Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
実際にリビルドを完遂してみて
Search
takayuki.miura
June 28, 2022
Technology
0
740
実際にリビルドを完遂してみて
takayuki.miura
June 28, 2022
Tweet
Share
More Decks by takayuki.miura
See All by takayuki.miura
TerraformをやめてCDKでReStartしたあと、 CDKをやめてCDK for TerraformでReStartした話
tmiura0203
0
1.5k
急激なDB書き込みが行われるサービスをリビルドした話
tmiura0203
0
790
Spring Bootという強すぎるフレームワークについて
tmiura0203
0
970
Other Decks in Technology
See All in Technology
react-callを使ってダイヤログをいろんなとこで再利用しよう!
shinaps
1
230
EncryptedSharedPreferences が deprecated になっちゃった!どうしよう! / Oh no! EncryptedSharedPreferences has been deprecated! What should I do?
yanzm
0
220
CDK CLIで使ってたあの機能、CDK Toolkit Libraryではどうやるの?
smt7174
4
120
なぜSaaSがMCPサーバーをサービス提供するのか?
sansantech
PRO
8
2.8k
サラリーマンの小遣いで作るtoCサービス - Cloudflare Workersでスケールする開発戦略
shinaps
2
410
これでもう迷わない!Jetpack Composeの書き方実践ガイド
zozotech
PRO
0
320
Snowflakeの生成AI機能を活用したデータ分析アプリの作成 〜Cortex AnalystとCortex Searchの活用とStreamlitアプリでの利用〜
nayuts
1
470
自作JSエンジンに推しプロポーザルを実装したい!
sajikix
1
170
未経験者・初心者に贈る!40分でわかるAndroidアプリ開発の今と大事なポイント
operando
5
360
機械学習を扱うプラットフォーム開発と運用事例
lycorptech_jp
PRO
0
230
生成AI時代のデータ基盤設計〜ペースレイヤリングで実現する高速開発と持続性〜 / Levtech Meetup_Session_2
sansan_randd
1
150
allow_retry と Arel.sql / allow_retry and Arel.sql
euglena1215
1
160
Featured
See All Featured
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
330
21k
Facilitating Awesome Meetings
lara
55
6.5k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
188
55k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
4k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
79
6.6k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
231
18k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
33
8.8k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
52
3.4k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
111
20k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
224
9.9k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
140
7.1k
Transcript
実際にリビルドを完遂し てみて エキサイト株式会社 三浦大幸
自己紹介 三浦大幸 エキサイト株式会社 2016年入社 技術スタック - バックエンド(PHP・Java等) - フロントエンド(Vue等) -
インフラ(AWS) - アプリ(iOS) https://twitter.com/miura0203
アジェンダ 実際に1年かけて行ったリビルドの、経験と知見を共有し ます - リビルドの目的 - リビルド内容 - リビルドによる効果予測 -
実際にリビルドを行ったことによる効果 - 大変だったこと - リビルドの効果をより長持ちさせていくには
リビルドの目的
リビルドの目的 - 担当サービス:ウーマンエキサイト - とても古いサービス - 確認できるだけでも、最終コミットは 2010年
None
リビルドの目的 コードがあたかもゴミ屋敷 - 使われていない大量のコード - 1ファイルが長大 - いくつものif分岐が存在する共通メソッド - 謎アーキテクチャ
などなど…
リビルドの目的 ゴミ屋敷だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る
リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる -
新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る
リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる →
バグの発生率が高い - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る
リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる →
バグの発生率が高い - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る → オンボーディングに時間がかかる
リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる →
バグの発生率が高い - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る → オンボーディングに時間がかかる → 発展的な開発が難しい
リビルドの目的 ゴミ屋敷(整理されていないコード )だと… - 普段やらないことをしようとすると、何がどこにあるかわからない → 普段やっていない開発をしようとすると、大量の時間がかかる - 物の位置がすぐに変わってどこにあるかわからなくなる →
バグの発生率が高い - 新しい入居者が、まともに生活できるようになるまで時間がかか る → オンボーディングに時間がかかる → 発展的な開発が難しい でも、これからはガンガン開発していきたい …
リビルドの目的 掃除することで、以下の達成が期待できる - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい - 新しい入居者が、すぐに生活を始められる
リビルドの目的 掃除(リビルド)することで、以下を達成したい - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる → 普段触っていない部分の開発でも、高スピードで進められる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい → バグの発生率が低い
- 新しい入居者が、すぐに生活を始められる → オンボーディングが簡単にできる
リビルドの目的 掃除(リビルド)することで、以下を達成したい - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる → 普段触っていない部分の開発でも、高スピードで進められる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい → バグの発生率が低い
- 新しい入居者が、すぐに生活を始められる → オンボーディングが簡単にできる → 発展的な開発がしやすくなる
リビルドの目的 掃除(リビルド)することで、以下を達成したい - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる → 普段触っていない部分の開発でも、高スピードで進められる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい → バグの発生率が低い
- 新しい入居者が、すぐに生活を始められる → オンボーディングが簡単にできる → 発展的な開発がしやすくなる ガンガン開発できる!
リビルド内容
リビルド内容 時間の問題もあり、今回は特に使用されている API2つに絞って リビルド - 言語・フレームワーク - PHP + Bear.Saturday
→ Java + Spring Boot - Webサーバ - Apache → Nginx - アーキテクチャ - 謎アーキテクチャ → クリーンアーキテクチャ - インフラ - EC2 → ECS(コンテナ化) - キャッシュシステム - ローカルファイル → Redis - その他 - 不要なコードの削除 - 複雑なコードのリファクタリング
リビルドによる効果予測
リビルドの目的 掃除(リビルド)することで、以下を達成したい - 普段触っていないものでも、どこにあるかすぐに分かる → 普段触っていない部分の開発でも、高スピードで進められる - 物の位置がちゃんと決められており、失くしにくい → バグの発生率が低い
- 新しい入居者が、すぐに生活を始められる → オンボーディングが簡単にできる
リビルドによる 効果予測 - 予測 - コード量減少 - 不要なコード削除 - 複雑なコードのリファクタリング
- アーキテクチャの改善
リビルドによる 効果予測 - 予測 - コード量減少 - 不要なコード削除 - 複雑なコードのリファクタリング
- アーキテクチャの改善 - 希望的観測 - 必要なコンテナスペック減少 - 言語やフレームワークの変更
実際にリビルドを行ったことによる効果
実際にリビルドを行ったこ とによる効果 - コード量 1 /4 (ついでにユニットテストも追加)
実際にリビルドを行ったこ とによる効果 - コード量 1 /4 (ついでにユニットテストも追加) → 削減量はともかく、減ったことは想定通り
実際にリビルドを行ったこ とによる効果 - ネットワーク通信量 1 / 2 - サーバ(コンテナ)台数 1
/ 3 (スペック単位で計算) - レスポンスタイム 1 / 4
実際にリビルドを行ったこ とによる効果 - ネットワーク通信量 1 / 2 → 不要なレスポンスの削除と、 Nginxにして圧縮されるよう
になったから? - サーバ(コンテナ)台数 1 / 3 (スペック単位で計算) → 言語・フレームワークの変更による? - レスポンスタイム 1 / 4 → 言語・フレームワークの変更と、キャッシュを Redisにした ことによる?
実際にリビルドを行ったこ とによる効果 目的は主にコード量の削減やアーキテクチャ の変更等で、それ以外の改善は希望的観測 だったが、想定以上に改善された
大変だったこと
大変だったこと 時間がかかった 最初はAPI2つだけなので、3ヶ月から長くて半年程度で終わると 思っていたが、最終的にまるまる 1年かかった。 ずっとリビルドをやり続けることが大変だったのはもちろん、リビ ルドは完了してリリースして初めて成果として現れるので、周り への申し訳無さもあった。
大変だったこと どうしてもAPIの入出力は変えられない部分が多 いため、合わせる必要がある リビルド対象が限定されていたため、リクエスト・レスポンスデー タは大きく変えることができなかった。 加えて、本来APIでやらなくてもいいはずの処理だったとしても、 場合によってはそのまま APIでやる必要があったりした。
大変だったこと 使われている部分と使われていない部分の選定 使われていない部分は削除することも目的の 1つだったため、 APIの各エンドポイントの使用箇所とそのリクエスト・レスポンス データ、及びレスポンスデータの使いみちをすべて特定し、使わ れていない部分を削除した。
大変だったこと DBへの接続方法やキャッシュシステムの違い リビルド後はDB接続時にコネクションプールを使うようになった り、キャッシュシステムがファイルから Redisになったことで、考慮 すべき点が増えた。
リビルドの効果をより長持ちさせていく には
リビルドの効果をより長持ちさせていくには どんなにきれいに掃除しても、その後住人がまた汚く使っていてはいずれゴミ屋敷に 戻ってしまう。 リビルドも同様で、その時どんなに綺麗に作り直しても、その後考えて開発していかな いと、やがてまた汚いコードに戻ってしまう。 リビルドの効果をより長持ちさせていくには、 - エンジニアが、可読性や変更容易性を意識して開発していく ことが大事
ちゃんと掃除しよう!