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動機づけ面接 Basic ースピリットー 合同会社実践サイコロジー研究所 木内 敬太 [email protected]

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2 内容 • レクチャー【30分】 • エクササイズ【60分】 • ディスカッション【30分】

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3 テキスト • 「動機づけ面接<第3版>上」(星和書店) • 「動機づけ面接<第3版>下」(星和書店)

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4 レクチャー • 第1章 変化についての会話 • 第2章 動機づけ面接のスピリット ‒ パートナーシップ ‒ 受容:絶対的価値、正確な共感、自律、是認 ‒ 是認 ‒ 引き出す • パーソンセンタードケアの原則

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5 学習のリスト【下、24章】 1. MIの実践の基礎になるスピリットを理解する (パートナーシップ、受容、思いやり、引き出す)【第2章】 2. 聞き返しのスキルを磨き、何が来ても難なくこなせるようにし、クライエント 中心のOARSのスキルを向上させる【第5章・第6章】 3. 向かっていくべき変化のゴールを特定する【第9章】 4. MIのスタイルの中で情報をやり取りし、助言を提供する【第11章】 5. チェンジトークと維持トークを認識する【第12章】 6. チェンジトークを引き出す【第13章】 7. チェンジトークを強めるように反応する【第14章】 8. 維持トークと不協和に反応するときは強めないようにする【第15章】 9. 希望と自信を強める【第16章】 10. 変化の計画を始めるタイミングとクライエントとの交渉【第20章】 11. コミットメントを強める【第21章】 12. MIを他の臨床技法やプログラムと臨機応変に組み合わせる【第25章】

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6 第1章 変化についての会話 1. コミュニケーション様式の連続体 指示 ガイド 追従 2. 間違い指摘反射:おかしい部分を修正したい願望 3. 両価性(アンビバレンス) – チェンジトークと維持トークが混在 – 「そうですね、でも…」という正常な反応 4. 変化の会話のダイナミクス:5つの質問 ①なぜこの変化を望むか、②成功するためには どのように進めたらよいか、③やりたい理由 ベスト3、④この変化はどれくらい重要で、 それはなぜか…(要約)…⑤今後どうしそうか

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7 動機づけ面接の定義 その1 動機づけ面接とは、 協働的なスタイルの会話によって、 その人自身が変わるための 動機づけとコミットメントを強める方法

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8 第2章 動機づけ面接のスピリット 1980年代MIを教え始めたころ、技法自体、 「どう行うか」に焦点を当てがちだった 歌詞を教えて、 曲は教えていないかのようだった MIの根底にあるスピリット、態度、心構え について述べるようになった

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9 スピリット パートナーシップ Partnership 受容 Acceptance 思いやり Compassion 引き出す Evocation 相互に関係している それぞれに 体験と行動 の両面がある MIの基盤となる態度 であり MIを実践することで 習慣として身につく態度

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10 パートナーシップ Partnership 専門家同士の能動的な協働

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11 受容 Acceptance 絶対的価値 Absolute Worth 正確な共感 Accurate Empathy 自律 Autonomy 是認 Affirmation 純粋性 (自己一致)も!

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12 思いやり Compassion • 個人的な感情や同情、同一化のような感情 的体験について言っているのではない。 • 「共に苦しむ」必要はない • 相手の福祉を積極的に増進 • カウンセラー自身ではなく、 クライエントの利益を優先する むしろ、 共に苦しむこと

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13 引き出す Evocation • 援助は欠陥を補うものではない • 必要なものはクライエントの中にある • 強さとリソースにフォーカスする

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14 パーソンセンタードケアの原則 1. 受益者のため、クライエントのニーズが優先 2. サービスは自己変化を促進するためにある 3. クライエントは自分自身に関する専門家 4. 臨床家だけでは何もできない 5. 臨床家が思いつくアイデアはベストでない可能性が高い 6. クライエントにはリソースがある。大事なのはリソースを 活性化させること 7. 変化にはパートナーシップと協働が必要 8. 状況、必要なこと、達成する方法をクライエントがどう見て いるかを、理解することが重要 9. 変化は権力闘争ではない 10. 動機づけは植えつけるものではなく、引き出されるもの 11. 決断は本人がすること。ゴールは本人が決めるもの

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15 成長のプロセス 他者への思いやりを育む、成長のプロセスが ある。最初のステップは知識。次に、知識を いつも振り返り、内面化する必要がある。 そうすることで、知識が確信になり、心構え と一体になる。ここまで到達すれば、 思いやりは自発的なものになっているだろう。 ダライ・ラマ

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16 Ex: 変な嗜好を受容する 目的:受容(絶対的価値、正確な共感、自律性の尊重、是認)の練習 メンバー:2人組(聞き役、話し役) 手順: ① 話し役は、自分の「変な嗜好」を紹介する(作り話可) 例)鼻くそを食べる。大のときは手を洗わない。逆立ちで食事する。 ② 聞き役は受容的に話を聞く(質問、聞き返し等)【5分】  受容(無条件の積極的関心)が伝わるように  共感(あたかもその人であるかのような理解)が伝わるように  自己一致(聞き役の考えていることが透けて見えるように)する ③ 役割交代 ④ 振り返り【5分】  受容的だったところは?さらに受容的にするためには?真意は置いておく…

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17 Ex: 苦悩を優しく抱きしめる 目的:コンパッション(両価性と共にある態度)の体験的理解 メンバー:3人~4人 手順: ① 準備:今この瞬間を感じる【30秒】 – 楽な姿勢を取り、目を閉じ、呼吸、音、匂い、気温などの周りの様子、姿勢、 体の緊張や緩みに意識を向ける ② じゃんけんで順番を決める ③ 1番目の人から時計回りに次のことを1つずつ行う【21分~36分】 – 自分の変わりたいけど変われない思いと苦悩を紹介する – 優しさと慈しみの言葉がけをする。左隣の人から順に、最後は自分に 例)辛さについての聞き返し、変われないあなたも(自分も)OKという是認 – 是認(強みと努力の承認)をする。左隣の人から順に、最後は自分に ④ コンパッションについての気づきをシェアする【5分】

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18 お勧め書籍 • パーソンセンタードアプローチ – 「パーソンセンタード・カウンセリングの実際」 (コスモスライブラリー) • ACT – 「よくわかるACT」(星和書店)

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Thank you