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Coding Agentに 値札を付けろ Zenncafe #2

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About Me 渡邉 洋平(@watany) ● 所属:NTTテクノクロス株式会社 ○ 「AWS 500 APN Certification Distinction」に認定 ● AWS Ambassadors(2024~) ● Zenn.devで書いた記事 https://zenn.dev/watany

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Vibe Codingに 値札を付けろ

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Q. Vibe Codingでツール実装、何円かかったか? 🔧 Hawkling(Golang) ● Hawkling は、未使用の AWS IAM ロールの可視化・整理 に特化した CLI ツール です。 ✅ 主な機能 ● IAMロールの一覧取得 ● 未使用IAMロールの検出 ● ロールの安全な削除(個別/一括)

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A. $179.76 (140円/$ = ¥25,166) ● 条件:Claude Code (Claude 3.7 Sonnet + Prompt Caching) ○ 詳細はZennに記載 ● 期間:3日 ○ 1日目:$68.59 ……実装 ○ 2日目:$18.17……CI、性能改善 ○ 3日目:$49.44……壊したコードの復旧 ● 復旧? ○ .gitignoreで誤って無視したSDKラッパー部分 ○ 肌感覚として、新規スクラッチより掛かった https://zenn.dev/watany/articles/ee616e6c3d1cd5

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Vibe Codingに 値札を付けろ

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Codingに値札をつけるのは疎まれる こういった考え方は”人月”として広く嫌われている 人件費(外注費含む ) 開発期間 × https://www.irasutoya.com/2016/03/blog-post_971.html https://www.irasutoya.com/2016/01/blog-post_276.html

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Coding Agentの採用情報(公開事例) ● Coding Agentの採用目的 ○ 開発を加速できるか ○ チームの人数を減らせるか ○ 採用すると見栄えが良い ● とはいえROI a.k.a. コスパが語られる事例は少ない ○ e.g. 3ヶ月Devinを使う見積もりが出せるか? ○ 今は、値札を見ないままCoding Agentが採用されている ■ 小銭なら全部賭けてもたかが知れている

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How Much?

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従量課金系 Cline / Roo Code / Claude Code /… ● LLM APIのラッパーなので従量課金 ● 目安:$5 ~ $25/day ○ 出典:Full-Power AI Development: Why Cline Doesn't Limit Your Model's Potential Devin ● Team: $500(250 ACU)/Month、Core: $20(9 ACU) 以降は完全従量課金 ○ あくまで従量課金であり、適切なクレジット(ACU)量の見積りは不明

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定額系 GitHub Copilot ● Pro/Business: $10/月 ● Pro+/Enterprise: $39/月 Cursor ● Pro :$10/月 ● Pro+:$39/月 Windsurf ● Pro : $15/月 ● Teams : $30/月 ● Enterprise : $60/月 Claude Code ● Claude MAX : $200/月 Amazon Q Developer ● Pro : $19/月

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当然出る疑問 定額系でいいじゃん ● $180/3日ペース比で明らかに安い ● 予算が安ければ決裁を通しやすい ● 予算を固定できれば決裁を通しやすい

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安ければそれでいい?

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昨今の料金改定 値上げ/価格改定/新プラン/etc… GitHub Copilot ● Premium request (2025/06/04~) プラン毎の所定の 実行回数の超過毎に追加請求 Cursor ● 新プラン(v0.50~) - request課金への 統合 - MAXのToken課金 Windsurf ● 「flow action credit」廃止 (2025/04/22~) Agentへの依頼数相当の 「Prompt credit」に一本化 Claude Code ● (None) Amazon Q Developer ● Chat(Agent Coding) 2025/06/01以降の有料化を示唆

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”それは値上げではない”問題 ● 従量課金の追加/新プラン/β版⇒GAは、値上げではないのか? ○ 事業者の説明としては適切な場合もある ○ ”ユーザの利用頻度・ユースケースによる”という曖昧な表現 ● ユーザ視点で支払いが増えた状態を、私は値上げと便宜的に呼んでいる ○ ※円安による支払の変動は含まない

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なぜ支払額が上がるのか? ● 冒頭のように「ちょっと動かして$100」が数十ドルで提供される状況 ● 今の状態は「キャンペーン価格」であり「持続可能ではない」 ○ $200が値上げの”底”である保証もない ○ LLM APIの値付けについても同様 ● 現在が安いのはシェア争いの過程・恩恵に乗っかっているから ○ ex. 無料枠の大き”かった” DBaaS ○ 今後の支払いの上振れは想定内と捉えるのが無難

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値上げしたなら他を選べばいい? ● サンクコストを捨てられるか ○ 個人利用なら”β版ジプシー”でもよい ○ 企業利用では多大な調整を伴う場合も ■ ROI/データ保管/事業者審査/etc… ● 「安いから試してみよう」は高くなった場合に問題になる ○ 支払が数百~数千ドルとなった時、何をもって安いと判断するか

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まとめ・提言 ● Coding Agentの支払いには動的な部分が多く、見積りが難しい ○ 定額型も”定額+従量課金”型へのシフトも見られる ○ パブリッククラウドと違い、”開発者のワークロード”の算出が難しい ● 技術記事の執筆時はCoding Agentのコストを載せて欲しい ○ i時間利用/j回呼び出し/月額がk円 ○ 使用方法/使ったタスクサイズ/難易度 /…… ● コスパがわかると採用が判断できる ○ Zennなどにナレッジが増え、好循環に繋がる ○ ひとりの時間・財布には限界があるのでみんなも教えてくれ(懇願)

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