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恐 怖 P M の 神 隠 し 令 和 参 年 八 月 二 十 日 SHIFT 伊 藤 慶 紀 納涼! 本当にあった怖いIT話 LT会

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序章 呪われた地へ

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序章 呪われた地へ • それは、まだ暑さが残る秋のことでした。生存者イトウ(仮 名)を含む7名は、流通管理システムのマイグレーションな らびに新機能開発を行うという崇高な目的のためにK県の南 へ向かいました。 • 到着した場所は周囲にお店もない陸の孤島でした • メンバーはこの日から、常駐して仕事に励むことになりまし た • これから起こる惨劇のことも知らずに…

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序章 呪われた地へ • 現地に到着したメンバーは古の呪術器具を目の当たりするこ とになる • Windows 95が使われている(VB4.0) • COBOLが使われている • マイグレーション先にもCOBOLを使う(Windows XP + VB6.0構成) • データベース(Oracle)はがっつり使われているがER図な ど肝心の資料は何も存在しない • 紙資料がどうやらあったらしい

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第弐章 届かないSOS

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第弐章 届かないSOS • 問題は発生していた。水面下では、それはマグマのように溜 まっていていつ噴火するか分からない状態であった • マイグレーション作業は予定通り終わるが、それは積み残し 作業を新機能開発フェーズに先送りする偽りのオンスケだっ た • 新機能開発にも不安要素があり、先に技術検証を行いたいと PMに進言するがスケジュール優先を理由に却下される • 積み残し作業の多さから、このままでは炎上するとPMにア ラートをあげ続けた • しかしながら、アラートはPMが握り潰していた • そして…事件は起こった

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第惨章 神隠し事件

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第惨章 神隠し事件 • イトウの予感はあたってしまい新機能開発フェーズに入ると プロジェクトは炎上状態となる • それはプロジェクトが炎上して、数日後のことであった。忽 然とPMが姿を消したのだ • そして、プロジェクトはサブリーダーがとりまとめようとす るが… • 彼の正体は妖怪ポンコツであった • 本部からは人月の神話を無視した大量の人員が派遣されてく るのであった…

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参考 妖怪ポンコツとは? • 進捗報告ではそれっぽいことを 長々と話しているが、結局何も進 んでいない • 仕事を依頼しても遂行してくれな いため、誰も頼まなくなってくる • 実は正体を知っている人が結構い た • 常にどこか他人事 • 困ったことに悪い人じゃない

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第死章 崩壊していく 世界

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第死章 崩壊していく世界 • 誰かが言った。「朝、1時間早く来れば1時間長く働けるん じゃね?」 • 誰かが言った。「終電がないならば、タクシーで帰ればいい じゃない」 • 誰かが言った。「土曜日って仕事して良い日だよね。」 • いつの間にか、役員が普通に常駐するようになる • イトウは増えすぎた人の対応のために夕方まで自分の仕事は できない状態が続いた • こうして、世界は崩壊していった

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終章 救世主降臨

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終章 救世主降臨 • イトウは助っ人に来てくれたKに言った。1月中旬までにこ こまでやります(現在、12月初旬) • Kは後に語る「無理だろ」と思った • しかしながら、KはOracleゴールド保持者でありボトルネッ クになっていたDB周りをさくさく進めてくれたため、伊藤 と共に驚異的な生産性を上げ無事に期限内に完成する • 体調を崩したことがないイトウだったが、ほぼ完成し一安心 となったその夜 嘔吐して倒れた • 木曜だったため、明日も休んで月曜から来いとの優しい言葉 をかけられる • 奇跡的にプロジェクトは無事に完了するが打ち上げは予算上、 焼肉安安だったが十分満足する

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教訓 エスカレーションは1個 飛ばしでひとつ上の 上長にまで共有する 助っ人はボトルネックになっている箇所の人 材を 船頭は複数追加しない 妖怪退治は早めに実施する 週1回は休む 後で失敗するウォータフォールはリスクが高 いのでアジャイル開発を検討する

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自己紹介 伊藤 慶紀 (Yoshinori Itoh) 名前 金融系Webアプ リのテストマネー ジャ SHIFT 技術ブログ 執筆中 「IT古典良書を読 み解く」シリーズ 仕事 将棋(アマ三段) ドライブ(R34スラ イラインにチャイ ルドシートが付き ました) ラーメン(学生時 代はラーメン部 の隊長) 趣味