Slide 1

Slide 1 text

〜 Architecture を事前準備して臨んだ開発を振り返る 〜 Android Architecture を明文化して 新規開発に臨んだ話 Akihiko Sato #78 iOS / Android 開発 Tips 共有会

Slide 2

Slide 2 text

自己紹介 佐藤 晶彦 株式会社ラクス 楽楽精算開発 モバイル開発 / Lead Engineer SaaS (Backend, Frontend) / Mobile (iOS, Android) 主な業務は、設計 〜 受入、チームの課題改善など 最近のマイブームは、縄跳びトレーニング

Slide 3

Slide 3 text

今日伝えたいこと 開発開始前に Architecture を明文化して 良かったこと & 課題となったこと

Slide 4

Slide 4 text

背景 弊社では、 Native (Kotlin) 版と Cordova 版の 2 つの Android アプリをリリースしています。 昨年 Native 版では Android 12 対応などを進めて来ましたが、 Cordova 版では FW のリリースと開発期間が合わないこともあり、 タイムリーな対応ができない状況でした。

Slide 5

Slide 5 text

背景 2 また、今後 Cordova 自体の開発が終了して EOL となった場合、 セキュリティリスクが生じる可能性も。。。

Slide 6

Slide 6 text

背景 3 他にも、市場に Cordova 開発者が少なくなっており、 採用面においてもなかなか厳しい状況でした・・・。 心機一転 Native 版に作り替えることになりました!

Slide 7

Slide 7 text

Android チームの現状 しかしながら、 Android チームは若手が中心で、 開発の苦戦は目に見えていたため、 事前に基本的方針として Architecture を定めることしました。

Slide 8

Slide 8 text

Architecture 選定にあたって 基本型として MVVM Architecture を採用することにしました。 まず Architecture を選定するにあたり ・ Android の公式 Architecture である ・モダンな Architecture を扱える技術力あるチームではない

Slide 9

Slide 9 text

Architecture 選定にあたって MVVM Architecture は 2017~8 年位から RxJava を主軸に 台頭した Architecture ですが、 Jetpack Compose の進化と今後の展望を考えると、 Android の標準 Architecure として MVVM Architecture は 今後も Architecture として運用しやすいと考えました。

Slide 10

Slide 10 text

Architecture 選定にあたって 加えて Architecture 検討する上で関心の分離を重要な原則とし、 クラスの責務をできるだけシンプルに保つことで、 ライフサイクルに関連する多くの問題を回避し、 クラスごとのテストの容易性を向上させることにしました。

Slide 11

Slide 11 text

3 層レイヤー構造による構成 基本的なレイヤー構造として、 ・プレゼンテーションレイヤー ・ドメインレイヤー ・データレイヤー 3 層 MVVM Architecture 構成を採用

Slide 12

Slide 12 text

プレゼンテーション層( Presentation Layer ) プレゼンテーション層からユーザーに情報を表示し、入力を受け付ける機能を 持っています。具体的には、または外部入力によってデータが変更されるたび に、変更された情報を反映するよう UI を更新する必要があります。 主にプレゼンテーション層は、 Activity, Fragment, ViewModel や BindingModel に変換するための Converter を配置します。また、 RecyclerView を用いる場合、 Adapter や ViewHolder などもプレゼンテーション層に配置しま す。

Slide 13

Slide 13 text

ドメイン層( Domain Layer ) 複雑なビジネスロジックや複数の ViewModel で再利用される単純なビジネスロ ジックが隠蔽(カプセル化)されたレイヤーです。 ビジネスロジックの複雑さに対処する場合や再利用性を優先する場合、対象の ロジックをこのレイヤーに実装します。 また、各ユースケースでは異なるビジネスロジックが集約されるため、それぞれ のユースケースクラスは疎であることがアーキテクチャとして重要です。

Slide 14

Slide 14 text

データ層( Data Layer ) データ層は、アプリで扱うデータに関連するロジックが集約されます。 具体的には、アプリで使用するデータの作成、保存、変更方法( API に関するも のを含む)を決定する実際のロジックで構成されることがこのレイヤーの期待で す。 データ層は、それぞれが 0 から複数のデータソースを含むことができるリポジトリ で構成されます。また、アプリで処理するデータの種類ごとに Repository を作成 する必要があります。

Slide 15

Slide 15 text

Package 構成を明示

Slide 16

Slide 16 text

基本クラスのルールも明文化 ・ Activity ・ Fragment ・ ViewModel ・ UseCase ・ Repository ・ DI Module ・責務 ・命名規則 ・ルール(制約) ・実装例 ・テストで確認すること ・テスト実装例 明文化 ルールを明文化して、サンプルプロジェクトも用意

Slide 17

Slide 17 text

開発を進めて感じたこと ・チームの基本的技術力が向上 ・開発中に基本的なアーキテクチャの議論することがない   👉 開発に集中できる 👉 チームの生産性が高まった ・責務によりクラスを小さく分けたためテストが書きやすかった   👉 テスト品質の担保

Slide 18

Slide 18 text

課題に感じたこと ・ Package 構造   👉 技術駆動パッケージングよる参照関係 👉 レイヤー横断的な component をどう扱うか ・各レイヤーごとのによる依存性   👉 依存関係逆転原則を活用できていない 今後改善予定

Slide 19

Slide 19 text

まとめ Architecture を明文化すると   👉 チームの基本技術の向上 👉 チームの生産性の向上   👉 品質の向上 といった恩恵を受けることができるので、 皆様のチームでもトライしてみてはいかがでしょうか。

Slide 20

Slide 20 text

オンラインイベントや中途採用を積極的に行ってます! 最後に

Slide 21

Slide 21 text

ご清聴ありがとうございました