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食材の高騰、安全な食材の不足が加速 種苗法改正について

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2 参照 / reference イントロ #1 種苗法が「原則自家採種禁止」として 改正されようとしている。 #2 開発者側(種子企業)に有利な改正と なり、農家や消費者に悪影響となる。 #3 食材の高騰や安全な食材の不足、 国の食料安全・自給問題に発展する。

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3 参照 / reference 種苗法とは何か 種苗(植物のタネと苗)の知的財産権を守る法律 野菜、果物、穀物(米・麦・大豆)や草花など、植物全てを含む。 ※ 本スライドでは食に関わる野菜、果物、穀物を中心に解説します。

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4 参照 / reference 種苗法が制定された背景 ● 野菜や果物、穀物は様々な品種改良が行われている。 ● 品種改良には、時間も手間もかかるため、開発者側の 知的財産権を守ることを目的に、制定されたのが種苗法。 ● 種苗法は1998年5月29日に公布された。

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5 参照 / reference 種苗法制定時から問われていた大きな問い そもそも、空気や水のように共有財産であるはずの 種苗に対して、開発者に知的財産権を与えるかどうか? については、農家サイドからの議論が絶えなかった。

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6 参照 / reference 開発者と農家の権利のバランスをとった種苗法 開発者 (品種改良する人) 農家 (自家採種する人) 購入した種子を販売・転売 することは禁止されている が育成した作物の タネを再利用(自家採種) することは原則可能。 開発者は開発した 種子の独占権が与えられる。 農家が購入した種子を 販売・転売したりすること を禁止できる。

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7 参照 / reference これまで種苗法でとってきた「開発者」と「農家」の 権利のバランスが崩れ始めていることが、現在の問題点。 「農家の自家採種を原則、一律禁止にする」として 種苗法の改正が検討されている。 種苗法改正案によりバランスが崩れはじめている 開発者 農家

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8 参照 / reference なぜ自家採種を禁止するのか? ● 農水省は種子の海外流出を防ぐことが主目的と発表。 ● 国内で品種改良を行った「いちご」や「ぶどう」が韓国 や中国に流出し、栽培・販売された経緯があるため。

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9 参照 / reference 種苗法改正(自家採種禁止)は意味がない 種苗法改正(自家採取禁止)では海外流出を防げない そもそも 海外流出に対して 国内法の適用は 曖昧であり、海外 で商標登録をする 方が重要である 1 2 3 海外流出は 現行の種苗法で 対応できる ※ 種苗法 第二十一条四項 種苗法(第二十一条四項)※11P丨https://www.maff.go.jp/j/shokusan/tizai/syubyo/pdf/4-1.pdf 刑事告訴する ことの方が適切な 対応とさえ言われ ている

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もともと、改良品種の海外流出を目的として 種苗法の改正(自家採取禁止)を検討することに なっているにも関わらず、海外流出防止は法改正をせず とも達成できるため「農家の自家採種禁止」だけが 結果として残る、本末転倒な法改正へ向かっている

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11 参照 / reference 自家採種禁止に対する、農水省の主張 ● 自家採種禁止に「在来種」は入らないから安心してほし いというのが農水省の主張。 ● 在来種(固定種)とは、親から子・子から孫へと代々 同じ形質が受け継がれている種のこと。形質(味や形) が固定されたものが育つことに特徴を持つ。 ● 自家採種は基本的に「在来種」からなされる。 ※在来種の他に「F1種」があるが、F1は一世代しか育たない種である ため、自家採種ができない種となっている。

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しかし、農水省が農家への安心材料として 伝える「在来種は自家採種可能」という見解が 曖昧で、リスクのあるものとされている。

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13 参照 / reference 遺伝子解析は不可として「登録品種」or「在来種」を 農水省が「特性表」と「人的能力」だけで見分けるとしている 登録品種と在来種の見分け方が曖昧、非現実的 新規性、区別性、均一性、安定性 をみたした品種開発→申請→登録品種 従来の在来種で自家採種 を行い農家を営む 開発者 (登録品種) 自家採種する農家 (在来種) 人が判断 人が判断

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14 参照 / reference 特性表参考 印鑰 智哉 様丨日本の種子(たね)を守る会、勉強会におけるスライド資料より

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15 参照 / reference 登録品種と在来種を見極めることが困難 種は変化する 交雑の問題 品種の多様性 特 性 表 と 人 的 能 力 で 登 録 品 種 と 在来種を見分けるのが困難なワケ

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在来種は自家採種ができると安心させながらも この状況であれば、いつ開発者側に訴訟を起こされ 意図せず農家が訴えられてもおかしくない状況に

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17 参照 / reference 種苗法に違反した場合の刑罰 「10年」以下の懲役 +「1000万」以下の罰金 共謀罪=関係したとみなされた者も罰する ●この刑罰は併科であり、他の刑法上の罰則と比べても明らかに重いも ●なお、上記は個人の場合であり、法人の場合は「3億円以下の罰金」となる。 ●例えば、現在も地方を中心に行われている種子の交換会。これらに参加した 人全員が罰則の対象となる。 ●更に「準備行為」も含まれるため、交換会に向けて「話し合いに参加した」 程度の関わりでも、罰則の対象となる。

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18 参照 / reference 種苗法改正による自家採取禁止品種は年々拡大 1998 2006 2017 2018 2020 23 種 82 種 289 種 356 種 原則自家採種禁止を検討(失われる農家の権利)

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19 参照 / reference 影響として予想されること(農家) ● これまで自家採種をしてきた農家は毎年、企業から 種を必ず買わねばならず、コスト負担が甚大に。 ● あるいちご農家では年間1000万の負担増。あるウドの栽 培農家では年間310万円の負担増(この方は米、麦、大 豆等の主要農作物も自家採種であるため、更に負担増) ● 穀物(米・麦・大豆)を自家採種している農家は種子法 廃止の影響で、企業から購入する可能性が高まる。 ● いちご、イモ類、サトウキビ、りんご、みかんなどは 自家採種されることが多く、多大な影響をうける。 山田正彦様丨公式ブログ丨https://ameblo.jp/yamada-masahiko/entry-12575782319.html 一般社団法人心土不二丨タネは誰のもの〜種苗法改定で農家は?丨https://www.youtube.com/watch?v=1SK2uh8qUlM&t=1s

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20 参照 / reference 影響として予想されること(消費者) 1 2 穀物、野菜、果物 の価格高騰 自然農・有機農の 安全な食材が不足 自家採種は自然農法や有機農法等の 安全性の高い農法と相性が良いが、 自家採種禁止となると、これら農法 が行えず、安心・安全な食材が不足 農家の種子購入コストが高騰するた め、消費者の購入コストも高騰する

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21 参照 / reference 種苗法改正は国家の食料自給に関わる問題 ETC GROUP(2013レポート)より抜粋 ※モンサント社とバイエル社は2018年合併。デュポン社とダウ社は2017年合併 モンサント デュポン シン ジェンタ リマ グレイン ランド オレイクス KWS バイエル ダウ タキイ サカタの タネ 世界における主要な種苗会社売上高 2011年 億ドル 種苗法改正により、自家採種が禁止され 農家が毎年タネを買うことになった場合、食生産の根源 である「タネ」を外資系企業に握られてしまうことに。 これは日本の国家安全や、食糧自給に関わる問題として 認識する必要がある。 国 内 企 業

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22 参照 / reference 自家採種に関係する世界の動き 国際連合 欧州連合(EU) ブータン タネを自家採種する 権利を含め、農家の 権利を強調する 宣言を2018年に行う 2020年より 有機栽培農家の自家 採種を自由とする 小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言丨https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000485953.pdf インドやネパール等 9カ国と条約を結び 品種改良したタネを 相互利用可能に

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23 参照 / reference ● 種苗法改正の事実を多くの人に知らせる。 ※本スライドや記事が有用だと思った場合は、引用や転載など 自由にご活用下さい。冒頭のスライドシェアからもDL可能です。 ● 自治体(市町村・県)や国へ意見書・請願書を提出。 https://www.taneomamorukai.com/shubyou ※URLにフォーマット有り ● TV局や雑誌、メディア関係企業へ問い合わせ。 ● 農水省へ直接問い合わせを行う。 https://www.contactus.maff.go.jp/voice/sogo.html ● 農水省のパブリックコメントに意見する。 ※20年1月末迄 https://www.contactus.maff.go.jp/j/form/kanbo/kihyo01/190906.html 私達の食を守るために種苗法改正に声をあげる

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原則自家採種禁止とする種苗法改正案が 2020​年1月​20日〜通常国会にて審議に入っています。 一人でも多くの方に事実の拡散をお願いします。

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