハウス ○ 育苗ハウスの温度を「 15℃〜30℃」を保つ ○ 複数の育苗ハウスの温度管理をしたい ● 畑 ○ 複数の畑があり、高低差もある ビニールトンネルもたくさんあり開閉だけでもすごく時間がかかってしまう・・・ 開閉の判断をしたい(一番怖いのは、寒い日や霜) ■ 温度管理(ビニールトンネルの中)をして開閉の必要があるか知りたい ○ 灌水のタイミング ■ 土壌水分測定(pF)

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課題 - 2021 ● 育苗ハウス ○ 育苗ハウスの温度を「 15℃〜30℃」を保つ ○ 複数の育苗ハウスの温度管理をしたい ● 畑 ○ 複数の畑があり、高低差もある ビニールトンネルもたくさんあり開閉だけでもすごく時間がかかってしまう・・・ 開閉の判断をしたい(一番怖いのは、寒い日や霜) ■ 温度管理(ビニールトンネルの中)をして開閉の必要があるか知りたい ○ 灌水のタイミング ■ 土壌水分測定(pF) ・TWE-LITEのボックスの改善 ・通知の閾値設定をWebから  可能にする!

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課題 - 2021 ● 育苗ハウス ○ 育苗ハウスの温度を「 15℃〜30℃」を保つ ○ 複数の育苗ハウスの温度管理をしたい ● 畑 ○ 複数の畑があり、高低差もある ビニールトンネルもたくさんあり開閉だけでもすごく時間がかかってしまう・・・ 開閉の判断をしたい(一番怖いのは、寒い日や霜) ■ 温度管理(ビニールトンネルの中)をして開閉の必要があるか知りたい ○ 灌水のタイミング ■ 土壌水分測定(pF) ・Sens'itでのビニールトンネル内の  温度監視 ・Wioでの土壌水分測定

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● Wio LTE JP Version + Wio Extension – RTC + モバイルバッテリー ○ RTC側の故障?のせいか、電源 OFFにならず、起動時に1度データを 送信後、そのまま電源があがったままとなってしまう・・・ 😣 ○ 昨年の2台をそのまま使用としたが、 2台ともRTCのボードを交換し 復帰しました ● もし、同じような現象があった方、これ原因では?のような ことあったら教えてもらえるとうれしいです🙏 昨年のをそのまま使おうとしたが・・・

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2021シーズンとしては ● 育苗ハウス ○ センサ+TWE-LITEに関しては順調に稼働 ○ 通知の閾値設定をWebから設定変更できるようになったため、 土肥さんのタイミングでいろいろと調整できるようになった (先シーズンは土肥さんから連絡をもらって知野が変更していた・・・ 😅) ● 畑について ○ 成果等は今後、お聞く予定です! ○ 「先シーズンよりさらにおいしいすいかができたよ!」みたいな フィードバックがあるとうれしい 😆

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まとめ

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● Sens'itのようなIoTデバイスや既製品を使用したり組み合わせることにより、 一から作成するよりも労力も少なくスピード感をもって導入し試せる ○ ただ、キットごとの得意、不得意はあるのでそこは見極めた上で 😅 ○ ひとと同様、デバイスにも無理させちゃだめですね・・・ ● 少しずつでも見える化することにより、作業に安心感や余裕が生まれる ○ 経験値はあるけど、なんでも不安や心配があるなかでの仕事は大変だしつらい・・・ まとめ

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● ただ、まだまだIoTデバイス等を使用したとしても農家の方だけでは 導入に対する敷居が高い部分もあると感じます ● この発表が少しでも解決や何かしらの一歩を踏み出すきっかけに なってくれたらうれしいです😃 関わっているなかで感じたこと

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ありがとうございました🙏