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DevRelJapan登壇資料(クラスメソッド小山)
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oyama
September 18, 2024
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DevRelJapan登壇資料(クラスメソッド小山)
2024年9月14日 DevRelJapanConferenceの登壇資料
oyama
September 18, 2024
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Transcript
運営が集計して分かったテックブログの”定⽯” 継続とエンゲージメント獲得にむけて
⾃⼰紹介 ⼩⼭正博 クラスメソッド株式会社 新規事業部 2023年にクラスメソッド株式会社に⼊社。新規事業2社⽬ 2023年末からZennのBizDevを担当 • 顧客 ◦ ⼀般の著者‧読者のみなさま
◦ DevRelのみなさま(Publicationの利⽤者さま)
前提:DevRel DevRelとは外部の開発者との相互コミュニケーションを通じて、⾃社や⾃社製品 と開発者との継続的かつ良好な関係性を築くためのマーケティング⼿法。 〜中津川篤司. DevRelの教科書: 基礎から歴史、基本的な考え⽅まで . MOONGIFT. Kindle 版.
〜 • 企業‧組織のブランディングのために運営されているテックブログ (Publication)が多数 Zenn上で、製品と開発者の関係構築を⾏っているPublication例
今回ご紹介したい”定⽯”=ブログ運営の⼯夫 • テックブログ(Publication)運営者から聞いた⼯夫で、 共通するものを”定⽯”と • 集計によって得られた、⽬安になるデータもご紹介
ヒアリング&集計の対象:Zenn の Publication Publication:Zenn上にテックブログを開設できる機能。 企業‧組織が⽴ち上げたブログ⾃体のことも”Publication”と呼んでいます。
Publication20(便宜的につけた名前です。今回限りです) 記事投稿数20以上 × フォロワー数TOP20 を抽出。 運営継続 × エンゲージメント獲得 AEON TECH HUB Money Forward
Developers 株式会社ゆめみ ubie Accenture Japan (有志) ムーザルちゃんねる Flutter⼤学 株式会社ログラス テックブログ レバテック開発部 時⾬堂ノート サイボウズ フロントエンド Google Cloud Japan Microsoft (有志) 松尾研究所 vim-jp Tech Blog - Turing Zenn Tech Blog chot Inc. Vue Nuxt サイボウズ ⽣産性向上チーム ※8⽉22⽇時点のデータです。ご了承ください。
2フェーズに分割。まず運営継続の”定⽯”をご紹介 運営継続 エンゲージメント獲得
運営継続のための定⽯ ⼈数を増やす 編集⻑を決める シリーズコンテンツ 上層部の理解
運営継続のための定⽯①⼈数を増やす 「最後の記事から1カ⽉経った…」→ブログの冷え込みへ ⽇々、”誰か”が、短い記事でも投稿することがブログの熱量を維持〜運営継続に つながる。 「誰かが書くことで組織の発信が途切れにくくなり、継続がしやすくなった」 (Publication Proを利⽤中の、株式会社SODA 冨永さん)
⽬安となる指標:平均メンバー数 Publication20で集計 メンバー数:33 投稿者数:24
⽬安となる指標:投稿頻度 Publication20から集計 7.3⽇に1本 ※Publicationごとに、初回投稿から現在までの期間で投稿本数を割った数値の中央値 ※平均でみると約11⽇。ご参照頂きたいのは中央値
いかにして書く⼈数を増やすか • ⼊社時のオンボーディングに、ブログのアカウント設定まで組み込む :あとは書くだけ • 投稿期間が空いているメンバーに積極的に⽀援(編集⻑) ◦ 業務→ネタ化の提案。壁打ち
いかにして書く⼈数を増やすか • 執筆のメリットを伝える ◦ 個⼈としてのメリットがある ▪ 学びの定着や”思い出し”にブログが有効 • ラーニングピラミッド理論:”教える”で定着率90% ▪
個⼈のポートフォリオになる:登壇依頼のきっかけにも ▪ 書くことの喜び‧楽しさ ◦ 会社への貢献にもなる ▪ 商談や問い合わせ時にブログへの⾔及があった ▪ ブログPVが伸び、LPのPVも伸びた ※⻘字はZennが重視している機能
⼈を増やす:多様なメンバーをまきこむメリット • メンバーの技術レベルは様々→書かれる記事も初⼼者〜上級者向けが混在 • 多様なレベルの記事→様々な層から読まれることにつながる。 • キャリアのある開発者はブログを書かなくなりがち 組織ブランディングにおいては優れたエンジニアによる発信は重要 「濃い記事を、たまにでいいので書いてね」と巻き込む
運営継続のための定⽯②編集⻑を決める 顕著な事例:”レバテック開発部”様 • 転職サービス”レバテック”の開発部に所属 • PublicationProをご利⽤。 • 採⽤‧定着が⽬的 レバテック開発部 瀬尾さん
編集⻑の業務 • ⽇々の業務を基に、ブログのネタ出し⽀援 ◦ チームでの週次報告から執筆を依頼 ◦ 執筆が滞っている著者に壁打ち • 著者(開発者)のモチベーション維持 ◦
運営⽬的の共有 ◦ 公開した際の社内外へのシェア ◦ 社外の反応‧⾼PVを、著者にフィードバック ◦ 採⽤⾯接で得た、ブログへの反応も著者にFB ※詳しくは「Zenn レバテック 事例」で検索
編集⻑をいかに決めるか • 運営思想がある(瀬尾さんの場合「⾃分が書きたいことを書く」) ◦ PVや評価に右往左往しない。⼀貫した⽅針がチームを⽅向付けられる • ソフトウェアエンジニアリングに対する熱量 ◦ 組織として打ち出したい”技術”への情熱は必須 •
組織指向性 ◦ コミュニケーションを通じた課題解決 • 書き⼿に近いレイヤーであること ◦ 気軽に執筆依頼ができる、相談も受けられる • ネット上のトピックへの感度の⾼さ ◦ 開発者⽬線で記事を吟味できる 必ずしもテックブログの運営責任者でなくともよい。 ⼈事‧マーケが責任者、開発者が編集⻑もOK
運営継続のための定⽯③シリーズコンテンツ 週刊で連載 • Frontend • ⽣産性向上 • Cloudflare • AI‧WEB開発
週次の勉強会→ブログにも投稿 巻き込み+発信の習慣化に最適 CareNet Engineers サイボウズ ⽣産性向上チーム Gemcook Tech Blog サイボウズ フロントエンド
運営継続のための定⽯④上層部の理解 DevRelを⾏うと決めたならば、 少なくとも3年は継続する覚悟をもつ ことをお勧めします。 〜中津川篤司. DevRelの教科書: 基礎から歴史、基本的な考え⽅まで . MOONGIFT. Kindle
版〜 上層部「効果が出ていないからやめたら?」 とならないために。 運営⽬的と⻑期的なビジョンを経営層と共有 • 「⽬的はこれです」 • しかし「当⾯は運営継続こそが課題」 • そして「成果が出るまで時間がかかる」 ⼩さな反響をまめに共有して便益を訴求
上層部と持つべきKPIについて 上層部とKPIについて共有する ×:問い合わせ数‧応募数 〇:投稿件数(コントロールできる数値)の⽬標 ※効果がすぐ出ないからこそ”頑張り”をKPIに ⻑期間かかる&KPIはアウトプットのみ = “横やり”が⼊りやすい = トップダウンが望ましい。
Publication:社⻑が始めたテックブログは継続しやすい Developers IO:3年⽬くらいから問い合わせや採⽤⾯でも効果が顕著になってきた
まとめ:運営継続のための定⽯ 編集⻑を決める ⼈数を増やす シリーズコンテンツ 上層部の理解
次のフェーズ:開発者からのエンゲージメントを得るための定⽯ 運営継続 エンゲージメント獲得 開発者の役に⽴つ、実質のある、⾻太の記事を書く
エンゲージメントのための定⽯ 課題起点の記事 理解しやすい記事 ⾔葉遣いがいい
エンゲージメントのための定⽯①課題起点の記事 現状の作業の 困りごとが 起点にある 機能の紹介 実際の 業務課題が 起点にある 取り組みの紹介 商品
組織
課題起点 ― COMPASS様を例に ”背景”としてそれまでの課題 感や、どういうアプローチで 改善したかの紹介がある。 以後、具体的な取り組みの記 載が続く
課題起点 ー Slack様を例に • 説明書的ではなく、ユースケース 単位で具体的な記載 • どの記事もコードブロック‧画像 など素材を⽤いた丁寧な記事
エンゲージメントのための定⽯②理解しやすい記事 具体的な 作業⼿順 まとめ 結論 踏み込んだ内容 △チュートリアル‧機能説明 〇具体的なユースケース 〇試⾏錯誤〜解決までの詳細 テキスト以外の素材も活⽤
画像類も豊富 ◦◦って知ってま すか 現状の作業より 便利になります 商品 困っていたので ◦◦をしました 知⾒を得たので共有します 組織 理解しやすい構成
内容がリッチ ー Google Cloud Japan様を例に 構成図 表 画⾯キャプチャ コードブロック “Cloud Run のサービスメッシュを試した”(2024/09/04)
エンゲージメントのための定⽯③⾔葉遣いがいい 関⼼‧愛着醸成の阻害要因 • 過激な⾔葉、ネガティブな評価 • ネットスラングが多すぎる • 説明が少なすぎる
レビューをしっかりすればいい? 過重なレビューは避けるべき。原則”ない”のが理想 ブログ運⽤⽬的の浸透が、まじめな発信の⼟壌に
まとめ:エンゲージメントのための定⽯ 最初からやるのは継続のハードルに。軌道に乗ったら、良い記事に近づけましょう 課題起点の記事 理解しやすい記事 ⾔葉遣いがいい
参考:技術トピックについて 組織ごとの投稿から 最多使⽤トピックを集計 特定のトピックに話題が 集まっているわけではない。 最多使用トピック Frontend GCP Azure LLM
Vim 自動運転 Zenn Nextjs Vue 生産性向上 Hashicorp Frontend React Typescript アクセンチュア Nextjs Flutter Kotlin AWS Webrtc
トピックは、良い記事に吹く”追い⾵” • PV獲得を狙って、流⾏りのトピックについて書いても読まれな い&エンゲージメントとは、ほど遠い • 読者にジャッジされるのは「良い記事か」 ◦ 良い記事こそ商品や組織の魅⼒をきちんと伝えられる ◦ 良い記事:課題があり、丁寧な記載で、まじめな記事
Zenn Tech Blogで最近ご好評頂いた記事 LLMの記事⾃体は⽇々投稿。 • 記事はスパムという多くのサイト 運営者が抱える課題に⽴脚 • 具体的な作業を通じて解決 LLMって業務にどう使うの?という⼤き
な関⼼が”追い⾵”として働いた。
全体のまとめ フェーズ1 運営継続のための定⽯ 編集⻑を決める ⼈数を増やす シリーズ コンテンツ 上層部の理解 フェーズ2 エンゲージメントのための定⽯
課題起点の 記事 理解しやすい 記事 ⾔葉遣いが いい 参考指標 メンバー数:33 投稿者数:24 7.3⽇に1本投稿
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