1 AKIBA.AWS ONLINE #08 
 それ、t2.micro選んで大丈夫？ 2022.5.23


・名前 - つくぼし ・所属 - クラスメソッド株式会社 AWS事業本部 - コンサルティング部 AWSエンジニア ・好きなAWSサービス - AWS CLI, Systems Manager ・SNS/ブログ - Twitter(@tsukuboshi0755) - DevelopersIO(つくぼし)
 自己紹介

本LTの対象者 ● インスタンスって、無料利用枠のt2.micro使えばいいんで しょ！という方 ● なるべく使用料金が安いインスタンスが知りたい！という 方 ● インスタンスタイプは知ってるけど、もう一度復習した い！という方

今日話すこと 1. インスタンスタイプとは？(振り返り) 2. インスタンスファミリーの選び方 3. インスタンス用CPUの選び方 4. 最後に

1. インスタンスタイプとは？(振り返り)

初めにクイズ！ t4g.micro

回答 t4g.micro インスタンスタイプ インスタンス ファミリー 追加情報 (例：CPUの 種類) インスタンス 世代 インスタンス サイズ

今回のターゲット t4g.micro インスタンスタイプ インスタンス ファミリー 追加情報 (例：CPUの 種類) インスタンス 世代 インスタンス サイズ

2. インスタンスファミリーの選び方

インスタンスファミリーの種類 ● 汎用(T系/M系) ● コンピューティング最適化(C系) ● メモリ最適化(R系/X系) ● ストレージ最適化(D系/H系/I系) ● 高速コンピューティング(G系/P系/Inf系/F系)

汎用系の種類 i T系 M系

T系とM系の比較表 比較項目 T系 M系 料金 低 ※Unlimitedモードで余剰ク レジットを消費した場合を除く 中 無料利用枠 あり ※t2.microのみ なし バーストパフォーマンス インスタンス 該当する 該当しない

バーストパフォーマンスインスタンスとは？ (中略) バーストパフォーマンスインスタンスの場合は、CPU 使用率にベースラインレベ ルを定義した上で、そのレベルを超えて CPU 使用率をバーストさせることが可 能となっています。これにより料金は、ベースラインの CPU 使用率に加えて、 バーストとして追加された分に対してのみ支払えば良いことになり、コンピュー ティングのコストを削減できます。 (中略) AWS公式ドキュメントからの引用： バーストパフォーマンスインスタンスに関する主要な概念と定義

バーストパフォーマンスインスタンスに関する用語 ● CPUクレジット：バーストパフォーマンスインスタンスがCPU を使用する際に消費する独自リソース。 ● ベースライン：バーストパフォーマンスインスタンスで定義 されている一定のCPU使用率。 ● 獲得クレジット：実行中のインスタンスが継続的に獲得す るクレジット。 ● 余剰クレジット：蓄積された獲得クレジットが枯渇したイン スタンスが消費するクレジット。

バーストパフォーマンスのモード スタンダードモード (t2のデフォルト) Unlimitedモード (t3のデフォルト)

スタンダードモードの場合 インスタンスタイ プ 1時間当たりの獲 得クレジット[個] 蓄積可能な最大 獲得クレジット[個] vCPU vCPU別ベースラ イン[%] 最大バースト時 間[時間] A B C = B * 24[時間] D E = B / D / 60[分]* 100[%] F = C / D / 60[分] t3.large 36 864 2 30 7.2 獲得クレジットを消費する事で、CPU使用率をベースライン以上に増やす事が可 能。 獲得クレジットがない場合、CPU使用率はベースラインまでしか保証されないため 注意。 DevelopersIOからの引用： ちょっと待ってください!あなたが使うべきは本当にT系インスタンスですか!?

Unlimitedモードの場合 インスタン スタイプ vCPU[個] T3の料金 (東京リー ジョ ン)[USD/ 時間] M5の料金 (東京リー ジョ ン)[USD / 時間] vCPU別 ベースライ ン[%] 余剰クレ ジットに対 するvCPU 時間あた りの料金 [USD] vCPU時 間(分)あた りの料金 [USD/分] vCPUごと に利用可 能な追加 のバースト [分] 利用可能 な追加 CPU使用 率[%] 損益分岐 CPU使用 率[%] A B C D F G H = G / 60 I = (D - C) / H J = ( I / 60) / B K = F + J t3.large 2 0.1088 0.124 30 0.05 0.000833 18.24 15.20 45.20 獲得クレジットがない場合でも、余剰クレジットを使用する事でCPU使用率を増や せる。 ただし、使用した余剰クレジットが蓄積可能な最大獲得クレジットを超えた場合、追 加料金を支払う必要がある。 DevelopersIOからの引用： ちょっと待ってください!あなたが使うべきは本当にT系インスタンスですか!?

結局T系/M系どっちを使えばいいの？ ● 本番環境：CPU性能制限や追加料金のリスクを増やさな いよう、原則M系の選択を推奨。T系は特別な事情がな い限り、使わない方が良い。 ● 検証環境：本番環境と同一の環境を厳密に実現したい場 合は、M系を選択。一方で、なるべく料金を削減したい場 合は、T系を選択するのもアリ。

3. インスタンス用CPUの選び方

インスタンス用プロセッサの種類 i Intel (Xeon) ARM (Graviton2) AMD (Epyc)

Intel(Xeon)の特徴 ● EC2インスタンスで一番歴史の長いCPU ○ AWSとIntelは14年以上の付き合い ● サーバCPU市場でシェアNo.1 ○ 2021年第4四半期時点で92.9% ○ オンプレミスのシステムでも多数採用されているため、AWS への移行もしやすい →CPUの選択に迷ったら、とりあえずIntelを選べばOK

AMD(Epyc)の特徴 ● Intelと比較して、コストを約10%削減可能。 ○ インスタンスが同スペックの場合。 ● ISAは、Intelと同じx86_64を採用。 ○ x86_64形式のパッケージが使える。 ● 一部のAZでは使用できないため注意。 ○ 東京リージョンの場合、現時点ではap-northeast-1cでは使用 不可。 →使用するパッケージはx86_64形式で、コストをIntelからよ り削減したい場合にオススメ

ARM(Graviton2)の特徴 ● Intelと比較して、コストを最大45%削減可能。 ○ インスタンスが同スペックの場合。 ● ISAは、aarch64を採用。 ○ aarch64形式のパッケージが使える。 ○ 以前のシステムでx86_64形式のパッケージを使用している 場合、aarch64形式に対応しているか確認が必要。 →使用するパッケージがaarch64形式でも対応でき、コストを 大きく削減したい場合にオススメ

CPUの比較表 比較項目 Intel(Xeon) AMD(Epyc) ARM(Graviton2) 追加情報 なし、またはI系 A系 G系 ISA x86_64 x86_64 aarch64 コスト - Intelより10%削減可 能 Intelより最大45%削 減可能 注意事項 - 一部の AZ(ap-northeast-1c 等)では使用不可 使用するパッケージ がaarch64に対応し ているか注意

4. 最後に

まとめ ● インスタンスタイプの読み方を覚えよう！ ● 汎用インスタンスを使う場合、本番環境では原則M系。検 証環境では、コスト削減のためにT系もアリ。 ● CPUについては、迷った時はIntelでOK。アーキテクチャに 問題がなければ、コスト削減のためにAMDやARMもア リ。

インスタンスタイプについてもっと知りたい方向け 【初級】Amazon EC2インスタンスタイプの選び方ガイド 資料：https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/C2-07.pdf 動画：https://www.youtube.com/watch?v=Q1LUX8WMjHY

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