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© 2018 Shun Takagiwa 1 いかにして現実のアセットと ブロックチェーン上のトークンを 信頼できる形で紐付けるか という問題に対する2018年の現実解 2018/11/10 (Sat) 高際 隼 / Shun Takagiwa LayerX Inc. Hi-Con 2018 (LT)

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© 2018 Shun Takagiwa 2 About me 高際 隼 / Shun Takagiwa LayerX リードエンジニア Twitter: @shun_tak ブロックチェーンを利用するプロジェクトの コンサルティング, 設計, 開発を主に担当 2018- LayerX 2013-2018 CyberAgent 2011-2013 東京工業大学大学院 修士課程修了 数学・コンピュータサイエンスを専攻 2007-2011 東京工業大学 卒業 数学・コンピュータサイエンスを専攻 Please follow me!

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© 2018 Shun Takagiwa 3 サマリー テーマ いかにして現実のアセットとブロックチェーン上のトークンを 信頼できる形で紐付けるかという問題に対する2018年の現実解 既知の問題 USDとUSDTを紐付けるTetherには残高問題がある これはUSDを預かるTether Limited社に対する信頼の問題である 2018年の現実解 アセットを信託会社に預け、信託会社がトークンを管理する => 信託会社をプロキシとすることで、アセットに対する透明性と 法的保護が得られ、トークンを信頼できるようになる

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© 2018 Shun Takagiwa 4 2018年の現実解が信頼される仕組み 概要 アセットを信託会社のエスクロー口座に預ける アセットの出し入れに応じて信託会社がトークンのmint/burnを実行 トークン発行フロー 信託会社 ブロックチェーン ウォレット 1. アセットの預け入れ 2. トークン発行 3. トークン送金

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© 2018 Shun Takagiwa 5 2018年の現実解が信頼される仕組み 概要 アセットを信託会社のエスクロー口座に預ける アセットの出し入れに応じて信託会社がトークンのmint/burnを実行 アセット払い戻しフロー 信託会社 ブロックチェーン ウォレット 3. アセットの払い戻し 2. トークン焼却を確認 1. トークン焼却

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© 2018 Shun Takagiwa 6 2018年の現実解が信頼される仕組み 概要 アセットを信託会社のエスクロー口座に預ける アセットの出し入れに応じて信託会社がトークンのmint/burnを実行 アセット監査 信頼できるトークンを支える仕組み 信託会社 ブロックチェーン 監査会社 ウォレット アセットの入出金 トークン発行/確認 トークン送金/焼却 アセット残高の監査 監査レポートを公開 透明性を担保 残高は法的に保護される

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© 2018 Shun Takagiwa 7 実例と将来の展望 実例 IOU型、Asset-backedなステーブルコインの一部が該当 TrueUSD (TUSD), Digix Gold (DGX), Centre (USDC), Gemini (GUSD), etc. いずれもERC20準拠のトークン 将来 法定通貨だけでなく、株、債券、不動産など証券性のあるアセットを 担保にしたトークンが増えていくと考えられる 他の文脈でも何らかの信頼を担保にしてブロックチェーン利用が促進 起きる変化 TrustlessなプロトコルとTrustfulなプラットフォームによって 現実のアセットを信頼できる形でトークン化できるようになる => 現実的な応用例とそれを支えるスタンダードが確立されるようになる