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アンチパターンかもしれないがプロジェクトマネジャーがスクラムマスターをやることに意味があると信...
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3panda
January 23, 2025
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アンチパターンかもしれないがプロジェクトマネジャーがスクラムマスターをやることに意味があると信じている
3panda
January 23, 2025
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Transcript
アンチパターンかもしれないがプロジェクトマネ ジャーがスクラムマスターをやることに意味がある と信じている 2025.1.24 事業成⻑へ導く スクラム運⽤ 〜アジャイル組織を推進する ヒントを学ぶ〜 @3panda
⾃⼰紹介 • 名前:シログチ リョウタ /3panda • 職業:スクラムマスター/ アジャイルコーチ • 経歴:
◦ Webフロントエンドエンジニア ◦ ゲームエンジニア ◦ AIベンチャーでプロマネ&EM ◦ フリーランスのスクラムマスター ←イマココ 詳しくはこちら
本⽇お話すること • 私が以前勤めていたAIベンチャーでのお話 • 私が初めてスクラムを取り⼊れたチームでのお話
アジェンダ 1. 私たちはどんなチームだったのか 2. アジャイルのプラクティスをチームにあったやり⽅に⼯夫 3. チームが成⻑するためにおこなった⼯夫 4. 本⽇のまとめ
1.私たちはどんなチームだったのか
担当していたプロジェクト • ⼤⼿企業の研究部⾨様からの研究委託 • ⼤⼿の製造業様からの省⼈化に向けたPoC • ⾃社プロダクトの技術検証 ※イメージです
扱っていたテーマ(例) • AGV(無⼈搬送機) x AIによる⼯場内点検の無⼈化 • ⼈協働ロボット x AIによる作業⼯程の省⼈化 •
深層強化学習による検査ロボットの最適化 • etc ※イメージです
チームの構成 • プロジェクトマネージャー x 1名(私) • アプリケーションエンジニア x 2名 ◦
ロボット‧カメラなどの制御 • ハードウェアエンジニア x 2名 ◦ ロボットやIoTデバイスなど調整やパーツの作成 • AIエンジニア x 1名 ◦ 撮影した画像を判定するAIモデルなど
チームの構成 • 多国籍なチーム ◦ ⽇本⼈ 3⼈ ◦ イタリア⼈ 1⼈ ◦ 中国⼈ 1⼈ ◦
ネパール⼈ 1⼈
余談:私以外はみんな英語が話せる \ I can't speak eng… /
2.アジャイルのプラクティスをチームに あったやり⽅に⼯夫
「スクラム、スクラム」と⾔わずに 気が付いたらスクラムを意識した
チーム内にスクラムへの懸念があった • スクラムの経験者が私だけだった • はじめてのやり⽅でメンバーが困惑していた • MTGが多いという懸念も上がっていた Scrum? Agile? MTG多い...
気がついたらスクラムを⽬指した • 開発のリズムを掴むことに注⼒した • 座学よりも実際にやってみるを意識した • アジャイルの⽤語はあまり使わないようにした
形骸化したデイリースクラムを課題解決 の場にした
デイリースクラムが情報共有の場になっていなかった • 15分で終わらすために慌ただしくなっていた • 進捗報告をだけをする時間になっていた • 抱えている課題を話せる雰囲気ではなかった 昨⽇はXXXをやり ました。 今⽇はXXXをやり
ます。 特に困ったことは ありません。 昨⽇はXXXをやり ました。 今⽇はXXXをやり ます。 特に困ったことは ありません。 昨⽇はXXXをやり ました。 今⽇はXXXをやり ます。 特に困ったことは ありません。
課題解決のきっかけを得る場を⽬指した • 15分で終わることを意識しない • アイスブレイクを挟んで和む場に • 相談や質問が活発化するようにファシリテーション \あれがこれで / \それは、あれが
/ \なるほど /
ゴールの認識合わせに集中した
完成の定義 と 受け⼊れ基準 が難しかった • 何をもって完成とするかが難しかった • 両者の違いが分からずに混乱していた • PBIの完成についての認識違いが多発した
完成の定義 ? 受け入れ基準 ?
ゴールは何かに集中することにした • 完成の定義 と 受け⼊れ基準 という⾔葉を使うのをやめた • ゴールというシンプルな⾔葉に置き換えた • 「このチケットのゴールは?」をチームで考えるようにした
\ゴールはなんだろう? /
スプリントレビューがチーム内共有に なった時も意義あるものにした
ステークホルダーへのレビューが定期的には⾏えなかった • クライアントに1,2週間に⼀度の出席は難しかった • ⾃社の役員や事業オーナーも常に出席は難しかった • プロジェクトマネージャーの視点で私が⾏うことも多々あった ※デモのイメージ
チームだけのレビューでも意義あるものに • ステークホルダー向けのレビューの予⾏練習の場にした • チームだけでもデモを⾏なってFBを出すようにした • 社内の通りすがりの⼈にもデモをしてFBをもらうようにした ※デモのイメージ
ふりかえり⼿法を定番のKPTからその時 のチーム合った「Good or NG」にした
KPTがチームに合わなかった • Keepが少し分かりにくかった • 分かりやすいProblemばかりになってしまった • そのためTryがProblemの改善ばかりになった Keep Problem Try
シンプルなものに変更した! • GoodとNGというシンプルで分かりやすいものにした • NGだけでなくGoodも出すことを意識した • チームの状態から次のアクションを考えるようにした GooD!!👍 NG👎 NextAction
今ならFun! Learn!Done!が良いかも
3.チームが成⻑するために おこなった⼯夫
チームのガイドラインを作成
チームが同じ⽅向を⾒れていなかった • 技術的なバックグラウンドが違っていた • 新しい技術が多く、⽬的を⾒失いやすかった • 取り組む内容が未知で悩んでしまう事が多かった • 事業⽅針が 変更されることが多かった
チームが同じ⽅向を向くためのガイドラインを作成 • 時間をかけて全員でガイドラインを作成 • 個⼈ではなくチームの⽅針をまとめた • 作って終わりではなく定期的に⾒直しも • 状況に合わせてアップデートも 例
• 巨⼈の肩に乗ろう • 個々の⽂化を尊重しよう • 5分悩んだら相談する • 休みは遠慮しないでとる • etc
チームの⽤語集をつくり認識の違いを極 ⼒なくすようにした
認識の違いが起きやすい環境だった • AI、ロボット、HWなどは専⾨⽤語が多かった • スクラムの⽤語も混乱の原因になっていた • 多国籍なチームだったので誤解が起きやすかった
チームの⽤語集を作ることで解決した • 専⾨のメンバーが思いつく⽤語を記⼊ • 新たな⽤語は直ぐに追記することを習慣化 • ⽤語が分からないまま進まないように気をつけた 用語集のイメージ
⾃⼰紹介を可視化してメンバー間の理解 を深めやすくした
お互いの事が分かりにくかった • 育った環境や⽂化が違っていた • 技術的なバックグラウンドもバラバラだった • それぞれの家庭の事情も違っていた
⾃⼰紹介を作成してお互いの理解を深めやすくした • 全員が同じフォーマットで⾃⼰紹介を作成 • ⾃⼰紹介はいつでも誰でも⾒れる状態に • 全員で読み合わせをして理解を深めた
こんな感じのフォーマットを使いました • 働ける‧働きたい間帯 • 働けない時間帯(お⼦さんのお迎えなど) • 得意なこと • 苦⼿なこと •
モチベーションが上がるシチュエーション • モチベーションが下がるシチュエーション • etc
あとは、とにかく会話!!
チームで会話することを⼤事にした • デイリースクラムだけでは知れないことが沢⼭ • 分かった気になっていたことが ひっくり返ることも • エンジニア間の雑談から課題が解決することも \ぺ ち
ゃ くち ゃ / \ぺ ち ゃくち ゃ /
4.本⽇のまとめ
私がこのチームでやったこと • 1⼈ではなくチームで課題に取り組んだ • セオリーに囚われずプロジェクトを進めることを優先した • チーム全体が成⻑することを第⼀に⾏動した
私がこのチームで学んだこと • チームが協⼒すればできることが増えること • お互いを理解することの⼤切さ • 雑談などを含めた会話の重要性
私たちはこんなチームに成⻑しました • 主語は「私」ではなく「私たち」 • これまでの経験から不確実に向き合える • 常に前向きに考えることができる • 出来ない理由ではなくどうしたら出来るかを考えられる
ふりかえると 私たちはアジャイルやスクラムのアンチパターンを いくつも踏んでいたかもしれません
それでもプロジェクトマネージャーであった私が スクラムマスターとなり、不確実なプロジェクトに向 き向き合ったことは意味があったと信じています。
その理由は
私たちは⾃律的な組織へと成⻑し たのしく働き そして結果も残したからです!
以上
ご清聴ありがとうございました!!