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定性と定量は越境できない / insight_tokyo02

ShinU
May 28, 2020

定性と定量は越境できない / insight_tokyo02

Insight Tokyo #2
https://insight-tokyo.connpass.com/event/176422/

作成者 :しんゆう@データ分析とインテリジェンス
ブログ :https://analytics-and-intelligence.net/
Twitter:https://twitter.com/data_analyst_

ShinU

May 28, 2020
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Transcript

  1. 定性と定量は越境できない
    しんゆう@データ分析とインテリジェンス
    2020/05/28 Insight Tokyo #2
    #InsightTokyo

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  2. • 本日の資料は
    https://speakerdeck.com/shinu/insight-tokyo02
    に公開済み。ブログ・Twitterからもリンクあり
    • 〇 SNSで話題にすること
    • × 録画・録音
    • アーカイブの公開はありません
    資料・SNS・写真撮影などについて

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  3. • 定性と定量は何かと比較されたりするが、本来は目的を達
    成するための方法の違い
    • 今回は「定性と定量の越境」というテーマ。そこで、そも
    そも定性と定量の間には境目なんて存在しないのでは、と
    いうのが話の主旨(というか結論)
    • 手法とかではなく、データ分析に取り組むにあたり先に意
    識しておくべきことの1つ
    前置き

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  4. • 自己紹介
    • ポークカレーを作ろう
    • データ分析の流れ
    • ポークカレーとデータ分析の共通点
    • 定性と定量との話はどこにでてくるのか
    • 本題:定性と定量の越境について
    • 方法を先に考えると起きる事
    • 実際の仕事で起きることにどう対応するか
    • まとめ/宣伝
    目次

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  5. 自己紹介

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  6. • しんゆう( Twitter : @data_analyst_ )
    • ブログ「データ分析とインテリジェンス」を書いてる人
    https://analytics-and-intelligence.net/
    • フリーランスでデータに関する仕事をあれこれ
    • 仕事でやりたいこと:意思決定のための情報分析をする人
    • 仕事でやってること:データをうまく使えるようにする人
    自己紹介

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  7. ポークカレーを作ろう

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  8. • 定性や定量の分析を考える上ではデータ分析の流れの全体
    を捉えておいた方が見通しが良い
    • いきなりデータ分析の流れを話すとわかりづらいと思う人
    もいるかもしれない
    • そこで、ひとまずデータサイエンティストやUXリサーチ
    ャーという言葉は一切忘れて、ポークカレーを作ろうとし
    たらどんな流れになるかをまず考えてみて、その後データ
    分析についても見てみよう
    ポークカレーを作ろう

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  9. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    • 作りたいのはポークカレー

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  10. • 必要な材料は何かを考えて、集めてくる
    ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー

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  11. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • 豚肉の場合
    家にあるなら
    それを使えばOK

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  12. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • 豚肉の場合
    無ければ買いに行く
    買いに行く

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  13. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • 豚肉の場合
    豚小間が無ければば
    ら肉を代わりに使う
    買いに行く 代替品

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  14. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • 豚肉の場合
    豚肉が手に入らない
    ならチキンカレーに
    する
    買いに行く 代替品 料理を変更

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  15. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • 食材によっては使わない選択肢もある
    使わなくても作れる
    場合もある
    買いに行く 代替品 料理を変更 使わない

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  16. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • 調達したら食材ごとに下ごしらえ
    買いに行く 代替品 料理を変更 使わない
    下ごしらえ 切る → 下味をつける → 炒める

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  17. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • 調達したら食材ごとに下ごしらえ
    買いに行く 代替品 料理を変更 使わない
    下ごしらえ 皮をむく → 切る → 炒める

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  18. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • それぞれをまとめて仕上げる
    買いに行く 代替品 料理を変更 使わない
    下ごしらえ 切る → 下味をつける → 炒める 皮をむく → 切る → 炒める
    仕上げ カレールーを入れる → 煮込む → 味を調整する

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  19. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか ポークカレー
    必要な材料は何か 豚肉 じゃがいも 玉ねぎ にんじん カレールー
    材料を調達する 家にある
    • 盛り付けて完成
    買いに行く 代替品 料理を変更 使わない
    下ごしらえ 切る → 下味をつける → 炒める 皮をむく → 切る → 炒める
    仕上げ カレールーを入れる → 煮込む → 味を調整する
    提供する 盛り付ける

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  20. データ分析の流れ

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  21. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    • どれぐらい継続するか、が知りたいとする

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  22. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    • 必要なデータにはいろいろな考えられる
    利用状況

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  23. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    利用状況
    • データを収集するにも色々な方法がある

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  24. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    利用状況
    • 集めたデータは処理をして

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  25. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    洞察 それぞれの結果を統合
    利用状況
    • 洞察を行って結論を導き出し

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  26. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    洞察 それぞれの結果を統合
    伝達する レポート・BI
    利用状況
    • 最後に何かしらの方法でまとめる

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  27. ポークカレーとデータ分析の共通点

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  28. ポークカレーを作る流れ
    何を作るか
    必要な材料は何か
    材料を調達する
    • ポークカレーを作る流れだけを見てみるとこうなる
    下ごしらえ
    仕上げ
    提供する

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  29. データ分析の流れ
    何が知りたいか
    必要なデータは何か
    データを収集する
    • データ分析の流れを考えてみると同じなことに気づく
    処理
    洞察
    伝達する

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  30. • ポークカレーの作り方とデータ分析の流れをそれぞれ見る
    と、とても似ている
    • 何が似ているかというと、最初に目標を決めてそこから材
    料/データを考え、材料に合わせて方法/手法を決めてい
    く、という流れ
    • 材料や手法から初めても何かはできるが、それは本当に目
    的に合ったものになるとは限らない。適当にやって運まか
    せ、結果的にうまく行ったらよかったね、では仕事にはな
    らない
    ポークカレーとデータ分析の共通点

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  31. 定性と定量との話はどこにでてくるのか

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  32. • 全体像を見てもらったが、この中では定性や定量という言
    葉は出てこなかった
    • 定性や定量の話はどこにでてくるのか?
    定性や定量の話はどこにでてくるのか

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  33. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    洞察 それぞれの結果を統合
    伝達する レポート・BI
    利用状況
    • この中で定性や定量の話はどこにでてくるのか

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  34. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    洞察 それぞれの結果を統合
    伝達する レポート・BI
    利用状況
    • 「定性や定量の違い」は「方法の違い」

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  35. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    洞察 それぞれの結果を統合
    伝達する レポート・BI
    利用状況
    • 何が知りたいか、必要なデータは何かが先にある

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  36. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    洞察 それぞれの結果を統合
    伝達する レポート・BI
    利用状況
    • どうやるかを考えるのは目的に準ずる

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  37. データ分析の流れ
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを収集する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    処理 それぞれの結果を統合
    伝達する レポート・BI
    利用状況
    • 方法から目的を考えるのは順番が違う

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  38. 方法を先に考えると起きる事

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  39. 方法を先に考えると起きる事
    何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを調達する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    処理 それぞれの結果を統合
    伝達する レポート・BI
    利用状況
    • 途中からだと解くべき問題につながらないかもしれない

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  40. 何が知りたいか アプリの利用者はどれぐらい継続するか
    必要なデータは何か 満足度調査 競合 市場 購買実績
    データを調達する NPS POS 行動観察 公開情報 アンケート
    処理 整理 → 集計 → グラフ 何が売れているか・併売は何か
    処理 それぞれの結果を統合
    伝達する レポート・BI
    利用状況
    • 目的に繋がらないと分析した気になるが何も解決しない
    方法を先に考えると起きる事

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  41. • 方法から入ると「どうやるか」だけ考えてしまったり目的
    を置き去りにして自分のやりたい方法にこだわりがち
    • 方法とは、定性や定量といった手法の区別だけでなく、今
    あるデータとか、導入済みのツールとか、新しく勉強した
    手法とかも同じ
    • 常に目的は何かを意識する必要がある
    方法を先に考えると起きる事

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  42. • 特に近年、データサイエンスやUXリサーチのような特定
    の職種や手法が良く聞こえてくる
    • その影響で手法から入った人にはそれぞれの領域がまった
    く違うように見えているのかもしれないが、そうではない
    • 自分ができる、やりたい方法に固執するのは避ける
    方法を先に考えると起きる事

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  43. 本題:定性と定量の越境について

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  44. • 言いたいことは、定性も定量も「何が知りたいのか」とい
    う目的を達成するための方法あるいは手段であり、境目は
    存在しない
    定性と定量の越境について

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  45. • 言いたいことは、定性も定量も「何が知りたいのか」とい
    う目的を達成するための方法あるいは手段であり、境目は
    存在しない
    • 存在しない境目は超えられない
    定性と定量の越境について

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  46. • 言いたいことは、定性も定量も「何が知りたいのか」とい
    う目的を達成するための方法あるいは手段であり、境目は
    存在しない
    • 存在しない境目は超えられない
    • 定性と定量は越境できない
    定性と定量の越境について

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  47. 実際の仕事で起きることにどう対応するか

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  48. • 考え方についてはここまでで話した
    • とはいえ考え方だけでは実際の仕事で起きることには対応
    できない
    • こんな場合にはこうしたらいいのでは、というのを2つ簡
    単にだが触れてみる
    実際の仕事で起きることにどう対応するか

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  49. • 定性と定量それぞれの領域はまた様々な分野で構成される
    • 1人であらゆる分析をやるのは当然無理だし必要ない
    • なのでどこかに軸足を置きつつ+その周辺に広げていくこ
    とになる
    • それは複数の領域の分析かもしれないし、分析とマーケテ
    ィングなどかもしれない
    • どこかに特化するならよほどの専門知識を持っているかつ
    それが許される環境でないと厳しいのでは
    全部はできないのでどれをどれだけやるか

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  50. • 良い方法があるのに自分のできる/やりたいことと違う場
    合はどうするか
    • 自分がどうこうではなく良い方法があるならその方法を選
    択する
    • 良い方法を自分ができないならできる人に任せる方が良い
    し、そういう人がいないのなら自分でやるか、別の目的に
    切り替えることも検討する
    • とにかく自分ができる/やりたいことを前提にしない
    良い方法と自分のできる/やりたいことが違う場合

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  51. まとめ

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  52. • 目的を達成するために一番良い方法を選ぶべきで、定性や定
    量を最初から分けて考える必要は無い
    • 自分ができる/やりたいことを優先してはいけない
    • とはいえ全部1人ではできはないので、みんなでうまいこと
    分担していこう
    まとめ

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  53. 宣伝

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  54. • エンジニアとアナリストの間でビジネスサイド向けにデータ
    を抽出したり、使いやすくしたりする役割について考える
    『データアーキテクト(データ整備人)を”前向きに”考える
    会』を主催
    • 次回 第4回は6/9(火)オンライン開催
    • TwitterやCompassの「データ分析とインテリジェンス」と
    いうグループから登録できます
    #前向きデータ整備人

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  55. • データ分析やその周辺にまつわるイベントを開催中
    • データ分析の実務能力向上を目的とした新しいイベントも
    企画中
    • Compassで「データ分析とインテリジェンス」というグル
    ープがあるので興味があれば登録しておくと新しいイベン
    トの登録や募集開始時に連絡がいきます
    https://analytics-and-intelligence.connpass.com/

    Compassグループ

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  56. ご清聴ありがとうございました
    しんゆう@データ分析とインテリジェンス
    https://analytics-and-intelligence.net/
    Twitter:@data_analyst_

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