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品質よもやま話
#11：未来の自分を救う
LOVE会スピーチ
2020年1月16日
中野康雄
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今週のお話
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ある知り合いの
若い頃の話
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彼の新卒最初の仕事は
アプリケーションの保守
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時代は90年代後半
クラサバ全盛
Java/Webがようやく
使われだした走りの時代
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彼が使っていた言語は
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Developer/2000という
Oracleの4GL言語
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？
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画面イベントを
PL/SQLで書くという
なかなかのマニアックさ
＃アプリエンジニア以外の方すみません
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いつの間にか
市場から消えていた・・・
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すみません
Developer/2000は
忘れてください
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そこで丸2年間
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画面と帳票の
不具合修正や追加改修に
明け暮れていた
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そのPJに
1歳上の先輩がいた
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その先輩は超体育会系＆
成長意欲の高い人で
彼はかわいがってもらっていたらしい
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「俺は最速でMCSEを取る」
「お前も取れ」
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その先輩には
以下の３つの答えしか
許されていなかった
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「はい」
「YES」
「よろこんで」
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「はい、わかりました！」
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MCSEとは
マイクロソフトの
認定資格を
6個とると
得られる称号
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なんかよくわからないけど
1年ぐらいかけて
なんとか6個揃えた
（1個多い）
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「先輩、MCSE取れました！」
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「ようやくか。遅いな」
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「よくがんばったな、とかないんか・・・」
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「俺はOracleMaster 勉強中や」
「お前も取れ」
※当時は商用オープンシステムで使うDBといえばほぼOracleだった
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答えはもちろん
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「はい、よろこんで」
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ちなみに調べてみたら
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結構たいへん・・・
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「俺は3ヶ月でPlatinumまで取るから
お前は半年ぐらいでいけるよな？」
「・・・・はい」
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その現場の卒業間近で
なんとか取得できた
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「先輩、Platinum取れました！」
「そうか、遅かったな」
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「まぁ期待通りやな・・・」
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「先輩、ちなみにこれ
今後役にたつんでしょうか？」
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開口一番
先輩が言った言葉は
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「そんなもんしるか」
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「資格ごとき武士のたしなみやと思え」
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なんやと・・・
土日もがんばったのに・・・
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俺の新婚生活を返せ・・・
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そんなこんなで次の現場へ
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そこはこれまでとはうって変わって
ITコンサルティング案件
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大手製造業での
IT全面スクラッチ刷新の
全体構想立案
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自分のミッションは
このPJにおける
システム開発標準プロセスの策定
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「私、画面と帳票の保守しか
したことないんですけど・・・」
＃しかもDeveloper/2000やし（言いたいだけ）
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社内の先輩に頼み
他のPJのフォーマット
かき集めたり
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方法論の本などを
むさぼったが
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リーダーのお眼鏡に
かなう成果物は
出せなかった
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若干そりがあわない部分もあり
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風当たりもきつくなる
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精神的にきつい時期が
しばらく続いた
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そんなとき他のPMが
声をかけてくれた
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「うちのPJでDBAさがしているんだけど
君はOracleMasterもってるんだよね？」
＃DBAとはデータベース管理者（DBAdministrator）
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「！！！」
「はい！持ってます！」
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「だったらうちのPJに来る？」
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そのPMは今のリーダーに掛け合ってくれて
PJを異動することになった
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実は声をかけてくれたPMのPJに
彼の新卒同期がいて
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別のPJで疲弊してる奴がいるから
うちで使えませんかね？と
声をかけてくれていたらしい
＃同期大事
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新しいPJでは上司や仲間にも恵まれ
プロジェクトは成功
個人としても
DBAとして物理から論理まで
ゼロベースでの
DB設計構築を経験できた
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そのPJから一つづつ
SEやITコンサルとしての経験が重なり
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今では渋谷のあるIT企業で
じゃない方として
がんばってるそうです
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ということで
何が言いたいのか
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最近キャリアに悩む
若手の声を聞く
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自分はこの道でいいのか？
もっと向いていることがあるのでは？
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これは私から言わせれば
健全な悩みで大いに結構
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むしろ悩まないほうがおかしい
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以下、私なりの見解
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これをやらずに死んだら
一生後悔するという
明確なやりたいことが無い限り
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最初は誰かの小さな期待に
答えることから重ねてはどうか？
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その期待に答えることが
自分のキャリアにどれだけ貢献するか？
そんなことは誰にもわからない
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ただ何をやるかに悩む時間は
正直もったいない
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もちろん
自己分析も踏まえた
戦略的なキャリア設計
はとっても大切
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ただ敢えて極論すると
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人生としての幸せな成功
という観点でみれば
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何をやったかよりも
本気で努力したことがあるかないか
の違いの方が大きいと
感じている
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何かのきっかけに勝手に意義を見出し
のっかってみるのがお勧め
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やらなければならないことを
がんばることは
実は本気の努力じゃない気がする
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本当の努力とは
やらなくてもいいことを
報われる保証がないのにやること
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今日の努力は
いつ報われるかわからない
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今すぐには成果は
出ないかもしれない
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でもその姿を
陰ながら見てくれている人が
あなたの周りにはきっといる
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その努力が
未来の自分の窮地を救ってくれる
そう信じてがんばってほしい
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時には馬鹿になって
がむしゃらに何かに打ち込んでみるのも
悪くないと思う
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特にその努力の対象にアテがないなら
「資格」でいいと思うし
何より本業を全力で取り組むなら
もちろんそれも良し
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そしてその真の努力をした経験は
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人の上に立った時にこそ
役に立つ
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苦労しても報われない経験がある人は
そんな人の心にも寄り添うことができる
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優しく、時に厳しく
人を勇気づけることができる
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リーダーの皆さんには
是非若手たちに
そんな影響を与えてあげてほしい
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ARIは本気で努力したい人にとっても
今はゆっくり波を待ちたい人にとっても
優しい会社でありたい
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その努力が
未来の自分の窮地を救ってくれる
そう信じてがんばってほしい
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私もその一助になれるように
努力を続けたいと思う
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早く行きたいなら、一人で行け
遠くまでいきたいなら、みんなで行け
by アフリカのことわざ
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品質よもやま話
#11：未来の自分を救う
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LOVE会スピーチ
2020年1月16日
中野康雄
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