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実際にリビルドを完遂し てみて エキサイト株式会社 三浦大幸

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自己紹介 三浦大幸 エキサイト株式会社 2016年入社 技術スタック - バックエンド(PHP・Java等) - フロントエンド(Vue等) - インフラ(AWS) - アプリ(iOS) https://twitter.com/miura0203

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アジェンダ 実際に1年かけて行ったリビルドの、経験と知見を共有し ます - リビルドの目的 - リビルド内容 - リビルドによる効果予測 - 実際にリビルドを行ったことによる効果 - 大変だったこと - リビルドの効果をより長持ちさせていくには

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リビルドの目的

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リビルドの目的 - 担当サービス:ウーマンエキサイト - とても古いサービス - 確認できるだけでも、最終コミットは 2010年

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リビルドの目的 コードがあたかもゴミ屋敷 - 使われていない大量のコード - 1ファイルが長大 - いくつものif分岐が存在する共通メソッド - 謎アーキテクチャ などなど…

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リビルドの目的 ゴミ屋敷だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る

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リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る

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リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる → バグの発生率が高い - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る

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リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる → バグの発生率が高い - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る → オンボーディングに時間がかかる

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リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる → バグの発生率が高い - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る → オンボーディングに時間がかかる → 発展的な開発が難しい

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リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる → バグの発生率が高い - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る → オンボーディングに時間がかかる → 発展的な開発が難しい でも、これからはガンガン開発していきたい …

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リビルドの目的 掃除することで、以下の達成が期待できる - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい - 新しい入居者が、すぐに生活を始められる

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リビルドの目的 掃除(リビルド)することで、以下を達成したい - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる → 普段触っていない部分の開発でも、高スピードで進められる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい → バグの発生率が低い - 新しい入居者が、すぐに生活を始められる → オンボーディングが簡単にできる

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リビルドの目的 掃除(リビルド)することで、以下を達成したい - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる → 普段触っていない部分の開発でも、高スピードで進められる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい → バグの発生率が低い - 新しい入居者が、すぐに生活を始められる → オンボーディングが簡単にできる → 発展的な開発がしやすくなる

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リビルドの目的 掃除(リビルド)することで、以下を達成したい - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる → 普段触っていない部分の開発でも、高スピードで進められる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい → バグの発生率が低い - 新しい入居者が、すぐに生活を始められる → オンボーディングが簡単にできる → 発展的な開発がしやすくなる ガンガン開発できる!

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リビルド内容

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リビルド内容 時間の問題もあり、今回は特に使用されている API2つに絞って リビルド - 言語・フレームワーク - PHP + Bear.Saturday → Java + Spring Boot - Webサーバ - Apache → Nginx - アーキテクチャ - 謎アーキテクチャ → クリーンアーキテクチャ - インフラ - EC2 → ECS(コンテナ化) - キャッシュシステム - ローカルファイル → Redis - その他 - 不要なコードの削除 - 複雑なコードのリファクタリング

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リビルドによる効果予測

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リビルドの目的 掃除(リビルド)することで、以下を達成したい - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる → 普段触っていない部分の開発でも、高スピードで進められる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい → バグの発生率が低い - 新しい入居者が、すぐに生活を始められる → オンボーディングが簡単にできる

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リビルドによる 効果予測 - 予測 - コード量減少 - 不要なコード削除 - 複雑なコードのリファクタリング - アーキテクチャの改善

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リビルドによる 効果予測 - 予測 - コード量減少 - 不要なコード削除 - 複雑なコードのリファクタリング - アーキテクチャの改善 - 希望的観測 - 必要なコンテナスペック減少 - 言語やフレームワークの変更

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実際にリビルドを行ったことによる効果

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実際にリビルドを行ったこ とによる効果 - コード量 1 /4 (ついでにユニットテストも追加)

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実際にリビルドを行ったこ とによる効果 - コード量 1 /4 (ついでにユニットテストも追加) → 削減量はともかく、減ったことは想定通り

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実際にリビルドを行ったこ とによる効果 - ネットワーク通信量 1 / 2 - サーバ(コンテナ)台数 1 / 3 (スペック単位で計算) - レスポンスタイム 1 / 4

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実際にリビルドを行ったこ とによる効果 - ネットワーク通信量 1 / 2 → 不要なレスポンスの削除と、 Nginxにして圧縮されるよう になったから? - サーバ(コンテナ)台数 1 / 3 (スペック単位で計算) → 言語・フレームワークの変更による? - レスポンスタイム 1 / 4 → 言語・フレームワークの変更と、キャッシュを Redisにした ことによる?

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実際にリビルドを行ったこ とによる効果 目的は主にコード量の削減やアーキテクチャ の変更等で、それ以外の改善は希望的観測 だったが、想定以上に改善された

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大変だったこと

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大変だったこと 時間がかかった 最初はAPI2つだけなので、3ヶ月から長くて半年程度で終わると 思っていたが、最終的にまるまる 1年かかった。 ずっとリビルドをやり続けることが大変だったのはもちろん、リビ ルドは完了してリリースして初めて成果として現れるので、周り への申し訳無さもあった。

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大変だったこと どうしてもAPIの入出力は変えられない部分が多 いため、合わせる必要がある リビルド対象が限定されていたため、リクエスト・レスポンスデー タは大きく変えることができなかった。 加えて、本来APIでやらなくてもいいはずの処理だったとしても、 場合によってはそのまま APIでやる必要があったりした。

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大変だったこと 使われている部分と使われていない部分の選定 使われていない部分は削除することも目的の 1つだったため、 APIの各エンドポイントの使用箇所とそのリクエスト・レスポンス データ、及びレスポンスデータの使いみちをすべて特定し、使わ れていない部分を削除した。

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大変だったこと DBへの接続方法やキャッシュシステムの違い リビルド後はDB接続時にコネクションプールを使うようになった り、キャッシュシステムがファイルから Redisになったことで、考慮 すべき点が増えた。

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リビルドの効果をより長持ちさせていく には

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リビルドの効果をより長持ちさせていくには どんなにきれいに掃除しても、その後住人がまた汚く使っていてはいずれゴミ屋敷に 戻ってしまう。 リビルドも同様で、その時どんなに綺麗に作り直しても、その後考えて開発していかな いと、やがてまた汚いコードに戻ってしまう。 リビルドの効果をより長持ちさせていくには、 - エンジニアが、可読性や変更容易性を意識して開発していく ことが大事

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ちゃんと掃除しよう!