「まだないもの」の育て方 / seccamp2020
by
Masayoshi Takahashi
Link
Embed
Share
Beginning
This slide
Copy link URL
Copy link URL
Copy iframe embed code
Copy iframe embed code
Copy javascript embed code
Copy javascript embed code
Share
Tweet
Share
Tweet
Slide 1
Slide 1 text
「まだないもの」の育て方 2020/10/18 一般社団法人日本Rubyの会/ 株式会社達人出版会/テックベース合同会社 高橋征義
Slide 2
Slide 2 text
自己紹介
Slide 3
Slide 3 text
自己紹介 高橋征義 Web制作会社でプログラマ→創業 株式会社達人出版会 RubyKaigi (一般社団法人日本Rubyの会) プログラミング言語Rubyの国際カンファレンス 技術書典 (テックベース合同会社) 技術のおまつり(技術書の即売会)
Slide 4
Slide 4 text
Clean Agile 3PCFSU$.BSUJOஶ ֯యɺ֯୩৴ଠ༁ ΞεΩʔυϫϯΰץ IUUQTUBUTV[JOFDPNCPPLTDMFBOBHJMF
Slide 5
Slide 5 text
もうすぐ絶滅するという 開かれたウェブについて ZPNPZPNPஶ ୡਓग़൛ձץ IUUQTUBUTV[JOFDPNCPPLTJOGPTIBSF
Slide 6
Slide 6 text
RubyKaigi 2019
Slide 7
Slide 7 text
技術書典 6
Slide 8
Slide 8 text
本日の流れ 背景 本日のお題 実現方法 ヒトの話 / モノの話 / カネの話 まだないものを始める 試しに何か作ってみる まとめ
Slide 9
Slide 9 text
背景
Slide 10
Slide 10 text
今ここに参加している みなさんに どうなって欲しいのか
Slide 11
Slide 11 text
どうなって欲しいのか 「セキュリティ・キャンプ」は、学生に対して情報セキュリ ティに関する高度な技術教育を実施し、次代を担う情 報セキュリティ人材を発掘・育成する事業です。 https://www.ipa.go.jp/jinzai/camp/index.html
Slide 12
Slide 12 text
次代を担う情報 セキュリティ人材
Slide 13
Slide 13 text
どうなって欲しいのか 次代を担う情報セキュリティ人材になる 情報セキュリティに詳しくなる 情報セキュリティ技術・技能を実際の社会で活用する 新たな情報セキュリティ技術を生み出す 集中コース、選択コースで学ぶことは多分この辺り
Slide 14
Slide 14 text
どうなって欲しいのか 次代を担う情報セキュリティ人材になる 次代を担う情報セキュリティ人材を育成できる人に なる
Slide 15
Slide 15 text
どうなって欲しいのか 次代を担う情報セキュリティ人材を育成できる人になる 指導・教育・支援する ⇒ 講師、チューター 本を書く、講演する ⇒ 広める 必要な場・環境・機会を作る ⇒ セキュリティ・キャンプ みたいな場を新しく立ち上げる
Slide 16
Slide 16 text
どうなって欲しいのか 次代を担う情報セキュリティ人材を育成できる人になる 指導・教育・支援する ⇒ 講師、チューターになる 本を書く、講演する ⇒ 知識・情報を広める 必要な場・環境・機会を作る ⇒ セキュリティ・キャンプ みたいな場を新しく立ち上げる この辺りを将来も見据えてお話ししたいです
Slide 17
Slide 17 text
本日のお題
Slide 18
Slide 18 text
「まだないもの」 の育て方
Slide 19
Slide 19 text
まだ「ない」もの
Slide 20
Slide 20 text
まだ「ない」もの 「あったらいいのに」と思うけど存在していないもの イベント・プロジェクト サービス・プロダクト コンテンツ
Slide 21
Slide 21 text
なんで「ない」のか 大変そうだから 儲からないから (昔は)実現困難だったから たまたま誰もやってなかったから ↑やってみれば意外に実現したりする(こともある)
Slide 22
Slide 22 text
育て方
Slide 23
Slide 23 text
作る vs 育てる
Slide 24
Slide 24 text
能動的なイメージ 受動的なイメージ 「作る」 「育てる」
Slide 25
Slide 25 text
「育て方」 小さなところから いろんな人の協力を得て(≠いろんな人 に指示を出して) いつか大きなものを実現する、というパ ターン
Slide 26
Slide 26 text
小さなところから いきなり大きく始めない 最初は一人でもやれなくはないかも? くらいのところから始める
Slide 27
Slide 27 text
いろんな人の協力を得て 仲間を作る 仲間じゃないひとにも協力してもらう
Slide 28
Slide 28 text
どうすれば 実現できるのか
Slide 29
Slide 29 text
どうすれば実現できるのか ヒト() モノ( or ) カネ()
Slide 30
Slide 30 text
一番大事な ものは何か
Slide 31
Slide 31 text
一番大事なものは? ヒト() モノ( or ) カネ()
Slide 32
Slide 32 text
一番大事なものは? ヒト()のやる気・モチベーション
Slide 33
Slide 33 text
モチベーションの 問題点
Slide 34
Slide 34 text
モチベーションの問題点 有限 だいたい持続しない 買えない カネでモチベーションを高めるのは困難 減る モチベーションを削る方法は多々ある
Slide 35
Slide 35 text
モチベーションが 高い人が集まると 実現しやすい
Slide 36
Slide 36 text
⭐覚えておきたいポイント⭐ モチベーションは 大切にする
Slide 37
Slide 37 text
モチベーションは大切にする あなたのモチベーションも大事 「やっぱりこれが欲しい!!!」というあなた の気持ちが、問題が起きたり壁にぶち当 たった時、最後に頼れる命綱になる
Slide 38
Slide 38 text
モチベーションは大切にする あなたと一緒に活動してくれる人のモチ ベーションも大切にする 特に営利組織(後述)じゃない場合は これがないと回らない
Slide 39
Slide 39 text
モチベーションは大切にする 「セキュリティ・キャンプに参加しよう」と思ったみなさんの モチベーションも本当に貴重なものです 講師・チューターの方々も、みなさんのモチベーションを 信じて、大切にしようとしているはずです 困ったことがあれば臆せず質問・相談してみてください 講師・チューターの方々もモチベーションを持って参加 しているはず
Slide 40
Slide 40 text
どうすれば実現できるのか ヒト() モノ( or ) カネ()
Slide 41
Slide 41 text
ヒトの話
Slide 42
Slide 42 text
ヒトの問題 組織をどうするか そもそも組織にするか・しないか どういう組織にするか
Slide 43
Slide 43 text
組織をどうするか 個人(一人)で作る チーム(任意団体)で作る 法人で作る
Slide 44
Slide 44 text
法人とは何か 法律によって「人」と見なされるもの 会社(営利法人) 特定非営利活動法人(NPO) 社団法人、財団法人、宗教法人、…
Slide 45
Slide 45 text
法人とは何か 「権利能力」「行為能力」を持つ 契約ができる 場所・物を買ったり借りたりできる 財産が持てる 税金が変わってくる いろいろモメた時の対応が変わる
Slide 46
Slide 46 text
法人とは何か 「大きいことをやるのに便利なしくみ」 大きくなければ任意団体で十分です
Slide 47
Slide 47 text
任意団体とは何か 法人じゃない(法人格を持たない)人の 集まり 「権利能力なき社団」と呼ぶこともある 区別する場合もあるらしい
Slide 48
Slide 48 text
任意団体とは何か 組織に何か問題があったときは、個人に 帰されるか、集団全員に帰されるかする 契約なども個人名義で行ったりする
Slide 49
Slide 49 text
https://www.ipa.go.jp/files/000085006.pdf (セキュリティ・キャンプ全国大会2020オンラインのチラシ)
Slide 50
Slide 50 text
法人の作り方 登記する 法律で決まっている(「商業登記法」) 印鑑が必ず必要(と法律で決まっている) 「登記の申請書に押印すべき者は、あらかじめ、 その印鑑を登記所に提出しなければならな い。」(商業登記法第20条)
Slide 51
Slide 51 text
余談:法律とは 日本の社会の仕様書
Slide 52
Slide 52 text
日本の社会の仕様書 憲法・法律・条例 仕様で揉めた場合の解決方法も法律 (民事訴訟法など)で決まっている 政令・施行令・省令 この辺に詳しくなると日本の仕様がわかる
Slide 53
Slide 53 text
個人で動くメリット
Slide 54
Slide 54 text
一人でできるもの 本を書く 動画を作る ツール・サービスを作る
Slide 55
Slide 55 text
一人で動くメリット 好きなとき・好きなだけできる 情報共有のコストが激減する 決定権を独占できる
Slide 56
Slide 56 text
一人で動くデメリット 時間が足りなくなる 誰かにお願いしないといけなくなる 苦手なこと・知らないことに手を出す必要 がある 頑張った割にはいまいちになったり
Slide 57
Slide 57 text
法人を作るメリット
Slide 58
Slide 58 text
法人を作るメリット 個人でできなことができる(契約等) 他の人に継承しやすい 会計的にすっきりする 税金的に得をする(ことがある)
Slide 59
Slide 59 text
継承しやすい いろんな理由でメンバーを変えたいことはある 私事により続けられない モチベーションが足りなくなった 少し休みたい 出入りしやすいのはメリットもある けれど、事業の主体は継続させたい 続けたい人もいるし離れたい人もいる
Slide 60
Slide 60 text
継承しやすい 法人であれば、法人が同じなら事業主体 も同じ 中の人は変わっても良い お金を含めた資産の帰属先が明確 契約の主体も明確
Slide 61
Slide 61 text
会計面について 任意団体だと「個人の所得」「個人の資産」になり がち 何もしないと「所得」になってしまうので利益が 0でも個人に対して所得税を取られたりする 個人の財布と団体の財布が混ざりやすい
Slide 62
Slide 62 text
会計面について 任意団体でも銀行口座は別に作りたい みなし法人として毎年決算して納税し ている団体もあるそう
Slide 63
Slide 63 text
法人を作るデメリット お金がかかる 簡単に止めにくい 心理的な障壁に加えて、解散の手続きを踏む必 要がある いろんな事情で法人に参加できない場合もある 就労先の都合など
Slide 64
Slide 64 text
任意団体でもできないの? わりとできる どうしても困るところだけ法人に委託す ることもある いきなり法人は作らず、最初は任意団体 でやってみるのがおすすめ
Slide 65
Slide 65 text
法人の種類
Slide 66
Slide 66 text
主な法人の種類 NPO法人 一般社団法人(非営利型) 株式会社 合同会社
Slide 67
Slide 67 text
非営利法人とは 営利目的ではない法人 NPO法人 非営利型の一般社団法人・一般財団法人 公益法人なども
Slide 68
Slide 68 text
NPO法人 正式名は特定非営利活動法人 1998年にできた非営利特定行動を行うための法人 公益法人を作るのが大変なので、もっと簡単なやつという ことでできた そこそこ制限があって面倒くさい(10人以上必要とか、正会員 の資格制限は禁止とか) その代わり法人税もないので、お金はなくても存続できる
Slide 69
Slide 69 text
一般社団法人と一般財団法人 2006年にできた、比較的新しい法人 日本で株式会社ができたのは1893年 NPOよりは制限がゆるい(ように見える) IT系でもたくさんある
Slide 70
Slide 70 text
一般社団法人と一般財団法人 「一般」とつくのは、公益法人ではないから 公益社団法人・公益財団法人というのがある 作るのはすごく大変というか、いろんな制限がある 寄附金が税額控除の対象になる
Slide 71
Slide 71 text
「一般社団法人・一般財団法人と法人税」平成26年3月 国税庁 IUUQTXXXOUBHPKQQVCMJDBUJPOQBNQIIPKJOLPFLJIPKJOQEGQEG 非営利型法人の要件
Slide 72
Slide 72 text
https://www.security-camp.or.jp/member/data/regulations.pdf 非営利型法人の要件
Slide 73
Slide 73 text
扱う金額等の規模感(イメージ) 個人 企業(営利法人) 任意団体 非営利法人
Slide 74
Slide 74 text
余談:スタートアップ 企業(営利法人)の一種 短期間での急成長を目的とした新しい企業 最近流行ってるのでいろいろ情報がある 営利団体であり、非営利団体とはいろいろ違う 非営利団体でも参考になるところも多々ある
Slide 75
Slide 75 text
いろんなイベントは 誰が主催しているのか みてみる
Slide 76
Slide 76 text
セキュリティ・キャンプ 主催: 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、一般 社団法人セキュリティ・キャンプ協議会 https://www.ipa.go.jp/jinzai/camp/index.html https://www.security-camp.or.jp/camp/ index.html
Slide 77
Slide 77 text
SECCON 情報セキュリティをテーマに多様な競技を開催する情報 セキュリティコンテストイベント 主催: セキュリティコンテスト SECCON 実行委員会 事務局: SECCON2020運営事務局(特定非営利活動法 人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)事務局内) https://www.seccon.jp/
Slide 78
Slide 78 text
情報セキュリティワークショップin越後湯沢 参加者の業種の垣根を越えてのセキュリティに関する見識 を高め、また人的交流を図ることができる場 主催: NPO新潟情報セキュリティ協会(ANISec) 共催: 情報システムコントロール協会東京支部 / 東京電 機大学未来科学部 / 情報セキュリティ大学院大学 / 新潟 大学法学部・情報基盤センター http://www.anisec.jp/yuzawa/
Slide 79
Slide 79 text
サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム サイバー犯罪に関するユニークなシンポジウム 主催:サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム実行委員 会 構成団体: ISACA 大阪支部 / 近畿大学生物理工学部 / 白浜町 / 特定非営利活動法人 情報セキュリティ研究所 / 和歌山県 / 和歌山県警察本部 / 和歌山大学 http://www.riis.or.jp/symposium24/
Slide 80
Slide 80 text
CODE BLUE 世界トップクラスの情報セキュリティ専門家による 最先端の講演と、国や言語の垣根を越えた情報交 換・交流の機会を提供する国際会議 主催: CODE BLUE実行委員会 運営: CODE BLUE事務局(株式会社BLUE) https://codeblue.jp/
Slide 81
Slide 81 text
IT系のいろんな法人
Slide 82
Slide 82 text
一般社団法人 一般社団法人Japan Perl Association 一般社団法人PyCon JP Association 一般社団法人DroidKaigi 一般社団法人日本ハッカー協会 一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター 一般社団法人日本Linux協会 一般社団法人 コード・フォー・ジャパン 一般社団法人LOCAL
Slide 83
Slide 83 text
NPO法人 日本PostgreSQLユーザ会 TOPPERSプロジェクト オープンソースソフトウェア協会(OSSAJ) フリーソフトウェアイニシアティブ クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(特定非営利活動 法人コモンスフィア)
Slide 84
Slide 84 text
任意団体 日本UNIXユーザ会(jus) 日本 Java ユーザーグループ(JJUG) 日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ (JANOG)
Slide 85
Slide 85 text
任意団体で 頑張る場合
Slide 86
Slide 86 text
リーダーを決めておく リーダーがいる方が動きやすい 決断が必要な時、すぐに決断できるように リーダー格の人が複数人いる場合は、決め方を決め ておく 分担を決めるとか それでも難しいことは難しい
Slide 87
Slide 87 text
お金を扱う人も決めておく いわゆる会計 会計(経理)的なことに興味がある・詳しいひとだと ベスト 勉強しながらでも良い ある程度以上の額になるとリーダーが触らざるを得 なくなるかも
Slide 88
Slide 88 text
規約(定款)も作っておく 人数が増えてきそう・継続しそうなら用意することを考える ないと揉めた時に面倒になる どういう組織を作りたいか、を考えるきっかけ 最初は簡単なものにする ルールを放っておくと増えてしまうが、増やしていいこと はほとんどない
Slide 89
Slide 89 text
困った時は法人に相談する 会場の契約に必要だったり、法人にスポンサーをお 願いする時に必要だったりする 事務局機能の一部を委託する方法もある 企業が協力してくれることもある その辺は本当に相手次第ではある
Slide 90
Slide 90 text
組織の作り方
Slide 91
Slide 91 text
組織の作り方 透明性は高める 思い切って権限移譲する
Slide 92
Slide 92 text
透明性は重要 必要な情報はみんなで共有する 情報があると参加者意識が高まる 意識せずに勝手に共有されるしくみを作るのがベ スト Rubyの会ではGitHub Issueで議題を管理
Slide 93
Slide 93 text
透明性は重要 「見られている」と思うとちゃんと動かないといけな い気持ちになる 人類は怠惰に流されやすい
Slide 94
Slide 94 text
権限は移譲する 仕事は任せる 任せないとつらくなる 自分の期待した方向と多少違っていても気にしない ダメなものはともかく、方向性のずれとかなら許容 した方がよい
Slide 95
Slide 95 text
モノの話
Slide 96
Slide 96 text
「モノ」について IT系ではモノはあまり重要ではない 設備産業では超々々重要だそう 「(イベントの)施設」と「機材」くらい?
Slide 97
Slide 97 text
施設について 大きなイベントをするには大きな会場が必要 大きな会場にはお金がかかる 都内で1000人・複数日だと数百万円 or 数千万 円〜 個人では借りられない
Slide 98
Slide 98 text
施設について 条件によっては無料・少額で借りられるところもある 数十人〜300人以下? くらい 地域差もある 学術に関連されるとそういう施設を借りれたりする 協力者を探す
Slide 99
Slide 99 text
機材について IT系ではそれほど必要ない ふつうにクラウドを使う 物理イベント等になると、あると便利なこともある モチベーションに効いたりする(こともある)
Slide 100
Slide 100 text
機材について 借りれるものは借りた方がよい レンタルサービス会社から借りる 企業等にお願いして借りる (高価な機材を買うと固定資産になって会計が面倒 くさくなる)
Slide 101
Slide 101 text
法律について
Slide 102
Slide 102 text
法律について (前のセッションで出てきたような話とかぶってますが…) やりたくてもできないことがある 技術的・物理的に可能でもなこともある ある種の条件がないととかも サービスの規約で禁止されていることもある 規約はちゃんと読む
Slide 103
Slide 103 text
ネットで売買する オンラインイベントで何かを売ったりする 特定商取引法 資金決済法 犯罪収益移転防止法 健康増進法 個人情報保護法、GDPR
Slide 104
Slide 104 text
文章や動画を公開する 著作権法 商標法 不正競争防止法 景品表示法 民法(著作権法は民法の特別法、あと肖像権とかも) 薬機法
Slide 105
Slide 105 text
何でも知ってる必要はない 私も詳しくないです 念のため詳しい人に相談する 詳しい人を紹介してもらう 最後は弁護士さんにお願いすることになる
Slide 106
Slide 106 text
カネの話
Slide 107
Slide 107 text
お金の話 大きいことをするにはお金がかかる ざっくりの金額感を持っておく
Slide 108
Slide 108 text
紙の本(商業書籍)の場合 3,000円の本を3,000部作る≒900万円 そのくらいの予算規模で考える 4,000円の本が2,000部だったり1,000円の本が 8,000部だったり もちろんもっと渋い場合もある(はず) ジャンルによってぜんぜん違う
Slide 109
Slide 109 text
イベントを行う 1,000人くらいx数日間だと数千万円かかったりす る 場所代と飲食費が大きい 場所代は地域によって大きく違う(同じくらいの 大きさでも1桁以上変わる) 懇親会に5,000円x1,000人で500万円かかる
Slide 110
Slide 110 text
余談:イベントと食事 イベントで美味しいものを食べるとイベント自体の印象も良 くなる(と言われている) 美味しいものは技術力・年齢・性別等に(比較的)左右され ずに大体みんな満足する 年齢が進むと揚げ物が減ったりはある 開催地域の特色を出しやすい 日本の地方はだいたい美味しいものがあって感動する
Slide 111
Slide 111 text
キャッシュフローの問題 お金が入ってくるタイミングと出ていくタイミングはいろいろ ある うまくやれば出ていく前に入ってくるようにできる うっかりすると出ていった後に入ってくる 最終的にお金は足りる(はずな)のに、お金が足りなくなっ て死ぬ 「資金繰り」「黒字倒産」
Slide 112
Slide 112 text
⭐覚えておきたいポイント⭐ 個人で借金をして はいけない
Slide 113
Slide 113 text
個人で借金をしてはいけない 払える金額以上に使わない 誰か(人・企業)に出資をお願いする 法人で借りるのはありうる(融資) が、入る宛がないなら借りてはいけない
Slide 114
Slide 114 text
企業との関係 (スポンサード)
Slide 115
Slide 115 text
どこからお金をもらうか 参加者からもらう 参加費・手数料など スポンサーからもらう 企業 公的機関
Slide 116
Slide 116 text
企業は慈善団体ではない 企業の存在理由=利益を得ること 「営利法人」なので けれども、イベントなどに協賛してくれる法人もある
Slide 117
Slide 117 text
なぜ企業が協賛するのか いろんな理由があるはず 単に「社長の趣味」みたいな可能性も否定できない
Slide 118
Slide 118 text
企業(営利法人)とは何か お金を使って、より多くのお金を得るしくみ 増えたお金は社員に分配する 株式会社は株主にも分配する
Slide 119
Slide 119 text
企業(営利法人)とは何か お金を使って、より多くのお金を得るしくみ お金で駆動する 儲かったお金をどうするか、儲からなかったときに どうするか、といったことが法律・サービス等で手 厚くサポートされる ⇒お金が儲かりそうな時に作ると便利
Slide 120
Slide 120 text
なぜ企業が協賛するのか CSR: 企業の社会的責任 企業は「社会的な存在」でもある 顧客、取引先、従業員、投資家など 自分が儲かるからといって、社会のあり方を損ねる ことはしてはならない
Slide 121
Slide 121 text
なぜ企業が協賛するのか 宣伝効果 面白いこと・興味深いことをやっている人を支援す る=面白いことをやってる人を集める(顧客や社員 にできる) 社内向けの効果もある 社員へのメッセージ効果
Slide 122
Slide 122 text
イベントを支援する企業 RubyKaigiや技術書典には優秀な人・積極的な人 が多数集まる そういう場にプレゼンスを築ける お互いのメリットがあると協力してくれる ⇒主催者にとっては、お互いのメリットをうまく設計 することが大事
Slide 123
Slide 123 text
⭐覚えておきたいポイント⭐ スポンサーとは お互いのメリットを うまく設計する
Slide 124
Slide 124 text
ハラスメントに ついて
Slide 125
Slide 125 text
ハラスメントとは いやがらせ 他人の人権を損ねる行為 IT系コミュニティでは最近特に重視されつつある
Slide 126
Slide 126 text
アンチハラスメントポリシー ハラスメントを許さない、と宣言する ハラスメントをしないことを約束させる ハラスメントをした場合は排除することもある ハラスメントに遭遇したときにどうすればよいか伝 える 行動規範(Code of Conduct)の場合もある
Slide 127
Slide 127 text
アンチハラスメントポリシー イベントではわかりやすいところに掲示する 開催中も適宜アナウンスする RubyKaigiでは2014年から採用 技術書典では第7回から採用 その他国内外多くのイベントで使われている
Slide 128
Slide 128 text
RubyKaigi は皆さんが楽しめる場であってほしい。私たちは皆さんの参加を大切に思っていま す。 これを達成するため、参加者の全員が、以下のポリシーに同意していただくことが必要です。 オーガナイザーは期間中このポリシーをカンファレンスやパーティー、関連イベントなどで徹底し ていきます。全員にとって安全な環境を維持するため、皆さん一人一人にご協力をお願いします。 RubyKaigi は、誰もがハラスメントを受けずに参加できるカンファレンスを目指しています。いか なる形であれハラスメントは許容できません。このルールを破る人は誰であろうと、オーガナイ ザーの裁量で制裁措置を加えたり、カンファレンスから出入禁止とすることもありえます。 ハラスメントには以下のようなものを含み、また、これに限りません。 ジェンダー、性自認やジェンダー表現、性的指向、障碍、容貌、体型、人種、民族、年齢、宗教あ るいは無宗教についての攻撃的なコメントをすること/公共のスペースで性的な画像を掲示す ること/脅迫、ストーキング、つきまとい、または、それらを計画すること/いやがらせ目的の撮影 や録音/発表や他のイベントを継続的に妨害すること/不適切な身体的接触/不快な性的 アトラクション/以上のような行為を推奨したり、擁護したりすること。
Slide 129
Slide 129 text
スポンサーもこのアンチハラスメントポリシーに従ってください。スポンサーにおいては特に、性的な画像、アク ティビティ、素材などを使わないでください。ブーススタッフ(ボランティアであってもです)は性的な服装/ユニ フォーム/コスチュームを着用したり、他の方法を使うなどして、性的に関心を引こうとしてはいけません。 もしも参加者がハラスメント行為に加担した場合、オーガナイザーは参加者全員にとって快適な環境を維持 するために必要な行動をとります。これには、行為者への警告や、返金なしでのカンファレンスからの退場を指 示することが含まれます。 もしもハラスメントを受けたり、あるいは他の人がハラスメントを受けていることに気づいた場合は、すぐにス タッフに連絡してください。スタッフは名札で見分けることができます。 スタッフは、参加者が必要とする時には会場警備や警察への連絡、エスコートその他の必要な手助けを行い、 ハラスメントに直面している人の会期中の安全に努めます。 ハラスメントに代表されるポリシー違反は、このイベントが皆さんに提供したい価値を毀損してしまいます。私 たちのイベントは皆さんが楽しめる場であってほしい。皆さんの参加があってこそ、このイベントはより良いもの になります。 ご質問などございましたらcode-of-conduct @ rubykaigi.orgまでお気軽にご連絡ください。 https://rubykaigi.org/2020/policies
Slide 130
Slide 130 text
なぜハラスメントが問題視されるのか 海外の影響 IT業界は採用における人種差別・性差別問題を抱 えている BLMも関連する 人権だけでなく、社会権(勤労の権利、雇用問 題)の問題でもある
Slide 131
Slide 131 text
なぜハラスメントが問題視されるのか 人間関係は超重要 「大事にしている」という姿勢を示す モチベーションにも影響する 社会的な影響 反ハラスメントポリシーを提示しなければ協賛・参 加しないという個人や企業がある
Slide 132
Slide 132 text
なぜハラスメントが問題視されるのか 詳しくはブログにも書いたので良かったら参考にし てください 「技術系イベントにおけるアンチハラスメントポリ シーの効果について」 https://takahashim.hatenablog.com/entry/ 2019/12/22/145034
Slide 133
Slide 133 text
法人を作ってみる
Slide 134
Slide 134 text
法人を作ってみる (お金があれば)わりと簡単につくれる お金がなくても作れる方法もある が、手続きが面倒なのであまりおすすめはしない お金を払って手続きをお願いできる規模でなければ、 法人ではなく個人・任意団体での活動がおすすめ 任意団体→法人化はよくある
Slide 135
Slide 135 text
法人を作ってみる 非営利型一般社団法人: 自由度が高い NPO法人: 少額で済ませたい・公益性が高い (合同会社):簡単に作りたい (株式会社):ちゃんと儲けたい
Slide 136
Slide 136 text
法人を作ってみる 金額感 設立時: 約15万円〜30万円 NPOは場合によっては0円 運営時: 最低7万円/年(法人住民税) NPO等は減免されることもある 収益事業で利益が出ると法人税がかかる
Slide 137
Slide 137 text
未成年で法人を作れるか できる 親権者等の法定代理人の同意が必要 民法第5条「1. 未成年者が法律行為をするには、その法定代 理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、 又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。」 何かと大変そうなので、成人している人も参画させたい そういう人も巻き込める、というのも大事
Slide 138
Slide 138 text
まだないもの を始める
Slide 139
Slide 139 text
実際に作るプロセスについて 起業、スタートアップと似ている 『リーン・スタートアップ』 『RUNNING LEAN』 『小さなチーム、大きな仕事』 『組織戦略の考え方』 『売れるもマーケ 当たるもマーケ』
Slide 140
Slide 140 text
作り方について Getting Real 日本語版もインターネット・アーカイブで読めます https://web.archive.org/web/ 20080110101827/http:// gettingreal.37signals.com/GR_jpn.php
Slide 141
Slide 141 text
作り方=育て方 小さく作る 周りの人の手を借りる
Slide 142
Slide 142 text
小さく作る いきなり大きいものを作るとリスクが高い 未知の困難が多発する ムダが多くなる 外れると方向転換がつらい
Slide 143
Slide 143 text
小さく作る 小さく作れば回避できることもある 少しずつ困難に対処していけばよい 必要になってから作ればムダは最小で済む こまめに方向転換できる
Slide 144
Slide 144 text
小さく作る 「ピザ2枚ルール」 amazonのジェフ・ベゾスによる 5人〜8人のチームにする それ以上になりそうなら分割する
Slide 145
Slide 145 text
機能は絞り込む あれもこれも作り込まない いらないかもしれない 路線変更するのであれば、作り込んだものは全部 ムダになる
Slide 146
Slide 146 text
機能は絞り込む MVP (Minimum Viable Product) リーン・スタートアップ方面の用語で、「顧客に価値 を提供できる最小限の製品」 フィードバックが得られる最小のもの むしろ、フィードバックさえ得られればよい フィードバックがあれば改善できるので
Slide 147
Slide 147 text
周りのひとの手を借りる 全部自分たちで作り込む必要はない 「NIH症候群」「自前主義」 https:// ja.wikipedia.org/wiki/NIH症候群
Slide 148
Slide 148 text
周りのひとの手を借りる すでにあるものを借りる ちょうど当てはまるとは限らない 最初は我慢してみて、何が必要か分かったら自前 で用意してみる
Slide 149
Slide 149 text
余談:名前重要 名前=最小の設計 人類は長い説明は読まない(読めない) 名前はだいたい伝わる(読まれる)のですごい わかりにくい名前をつけると誤解されやすい
Slide 150
Slide 150 text
余談:名前重要 名前≒メタファー XP初版でのプラクティスの1つ 難しいので(?)第2版では削除された でも上手く使えればすごく強力 DDDではユビキタス言語に
Slide 151
Slide 151 text
試しに何かを 作ってみる
Slide 152
Slide 152 text
試しに何か作ってみる 「練習」は大事 作ってみると分かることもある コストをかけすぎないように気をつける 物を作る練習+チームを作る練習
Slide 153
Slide 153 text
試しに作ってみる 紙の本 ポッドキャスト(or 動画?) 勉強会 以上は単なる例なので、他に作りたいものがあれば それに取り組んでみましょう(モチベーション重要)
Slide 154
Slide 154 text
紙の本を作る いわゆる(技術系)同人誌 紙の本は印刷・製本の工程が必要 部数・予算・締切を考える必要がある たくさん刷った方が得だが、売れ残るとつらい 自分の性格が見えてくるかも
Slide 155
Slide 155 text
紙の本を作る 最初はコピー紙くらいから始めてみるのもアリ 極力お金をかけたくない(かけられない)! という場 合はそういうプラットフォームを使う 技術書典10は12月開催予定です zennとかBOOTHとかもあります https://www.youtube.com/c/techbookfest
Slide 156
Slide 156 text
PodCast 流行り廃りがありつつ、最近また少し流行っている? 動画でも良いけれど、動画はアテンションを求める 方向に流されやすそう(※個人の感想です) じっくり作ってみるには不向きなような
Slide 157
Slide 157 text
勉強会 COVID-19前だと比較的おすすめでした オンラインだとどうなんでしょうね…… やってる人たちはやってるので、興味があれば
Slide 158
Slide 158 text
まとめ
Slide 159
Slide 159 text
モチベーションは大事 自分のモチベーションを大切にする 周りの人のモチベーションも尊重する
Slide 160
Slide 160 text
小さく作って育てる とにかく削る 迷ったら削る MVP 早めに小さく失敗する
Slide 161
Slide 161 text
法人は便利 困った時には頼る選択肢を考えておく 自分で作ることも考える 作るのは意外に簡単だけど、機能させて続けるこ とはそれなりに手間がかかる
Slide 162
Slide 162 text
– 宇山日出臣 「世界はひとりの力で変えられるんです」 最相葉月「SF草創期を支えた人々〜矢野徹と福島正実を中心に」(『SFが読みたい! 2008年版』所収)より 面白いもの・ことをはじめたら教えて下さい! https://twitter.com/takahashim
Slide 163
Slide 163 text
付録:ITコミュニティ について
Slide 164
Slide 164 text
ITコミュニティの話 まったく説明する余裕がなかったのですが、去年の法 林さんの資料も大変参考になるので見てみてください 「ITの話ができる仲間を作ろう ~IT業界とコミュニ ティ活動~」 https://www.slideshare.net/hourin/itit- 163474263