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POとSMの原点の原点をさかのぼって学ぶ初代主査 中村健也の働き方 / syusa nakamura kenya

moriyuya
July 01, 2021

POとSMの原点の原点をさかのぼって学ぶ初代主査 中村健也の働き方 / syusa nakamura kenya

『プロダクトオーナーマニアックス! POとSMの原点の原点をさかのぼって学ぶ初代主査 中村健也の働き方』

スクラムのPOとSMはジェフ・サザーランドによればトヨタのチーフエンジニア制度から着想を得ましたが、和田明広によればチーフエンジニア制度は他社では積極的に導入を試みるもうまく機能しておらず、まして現在のトヨタでも機能しているか疑わしいと厳しい評価をしています。

このセッションでは、私たちがプロダクトオーナーという役割をより効果的に果たしていくために「そもそもチーフエンジニア(主査)とはなんだったのか」を「中村健也」という人物を中心に、POとSMの原点(チーフエンジニア制度)の原点(中村健也)を70年ほどさかのぼり、プロダクトオーナーが効果的に力を発揮するための知恵を探ります。

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-osaka-2021/proposal/15383/posm

発表者
https://note.com/mryy/

更新
2021/10/17 一部修正した

moriyuya

July 01, 2021
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Transcript

  1. エンタープライズアジャイル勉強会
    2021/10/13 witch&wizards inc. 森 雄哉
    プロダクトオーナーマニアックス!
    POとSMの原点の原点をさかのぼって学ぶ
    中村健也の働き方

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  10. 2011年から
    プロダクトオーナーをしてきて
    中村健也を知らなかった

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  11. 知れば知るほど

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  12. 中村健也
    めちゃくちゃ
    面白い

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  15. セッション概要

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  17. POとSMは
    もともと一人の役割
    チーフエンジニアを
    分担したものだった

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  18. しかし…

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  19. そもそも機能しない
    チーフエンジニア

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  29. トヨタ自動車の興り

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  34. ちょっと
    トリビア

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  37. トリビア
    終わり

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  39. トヨタ自動車の興りまとめ
    二大発明家
    豊田佐吉、豊田喜一郎に
    よって基盤が作られた

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  40. 中村健也

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  54. そういえば
    技術力と言えばトヨタ
    当時の技術は?

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  65. https://www.webcg.net/articles/gallery/42813

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  70. 状況

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  71. 国産技術による乗用車を
    確立したい豊田喜一郎
    復興し、乗用車需要が
    高まってきていた日本
    しかし決して高くはない技術力

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  72. そして
    時代の風が吹く

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  73. 1950年
    朝鮮戦争に伴う朝鮮特需
    アメリカからの大量発注により
    莫大な利益が舞い込む

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  74. 時は1952年

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  75. 時は1952年
    1月4日金曜日

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  76. 正月の休み明け
    車体工場で生産能力の
    改善に明け暮れ14年

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  77. 正月の休み明け
    車体工場で生産能力の
    改善に明け暮れ14年
    中村健也38歳の元に
    重役室からの呼び出し

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  78. 待っていたのは
    豊田英二 38歳
    技術部門を率いるリーダー

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  79. 「国産乗用車を開発せよ」

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  80. 豊田英二は
    乗用車の開発を
    中村に依頼

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  81. 豊田英二は
    乗用車の開発を
    中村に依頼
    中村健也、引き受ける

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  82. 他の競合企業が欧米からの
    技術提供を受ける中
    国産技術による開発

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  83. 国産技術とは
    聞こえがいいが
    車体設計も工場も
    ロードテストも
    独力による自社開発

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  84. ひとつの産業を
    作り上げる仕事が
    待っていた

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  85. なぜこのような
    無謀に見える挑戦をしたか

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  86. 「図面があればそのレベル
    にはすぐ追いつけるが、そ
    の図面には失敗の歴史が書
    かれていない。自分たちで
    失敗しない限り、その図面
    よりいいものは作れない」
    豊田英二

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  87. トヨタは
    豊田佐吉、喜一郎という
    二大発明家によって
    興された企業であり
    発明の精神を
    受け継いでいた

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  88. 車体工場の仕事でも、大型機械は別にして、小さな
    ものはできるだけ自分達でつくるようにしていた。
    出来合いのものを買ってくるより、その方がよいよ
    うに改良できるので、結果として能率が上がる。
    たとえば工場にある高圧空気を利用したコンプレッ
    サーにしても、それを設計することができるくらい
    でなければ、そのメンテナンスや改良がうまくでき
    ない。つまり、本当に使いこなすためには、それを
    つくれるくらいの能力をもっていなければならない
    のだ。中村はこれまでの経験でそう確信していたか
    ら、クラウン計画も自分達の力でやりとげるという
    のは、自明のことと受けとっていた。
    『初代クラウン開発物語』

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  89. 工場を作る

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  90. 工場を作る
    車を設計する

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  91. 工場を作る
    車を設計する
    設計した車を生産できる人をつくる

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  92. 工場を作る
    車を設計する
    設計した車を生産できる人をつくる
    なにより
    経験の無い技術や製品に
    挑戦・夢中になる人を育てる

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  93. 注目すべき
    異例人事

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  98. セッション概要を再確認

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  100. ところで…

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  101. 知的コンバット
    やってますか!?

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  102. https://www.ics.hub.hit-u.ac.jp/jp/faculty/profile/nonaka_ikujiro.html
    RSGT2021の講演はこちら https://youtu.be/49GA6BExzHM

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  103. https://www.ics.hub.hit-u.ac.jp/jp/faculty/profile/nonaka_ikujiro.html
    RSGT2021の講演はこちら https://youtu.be/49GA6BExzHM

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  104. 中村健也の働き方

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  105. 主査
    ・人事権も命令権もない
    ・面会は誰に対してもできる

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  106. 主査
    ・人事権も命令権もない
    ・面会は誰に対してもできる
    つまり
    自分の思うとおりにするには
    説得だけができる

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  107. 主査は自分の方策の
    実施を命ずる権限はない。
    あるのは説得力だけである。
    しかし、もしそれが真実ならば
    無限の威力を持っていることを
    知るべきである。
    初代クラウン サスペンション担当 守屋 茂
    『主査 中村健也』

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  108. 健也君は、技術部の連中と『できる。できない』
    という議論をしょっちゅうやっていた。健也君が
    技術部で『こんな物をつくろう』という話をする
    けれども、技術部の連中は「そんなこと言ったっ
    て、できそうもないじゃないか」と反論する。し
    かし、見込みがないことを言うような健也君では
    ないから「君たちはできそうもないと言うけれど、
    俺はつくる」と一歩も引かない。そういうことを
    言えるようにしておこうというのが主査の始まり
    です。目的のためには、技術部でも車体工場でも
    仕事ができて、足らないところを補ってやるとい
    う役割をもった職制、すなわち主査というものを
    こしらえたほうがうまく進むだろう。健也君はそ
    ういうことができる。豊田英二『主査 中村健也』

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  109. ※要約
    中村「こんな物をつくろう」
    技術部「そんなこと言ったって、できそう
    もないじゃないか」
    中村「君たちはできそうもないと言うけれ
    ど、俺はつくる」
    このように言い合えるようにするのが狙い

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  110. 「言い合える」
    が狙い

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  111. もしかして

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  112. もしかして
    これが
    知的コンバット
    なのでは?

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  113. 自分の思うように仕事を進めるため、ど
    こへでも行かれ、特に若いエンジニアの
    ところへ行かれて自分の考えを示された
    り、督励されたりしておられた。中村さ
    んが主査としてやられてきたやり方を
    後からの主査が引き継いで、中村さんが
    やられたものが骨格となって主査制度と
    いうものが段々と築き上げられ、それが
    トヨタの特徴となり資産にもなった。
    豊田章一郎『主査 中村健也』

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  114. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BBAE86

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  115. AE86
    通称ハチロク
    開発主査 揚妻文夫

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  116. 「中村主査の初代コロナ当時、私はボディ設計で図面を書いて
    いたのです。その部屋に中村主査はよくおみえになり、あれこ
    れ指示されたことをいまも覚えています。そんなときに、主査
    というのは強い個性と強大な権限を持っているのだなァと、つ
    くづく思い、関心し、あこがれたものです」
    揚妻取締役は、こう述懐する。だが、昭和54年発表の第四
    代カローラの開発担当主査を、実際に経験してみて、権限なん
    てないも同然で、代わりにまるで説得して歩くことだけが日課
    のような立場であることを知り、認識を改める。
    担当者が反対したら諦めざるを得ないのが実情なのだ。
    主査が部長格であるとわかっていても、人事権を握られている
    わけではないから恐れられることなく、反対したければ反対で
    きるのである。
    揚妻文夫(あげつま ふみお)『トヨタ自動車開発主査制度』

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  117. 相手が
    反対したければ
    反対できる

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  118. 相手が
    反対したければ
    反対できる
    開かれた会話

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  119. お前は
    組織図ではこうだから
    その系列の人と話をしろ
    とか

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  120. 肩書きがあって
    相手がゆうことを聞く
    とか

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  121. ではない

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  122. 主査は、アシスタント以外に直接の部下をも
    たないから、仕事をしてもらうためには、説
    得力がなくてはならない。
    あの人のためなら何をおいても一生懸命やろ
    うと、周囲の人たちに思わせることができれ
    ば、主査として90%成功したといえる
    『初代クラウン開発物語』

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  123. 主査制度とは
    中村健也による
    知的コンバットの組織化
    だったのかもしれない

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  124. 制度や機能、
    または役職や権力によって
    人を働かせる組織ではなく
    相手のところに出向き
    相手の関心事に関心をもち
    徹底した対話によって
    相手が自らの力を自らの意思で働かせる
    この一連の動きの組織化

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  125. 中村健也は
    何を考えていたか

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  126. 中村健也が
    歩き回りながら
    体現していたこと

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  127. 「獲得した自由」

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  130. 自由を支えた力が
    仕事を完成させる

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  131. リーン再考

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  132. リーン
    1985~1990年の
    トヨタ研究が元になっている
    1985年になると中村健也と直接
    働いた人は現場にはほとんどいな
    い状態。どれくらいリーンにエッ
    センスが取り込まれたのかは一考
    する必要がある。

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  134. 制度の構造や機能に関心を
    奪われすぎていないか

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  137. スクラムは
    プロダクトをだけを
    作っているだけではない
    新技術の開発
    チーム作り
    新しいことに
    挑戦する人を作る

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  139. 制度や機能、
    または役職や権力によって
    人を働かせる組織ではなく
    相手のところに出向き
    相手の関心事に関心をもち
    徹底した対話によって
    相手が自らの力を自らの意思で働かせる
    この一連の動きの組織化

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  140. やっていきましょう!

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  141. プロダクトマネジメントの伴走や支援をしています!
    大ヒットプロダクトを創りたい方はぜひ御検討ください!

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  145. おまけ

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  146. POとSMの役割を
    考えると

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  147. 健也君は、技術部の連中と『できる。できない』
    という議論をしょっちゅうやっていた。健也君が
    技術部で『こんな物をつくろう』という話をする
    けれども、技術部の連中は「そんなこと言ったっ
    て、できそうもないじゃないか」と反論する。し
    かし、見込みがないことを言うような健也君では
    ないから「君たちはできそうもないと言うけれど、
    俺はつくる」と一歩も引かない。そういうことを
    言えるようにしておこうというのが主査の始まり
    です。目的のためには、技術部でも車体工場でも
    仕事ができて、足らないところを補ってやるとい
    う役割をもった職制、すなわち主査というものを
    こしらえたほうがうまく進むだろう。健也君はそ
    ういうことができる。豊田英二『主査 中村健也』

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  148. 健也君は、技術部の連中と『できる。できない』
    という議論をしょっちゅうやっていた。健也君が
    技術部で『こんな物をつくろう』という話をする
    けれども、技術部の連中は「そんなこと言ったっ
    て、できそうもないじゃないか」と反論する。し
    かし、見込みがないことを言うような健也君では
    ないから「君たちはできそうもないと言うけれど、
    俺はつくる」と一歩も引かない。そういうことを
    言えるようにしておこうというのが主査の始まり
    です。目的のためには、技術部でも車体工場でも
    仕事ができて、足らないところを補ってやるとい
    う役割をもった職制、すなわち主査というものを
    こしらえたほうがうまく進むだろう。健也君はそ
    ういうことができる。豊田英二『主査 中村健也』
    プロダクトオーナー

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  149. 健也君は、技術部の連中と『できる。できない』
    という議論をしょっちゅうやっていた。健也君が
    技術部で『こんな物をつくろう』という話をする
    けれども、技術部の連中は「そんなこと言ったっ
    て、できそうもないじゃないか」と反論する。し
    かし、見込みがないことを言うような健也君では
    ないから「君たちはできそうもないと言うけれど、
    俺はつくる」と一歩も引かない。そういうことを
    言えるようにしておこうというのが主査の始まり
    です。目的のためには、技術部でも車体工場でも
    仕事ができて、足らないところを補ってやるとい
    う役割をもった職制、すなわち主査というものを
    こしらえたほうがうまく進むだろう。健也君はそ
    ういうことができる。豊田英二『主査 中村健也』
    プロダクトオーナー
    スクラムマスター

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