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プロダクトマネジメントリーダーズ POとSMの原点の原点をさかのぼって学ぶ 中村健也の働き方 V1.2 2024/05/30 V1.0 Scrum Fest Osaka 2021 2021/06/26 witch&wizards inc. 森 雄哉

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・今あるプロダクトで大ヒットを作る ・事業としてのプロダクトの強みと弱みを明らかにし、 組織とチームが注力できるようにする ・次の施策(プロダクトバックログなど)を 何をやっても効果のあるアクションでぱんぱんにする

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中村健也って誰?

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2011年から プロダクトオーナーをしてきて 中村健也を知らなかった

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知れば知るほど

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中村健也 めちゃくちゃ 面白い

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セッション概要

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POとSMは もともと一人の役割 チーフエンジニアを 分担したものだった

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しかし…

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そもそも機能しない チーフエンジニア

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トヨタ自動車の興り

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ちょっと トリビア

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トリビア 終わり

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トヨタ自動車の興りまとめ 二大発明家 豊田佐吉、豊田喜一郎に よって基盤が作られた

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中村健也

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技術力と言えばトヨタ 当時の技術は?

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技術力と言えばトヨタ 当時の技術は? 技術者「人生の終わりだ…」

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https://www.webcg.net/articles/gallery/42813

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状況

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国産技術による乗用車を 確立したい豊田喜一郎 復興し、乗用車需要が 高まってきていた日本 しかし決して高くはない技術力

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そして 時代の風が吹く

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1950年 朝鮮戦争に伴う朝鮮特需 アメリカからの大量発注により 莫大な利益が舞い込む

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時は1952年

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時は1952年 1月4日金曜日

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正月の休み明け 車体工場で生産能力の 改善に明け暮れ14年

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正月の休み明け 車体工場で生産能力の 改善に明け暮れ14年 中村健也38歳の元に 重役室からの呼び出し

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待っていたのは 豊田英二 38歳 技術部門を率いるリーダー

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「国産乗用車を開発せよ」

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豊田英二は 乗用車の開発を 中村に依頼

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豊田英二は 乗用車の開発を 中村に依頼 中村健也、引き受ける

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他の競合企業が欧米からの 技術提供を受ける中 国産技術による開発

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国産技術とは 聞こえがいいが 車体設計も工場も ロードテストも 独力による自社開発

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ひとつの産業を 作り上げる仕事が 待っていた

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なぜこのような 無謀に見える挑戦をしたか

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「図面があればそのレベル にはすぐ追いつけるが、そ の図面には失敗の歴史が書 かれていない。自分たちで 失敗しない限り、その図面 よりいいものは作れない」 豊田英二

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トヨタは 豊田佐吉、喜一郎という 二大発明家によって 興された企業であり 発明の精神を 受け継いでいた

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車体工場の仕事でも、大型機械は別にして、小さな ものはできるだけ自分達でつくるようにしていた。 出来合いのものを買ってくるより、その方がよいよ うに改良できるので、結果として能率が上がる。 たとえば工場にある高圧空気を利用したコンプレッ サーにしても、それを設計することができるくらい でなければ、そのメンテナンスや改良がうまくでき ない。つまり、本当に使いこなすためには、それを つくれるくらいの能力をもっていなければならない のだ。中村はこれまでの経験でそう確信していたか ら、クラウン計画も自分達の力でやりとげるという のは、自明のことと受けとっていた。 『初代クラウン開発物語』

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工場を作る

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工場を作る 車を設計する

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工場を作る 車を設計する 設計した車を生産できる人をつくる

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工場を作る 車を設計する 設計した車を生産できる人をつくる なにより 経験の無い技術や製品に 挑戦・夢中になる人を育てる

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注目すべき 異例人事

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人事権も命令権もない プロダクト開発リーダーの誕生

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セッション概要を再確認

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ところで…

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知的コンバット やってますか!?

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https://www.ics.hub.hit-u.ac.jp/jp/faculty/profile/nonaka_ikujiro.html RSGT2021の講演はこちら https://youtu.be/49GA6BExzHM

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https://www.ics.hub.hit-u.ac.jp/jp/faculty/profile/nonaka_ikujiro.html RSGT2021の講演はこちら https://youtu.be/49GA6BExzHM

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中村健也の働き方

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主査 ・人事権も命令権もない ・面会は誰に対してもできる

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主査 ・人事権も命令権もない ・面会は誰に対してもできる つまり 自分の思うとおりにするには 説得だけができる

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主査は自分の方策の 実施を命ずる権限はない。 あるのは説得力だけである。 しかし、もしそれが真実ならば 無限の威力を持っていることを 知るべきである。 初代クラウン サスペンション担当 守屋 茂 『主査 中村健也』

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健也君は、技術部の連中と『できる。できない』 という議論をしょっちゅうやっていた。健也君が 技術部で『こんな物をつくろう』という話をする けれども、技術部の連中は「そんなこと言ったっ て、できそうもないじゃないか」と反論する。し かし、見込みがないことを言うような健也君では ないから「君たちはできそうもないと言うけれど、 俺はつくる」と一歩も引かない。そういうことを 言えるようにしておこうというのが主査の始まり です。目的のためには、技術部でも車体工場でも 仕事ができて、足らないところを補ってやるとい う役割をもった職制、すなわち主査というものを こしらえたほうがうまく進むだろう。健也君はそ ういうことができる。豊田英二『主査 中村健也』

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※要約 中村「こんな物をつくろう」 技術部「そんなこと言ったって、できそう もないじゃないか」 中村「君たちはできそうもないと言うけれ ど、俺はつくる」 このように言い合えるようにするのが狙い

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「言い合える」 が狙い

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もしかして これが知的コンバット なのでは?

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自分の思うように仕事を進めるため、ど こへでも行かれ、特に若いエンジニアの ところへ行かれて自分の考えを示された り、督励されたりしておられた。中村さ んが主査としてやられてきたやり方を 後からの主査が引き継いで、中村さんが やられたものが骨格となって主査制度と いうものが段々と築き上げられ、それが トヨタの特徴となり資産にもなった。 豊田章一郎『主査 中村健也』

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BBAE86

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AE86 通称ハチロク 開発主査 揚妻文夫

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「中村主査の初代コロナ当時、私はボディ設計で図面を書いて いたのです。その部屋に中村主査はよくおみえになり、あれこ れ指示されたことをいまも覚えています。そんなときに、主査 というのは強い個性と強大な権限を持っているのだなァと、つ くづく思い、関心し、あこがれたものです」 揚妻取締役は、こう述懐する。だが、昭和54年発表の第四 代カローラの開発担当主査を、実際に経験してみて、権限なん てないも同然で、代わりにまるで説得して歩くことだけが日課 のような立場であることを知り、認識を改める。 担当者が反対したら諦めざるを得ないのが実情なのだ。 主査が部長格であるとわかっていても、人事権を握られている わけではないから恐れられることなく、反対したければ反対で きるのである。 揚妻文夫(あげつま ふみお)『トヨタ自動車開発主査制度』

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相手が 反対したければ 反対できる

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相手が 反対したければ 反対できる 開かれた会話

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お前は 組織図ではこうだから その系列の人と話をしろ とか

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肩書きがあって 相手がゆうことを聞く とか

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ではない

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主査は、アシスタント以外に直接の部下をも たないから、仕事をしてもらうためには、説 得力がなくてはならない。 あの人のためなら何をおいても一生懸命やろ うと、周囲の人たちに思わせることができれ ば、主査として90%成功したといえる 『初代クラウン開発物語』

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主査制度とは 中村健也による 知的コンバットの組織化 だったのかもしれない

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制度や機能、 または役職や権力によって 人を働かせる組織ではなく 相手のところに出向き 相手の関心事に関心をもち 徹底した対話によって 相手が自らの力を自らの意思で働かせる この一連の動きを組織化する

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中村健也は 何を考えていたか

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中村健也が 歩き回りながら 体現していたこと

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「獲得した自由」

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自由を支えた力が 仕事を完成させる

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リーン再考

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リーンは1985~1990年の トヨタ研究が元になっている 1985年になると中村健也と直接働いた 人は現場にはほとんどいない状態。 どれくらいリーンにエッセンスが取り込 まれたのかは一考する必要がある。

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制度の構造や機能に関心を 奪われすぎていないか

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スクラムは プロダクトをだけを 作っているだけではない

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スクラムは プロダクトをだけを 作っているだけではない 新技術を作り チーム作り 新しいことに挑戦する人を作る

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制度や機能、 または役職や権力によって 人を働かせる組織ではなく 相手のところに出向き 相手の関心事に関心をもち 徹底した対話によって 相手が自らの力を自らの意思で働かせる この一連の動きを組織化する

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やっていきましょう!

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おまけ

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POとSMの役割を 考えると

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健也君は、技術部の連中と『できる。できない』 という議論をしょっちゅうやっていた。健也君が 技術部で『こんな物をつくろう』という話をする けれども、技術部の連中は「そんなこと言ったっ て、できそうもないじゃないか」と反論する。し かし、見込みがないことを言うような健也君では ないから「君たちはできそうもないと言うけれど、 俺はつくる」と一歩も引かない。そういうことを 言えるようにしておこうというのが主査の始まり です。目的のためには、技術部でも車体工場でも 仕事ができて、足らないところを補ってやるとい う役割をもった職制、すなわち主査というものを こしらえたほうがうまく進むだろう。健也君はそ ういうことができる。豊田英二『主査 中村健也』

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健也君は、技術部の連中と『できる。できない』 という議論をしょっちゅうやっていた。健也君が 技術部で『こんな物をつくろう』という話をする けれども、技術部の連中は「そんなこと言ったっ て、できそうもないじゃないか」と反論する。し かし、見込みがないことを言うような健也君では ないから「君たちはできそうもないと言うけれど、 俺はつくる」と一歩も引かない。そういうことを 言えるようにしておこうというのが主査の始まり です。目的のためには、技術部でも車体工場でも 仕事ができて、足らないところを補ってやるとい う役割をもった職制、すなわち主査というものを こしらえたほうがうまく進むだろう。健也君はそ ういうことができる。豊田英二『主査 中村健也』 プロダクトオーナー

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健也君は、技術部の連中と『できる。できない』 という議論をしょっちゅうやっていた。健也君が 技術部で『こんな物をつくろう』という話をする けれども、技術部の連中は「そんなこと言ったっ て、できそうもないじゃないか」と反論する。し かし、見込みがないことを言うような健也君では ないから「君たちはできそうもないと言うけれど、 俺はつくる」と一歩も引かない。そういうことを 言えるようにしておこうというのが主査の始まり です。目的のためには、技術部でも車体工場でも 仕事ができて、足らないところを補ってやるとい う役割をもった職制、すなわち主査というものを こしらえたほうがうまく進むだろう。健也君はそ ういうことができる。豊田英二『主査 中村健也』 プロダクトオーナー スクラムマスター

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おまけ2

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