Slide 1

Slide 1 text

エンジニアリング x 医療 医療現場で働くシステム担当者として伝えたいこと

Slide 2

Slide 2 text

今日お伝えしたいこと 医療現場のシステム担当がどのように 考え・働いてるか知っていただくこと

Slide 3

Slide 3 text

前田 浩幸 / MAEDA HIROYUKI 猪原歯科・リハビリテーション科(広島県福山市) 医療情報部 2016年入職

Slide 4

Slide 4 text

バックグラウンド 東京医療保健大学 医療情報学部 北里大学大学院 医療情報学研究室 ※ 写真はHPから拝借しました

Slide 5

Slide 5 text

医療情報技師

Slide 6

Slide 6 text

C言語を学び Visual Basicで アプリ開発

Slide 7

Slide 7 text

医療機器メーカーなどの企業 開発者 営業など 病院などの医療機関 学んだ知識を医療の現場で活用してみたかった

Slide 8

Slide 8 text

医療法人社団敬崇会 猪原歯科・リハビリテーション科 1946年12月設立 今年で75年目

Slide 9

Slide 9 text

多職種のスタッフ(47名(4月から)) • 歯科医師 : 12 • 歯科衛生士 : 14 • 歯科技工士 : 3 • 言語聴覚士 : 1 • 管理栄養士 : 1 • 医師 : 2 • ケアマネ : 2 • 器材管理 : 6 • 事務 : 5 • 医療情報 : 2

Slide 10

Slide 10 text

理念:患者さんに新しい価値観に気づいてもらい、行動を変容してもらう 患者さんの一生 元気な時 トラブル 元気な時は メインテナンスで 関わり続ける 口腔内にトラブルが あるときは治療部門で 丁寧に治療する 通院できなくなっても 訪問部が定期的に お伺いして 口から食べることを応援する 寝たきりなど

Slide 11

Slide 11 text

役割

Slide 12

Slide 12 text

情シス業務 関連物品の管理・調達 PC選定・キッティング・管理

Slide 13

Slide 13 text

を利用した院内システム開発 ※パンフレットより拝借 https://kintone.cybozu.co.jp/material/pdf/kintone.pdf • D & Dでシステム作成可能 • クラウド(国内サーバー) • ユーザでもカスタマイズ可能

Slide 14

Slide 14 text

従来のシステム開発 システムの 要件定義 設計 開発 テスト 導入

Slide 15

Slide 15 text

実際使ってみたら思ってたのと違って… SE 医療機関側

Slide 16

Slide 16 text

そうですか…そちらは修正するのであれば 追加費用として50万円かかります。 医療機関側

Slide 17

Slide 17 text

(ええ…そんな予算はない…) がまんして使います… 医療機関側

Slide 18

Slide 18 text

・ 完成して使ってみたら、 思っていたのと違ったという事態が起こりがち ・ そして、だいたい修正の予算はない ・ プロと一緒にやっているので高度な機能は実装できる 良いところ 悪いところ

Slide 19

Slide 19 text

NoCodeツール(kintone)でのシステム開発 +カスタマイズ システムの 要件定義 設計 開発 テスト 導入 ・ 基本、全部自分たちでできる ・ トライ & エラーのコストが安い ・ 必要になった時にプロ(SE)と組める

Slide 20

Slide 20 text

① 解決したい課題を特定する ② 適切な解決手法の模索 ③ それがシステムなら開発 システムの 要件定義 設計 開発 テスト 評価

Slide 21

Slide 21 text

現場に合ったシステムが開発できることはとても重要! だけど同じくらい大切なのが…

Slide 22

Slide 22 text

自分たちの仕事の流れ(ワークフロー) を評価し適切な流れに変えていくこと

Slide 23

Slide 23 text

ニーズ / 目標 / 目的 業務において何らかの問題(課題)があり、 それを解決したい 課題を解決することで ・ 情報の共有と方針の統一をしたい ・ 理念の実現に近づきたい ・ 発生した余剰時間を本質的な活動に充てたい ・ 従業員がプライベートを大切にできる体制を整えたい →結果として仕事で高いポテンシャルを発揮してもらいたい

Slide 24

Slide 24 text

大切なこと 解決したい 課題 適切な解決 手法の模索 kintone 解決したい 課題 kintone

Slide 25

Slide 25 text

シーズオリエンテッドではなく あくまでニーズオリエンテッドであること システムを開発したい 課題を解決したい

Slide 26

Slide 26 text

解決したい 課題 適切な解決 手法の模索 kintone 課題解決のステップ 1つずつ解説します

Slide 27

Slide 27 text

解決したい 課題 ・ 課題を正しく認識することが超大切 ・ 課題認識を誤るとリソース(人的・時間的・金銭的)を失うだけでなく、 現場に不穏な空気が流れる ・ ある意味最も大事なステップ

Slide 28

Slide 28 text

どうやって課題を把握するか? 現地現物 データ分析 データからではわからないことは 多々ある… 一方で結果としての データはとても大事

Slide 29

Slide 29 text

現地現物・データ分析 ① 観察 ➁ タイムスタディ 患者番号 名前 MTM 保険/私費 来院時間 チェアin チェアDr.in チェアDr.out チェアout 会計 受付でまった時間 チェアでDr.を待った時間 備考 1802 神原 考己 保険 9:06 9:11 9:27 9:34 0:05 24 児玉 泰明 私費 9:06 9:11 9:38 0:05 24 児玉 泰明 私費 10:22 10:34 11:10 0:40 0:12 122 原田 房江 保険 9:19 9:23 9:31 0:04 0:08 122 原田 房江 保険 11:07 11:16 11:42 12:02 1:00 0:09 22 猪原 富美子 保険 10:22 10:56 11:11 0:34 1531 川本 徳久 私費 9:47 9:55 10:02 0:08 5051 川島 優美 保険 9:31 9:56 10:12 5051 川島 優美 保険 10:20 10:43 急遽5番で口腔ケア実施 2704 藤原 広子 保険 10:33 10:34 11:04 11:08 0:01 3330 五十川 和子 保険 10:51 10:52 10:56 11:11 11:36 11:44 0:01 0:04 4597 星川 満子 私費 11:59 12:00 12:46 0:01 4596 星川 清 保険 11:59 12:00 12:20 0:01 4751 川相 秀樹 1 保険 9:06 9:55 10:01 427 和田 照夫 1 保険 9:06 10:00 10:05 3940 溝上 秀治 1 保険 0:00 1655 岡本 早苗 1 保険 9:42 10:03 11:24 11:38 0:21 4781 前田 勝恵 1 保険 0:00 1188 岡崎 誠治 1 保険 10:00 10:01 10:59 11:05 0:01 103 島本 宜子 1 保険 10:45 10:50 12:05 12:08 0:05 3300 前原 園江 1 保険 10:39 11:03 11:47 11:51 0:24 4833 渡邉 秀子 1 保険 10:41 10:45 11:46 0:04 3083 児玉 範子 1 保険 0:00 1209 藤原 瑞江 1 保険 11:46 11:55 0:09 sum/ave 0:14 0:05 ③ ヒアリング

Slide 30

Slide 30 text

大切なこと ・ 聞いたらすぐに核心をついた答えが返ってくるわけではない ・ 現場の人たちと仲良くなっておくことはとても大事 嫌いな人には気持ちよくお話してくれない。 ・ 現場でこうしたらいいんじゃないか?という思いつきは言わない 傍から見たら非効率でムダな作業でも現場の人たちはそれで回っている ・ 聞くこと(引き出すことに)注力する ・ どういう目的で調査しているのか、大義名分が必要(トップダウン or ボトムアップ) ・ 業務のことをよく把握しているキーパーソンを見つける 一方で声の大きい人には気を付けなくてはいけない。その人がたった1回の出来 事のことを言っている可能性にも気を付ける

Slide 31

Slide 31 text

調査がある程度進んだら… ① プロブレムリストを作る ※おおざっぱでいい ※細かい分岐を入れずにメインの流れを書くこと ➁ ワークフローを書く ここまでくるとターゲット (課題(ボトルネック))がわかる?

Slide 32

Slide 32 text

適切な解決 手法の模索 ・ ツールありきで考えないこと ・ 人のワークフローを変えるだけで解決できることも多い ・ ツールを使う場合は将来性も考慮する (事業が拡張した場合に使い続けることは出来るのか?) kintone

Slide 33

Slide 33 text

kintoneの場合 ・ 作り始める時は業務の一部分から始める事。全て同時並行で進めると大抵使われない ・ 成功体験を演出すること。合理的 ≠ 使いたい ・ 現場で一緒に戦ってくれるキーパーソンを作っていきましょう ・ 作ってはチームの一部で使ってみる、ヒアリングをする。の繰り返し ・ 初めはとにかく伴走が大切。丁寧すぎるくらい一緒に作業する ・ システムを自社開発することはスタッフのボトムアップを促す ことに似ている?地道な作業が必要です

Slide 34

Slide 34 text

さらに次のステップ

Slide 35

Slide 35 text

既存の機能ではニーズをカバーしきれなくなってくる ① 連携サービスや別サービスで解決できないか? ② プログラムを開発して解決できるか ③ 外部に開発を委託するか

Slide 36

Slide 36 text

No content

Slide 37

Slide 37 text

医療職 現場のIT担当 開発会社

Slide 38

Slide 38 text

まとめ

Slide 39

Slide 39 text

現場のシステム担当(医療情報技師)として ITと医療の知識を現場で生かしている ワークフローの分析・構築 を利用した院内システム開発 情シス業務