定性と定量は越境できない / insight_tokyo02
by
ShinU
Link
Embed
Share
Beginning
This slide
Copy link URL
Copy link URL
Copy iframe embed code
Copy iframe embed code
Copy javascript embed code
Copy javascript embed code
Share
Tweet
Share
Tweet
Slide 1
Slide 1 text
定性と定量は越境できない しんゆう@データ分析とインテリジェンス 2020/05/28 Insight Tokyo #2 #InsightTokyo
Slide 2
Slide 2 text
• 本日の資料は https://speakerdeck.com/shinu/insight-tokyo02 に公開済み。ブログ・Twitterからもリンクあり • 〇 SNSで話題にすること • × 録画・録音 • アーカイブの公開はありません 資料・SNS・写真撮影などについて
Slide 3
Slide 3 text
• 定性と定量は何かと比較されたりするが、本来は目的を達 成するための方法の違い • 今回は「定性と定量の越境」というテーマ。そこで、そも そも定性と定量の間には境目なんて存在しないのでは、と いうのが話の主旨(というか結論) • 手法とかではなく、データ分析に取り組むにあたり先に意 識しておくべきことの1つ 前置き
Slide 4
Slide 4 text
• 自己紹介 • ポークカレーを作ろう • データ分析の流れ • ポークカレーとデータ分析の共通点 • 定性と定量との話はどこにでてくるのか • 本題:定性と定量の越境について • 方法を先に考えると起きる事 • 実際の仕事で起きることにどう対応するか • まとめ/宣伝 目次
Slide 5
Slide 5 text
自己紹介
Slide 6
Slide 6 text
• しんゆう( Twitter : @data_analyst_ ) • ブログ「データ分析とインテリジェンス」を書いてる人 https://analytics-and-intelligence.net/ • フリーランスでデータに関する仕事をあれこれ • 仕事でやりたいこと:意思決定のための情報分析をする人 • 仕事でやってること:データをうまく使えるようにする人 自己紹介
Slide 7
Slide 7 text
ポークカレーを作ろう
Slide 8
Slide 8 text
• 定性や定量の分析を考える上ではデータ分析の流れの全体 を捉えておいた方が見通しが良い • いきなりデータ分析の流れを話すとわかりづらいと思う人 もいるかもしれない • そこで、ひとまずデータサイエンティストやUXリサーチ ャーという言葉は一切忘れて、ポークカレーを作ろうとし たらどんな流れになるかをまず考えてみて、その後データ 分析についても見てみよう ポークカレーを作ろう
Slide 9
Slide 9 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー • 作りたいのはポークカレー
Slide 10
Slide 10 text
• 必要な材料は何かを考えて、集めてくる ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
Slide 11
Slide 11 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • 豚肉の場合 家にあるなら それを使えばOK
Slide 12
Slide 12 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • 豚肉の場合 無ければ買いに行く 買いに行く
Slide 13
Slide 13 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • 豚肉の場合 豚小間が無ければば ら肉を代わりに使う 買いに行く 代替品
Slide 14
Slide 14 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • 豚肉の場合 豚肉が手に入らない ならチキンカレーに する 買いに行く 代替品 料理を変更
Slide 15
Slide 15 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • 食材によっては使わない選択肢もある 使わなくても作れる 場合もある 買いに行く 代替品 料理を変更 使わない
Slide 16
Slide 16 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • 調達したら食材ごとに下ごしらえ 買いに行く 代替品 料理を変更 使わない 下ごしらえ 切る → 下味をつける → 炒める
Slide 17
Slide 17 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • 調達したら食材ごとに下ごしらえ 買いに行く 代替品 料理を変更 使わない 下ごしらえ 皮をむく → 切る → 炒める
Slide 18
Slide 18 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • それぞれをまとめて仕上げる 買いに行く 代替品 料理を変更 使わない 下ごしらえ 切る → 下味をつける → 炒める 皮をむく → 切る → 炒める 仕上げ カレールーを入れる → 煮込む → 味を調整する
Slide 19
Slide 19 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか ポークカレー 必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー 材料を調達する 家にある • 盛り付けて完成 買いに行く 代替品 料理を変更 使わない 下ごしらえ 切る → 下味をつける → 炒める 皮をむく → 切る → 炒める 仕上げ カレールーを入れる → 煮込む → 味を調整する 提供する 盛り付ける
Slide 20
Slide 20 text
データ分析の流れ
Slide 21
Slide 21 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか • どれぐらい継続するか、が知りたいとする
Slide 22
Slide 22 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 • 必要なデータにはいろいろな考えられる 利用状況
Slide 23
Slide 23 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 利用状況 • データを収集するにも色々な方法がある
Slide 24
Slide 24 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 利用状況 • 集めたデータは処理をして
Slide 25
Slide 25 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 洞察 それぞれの結果を統合 利用状況 • 洞察を行って結論を導き出し
Slide 26
Slide 26 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 洞察 それぞれの結果を統合 伝達する レポート・BI 利用状況 • 最後に何かしらの方法でまとめる
Slide 27
Slide 27 text
ポークカレーとデータ分析の共通点
Slide 28
Slide 28 text
ポークカレーを作る流れ 何を作るか 必要な材料は何か 材料を調達する • ポークカレーを作る流れだけを見てみるとこうなる 下ごしらえ 仕上げ 提供する
Slide 29
Slide 29 text
データ分析の流れ 何が知りたいか 必要なデータは何か データを収集する • データ分析の流れを考えてみると同じなことに気づく 処理 洞察 伝達する
Slide 30
Slide 30 text
• ポークカレーの作り方とデータ分析の流れをそれぞれ見る と、とても似ている • 何が似ているかというと、最初に目標を決めてそこから材 料/データを考え、材料に合わせて方法/手法を決めてい く、という流れ • 材料や手法から初めても何かはできるが、それは本当に目 的に合ったものになるとは限らない。適当にやって運まか せ、結果的にうまく行ったらよかったね、では仕事にはな らない ポークカレーとデータ分析の共通点
Slide 31
Slide 31 text
定性と定量との話はどこにでてくるのか
Slide 32
Slide 32 text
• 全体像を見てもらったが、この中では定性や定量という言 葉は出てこなかった • 定性や定量の話はどこにでてくるのか? 定性や定量の話はどこにでてくるのか
Slide 33
Slide 33 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 洞察 それぞれの結果を統合 伝達する レポート・BI 利用状況 • この中で定性や定量の話はどこにでてくるのか
Slide 34
Slide 34 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 洞察 それぞれの結果を統合 伝達する レポート・BI 利用状況 • 「定性や定量の違い」は「方法の違い」
Slide 35
Slide 35 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 洞察 それぞれの結果を統合 伝達する レポート・BI 利用状況 • 何が知りたいか、必要なデータは何かが先にある
Slide 36
Slide 36 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 洞察 それぞれの結果を統合 伝達する レポート・BI 利用状況 • どうやるかを考えるのは目的に準ずる
Slide 37
Slide 37 text
データ分析の流れ 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 処理 それぞれの結果を統合 伝達する レポート・BI 利用状況 • 方法から目的を考えるのは順番が違う
Slide 38
Slide 38 text
方法を先に考えると起きる事
Slide 39
Slide 39 text
方法を先に考えると起きる事 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを調達する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 処理 それぞれの結果を統合 伝達する レポート・BI 利用状況 • 途中からだと解くべき問題につながらないかもしれない
Slide 40
Slide 40 text
何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか 必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績 データを調達する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート 処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か 処理 それぞれの結果を統合 伝達する レポート・BI 利用状況 • 目的に繋がらないと分析した気になるが何も解決しない 方法を先に考えると起きる事
Slide 41
Slide 41 text
• 方法から入ると「どうやるか」だけ考えてしまったり目的 を置き去りにして自分のやりたい方法にこだわりがち • 方法とは、定性や定量といった手法の区別だけでなく、今 あるデータとか、導入済みのツールとか、新しく勉強した 手法とかも同じ • 常に目的は何かを意識する必要がある 方法を先に考えると起きる事
Slide 42
Slide 42 text
• 特に近年、データサイエンスやUXリサーチのような特定 の職種や手法が良く聞こえてくる • その影響で手法から入った人にはそれぞれの領域がまった く違うように見えているのかもしれないが、そうではない • 自分ができる、やりたい方法に固執するのは避ける 方法を先に考えると起きる事
Slide 43
Slide 43 text
本題:定性と定量の越境について
Slide 44
Slide 44 text
• 言いたいことは、定性も定量も「何が知りたいのか」とい う目的を達成するための方法あるいは手段であり、境目は 存在しない 定性と定量の越境について
Slide 45
Slide 45 text
• 言いたいことは、定性も定量も「何が知りたいのか」とい う目的を達成するための方法あるいは手段であり、境目は 存在しない • 存在しない境目は超えられない 定性と定量の越境について
Slide 46
Slide 46 text
• 言いたいことは、定性も定量も「何が知りたいのか」とい う目的を達成するための方法あるいは手段であり、境目は 存在しない • 存在しない境目は超えられない • 定性と定量は越境できない 定性と定量の越境について
Slide 47
Slide 47 text
実際の仕事で起きることにどう対応するか
Slide 48
Slide 48 text
• 考え方についてはここまでで話した • とはいえ考え方だけでは実際の仕事で起きることには対応 できない • こんな場合にはこうしたらいいのでは、というのを2つ簡 単にだが触れてみる 実際の仕事で起きることにどう対応するか
Slide 49
Slide 49 text
• 定性と定量それぞれの領域はまた様々な分野で構成される • 1人であらゆる分析をやるのは当然無理だし必要ない • なのでどこかに軸足を置きつつ+その周辺に広げていくこ とになる • それは複数の領域の分析かもしれないし、分析とマーケテ ィングなどかもしれない • どこかに特化するならよほどの専門知識を持っているかつ それが許される環境でないと厳しいのでは 全部はできないのでどれをどれだけやるか
Slide 50
Slide 50 text
• 良い方法があるのに自分のできる/やりたいことと違う場 合はどうするか • 自分がどうこうではなく良い方法があるならその方法を選 択する • 良い方法を自分ができないならできる人に任せる方が良い し、そういう人がいないのなら自分でやるか、別の目的に 切り替えることも検討する • とにかく自分ができる/やりたいことを前提にしない 良い方法と自分のできる/やりたいことが違う場合
Slide 51
Slide 51 text
まとめ
Slide 52
Slide 52 text
• 目的を達成するために一番良い方法を選ぶべきで、定性や定 量を最初から分けて考える必要は無い • 自分ができる/やりたいことを優先してはいけない • とはいえ全部1人ではできはないので、みんなでうまいこと 分担していこう まとめ
Slide 53
Slide 53 text
宣伝
Slide 54
Slide 54 text
• エンジニアとアナリストの間でビジネスサイド向けにデータ を抽出したり、使いやすくしたりする役割について考える 『データアーキテクト(データ整備人)を”前向きに”考える 会』を主催 • 次回 第4回は6/9(火)オンライン開催 • TwitterやCompassの「データ分析とインテリジェンス」と いうグループから登録できます #前向きデータ整備人
Slide 55
Slide 55 text
• データ分析やその周辺にまつわるイベントを開催中 • データ分析の実務能力向上を目的とした新しいイベントも 企画中 • Compassで「データ分析とインテリジェンス」というグル ープがあるので興味があれば登録しておくと新しいイベン トの登録や募集開始時に連絡がいきます https://analytics-and-intelligence.connpass.com/ ・ Compassグループ
Slide 56
Slide 56 text
ご清聴ありがとうございました しんゆう@データ分析とインテリジェンス https://analytics-and-intelligence.net/ Twitter:@data_analyst_