TechLION vol.27 http://techlion.jp/vol27 での発表資料です。
しあわせに、くらしたい。地方都市における技術者文化に関する一考察および提案一般社団法人LOCAL 代表理事 澤田 周
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「澤田よぉ。楽しいってのはよぉ、楽ってことじゃねえんだよ」-畑中雅彦 (室蘭工業大学教授)
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略歴• 1978年生(38歳)• 職業:SE/PG/NE• 主専門:PHP開発周辺• 得意:Linux/Unix一般、ネットワーク全般• 室蘭工業大学工学部情報工学科卒• 職歴• コンビニバイト3年• (株)サイクル・オブ・フィフス(代取)• つなぐにっく(株)(代取)• (株)インフィニットループ(仙台支社長)(公開版一部略)
計算機とネットワークと僕• 小学生• MSX(無印)でBASICダンプ打ち込み• 中学生• PC-9801 NS/T(i386/20MHz/120MB)でC言語デビュー• 高校生• アマチュア無線始める。工業高校や高専が羨ましくなる。• パソコン通信始める。電話代やばくなる。世界は広かった。• Winsock Trumpetを使ってインターネットデビュー。• 浪人生• ISDNすごい。パソコン通信のホストを立ててみる。チャットが楽しい。
計算機とネットワークと僕• 大学生• 父親と弟もインターネットに出るために、ダイヤルアップするルータのようなもの(実態はproxy)を余っていたPC/ATで作る• テレホーダイに耐えられなくなり64kbps専用線を引く。グローバルIPを16個もらえたのでTurbo Linuxでルータ兼自宅サーバを立てる。• telnetとperl CGIで牧歌的なインターネットを満喫する。• インターネットで知り合った友人と会社を作る• 中小企業のLAN構築のお手伝い(余剰PCにNIC2枚刺しでルータ作り)• Web1.0なECサイトの構築• 技術者コミュニティ• PHPとかDBとか何それ?→メーリングリストすごい!• SDとかwebDBとか読む→勉強会に行ったら筆者に会える!すごい!
地方都市における技術者文化に関する一考察および提案(公開版:写真削除)
地方都市• 食べ物がおいしい• 家が広い• 遊ぶところがたくさんある• 家族両親がいる• 東京より幸せに暮らせる(という価値観もある)
地方都市• 支店経済• 本店がないのであまり決裁権のある企業がない• つまり受託の仕事はあまりない感じ• IT系といえば電力系の企業さんが強い• 面白味のある仕事が地場からはあまり発生しない• 優秀な学生ほど東京に就職で出てしまう• IT系のイベントが少ない• 東京で暮らす方が文化的で豊かで幸せ(という価値観もある)
一般社団法人LOCAL(公開版:写真削除)
一般社団法人LOCALなるほどわからん
一般社団法人LOCALLOCALの会員に共通する合意点は、以下のようなものです。• 地元が大好き• 地元で技術者が幸せに暮らせる環境を作りたい• 面白いことをやりたい• 学生さんにもできれば残ってもらいたいこれ以外の点、たとえば目的の達成手段や関心領域については、各々で異なっているし、それを良しとする会です。
技術者文化の醸成:望む状態• 地域で技術者が楽しく暮らせる状態• 同じ温度で話せる友人がいること• 世界や東京に変にコンプレックスを持たない• 楽しい仕事に就いていること• 新しいことをやろうとしたときに仲間がいる状態• 起業や実験的作業もひとりではなかなかできない• 挑戦的なことを行っている人、面白い人が見えている状態• 学生の就職の選択肢として地元を見られる状態• まともな仕事があること• 働いている大人たちが楽しそうにしている背中を見られること
技術者文化の醸成:やるべきこと• 縦と横のつながりを作り、維持すること• 横のつながり• オンラインのつながり(ソーシャル)• オフラインのつながり(勉強会)• 地域間のつながり• 縦のつながり• 世代間のつながり• 50代の社長と10代の高校生が話をできる環境• 世代ごとの役割• 学生:いろいろやってみる• 20代:挑戦• 30-40代:実際に動かす、後進に伝える、助ける• 50代-:人脈、経験、お金
技術者文化の醸成:やるべきこと• 地域を好きになってもらうこと• 学生さん→就職、将来のUターン• 東京で成長して経験と人脈を積んで地元で活躍してもらう• 他地域在住のエンジニア→イベントに遊びに来てくれる• むしろ行きたい、と思ってもらう• 自分たち自身が楽しむこと
技術者文化の醸成:行動• 学生の勉強会参加交通費を支援
技術者文化の醸成:行動• イベントの会場費用等の支援
技術者文化の醸成:行動• 金銭支援について重要なこと• お金の原資はすべてLOCALの理念に共感する個人からの持ち出し(年会費1万円)• お金は意志を具体的に示す手段でしかなく、本質ではない• 本質は「学生さんの参加を歓迎しますよ」「運営お手伝いしますよ」というメッセージ• とはいえお金は重要
技術者文化の醸成:行動• イベントのハブとして• 告知支援• 勉強会情報、コミュニティ情報のとりまとめ、年次更新
技術者文化の醸成:行動• イベントの開催• テーマに沿ったイベントを季節に一度企画運営• イベントの組み立て方・企画意図として以下を意識• 技術• 地域• 世代• 2015年実績• 6月:オープンソースカンファレンス北海道(開催協力・実行委員会準備)• 7月:LOCAL感謝賞• 8月:会員交流会(ビアガーデン), LOCAL学生部総大会• 12月:LDD’15 in TOKACHI 開催, セキュリティミニキャンプ共催• 1月:LOCAL Students Meetup 2016 開催• 2月:インターネット安全教室(仁々志別)開催• 4月:PHPカンファレンス北海道共催
LOCALの活動(再)• 技術者が地域で幸せに暮らすことを目的とした、技術者文化の醸成を目指しています• 技術者文化とは、技術者同士の交流、世代を超えた交流、地域を超えた交流から生まれるものと考えています• この実現のために、コミュニティ活動される方々が活動しやすくなるような支援を活動の主軸としています• 自然なコミュニティ活動からは発生しずらい縦横をつなぐようなイベントについては、LOCALがコミュニティと連携する形で開催しています
(個人の感想です)• コミュニティには寿命がある• 時代の要請に応じて、技術のトレンドに応じて、技術者の関心領域が移ろうのは当然• Meetupというライトなスタイルの台頭• それでいい• 人• 複数のコミュニティがあるが、実際は8割方同じ人だったりする• そのへんの人の横の交流で満足するようになっていく• わかる• どうなるか• 新しい人が入りづらくなる• 表での大きなイベントより小さな会合が多くなる• わかる
(個人の感想です)• 何ができるか?• 新しいことをやりたい人は応援する。ひとりにしない。• コミュニティ支援• コミュニティは気軽にできて気軽にやめるぐらいでいいと思う• 継続することに責任を感じたらリスク大きすぎて会合なんて開けない• コミュニティに興味を持った人が入りやすくなるよう努力する• 学生交通費支援、大規模イベントの開催• 技術コミュニティは縦の繋がりとかそういう話より楽しく技術の話をする場であってほしい• 縦の繋がり、地域間の繋がりは個人の技術者ではなく、技術コミュニティではなく、別組織が担うのが良いと思う• 継続する組織としての一般社団法人化
仙台で半年過ごしてみて• 支店経済の雰囲気は札幌に近いように感じる• 勉強会関係はざっと検索してもわかりづらいが、ある程度開催されているようにも感じる• 技術者同士の縦横のつながりがまだ把握できていない• これは自分が外に十分出られていないという理由も多そう
ぼくは、いま住んでいる仙台圏でも• 地元を気に入っている人たちで• 技術という枠ではなく• その地域で幸せに暮らしていく文化を作っていくという意識を持つ人たちと、• 楽しく遊んで、• 楽しく手を動かして、• 楽しく議論して、しあわせに、暮らしていきたいです。
「求む、男子。至難の旅、わずかな報酬、極寒暗黒の長い日々絶えざる危険生還の保証なし成功の暁には名誉と称賛を得る。-アーネスト・シャクルトン」http://www.miyajima-jp.com/column/shackleton-adv11.jpghttps://shukatsu-mirai.com/wp-content/uploads/a8.png