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若年層の魚離れ解消を目的としたレシピ開発と実践活動
- 学ぶ・創る・伝える実践型魚食探究プログラム -
鎌田美憂、鎌田ゆかり、工藤汀菜(青森中央短期大学食物栄養学科)
Introduction
海の変化が食卓を変える
objective
魚食につながる行動とは
近年の気候変動による海洋環境の影響は水揚げ量減少や回遊魚が変化するなど大きな影響を及ぼし、価格にも影
響するなど魚介類消費量の低下の一因となっている。また「骨がある」ことなど食肉とは異なる特徴、簡便調理志向、
外食や中食の普及といったライフスタイルの変化により家庭における魚料理の機会も減少し、「魚を扱う・調理する・食
べる」という一連の行為が、家庭や若年層の生活実態や価値観と乖離しつつある。
県産の多様な魚種を題材とした継続プログラムを
実施、意識変化を多角的に評価することとした。プロ
グラム実施後は座談会を実施し魚食への思いや行動
変容についてまとめた。
Activity details
<学ぶ>
漁師に学ぶ漁業環境とさばき方
<伝える>
考案レシピの発信
①漁業への理解
漁船乗船し漁場での養殖ホタテの籠の引き揚げ
を間近で見学・体験した。漁港では引き上げた
ホタテ貝を籠から取り出し海水で洗い流す作業を
行った。
荷捌き場ではホタテ調理を行った。ホタテ貝の
さばきを実践し、貝から外してしまう方法、貝柱を
残す方法など食べ方によりさばき方を変えると
良いことを学んだ。試食では貝柱の切り方による
食感の違いを感じた。
②さばき方講座
すでに経験済みのホタテは手早くさばいた。
イワシは身が柔らかいので大名おろし、ホッケは
3枚おろしが適していることを知り、魚種でおろし
方を変えさばくことの重要性を実感した。たくさん
さばくことで慣れてくると切り身もきれいになり、
盛り付け(見た目)にも影響し、食べたい意欲が
高まった。
④市場展示会
水産卸売市場での商品展示会にて考案した
レシピの披露と試食提供を行い、バイヤー等
来場者に魚介類の新たな食べ方を提案した。
魚介類をスイーツにした提案(ホタテプリン)に
は特に興味関心が高く、好評を博した。販売者
側の意見を聞くこともでき、レシピ開発が一筋縄
ではないことも実感できた。実際に魚介類を扱う
方との意見交換ができたことは、現場の声を
レシピに反映させることができるので、商品開発
の一部を経験することもできた。
⑤学園祭
手軽にできるレシピ(ちくわボール:スイート
ポテトを詰めたちくわにホットケーキミックス生地
をまとわせて揚げた)を提供した。甘じょっぱい
味が好評でリピート購入もあり、販売する声掛け
にも力が入り完売した。調理・販売だけではなく、
出店に必要なレシピや看板などの準備、流れを
見ての作業など企画から携わるころができた。
魚をテーマとしたメニューの厳しさも感じた。
⑥漁師祭
漁業者が自ら考え連携して実行する水産
イベント「あおもりの漁師祭」にて出店し、
クラムチャウダーとサーモン春巻きを販売・
レシピ配布を行った。野外での調理、販売を
行い、お客さんからの「美味しい」をいただいた。
悪天候により露天販売の厳しさを実感したものの
来場者とのやり取りが楽しかった。レシピを持って
帰る方もおり、考案レシピを自宅でも調理して
もらえる可能性も見出した。
<創る>
好まれるレシピの考案
③レシピ開発
考案レシピの調整を重ね、提供に向けて調味と
手順を確認した。提供をイメージすることで、
「こうしたら?」など具体的な手順改善案を共有
できた。また、魚種による食感の違い、調味料との
相性などを確認し「もっと酸っぱくても好き」など
好みをレシピに反映することができた。
完成レシピは報告会を行ったものもあり、こだわり
はあったものの、レシピ発信の際の環境を考慮し
調整した。食べてもらうところまでをイメージする
ことで改善点も見つかり、考案~調理~提供まで
一連の流れを把握することもできた。
「作るのは手間かもしれないけど、お惣菜で売って
たら買いたいね」「これもっと食べたい」など他者が
考案したレシピに関心するなど料理への多角的な
視点も養うことができた。
<再確認>
⑦課題改善の確認
サケの大名おろしは手早く進めた。イカは
包丁を入れることで簡単に開き下処理できる
ことを実感した。ヒラメの5枚おろしは苦戦
しながらも「これでどんな魚もさばける!」と
これまでの実践が身についたことも実感した。
Discussion
魚食の課題解決の共有
⑦座談会
魚調理と魚食全体における自分の課題をふり返り、プログラム参加前に感じていた課題の確認、プログラム参加で解決したこと、
現在の食生活で継続的に実践していることをまとめて共有した。体験することによる魚調理の経験が向上したこと、一人ではなく
みんなで実践することによる気持ち的変化の気づきを確認できた。骨があることは避けられないが、すでに調理されたものや、外食での
食事で魚を選ぶなど意識するようになったことが共有できた。調理を繰り返し実践したことにより、さばけるようになったことや食べられる
ようになったことが解決したこととして挙げられ、プログラムを通して魚食につながる行動が増えた。
Address the issue
興味を持ってもらうことから
本活動の一環で、地元漁師からの依頼によりラーメンスープの開発や、新たな食べ方の提案
としてのレシピ提供も実施した。若者が好む味付け、手軽な調理法を採用することにより、まずは
食べてみたいと思わせるレシピ開発が大切である。魚をさばけなくても食べてみたいと思わせる
ことが、購買行動や魚食につながると感じている。魚食普及する活動は少なくないことから、今後
も漁師さん等漁業関係者とのつながりを大切に、青森の漁業を盛り上げたい。
ライフスタイルに合わせた魚食(内食、中食、外食)の提案、加工品への魚の利用など話題づくり
による発信も取り入れ、若者に限らず魚を手に取ってもらえる活動を実践したい。