Slide 1

Slide 1 text

Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 1 エンジニア駆動DXへの招待 ~チームの隙間を埋めるための3つの提案~ 2022年4月15日 中野ヤスオ(@yasuoyasuo)

Slide 2

Slide 2 text

2 自己紹介 中野 康雄(なかのやすお) 兵庫県宝塚市出身 ARアドバンストテクノロジ株式会社 取締役 専務執行役員(エンジニア部門管掌) 兼TechCoE事業室長 《当社での主な役割》 • 全社戦略、事業計数管理 • 全社PMO、技術CoE、社内インキュベーション • 採用強化、重要アカウント対応 など 《これまでのキャリア》 • ITコンサル&PM(10年) • ECモールサービスPdM/EM(2年) • マネジメントコーチ起業(2年) を経て現職10年目 2020年Qiitaで投稿した記事が好評に!  元流通経済大学 非常勤講師(Eビジネス論)  CertifiedScrumMaster/PMP/情報処理安全確保支援士 AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト JDLA G検定  Twitter/note/Qiita:@yasuoyasuo

Slide 3

Slide 3 text

3 ARアドバンストテクノロジ(ARI)のご紹介 創業13年目 社員数460名、国内3拠点 (渋谷、大阪、名古屋) 仮想化、音声、クラウド基盤、 アプリケーションへと領域拡大 近年はAI(自然言語)、 デザインやコンサルティングも拡充 Biz Tech Creative 三位一体提供型の 次世代ファームを目指し奮闘中 ARI で検索!

Slide 4

Slide 4 text

4 実はいまOrganizationランキングで週間&月間トップ 2022/4/15(金)18:38現在

Slide 5

Slide 5 text

5 今日の期待  対象: • エンジニア&デザイナーの方 • そうした方々のチームMgr職にあたる方  狙い: • DXトレンド&気運をチームの成果とご自身のキャリ アアップに前向きに活かすためのご提案  こちらではお話しないこと: • 具体的な技術論には触れません

Slide 6

Slide 6 text

会社紹介 Agenda 1.DXに対する現状認識 2.エンジニア駆動DXとは? 3.3つの提案 4.最後に

Slide 7

Slide 7 text

会社紹介 Agenda 1.DXに対する現状認識 2.エンジニア駆動DXとは? 3.3つの提案 4.最後に

Slide 8

Slide 8 text

8 DXに対する見解(恐らく一定の共通理解かと・・・) ビジネスパーソンのためのDX入門講座エッセンス版(中山ところてん氏、2020) https://www.slideshare.net/TokorotenNakayama/dx-240495124

Slide 9

Slide 9 text

9 IT/デジタル施策は3つのレイヤーで考えるとわかりやすい 民間企業におけるDXの事例と課題 / 20210623(@yuzutas0氏、2021)をもとに加筆 https://speakerdeck.com/yuzutas0/20210623 • 手帳に商談メモ→Salesforceで記録 • 契約書を郵送→DocuSignで締結 • 注文用紙に記録→iPadのレジアプリ • 迷惑投稿の自動検知 • 顧客スコアによる自動ナーチャリング • AI-OCRを活用した受発注の自動化 • ラジオ番組のポッドキャスト配信 • 建設業のデジタル施工 • 電子出版 デジタイゼーション デジタライゼーション デジタルトランスフォーメーション 例

Slide 10

Slide 10 text

10 DX解釈論で私が最も腹落ちしている考え方を紹介したい https://note.com/naoto111/n/nebd8adf8e69e “DXってのは、デジタルがコモディティ化する「前」に 完成した「ビジネスの型」を、デジタルを前提としてリ デザインすること”  著者は会社の設立が今のネット環境が普及した 2000年代以降か以前かを一つの目安としている  つまり一定の歴史がある会社が対象。 そしてその歴史によって生まれた文化や習慣こそが DXの最大の障害になりえるとも(後述)

Slide 11

Slide 11 text

11 身近でDXだと感じている事例  創業70年の美容ディーラー様  美容の未来に向けた「インテリ ジェンス企業」を目指す  経験による知恵に、新たなテクノ ロジーを掛け合わせ、サロン、美 容師、メーカー、顧客を始め、美 容業界を応援  改革を各方面で推進されている https://www.kikuya-bisyodo.co.jp/ 事例:きくや美粧堂様 Before After カタログ&FAX注文 ECサイト リアル美容技術研修 動画サービス サロン特化POSレジ サロンアプリ プラットフォーム

Slide 12

Slide 12 text

12 身近でDXだと感じている事例 https://www.kikuya-bisyodo.co.jp/logistics  自社物流設備に積極投資、VOICE ピッキングや自動梱包機をいち早く 導入。  働く人を中心に考えた東西随一の自 社物流を構築  是非HPにある動画をご覧ください 事例:きくや美粧堂様

Slide 13

Slide 13 text

13 他にDXかもなぁと感じている事例(既成概念からの脱却) https://note.com/nhk_syuzai/n/n96fdcdf4200d https://kahoku.news/articles/20220409khn000011.html

Slide 14

Slide 14 text

14 これらに共通することは何か? Before After カタログ&FAX注文 ECサイト リアル美容技術研修 動画サービス デジタルベースの新サービス 他人の分析結果を元に 記事を企画執筆 貴社自らデータを分析して 記事を企画執筆 職員の要望を元に SEが開発 職員自ら開発 制約の中でのサービス エンジニアの方の リーダーシップと フォロワーシップの 高度な共存

Slide 15

Slide 15 text

15 思い出さずにはいられない話 “我々は、技術的な経験もさることながら、 チームとして活動できる能力、そして誰 とでも仲良くなれる資質、また、必要な 時は指導力を発揮し、場合によっては誰 かに従う能力のある人を探しています。“ 宇宙飛行という究極のPJでは 全員が日常的に リーダーシップとフォロワーシップを 同時に発揮することが求められる DXに求められる資質と同じ https://note.com/yasuoyasuo/n/n234f87a69fd5

Slide 16

Slide 16 text

会社紹介 Agenda 1.DXの現状 2.エンジニア駆動DXとは? 3.3つの提案 4.最後に

Slide 17

Slide 17 text

17 「エンジニア駆動DX」という提案 https://note.com/nhk_syuzai/n/n96fdcdf4200d https://kahoku.news/articles/20220409khn000011.html  エンジニアチームがビジネスメンバーや他のチームを巻き込みながら、 時にリーダーシップをとり、時に裏方的なハブやファシリテーター役とし てフォロワーシップを発揮しながら、DXを進めていくアプローチ  リーダーシップ  IT/デジタル領域を中心とした最適化  IT/デジタルとの距離の近さを武器にした事業も含めた積極的な提案と 推進  フォロワーシップ  ビジネスサイドの方のITデジタルへのチャレンジも全力でサポート!  相談ウェルカムなスタンスを醸し出せるかが鍵  普段磨いているファシリテーション力や整理力を効果的に活かす

Slide 18

Slide 18 text

18 包括的にDXを推進する大きな流れ(一例) モチベーション 確認と合意 スコープ定義 (内製化方針含) 顧客体験の変革 (事業開発) 自社組織の変革 企画設計 調査 企画 調達 構築 PMF グロース CS Biz-Devライフサイクル導入 内部改革 人の課題 ITの課題 仕組みの課題 育成 採用 業務委託 ビジネスプロセス改革 評価制度改革 クロスファンクショ ナルチーム組成 採用プロセス強化 採用競争力強化 実践教育 デジタル知識教育 意識改革 共感醸成 打ち手 KPI設定 定着 成果 サービス型 組織形成 打ち手 KPI設定 定着 成果 打ち手 KPI設定 定着 成果 IT内製化改革 社内 CoE組織 DXコンサルが絶対に言わない後ろめたい真実(@naoto氏 2021)を元に加筆 https://note.com/naoto111/n/nebd8adf8e69e DevOps基盤 DXの流れ

Slide 19

Slide 19 text

19 再上流は経営者の仕事であることは間違いない モチベーション 確認と合意 スコープ定義 (内製化方針含) 顧客体験の変革 (事業開発) 自社組織の変革 企画設計 調査 企画 調達 構築 PMF グロース CS Biz-Devライフサイクル導入 内部改革 人の課題 ITの課題 仕組みの課題 育成 採用 業務委託 ビジネスプロセス改革 評価制度改革 クロスファンクショ ナルチーム組成 採用プロセス強化 採用競争力強化 実践教育 デジタル知識教育 意識改革 共感醸成 打ち手 KPI設定 定着 成果 サービス型 組織形成 打ち手 KPI設定 定着 成果 打ち手 KPI設定 定着 成果 IT内製化改革 社内 CoE組織 DXコンサルが絶対に言わない後ろめたい真実(@naoto氏 2021)を元に加筆 https://note.com/naoto111/n/nebd8adf8e69e DevOps基盤 これは経営者の仕事 DXの流れ

Slide 20

Slide 20 text

20 我々はつい自分の担当とそうでないところをすみ分ける傾向が高い?(主観) モチベーション 確認と合意 スコープ定義 (内製化方針含) 顧客体験の変革 (事業開発) 自社組織の変革 企画設計 調査 企画 調達 構築 PMF グロース CS Biz-Devライフサイクル導入 内部改革 人の課題 ITの課題 仕組みの課題 育成 採用 業務委託 ビジネスプロセス改革 評価制度改革 クロスファンクショ ナルチーム組成 採用プロセス強化 採用競争力強化 実践教育 デジタル知識教育 意識改革 共感醸成 打ち手 KPI設定 定着 成果 サービス型 組織形成 打ち手 KPI設定 定着 成果 打ち手 KPI設定 定着 成果 IT内製化改革 社内 CoE組織 DXコンサルが絶対に言わない後ろめたい真実(@naoto氏 2021)を元に加筆 https://note.com/naoto111/n/nebd8adf8e69e DevOps基盤 教育活動は頼まれれば 施策はやるけどビジ ネス成果だしは現場 の仕事ですよね 採用も頑張るけど主は 人事ですよね? ここは上が決めることですから 最近注目も集まり 意識も高まっている! DXの流れ

Slide 21

Slide 21 text

21 主体的にDX全工程に主体的に関わっていく存在でありたい モチベーション 確認と合意 スコープ定義 (内製化方針含) 顧客体験の変革 (事業開発) 自社組織の変革 企画設計 調査 企画 調達 構築 PMF グロース CS Biz-Devライフサイクル導入 内部改革 人の課題 ITの課題 仕組みの課題 育成 採用 業務委託 ビジネスプロセス改革 評価制度改革 クロスファンクショ ナルチーム組成 採用プロセス強化 採用競争力強化 実践教育 デジタル知識教育 意識改革 共感醸成 打ち手 KPI設定 定着 成果 サービス型 組織形成 打ち手 KPI設定 定着 成果 打ち手 KPI設定 定着 成果 IT内製化改革 社内 CoE組織 DXコンサルが絶対に言わない後ろめたい真実(@naoto氏 2021)を元に加筆 https://note.com/naoto111/n/nebd8adf8e69e DevOps基盤 主従濃淡はあれど すべてに主体的に 関われる存在に このレイヤーから 意見を求められる または自主提案していくスタンス (間違いを許容する風土が大前提) DXの流れ フォロワーシップ中心 リーダーシップ中心

Slide 22

Slide 22 text

22 根底にある考え方 与えるものは、与えられる

Slide 23

Slide 23 text

23 大前提 身を亡ぼす GiverはNG 限られたリソースの中で 知恵と時間を駆使して 最大限Giveする 社内に経営者含めてTakerしかいないと思ったら いろいろ考える時かも

Slide 24

Slide 24 text

24 私が知るMr.デジタルGiverの例 https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2017/012602/ ベネッセホールディングス 事業開発本部事業開発部 プログラミング教育プロジェクトリーダー 後藤義雄さん(役職は取材当時)  IPA未踏ソフトウェア創造事業 採択プログラマー  ITコンサルから事業会社へ転職  当初はなかなか職場にも馴染めずとのこと  周りの方の業務の困りごとをEXCELマク ロなどを駆使して積極的に解決  ITの実力以上にその人間性が社内に広がり 機会が広がり、結果を出す  シリコンバレーでのオフィス立上げに抜擢

Slide 25

Slide 25 text

25 後藤さんから得られる学び 受けた恩を返すではなく まず貢献できることを探す 周りの方々から信頼を獲得することでしか 機会は増やせない

Slide 26

Slide 26 text

会社紹介 Agenda 1.DXの現状 2.エンジニア駆動DXとは? 3.3つの提案 4.最後に

Slide 27

Slide 27 text

27 エンジニア駆動DXを実行するための3つの提案 1.自身の業務の効率化を図り、時間と余裕を捻出する 2.視座を上げる知識を学ぶ 3.人を動かす力を磨く

Slide 28

Slide 28 text

28 ①自身の業務の効率化を図り、時間と余裕を捻出する  サボれることはサボる  アプリケーション開発に専念できる技術を効果的に利用する  PaaSやCI/CDなどの技術は率先して試して取り入れていく Herokuで今すぐ始めるWebサービス(しょっさん氏、2021) https://speakerdeck.com/sho7650/herokudejin-sugushi-meruwebsabisu

Slide 29

Slide 29 text

29 ②視座を上げる知識を学ぶ  知識を得るとは、自分の視点を 高めることに繋がる(リベラル アーツ的発想)  とりわけ専門職の方は、自分の 領域を「深化」させる知識を優 先させがち(私の理解)  自らの視座を高めるような知識 習得にも挑戦してみて欲しい 知識 理 解 が 重 な ら な い 重 な り が で き る 自分 他の領域のエンジニア マネージャー・経営者 ビジネス側の人

Slide 30

Slide 30 text

30 ②視座を上げる知識を学ぶ(1)実装技術以外の技術 ITIL v4 DXCriteria(日本CTO協会) https://dxcriteria.cto-a.org/ https://qiita.com/yasuoyasuo/items/cc4dd2b439553f384816 IPA/政府CIO系資料 サービスの継続運用の観点から システムを見る視点が得られる チェックリストを総覧し意味を 理解するだけでも学びになる システムの企画から実装までの ノウハウを体系的に学べる

Slide 31

Slide 31 text

31 ②視座を上げる知識を学ぶ(2)ビジネスや業界構造 簿記 業界研究本 業界地図 業務とお金の関係がわかると 仕様を理解しやすくなる。 各業界の競合関係などを俯瞰で きると理解も深まる 背景理解に関わる業界の研究 本があれば読んでおきたい 日経新聞や 知財法律関係 歴史など 知識教養に繋が ることなら何ら でもプラス 楽しむこと!

Slide 32

Slide 32 text

32 ③人を動かす力を磨く(1)人が動く原理を知る  変革は一人では起こせない  モノを創れるエンジニアが人を動か すスキルを身に付ければ最強では?  誰かを自分の意の通りに操るという 心理テクニック論的な話ではない  3つの真理は通常業務でも活きる  1.盗人にも五分の理を認める  2.重要感をもたせる  3.人の立場に身を置く

Slide 33

Slide 33 text

33 ③人を動かす力を磨く(2)人を動かす資料作成術を得る  資料は自分のアイデアにレバレッジを かける武器  この力がないと自分のやりたいことを 実現しづらい(組織を動かしずらい)  構造化、言語化するスキルは元々エン ジニア業務でも必要なスキル  効果的にロジックの組立てと魅せ方を 組み合わせると即資料にも活かせる  非常にROIの高いスキルなのでお勧め

Slide 34

Slide 34 text

34 拙作ですが参考になれば・・・ https://qiita.com/yasuoyasuo/items/1eb7298f91a44dce7abc https://qiita.com/yasuoyasuo/items/c43783316a4d141a140f

Slide 35

Slide 35 text

会社紹介 Agenda 1.DXの現状 2.エンジニア駆動DXとは? 3.3つの提案 4.最後に

Slide 36

Slide 36 text

36 先のブログ記事より別の引用 https://note.com/naoto111/n/nebd8adf8e69e “DXってのは、デジタルがコモディティ化する「前」に 完成した「ビジネスの型」を、デジタルを前提としてリ デザインすること” “どこの会社もDXにつまずくのは、デジタルをツール やソフトウェアの問題だと思っているからだ。問題の 根本は「人」と「制度や仕組み (プロセス)」にある。” “システムは買える。ソフトウェアは作れる。だが、使 い手である人はそう簡単には変われない。新しい知 識を得ることも、習慣化していないと難しいし、習慣 や文化を変えるのはもっと難しい。” “現場はすでに最善を尽くしている。問題があるとす れば、仕組みだ。そしてそれを変えうるのはリーダー だけである。”

Slide 37

Slide 37 text

37 ある意味で現場の思考停止を生む危険なフレーズ “現場はすでに最善を尽くしている。 問題があるとすれば、仕組みだ。 そしてそれを変えうるのはリーダーだけである。”

Slide 38

Slide 38 text

38 我々は常に自らに問いたい 現状をリーダーだけのせいにしていないか? 賛同できるリーダーを全力応援できているか? IT/デジタル難民に気前の良さを出せているか?

Slide 39

Slide 39 text

39 リーダーとなった際は思い出して欲しい “現場はすでに最善を尽くしている。 問題があるとすれば、仕組みだ。 そしてそれを変えうるのはリーダーだけである。”

Slide 40

Slide 40 text

江戸下町はなぜ 道の真ん中がきれいなのか? それは お互いが真ん中より向こうまで 掃き合うから 江戸小話

Slide 41

Slide 41 text

Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 41 エンジニア駆動DXへの招待 ~チームの隙間を埋めるための3つの提案~ <END> 2022年4月15日 中野ヤスオ(@yasuoyasuo)