Slide 1

Slide 1 text

https://foundx.jp/ Takaaki Umada / 馬田隆明 東京大学 FoundX(インセプションプログラム) https://foundx.jp/ 解像度を上げる 2023 年 4 月 大幅アップデート版

Slide 2

Slide 2 text

『解像度を上げる』の姉妹本『仮説行動』も発売 2 解像度を上げるための 『深さ・広さ・構造・時間』の フレームワークと具体的な 「48 の型」の解説 (2022 年 11 月発売) 解像度を上げたあとに 仮説を作り、磨いていくための 『マップ・ループ・リープ』の 3 つの思考プロセスと 大胆な仮説の作り方 (2024 年 12 月発売) 『解像度を上げる』に含まれるはずだった 内容を別冊にした「姉妹本」

Slide 3

Slide 3 text

3 ビジネスで 解像度が高い・低いって どういうこと?

Slide 4

Slide 4 text

4 例)1 人の顧客がいたとします

Slide 5

Slide 5 text

例)顧客の解像度が低いとき 図はリード数を30倍に増やした会社が3年間のプロジェクトで取り組んだことを参考にした 5 解像度が低い • 顧客像がぼんやりしている 顧客の課題を曖昧にしか 認識できていない • 事例を広く・詳しく知らない

Slide 6

Slide 6 text

6 考えや事実認識が ”粗い” ときは解像度が低い と言われる

Slide 7

Slide 7 text

例)顧客の解像度が高いとき 図はリード数を30倍に増やした会社が3年間のプロジェクトで取り組んだことを参考にした 7 解像度が高い 解像度が低い • 顧客像がぼんやりしている • 顧客の課題を曖昧にしか 認識できていない • 事例を広く・詳しく知らない • 顧客像がくっきりしている • 顧客の課題を深掘りして 整理できている • 一事例を詳しく言えて かつ多くの事例を知っている

Slide 8

Slide 8 text

8 考えや事実認識が ”詳細” だと解像度が高い と言われる

Slide 9

Slide 9 text

解像度が高い状態 解像度が高い状態とは、「一つ の事象の原因や構造、流れを適 切に要素分解したうえで、その 一つ一つについて詳しく言え る」状態と言える。 9 Why 1 Why 1.1 Why 1.1.1 Why 1.1.1.1 Why 1.1.1.1.1 Why 1.1.1.1.2 Why 1.1.1.1.3 Why 1.1.1.2 Why 1.1.1.2.1 Why 1.1.1.2.2 Why 1.1.1.3 Why 1.1.2 Why 1.1.2.1 Why 1.1.2,2 Why 1.2 Why 1.2.1 Why 1.2.1.1 Why 1.2.1.2 Why 1.2.1.3 Why 1.2.2 Why 1.2.2.1 Why 1.2.2.2 Why 1.2.2.3 Why 1.2.2.3.1 Why 1.2.2.3.2 Why 1.2.3 Why 1.2.3.1 Why 1.2.3.2 Why 1.2.3.3 Why 1.2.3.4

Slide 10

Slide 10 text

解像度が高い状態 解像度が高い状態とは、「一つ の事象の原因や構造、流れを適 切に要素分解したうえで、その 一つ一つについて詳しく言え る」状態と言える。 さらにその構造の中で、どの要 素が重要なのかを的確に見定め られていることも解像度が高い 要因となる。 10 Why 1 Why 1.1 Why 1.1.1 Why 1.1.1.1 Why 1.1.1.1.1 Why 1.1.1.1.2 Why 1.1.1.1.3 Why 1.1.1.2 Why 1.1.1.2.1 Why 1.1.1.2.2 Why 1.1.1.3 Why 1.1.2 Why 1.1.2.1 Why 1.1.2,2 Why 1.2 Why 1.2.1 Why 1.2.1.1 Why 1.2.1.2 Why 1.2.1.3 Why 1.2.2 Why 1.2.2.1 Why 1.2.2.2 Why 1.2.2.3 Why 1.2.2.3.1 Why 1.2.2.3.2 Why 1.2.3 Why 1.2.3.1 Why 1.2.3.2 Why 1.2.3.3 Why 1.2.3.4 これを解決 すれば最も 大きな影響 を与えられ る!

Slide 11

Slide 11 text

11 解像度を高めるための 4 つの視点

Slide 12

Slide 12 text

解像度の視点 (1) 深さ 一つの現象をどこまで深く詳細に把握しているか。症状と病因 を切り分け、要因の根本原因を特定できているか。 12 深さ 原因や要因を深くま で掘り下げて把握し ているか。 深さ

Slide 13

Slide 13 text

解像度の視点 (2) 広さ どれだけ広く原因や構造、あるいは可能性のある打ち手を把握 しているか、アプローチや視点の角度が多様かで広さが決まる。 13 広さ どれだけ広く原因や 要因を把握している か。異なるアプロー チや視点が検討され ているか。 広 さ

Slide 14

Slide 14 text

解像度の視点 (3) 構造 構造とは、要素を分解していくときの分解の筋の良さや、分解 された要素間の関係性の線を的確に引けているか。 14 構造 原因や要因の関係性、 相対的な重要性など を適切に把握してい る。分け方や比較の 方法も優れている。

Slide 15

Slide 15 text

解像度の視点 (4) 時間 過去や歴史について知っていて、かつ将来の時間的な変化につ いても洞察がある。 15 時間 時間的な変化を捉え て洞察につなげてい る。

Slide 16

Slide 16 text

解像度の視点:深さ、広さ、構造、時間 これら 4 つの軸を基に「解像度を高めていく」ための Tips を このスライドでは解説する。 16 深さ 原因や要因を深くま で掘り下げて把握し ているか。 広さ どれだけ広く原因や 要因を把握している か。異なるアプロー チや視点が検討され ているか。 構造 原因や要因の関係性、 相対的な重要性など を適切に把握してい る。分け方や比較の 方法も優れている。 時間 時間的な変化を捉え て洞察につなげてい る。 深さ 広 さ

Slide 17

Slide 17 text

17 深さ、広さ、構造、時間の例

Slide 18

Slide 18 text

例)解像度を高めて「醤油」の問題を解決する 醤油がおいしくない、という課題があったとする。 18 醤油が美味 しくない 課題

Slide 19

Slide 19 text

美味しい醤油を作れば問題解決? 安易な解決策としては「美味しい醤油を作る」ことが浮かぶ。 19 醤油が美味 しくない 美味しい 醤油を作る 解決策 課題

Slide 20

Slide 20 text

安易な解決策はほとんど何も洞察が生まれない しかしこれでは良い解決策にはたどり着けない。 20 醤油が美味 しくない 美味しい 醤油を作る 解決策 課題

Slide 21

Slide 21 text

深さ方向に解像度を上げる まず醤油がおいしくない、という原因を深める。 21 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 深さ 課題

Slide 22

Slide 22 text

広さ方向に解像度を上げる さらに醤油が置かれている環境などを意識し、多面的に広げる。 22 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 酸化で劣化 する 広 さ 視野を広げて 環境を考慮 課題

Slide 23

Slide 23 text

構造を意識して分解する 広げるときや深めるときには、MECE や切り口といった、要素 の構造や関係性を意識する。 23 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 酸化で劣化 する 構造を意識しながら 分解する 課題

Slide 24

Slide 24 text

構造と広さと深さを意識しながら解像度を上げていく 醤油がおいしくない原因の解像度をさらに上げていく。 24 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 酸化で劣化 する 広 さ 課題 大豆の質 深さ 小麦の質 食塩の質 構造

Slide 25

Slide 25 text

さらに時間軸を意識する 時間軸を意識したとき、今の課題がまだ課題かどうかや、この 課題の歴史的な位置づけを考えてみる。 25 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 酸化で劣化 する 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 酸化で劣化 する 食事の傾向 が変わる 時間 今の課題 5 年後の課題

Slide 26

Slide 26 text

課題の深い原因を選ぶ 4 つの視点で解像度を上げて、原因の候補が分かったら、その 中で解決しうる、影響度の高い問題に取り組む。 26 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 酸化で劣化 する 食事の傾向 が変わる 課題

Slide 27

Slide 27 text

課題に対する良い解決策案を作る 課題に対する良い解決策案を複数作る。 画像はキッコーマンのサイトから: https://www.kikkoman.co.jp/kikkoman/shinsen/index.html 27 解決策案 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 醤油を小口 で販売する 課題 酸化で劣化 する 食事の傾向 が変わる 醤油容器を 工夫して 酸化を防ぐ

Slide 28

Slide 28 text

解決策を実現させる そして効果的な解決策を実現させる。課題を解像度高く把握す ると、良い解決策に辿り着くことが多い。 画像はキッコーマンのサイトから: https://www.kikkoman.co.jp/kikkoman/shinsen/index.html 28 解決策案 醤油が美味 しくない 原料の質 発酵が 不十分 2009 年に 酸化防止容器が 登場 課題 酸化で劣化 する 食事の傾向 が変わる 醤油を小口 で販売する 醤油容器を 工夫して 酸化を防ぐ

Slide 29

Slide 29 text

29 どうやって解像度を 上げれば良いのか?

Slide 30

Slide 30 text

30 その前に 解像度が低いときの 症状の紹介

Slide 31

Slide 31 text

解像度が低い時の症状 31

Slide 32

Slide 32 text

抽象的・一般的 主に「深さ」が足りていないことから生まれる症状。 32 ふわっとしている 顧客に関する洞察の抽象度が高い場合や、 顧客の課題がぼんやりとしか把握できてい ない状態。この状態の仮説は何でも当ては まり、「そうですね」としか言いようがな いため、仮説としても弱く見える。 例)起業家は困っている(困っているのは 当然。何に困っているか掘り下げる必要) “よく聞く” 課題 ほかの業界でも頻繁に聞く課題や万人に当 てはまる課題は、まだ解像度が粗いケース が多い。 例)情報がうまく流通していない、マッチ ングがうまくいかない 例)全体の中で 抽象度が高い部分 しか見えてない

Slide 33

Slide 33 text

具体性の薄さ 主に「深さ」が足りていないことから生まれる症状。 33 5W1H が言えない 課題の解像度が粗いときには、その課題が 起こる文脈や課題の 5W1H が詳細に言えな い場合が多い。 誰がいつどこでそのような課題に接してい て、今どのようにそれを解決できているか が重要。 具体例が言えない 一つも具体例が言えなかったり、顧客のス トーリーを詳しく言えなかったりするケー スが該当。 こうならないためには、多くの具体例の引 き出しを持っておく必要がある。 また顧客の行動がした理由がその文脈が想 像でしかない場合も、具体例の乏しさに起 因することが多い。「たとえば〇〇さんの 場合は」と言えなければ要注意。

Slide 34

Slide 34 text

説明の長さや解決策の安易さ 主に「構造の把握」や「深さ」が足りていないことから生まれ る症状。 34 説明が長い、冗長 課題や解決策について、「長く説明しなけ れば相手に伝わらない」ときは、まだ解像 度が低いと言える。仮に説明の具体性が高 くても、説明が長い場合はまだ構造を把握 しきれておらず、重要なポイントが分かっ ていない。 解像度が高い状態は構造を把握できている ので、その構造に基づいて明確かつ簡潔に 問題を言える。 安易な解決策 「情報が足りていない」から「情報メディ ア」や、「人がいない」から「人のマッチ ング」など。 その課題が残っているには理由がある。そ の構造が把握できていないか、課題の分析 の深さが足りない。

Slide 35

Slide 35 text

競合に対する認識の粗さ 競合に対しての認識の甘さも、「深さ」と「広さ」と「構造把 握」の粗さによる一つの症状。 35 競合に対して全部勝っている 普通このようなことは起こらないため、何 か見落としがある(=解像度が低い)。た だし類まれな技術力がある場合は全部勝て る可能性はある(ただしそのときもコスト 高になる可能性が高い)。 「競合はいません」 顧客の課題を把握できていないか、業界の 調査不足であることが多い。 顧客に課題があるのであれば、ほかの手段 で解決しているはず。本当に競合がいない のであれば、解決するほどの課題ではない ということなので、「競合がいない」とい う言葉自体、注意するべき。 自社 競合 1 競合 2 メリット A 〇 〇 〇 メリット B 〇 × 〇 メリット C 〇 × 〇 メリット D 〇 〇 ×

Slide 36

Slide 36 text

競合との比較軸の甘さ 「自社がすべて勝っている」と 近い状態。競合との比較軸の設 定が甘いことが多い。 基本的にはトレードオフの関係 にあるので、「何かは勝ってい るが、何かは負けている、それ でも欲しいという顧客が実はい る」という考え方の方が良い。 36 コスト安い コスト高い 使い づらい 使い やすい 競合 1 競合 2 自社!

Slide 37

Slide 37 text

計画の粗さ 主に将来に対する「広さ」と「深さ」が足りていないときの症 状。 37 目標が違う・曖昧 達成するべきところが分かっていない、理 由が言えないケース。また短期的目標と長 期的目標の関係性を明確に言えない。 たとえば最初は継続率を追うべきなのに、 最初から MAU などのグロースを狙ってい る場合など。 またどの程度達成すれば成功と言えるのか が曖昧な場合もある(数値目標を設定でき ていない)。 目標までの行動計画の曖昧さ 目標を達成するための行動計画が適切なス テップに分解されていない、もしくは最短 で行けるルートを選んでいない。 原因は単に面倒くささを避けている場合も あれば、ほかの打ち手を知らない(狭い選 択肢しかない)こともある。

Slide 38

Slide 38 text

38 こうならないためにも 解像度を高めよう!

Slide 39

Slide 39 text

解像度が求められる領域 39

Slide 40

Slide 40 text

「顧客」「計画」「業界」で高い解像度が求められる 40 顧客 計画 業界

Slide 41

Slide 41 text

顧客の解像度 • 顧客のペルソナや顧客の課題を構造 的に深く理解できている • 顧客がどのような流れで行動してる かのステップが細分化できている • どの原因が相対的に重要で、どこに まずアプローチして、どの順序で解 決していけば良いかが分かっている 41 Why 1 Why 1.1 Why 1.1.1 Why 1.1.1.1 Why 1.1.1.1.1 Why 1.1.1.1.2 Why 1.1.1.1.3 Why 1.1.1.2 Why 1.1.1.2.1 Why 1.1.1.2.2 Why 1.1.1.3 Why 1.1.2 Why 1.1.2.1 Why 1.1.2,2 Why 1.2 Why 1.2.1 Why 1.2.1.1 Why 1.2.1.2 Why 1.2.1.3 Why 1.2.2 Why 1.2.2.1 Why 1.2.2.2 Why 1.2.2.3 Why 1.2.2.3.1 Why 1.2.2.3.2 Why 1.2.3 Why 1.2.3.1 Why 1.2.3.2 Why 1.2.3.3 Why 1.2.3.4 これが 課題の 根本的な 原因!

Slide 42

Slide 42 text

計画の解像度 • 辿り着くべき目標が鮮明に分かって おり、その理由が説明できる。目標 をどれだけ達成すれば良いかを数値 で言える程度に分かっている • 目標達成に向けて、やるべきことや その順序が見えている • 全体の構造を見渡したうえで、効果 的な良い打ち手が選べている • 開発の課題がデザイン、サプライ チェーンなどの様々な側面からの検 討がなされている 42 結果 1 打ち手 1.1 打ち手 1.1.1 打ち手 1.1.1.1 打ち手 1.1.1.1.1 打ち手 1.1.1.1.2 打ち手 1.1.1.1.3 打ち手 1.1.1.2 打ち手 1.1.1.2.1 打ち手 1.1.1.2.2 打ち手 1.1.1.3 打ち手 1.1.2 打ち手 1.1.2.1 打ち手 1.1.2,2 打ち手 1.2 打ち手 1.2.1 打ち手 1.2.1.1 打ち手 1.2.1.2 打ち手 1.2.1.3 打ち手 1.2.2 打ち手 1.2.2.1 打ち手 1.2.2.2 打ち手 1.2.2.3 打ち手 1.2.2.3.1 打ち手 1.2.2.3.2 打ち手 1.2.3 打ち手 1.2.3.1 打ち手 1.2.3.2 打ち手 1.2.3.3 打ち手 1.2.3.4 これらの 打ち手を 打てば ビジネス が進む!

Slide 43

Slide 43 text

業界の解像度 • 業界構造やバリューチェーンを広く 深く的確に把握している • 顧客の社内外のステークホルダーの 関係性や力関係が分かっている • 業界の歴史や事件、変遷が分かって いる 特に B2B スタートアップでは重要。 単に現場で仕事をしていては身につか ない視点でもある。 43 生産 加工 販売 バリューチェーン ステークホルダーや事象の関係性

Slide 44

Slide 44 text

解像度を上げるために 44

Slide 45

Slide 45 text

まずは深さから 45 深さ 原因や要因を深くま で掘り下げて把握し ているか。 広さ どれだけ広く原因や 要因を把握している か。異なるアプロー チや視点が検討され ているか。 構造 原因や要因の関係性、 相対的な重要性など を適切に把握してい る。分け方や比較の 方法も優れている。 時間 時間的な変化を捉え て洞察につなげてい る。 深さ 広 さ

Slide 46

Slide 46 text

46 基本的には 深さ が足りない

Slide 47

Slide 47 text

47 基本的には 深さ が足りない

Slide 48

Slide 48 text

48 基本的には

Slide 49

Slide 49 text

49 深さが足りないときは まずは何よりも 数多く現場に行くこと & インタビューをすること

Slide 50

Slide 50 text

50 カスタマー マニアに なろう

Slide 51

Slide 51 text

51 ただし単に現場に行って 顧客の意見を聞くのではなく 顧客の事実を基に 自分で考えて洞察を得ること

Slide 52

Slide 52 text

顧客の課題認識は甘い場合が多い 顧客の多くは抽象度が高い(= 浅い)課題認識しかしていない 場合もよくある。 52 顧客自身が認識 できている 課題の抽象度

Slide 53

Slide 53 text

顧客の言葉の裏の裏を探り、原因を突き止める 顧客の多くは抽象度が高い(= 浅い)課題認識しかしていない 場合もよくある。 起業家はその課題の背景にある 本当の理由に気づく必要がある。 53 顧客自身が認識 できている 課題の抽象度 起業家が 解明するべき 課題の抽象度

Slide 54

Slide 54 text

54 あなたは 顧客の医師 課題について 症状と病因を 切り分けて考える 表に出ているものは あくまで「症状」

Slide 55

Slide 55 text

55 そのためにも Why So? (なんでそうなんだっけ?) を繰り返し繰り返し 自問自答する

Slide 56

Slide 56 text

例)課題の解像度が低いとき これは「そうですね」としか言 いようがない、解像度の低い課 題設定。 解決策のアプローチも思いつか ない。 ここで「Why So?」を問う。 56 起業家は困っている

Slide 57

Slide 57 text

例)課題の解像度が低いとき 少しだけ具体性が増した。でも まだ一般的すぎる課題。 さらに Why を問う。 57 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困ってい る

Slide 58

Slide 58 text

例)課題の解像度が低いとき 人件費やバーンレートなど、 様々なお金の問題がある中で、 資金調達という問題に絞ること で、解像度は多少上がった。 しかし上場前なのか上場後なの か、どのラウンドなのかも分か らない。 一般的すぎて、多くの起業家に 当てはまってしまう記述になっ ている。 58 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っ ている

Slide 59

Slide 59 text

例)課題の解像度が低いとき エンジェルラウンド、シードラ ウンド、シリーズA, B, C とあ る中で、シードの資金調達を選 ぶことで、解像度は少し増した。 しかし多くの起業家が困ること でもあり、一般的すぎる記述で あることに変わりない。 59 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っている ↓ 起業家はシード資金の調 達ができなくて困ってい る

Slide 60

Slide 60 text

例)課題の解像度が低いとき シード資金調達に困る原因とし て情報に行きついた。 60 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っている ↓ 起業家はシード資金の調達ができなくて困ってい る ↓ 起業家はシード資金の調 達のための情報が手に入 らなくて困っている

Slide 61

Slide 61 text

例)課題の解像度が低いとき 61 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っている ↓ 起業家はシード資金の調達ができなくて困ってい る ↓ 起業家はシード資金の調 達のための情報が手に入 らなくて困っている 情報を提供すれば良い…! Web メディアを作ろう!

Slide 62

Slide 62 text

例)課題の解像度が低いとき 解決策が安直すぎる場合も、課 題の解像度が低いことが多い。 62 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っている ↓ 起業家はシード資金の調達ができなくて困ってい る ↓ 起業家はシード資金の調 達のための情報が手に入 らなくて困っている 情報を提供すれば良い…! Web メディアを作ろう! 安直な解決策は大抵機能しない。 その課題が生まれて、 課題として残っている理由や 構造を把握する必要がある。

Slide 63

Slide 63 text

例)課題の解像度が低いとき 63 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っている ↓ 起業家はシード資金の調達ができなくて困ってい る ↓ 起業家はシード資金の調 達のための情報が手に入 らなくて困っている ↓ (顧客インタビューなど でさらに深掘りする)

Slide 64

Slide 64 text

例)課題の解像度が低いとき 64 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っている ↓ 起業家はシード資金の調達ができなくて困ってい る ↓ 起業家はシード資金の調達のための情報が手に入 らなくて困っている ↓ 起業家はシード資金の調 達のための情報が検索エ ンジンで引っかからなく て困っている

Slide 65

Slide 65 text

例)課題の解像度が低いとき 65 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っている ↓ 起業家はシード資金の調達ができなくて困ってい る ↓ 起業家はシード資金の調達のための情報が手に入 らなくて困っている ↓ 起業家はシード資金の調 達のための情報が検索エ ンジンで引っかからなく て困っている SEO に資源を激振りした 資金調達支援ページを作れば 良いのでは?(仮説の例)

Slide 66

Slide 66 text

Why So? を繰り返していく コンサルと同じく、Why so を 繰り返し自問自答していくこと で、深掘りができるようになる。 66 起業家は困っている ↓ 起業家はお金に困っている ↓ 起業家は資金調達に困っている ↓ 起業家はシード資金の調達ができなくて困ってい る ↓ 起業家はシード資金の調達のための情報が手に入 らなくて困っている ↓ 起業家はシード資金の調達のための情報が検索エ ンジンで引っかからなくて困っている Why So? の繰り返し

Slide 67

Slide 67 text

67 行動計画を立てるときには Why? の代わりに How? で深掘りする 最初の一歩がはっきりするまで How? を自問自答する

Slide 68

Slide 68 text

68 うまく Why? や How? を 問うためには知識が必要 本を読もう

Slide 69

Slide 69 text

良い Why? や How? を繰り出すために 良い Why や How を問うためには、訓練と知識が必要。 69 概念や言葉を知る 概念や言葉はうまく現実を 切り取るためのツール。 多く持てば持つほどうまく 分割も深掘りもできるよう になる。言葉を多く持ち、 それぞれの切れ味も良くし ていこう(その言葉の背景 などを知ろう)。 事例の分析 一事例にこだわって分析す ることで、本当の Why に 辿り着くことがある。 Why に辿り着くには、n=1 分析などを試してみること。 根気 原因や理由はすぐに分から ない。特にスタートアップ に値する隠れた真実は、そ うそう簡単に見つかるもの でもない。 根気強く取り組みながら、 独自の情報を得ていくこと。

Slide 70

Slide 70 text

概念や言葉の効力を説明する 70 概念や言葉を知る 概念や言葉はうまく現実を 切り取るためのツール。 多く持てば持つほどうまく 分割も深掘りもできるよう になる。言葉を多く持ち、 それぞれの切れ味も良くし ていこう(その言葉の背景 などを知ろう)。 事例の分析 一事例にこだわって分析す ることで、本当の Why に 辿り着くことがある。 Why に辿り着くには、n=1 分析などを試してみること。 根気 原因や理由はすぐに分から ない。特にスタートアップ に値する隠れた真実は、そ うそう簡単に見つかるもの でもない。 根気強く取り組みながら、 独自の情報を得ていくこと。

Slide 71

Slide 71 text

言葉や概念があると現実を解像度高くうまく切り取れる 言葉や概念を知っていることで、より正確に事象や感情を分割 し、的確に理解することができる。以下は「自信」の例。 71 自信がある 自己効力感がある (self-efficacy) ある状況において 特定のタスクをこなせるという 自分の能力に対する認識 自尊心がある (self-esteem) いわゆる自己肯定感であり、 ありのままの自分の存在を 尊重し受け入れる態度や感情 言葉を知っていると 一つの事象を うまく分割できる

Slide 72

Slide 72 text

72 現実を的確に切り取れる 言葉や語彙 を増やそう

Slide 73

Slide 73 text

解像度の視点:深さ、広さ、構造、時間 これら 4 つの軸を基に「解像度を高めていく」ための Tips を このスライドでは解説する。 73 深さ 原因や要因を深くま で掘り下げて把握し ているか。 広さ どれだけ広く原因や 要因を把握している か。異なるアプロー チや視点が検討され ているか。 構造 原因や要因の関係性、 相対的な重要性など を適切に把握してい る。分け方や比較の 方法も優れている。 時間 時間的な変化を捉え て洞察につなげてい る。 深さ 広 さ

Slide 74

Slide 74 text

74 広さが足りない!

Slide 75

Slide 75 text

広さの足りないツリーと十分広いツリーの違い 75 広さの足りないツリー構造 十分広いツリー構造

Slide 76

Slide 76 text

76 専門書を読もう 教科書を読もう 事例を知ろう 記事を読もう 人に聞こう 色々な見方を知ろう

Slide 77

Slide 77 text

広さに必要なこと 多面的に顧客のことを知れているかが広さに繋がる。 77 前提を疑う • 課題の前提を疑う • 問いのパターンを持つ • 異化を意識的に行う 視座を変える • 顧客の視点で見る • 上司の上司の視点で見て 見る • 時間軸を変えて見て見る 体験する、人と話す • 競合製品や新製品を体験 してみる • 新たなキーワードを探す • 誰かと話す

Slide 78

Slide 78 text

78 広い視点を得るための 近道はない

Slide 79

Slide 79 text

79 広い視点を得るための 近道はない 積み重ねることができれば 誰にも負けない優位性になる

Slide 80

Slide 80 text

解像度の視点:深さ、広さ、構造、時間 これら 4 つの軸を基に「解像度を高めていく」ための Tips を このスライドでは解説する。 80 深さ 原因や要因を深くま で掘り下げて把握し ているか。 広さ どれだけ広く原因や 要因を把握している か。異なるアプロー チや視点が検討され ているか。 構造 原因や要因の関係性、 相対的な重要性など を適切に把握してい る。分け方や比較の 方法も優れている。 時間 時間的な変化を捉え て洞察につなげてい る。 深さ 広 さ

Slide 81

Slide 81 text

81 構造を把握したい!

Slide 82

Slide 82 text

82 構造のパターンを いくつも持つ

Slide 83

Slide 83 text

83 構造のパターンを いくつも持つ + 構造化の手法を知る

Slide 84

Slide 84 text

構造把握の手法の例 構造把握の手法として色々な見方がある。ここに挙げられてい ないものもあるので注意すること。 84 MECE もれなくダブりなく (mutually exclusive collectively exhaustive) の 略。ロジカルに分けられる ときは MECE に分ける。 ただし多くの場合は要素同 士が複雑に絡むので、MECE にこだわるときとそうでな いときがあることも。 因果関係や時系列 因果関係という形で構造を 把握する場合もある。この 場合、基本的には時系列で の構造把握になる。ただし ループになっていることも ある。主にシステム思考な どが応用できる。 バリューチェーンなども時 系列で構造を把握するもの。 関係性 ステークホルダー同士の関 係性や活動の関係性、概念 同士の関係性など、関係性 全般がうまくつながってい ない場合は関係性の観点か ら整理を行う。 どの要因が相対的に重要な のか、などを把握する。

Slide 85

Slide 85 text

85 図にする

Slide 86

Slide 86 text

原因分析:コーザリティ分析 (Causal Analysis) たとえば原因と結果のつながりを分析するためのツールを使う。 86

Slide 87

Slide 87 text

原因分析:コーザリティ分析 (Causal Analysis) 例)昼御飯の相手がいないコーザリティ分析 87 昼御飯の相手 がいない

Slide 88

Slide 88 text

原因分析:コーザリティ分析 (Causal Analysis) 近くに知り合いがいなかったり、他人に声をかける勇気がない のが原因だとすると… 88 昼御飯の相手 がいない 他人に 声をかける 勇気がない 近くに知り合 いがいない

Slide 89

Slide 89 text

原因分析:コーザリティ分析 (Causal Analysis) そもそも友達がいない、少ないというのが原因かもしれず… 89 そもそも 友達がいない 昼御飯の相手 がいない 近くに知り合 いがいない 他人に 声をかける 勇気がない

Slide 90

Slide 90 text

原因分析:コーザリティ分析 (Causal Analysis) 友達が少ない原因は、他人に声をかける勇気がないことや、何 を話したら良いのか分からないという原因が思い当たり… 90 そもそも 友達がいない 昼御飯の相手 がいない 他人に 声をかける 勇気がない 何を話したら 良いのか分か らない 近くに知り合 いがいない

Slide 91

Slide 91 text

原因分析:コーザリティ分析 (Causal Analysis) その背景には「共通の話題がない」という原因があるかもしれ ない。 91 そもそも 友達がいない 昼御飯の相手 がいない 他人に 声をかける 勇気がない 何を話したら 良いのか分か らない 共通の話題が ない 近くに知り合 いがいない

Slide 92

Slide 92 text

原因分析:コーザリティ分析 (Causal Analysis) さらに広く見てみると、別の原因があってそのような状況が生 まれているのかも。 92 そもそも 友達がいない 昼御飯の相手 がいない 他人に 声をかける 勇気がない 何を話したら 良いのか分か らない 共通の話題が ない 友達が欲しく ない 近くに知り合 いがいない

Slide 93

Slide 93 text

原因分析:コーザリティ分析 (Causal Analysis) 共通の話題がないのが根本原因である場合、これを解決しよう とすればよい。 93 そもそも 友達がいない 昼御飯の相手 がいない 他人に 声をかける 勇気がない 何を話したら 良いのか分か らない 共通の話題が ない 友達が欲しく ない 近くに知り合 いがいない

Slide 94

Slide 94 text

構造把握の手法の例 構造把握の手法として色々な見方がある。ここに挙げられてい ないものもあるので注意すること。 94 論理的思考 もれなくダブりなく (mutually exclusive collectively exhaustive) の 略。ロジカルに分けられる ときは MECE に分ける。 分け方の切り口が優れた構 造かどうかを決めることに つながりやすい。 システム思考 ステークホルダー同士の関 係性や活動の関係性、概念 同士の関係性など、関係性 全般がうまくつながってい ない場合は関係性の観点か ら整理を行う。 どの要因が相対的に重要な のか、などを把握する。い わゆるシステム思考に近い。 パターン 構造のパターンを知ること で、アナロジーを使って構 造の把握がうまくなること がある。

Slide 95

Slide 95 text

その他のツール 他にも構造を整理するために、以下のようなツールも使える。 95 バリューチェーン 業界構造を整理するときに 便利。 ステークホルダーマップ 関係者を整理するときに便 利。 関係者や関係業者の関係性、 力関係などを図示する。 因果ループ図 コーザリティ分析に近いけ れど、ループの概念を中心 に考えるので、異なる視点 が得られる。

Slide 96

Slide 96 text

解像度の視点:深さ、広さ、構造、時間 これら 4 つの軸を基に「解像度を高めていく」ための Tips を このスライドでは解説する。 96 深さ 原因や要因を深くま で掘り下げて把握し ているか。 広さ どれだけ広く原因や 要因を把握している か。異なるアプロー チや視点が検討され ているか。 構造 原因や要因の関係性、 相対的な重要性など を適切に把握してい る。分け方や比較の 方法も優れている。 時間 時間的な変化を捉え て洞察につなげてい る。 深さ 広 さ

Slide 97

Slide 97 text

時間の解像度を高めるために 業界や顧客の歴史を知ることや、物事の流れを知ることが時間 の解像度につながる。 97 変化を見る • 物事の変化を見る • 時系列に並べて見る 流れを見る • 流れとして見てみる • ステップやプロセスに分 けて見て見る • 因果関係を見る 歴史を振り返る • 過去の歴史を振り返る

Slide 98

Slide 98 text

解像度の視点:深さ、広さ、構造、時間 4 つの軸で課題を把握する。 98 深さ 原因や要因を深くま で掘り下げて把握し ているか。 広さ どれだけ広く原因や 要因を把握している か。異なるアプロー チや視点が検討され ているか。 構造 原因や要因の関係性、 相対的な重要性など を適切に把握してい る。分け方や比較の 方法も優れている。 時間 時間的な変化を捉え て洞察につなげてい る。 深さ 広 さ

Slide 99

Slide 99 text

99 そんなにすぐに 解像度は高くならない

Slide 100

Slide 100 text

100 根気よく頑張ろう & 現場に出よう

Slide 101

Slide 101 text

101 ただし解像度を上げることに 時間を使いすぎない 適切な行動につなげるための 「十分な」解像度を目指そう (とはいえ大抵の場合は解像度が低いので高めよう)

Slide 102

Slide 102 text

解像度の診断 102

Slide 103

Slide 103 text

103 十分高い解像度かどうかは 明確 かつ 簡潔 かつ ユニーク に仮説を話せるかどうかでほぼチェックできる (これをするには解像度を上げる必要があるから)

Slide 104

Slide 104 text

解像度の高低のチェックツール 以下のようなツールを使いながら解像度のテストを行うと良い。 104 1. テンプレート テンプレートの中を埋めよ うとすることで、主に広さ と構造をチェックできる。 ただしテンプレートは表層 的に記入が可能なので、深 さはチェックできない。 2. 競合との比較表 競合との比較をどこまで細 部に書けるかで、自分の解 像度の深さをある程度 チェックできる。 多くの比較軸が挙げられれ ば解像度が高いと言える。 3. 原因分析 顧客の行動の理由や、業界 構造の理由をどの程度詳細 に話せるかで、解像度の深 さと広さある程度チェック できる。 競合 1 競合 2 競合 3 競合 4 機能 A 機能 B 機能 C 機能 D 機能 E 機能 F

Slide 105

Slide 105 text

例)顧客の解像度: テンプレートを埋められるか 例えば顧客フォースキャンバスの穴埋めをすべて的確にできる 状態になっていることは顧客の解像度を示す一つの例。 https://leanstack.com/customer-forces-canvas.pdf 顧客フォースキャンバスによる解決に値する課題の見つけ方 by Ash Maurya 105 1. Push (前進の動機) • イベントのトリガー • 望んでいるアウトカム • 既存のソリューション • 危機 2. 慣性 (既存の方法の快適さ) • 古い習慣/親和性 • スイッチングコスト 3. Pull (新しい方法の魅力) • 考えるべきこと • 選んだソリューション • ユニークな価値提案 • チャネル、価格 4. 摩擦 (新しい方法への抵抗) • 不安/不確実性 • 新しい習慣 5. 次に起こること • 実際のアウトカム • 次の頂上

Slide 106

Slide 106 text

https://edp.esd.titech.ac.jp/resources/pitch-template/ を参考にした 106 解決策の例)この文章を埋められ、かつユニークであるか 【状況】という状況にいて 【課題】という課題を持つ 【顧客】向けの 【製品名】という 【製品ジャンル】です。 これには【利点】という利点があります。 【既存の代替品】とは違い 【差別化要素】が備わっています。 状況 課題 対象顧客 製品名 製品ジャンル 利点 既存の代替品・競合 差別化要素

Slide 107

Slide 107 text

107 ※単に埋められるだけでは 十分な深さがあるかどうか 分からないので注意 (埋めて満足しないように)

Slide 108

Slide 108 text

例)競合との詳細な比較表 とにかく重要な比較軸を出 してみる。どれだけ数が出 せるか、軸がユニークかで 深さと広さが分かる。 作るときは機能ではなく、 顧客にとっての体験や価値 をベースに票を作ると良い。 顧客にとって重要な軸を上 に持ってきて、比較すると、 自社が本当に勝っているか が分かりやすくなる。 108 比較軸 自社 競合1 競合2 コミュニ ティ 〇 〇 △ 価格 〇 △ × 楽しさ 〇 〇 × 使いやす さ △ 〇 〇 サポート △ × 〇 エンター プライズ 機能 × △ 〇 入手しや すさ × △ 〇 カスタマ イズ情報 × 〇 〇 顧客にとって 重要なものを上へ 顧客が重視しない ものは下へ

Slide 109

Slide 109 text

109 そして解像度を高めた後に 最適な打ち手を選ぶこと 解決できる課題や行動を 選ばないと何も変わらない

Slide 110

Slide 110 text

まとめ 110

Slide 111

Slide 111 text

解像度の視点:深さ、広さ、構造、時間 4 つの軸で課題を把握する。 111 深さ 原因や要因を深くま で掘り下げて把握し ているか。 広さ どれだけ広く原因や 要因を把握している か。異なるアプロー チや視点が検討され ているか。 構造 原因や要因の関係性、 相対的な重要性など を適切に把握してい る。分け方や比較の 方法も優れている。 時間 時間的な変化を捉え て洞察につなげてい る。 深さ 広 さ

Slide 112

Slide 112 text

112 多くの人は 深さ が足りないので 深める作業を推奨

Slide 113

Slide 113 text

113 カスタマー マニアに なろう

Slide 114

Slide 114 text

FoundX の紹介 114

Slide 115

Slide 115 text

FoundX とは 115 東京大学 FoundX は東京大学 産学協創推進本部の下部組 織です。東京大学 本郷キャンパスの近くに 3 つの施設を構 え、起業志望者向けのプログラムを複数提供しています。 投資は行いませんが、無償での個室貸与やプログラムの提 供、起業家コミュニティへの参加を支援します。 興味 情熱 起業ゼミ (11 か月) Founders (9 か月) 共同創業者 の説得 有利な 資金調達 フル コミット ビジネス 実績 初契約 初売上 製品開発 と改善 助成金や コンテス ト 賞金の獲 得 Review, Resource, School 試行 錯誤 アイデア の種 検証された アイデア 起業家の 基礎知識 &スキル プロト タイプ 顧客イン タビュー

Slide 116

Slide 116 text

FoundX の提供する起業家支援プログラム & リソース 主に東京大学の卒業生向けに、無償のスタートアップ支援プロ グラムや学習リソースを提供。 116 チーム向け Founders Program 事業と起業家の成長を、コ ミュニティを通して達成す るプログラム。個室を無償 で最大 9 か月間貸与。 個人向け 起業ゼミ スタートアップ的手法の実 践を通してアイデアを見つ け、育てるためのプログラ ム。 Startup Studio アイデアを提供して、初期 を一緒に進めていくプログ ラム。 学習リソース FoundX Review スタートアップのノウハウ 情報を提供。カテゴリ別ま とめは FoundX Resource。 FoundX Online School 動画形式でスタートアップ の基礎を学べる。

Slide 117

Slide 117 text

自己紹介 馬田隆明 (東京大学 FoundX ディレクター) University of Toronto 卒業後、日本マイクロソフトでの Visual Studio のプロダクトマネージャーを経て、テクニカルエバンジェリス トとしてスタートアップ支援を行う。スタートアップ向けのスライド、 ブログなどの情報提供を行う。 サイト: https://takaumada.com/ スタートアップの 方法論の基礎 Amazon (2017 年 3 月) 起業環境の重要性と アクセラレーター の設計方法 Amazon (2019 年 4 月) スタートアップの 公共や規制との 付き合い方 Amazon (2021 年 1 月) スタートアップに ついてのスライド Slideshare SpeakerDeck 曖昧な思考を 明晰にする方法 Amazon (2022 年 11 月)

Slide 118

Slide 118 text

118 https://foundx.jp/ ご応募お待ちしています