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理解・共感を生む ストーリーの作り方 クックパッド PR 牛山マーティン

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牛山マーティン @mrtn クックパッド 新規事業担当広報 ・生鮮食品EC「クックパッドマート」 ・スマートキッチンサービス「OiCy」 ・Amazon Alexa Cookpad Skill etc... 事業会社でデザイナー7年、ディレクターを10年 途中、広告宣伝なども担当 2015年10月入社、2018年4月より現職 2児の父/趣味は料理

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本日お話すること ・サービスをどう知ってもらうか? ・理解・共感を生むストーリーの作り方 ・クックパッドマートにおけるストーリーの作り方

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サービスをどう知ってもらうか?

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PR = Public Relations

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Public Relations とは? PRパーソンは、ステークホルダーと社会との間で健全な価値観を形 成し、継続的に信頼関係を築くことが求められる。 そのため、PRパーソンはステークホルダー間の相互理解と合意形 成、信頼関係を深めるためのコミュニケーションのプロフェッショナル として、所属する組織及び社会から期待される存在となるように努め なければならない。 出典:PR活動ガイドライン | 日本パブリックリレーションズ協会

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PRとは、平たく言うと ・社会の人々に知ってもらい ・社会の人々に理解してもらい ・信頼関係を築き ・最終的にファンになってもらう ためのコミュニケーション活動です

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コミュニケーションの流れ 伝えたいメッセージを発信、メディアを介して人々へ届ける メッセージ プレスリリース・SNS オウンド・note・広告等 メディア 新聞・雑誌・WEB・TV SNS・有名人の発言 等 私達 人々

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メッセージはメディアを介して人々へ届く ● 人々に直接メッセージを届けるのは難しい ● 働くお母さん10万人にメッセージを届けるには? ● メディアを取り上げられることでメッセージが届く ● 届けたい人によってメディアも変わる ● まずメディアに理解・共感してもらう ● 広く知らせるべきと思ってもらう必要がある ● メディアが取り上げるための判断材料を盛り込む →理解・共感を生むメッセージ作りが大事

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理解・共感を生む ストーリーの作り方

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ストーリーテリング 伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる 印象的な体験談やエピソードなどの“物語”を引 用することによって、聞き手に強く印象付ける手 法 出典:コトバンク

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No content

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2001年、小型MP3プレイヤーが全盛時代。 内蔵メモリ128MB程度、プレイリストを聴くためのものだった。 Appleが発表したiPodは、 あなたが持っている音楽ライブラリーをすべて(1000曲)を持ち歩ける。 という体験で語り、市場を席巻──音楽との関わり方を変えた。

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機能ではなく 理解・共感を生むストーリーを語る

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クックパッドマートにおける ストーリーの作り方

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私とクックパッドマートとの関わり方 ● 発表の1ヶ月前からPR担当として本格的にJoin ● 事業責任者の福崎とメッセージ組み立てやプレスリリースのタイミ ングなどをすり合わせながらやっている ● 事業部内にデスクを置き、日常的にメンバーとコミュニケーション をとっている

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(余談)Wantedlyおもらし事件

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2018年7月10日、サービス発表!

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生鮮食品EC「クックパッドマート」とは?

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機能的に説明するとこう ・アプリから生鮮食品が注文できる ・地域の店舗に設置された受け取り場所で商品を 受け取れる ・一品からでも送料無料で注文できる

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送料無料なのはうれしいけど・・・ ・・・家に届けてくれないの不便

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送料無料なのはうれしいけど・・・ ・・・家に届けてくれないの不便 NG

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理解・共感してもらうストーリーで伝える 背景:なぜ、やるのか? ・どんな社会背景があるのか? ・なぜ私達がやるのか? 主役:誰のためのものなのか? 体験:それによってどう変わるのか?

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背景:なぜ、やるのか? 社会背景

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社会背景を書く ● 書く理由 ● 世の中の関心事であることを示す ● 書くときのポイント ● 根拠となるデータを記載する ● 国の調査結果がもっとも信頼性がある ● 民間企業の調査結果を参照する場合は要連絡 ● 自社調べだけだと信頼性は低い ● 論理的に組み立てる ● 論理が破綻していると理解・共感を生まない ● 社会背景とサービスをつなぐために自社調べを活用

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社会背景 出典:男女共同参画白書(概要版) 平成30年版 - 内閣府男女共同参画局 出典:平成28年社会生活基本調査 生活行動に関する結果 - 総務省統計局 共働き世帯の増加に伴い、女性の家事時間が減っている

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自社調べ:時間がなく料理・買物がつらい 出典:「おうちごはん白書 2016」クックパッド調べ

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背景:なぜやるのか? ● 共働き世帯が増加して働く女性が増えている ● 女性の家事にかける(かけられる)時間が減っている ● 時間がない中で行う買い物や家事に苦痛を感じている →今後も増えていく共働き世帯の買い物の負担を軽減

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背景:なぜ、やるのか? 私達がやる意味

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私達がやる意味を書く ● 書く理由 ● 取り組みへの覚悟が信頼につながる ● 長く継続してくれるか? 途中でやめないか? ● 本気でリソースかけてやるのか? ● 書くときのポイント ● 自社のビジョン/ミッションと関連付ける ● 自社のサービスと関連付ける ● 自社の顧客と関連付ける

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ミッション「毎日の料理を楽しみにする」

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買い物は解決する料理の課題の一つ

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背景:なぜ私達がやるのか? ● これまでも、これからも 「毎日の料理を楽しみにする」だけをやっていく ● 料理にまつわる課題解決を通じて達成していく ● 「買い物」も料理の一部。解決したい課題 →クックパッドがやる必然性がある(と、信じられる)

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対象:誰のためのものなのか?

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主役を書く ● 書く理由 ● 共感を生むストーリーの主役を定める ● 書くときのポイント ● 社会背景からの繋がりを保つ ● ストーリーを想起しやすいように属性を絞りこむ ● 想像しやすい主役にする ● わかりやすい呼び名があると伝わりやすい ● パッと想像できないと理解・共感を生みづらい

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主役:共働き世帯のお母さん ● 社会背景からそのまま「共働き世帯」 ● 主役の特徴 ● 仕事帰りに保育園にお迎えに行く ● 近所には1軒スーパーがなく買い物の選 択肢は少ない ● 家族においしい食材を食べさせたいと 思っている。

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体験:それによってどう変わるのか?

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体験を書く ● 書く理由 ● サービスを利用してどう生活が変わるか示す ● 書くときのポイント ● 体験が想起できるように具体的に書く ● Before/After の差をはっきり示す ● Before:何をする時にどんな不便があるのか ● After:それがどう解消されるか ● 定量的に示せるなら示す(8割減とか)

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Before 共働き世帯の買い物 ● 買い物する時間が遅い&時間がない ● 商店街がやっている時間には帰れない ● 保育園のお迎えもあり時間に追われている ● ネットスーパーは届く時間に家に居られる保証がないか ら利用しづらい ● 本当はほしい食材が買えないストレス ● スーパーの売れ残りなど限られた選択肢から選ぶ ● 帰宅後も家事・育児に追われ調理に時間を避けない

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After マートで変わる買い物体験 ● 買い物にかかる時間が激減する ● 通勤途中や夜寝る前の空いた時間にアプリで注文 ● 仕事が終わり帰宅途中に商品をピックアップ ● 買い物のストレスが無くなる ● 本当に欲しかった食材が買える ● 一品から注文できるからまとめ買いしなくていい ● 食卓が豊かになる ● 食材が良いからシンプルな調理でも美味しい

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クックパッドマート発表時のストーリー 共働き世帯の増加に伴い、女性の家事にかける時間は減少 し、家事・買い物への負担が大きくなっている クックパッドマートはそんな共働き世帯の買い物の不便を解消 します。 おいしい食材を空いた時間にアプリから注文できて、仕事終わ りの帰宅途中にピックアップできるから、買い物に係る負担が減 り、食卓が豊かになります。

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なるほど、共働き世帯が嬉しいサービスなのね! 今こんなに共働き世帯が増えているなら 世の中に求められるサービスなのかもしれない

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まとめ

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機能ではなく 理解・共感を生むストーリーを語る

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ストーリーに盛り込む要素 背景:なぜ、やるのか? ・どんな社会背景があるのか? ・なぜ私達がやるのか? 対象:誰のためのものなのか? 体験:それによってどう変わるのか?

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