Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

AIと立ち上げ、AIと走る

Avatar for mochizuki mochizuki
September 25, 2025
230

 AIと立ち上げ、AIと走る

■ イベント
ソフトウェアだけじゃ解けない課題 AIでオペレーションに向き合うしかNight
https://layerx.connpass.com/event/365523/

■発表者
株式会社LayerX 望月瑛太

Avatar for mochizuki

mochizuki

September 25, 2025
Tweet

Transcript

  1. © LayerX Inc.  2 望⽉瑛太(@omochi) 望⽉ 瑛太 @omochi 株式会社LayerX バクラク申請‧経費精算アプリ/ バクラク電⼦帳簿保存のPdM

    ↓ AI-BPO事業オペレーション 略歴 • 第2新卒で入社 • SNS運用ディレクター • プロダクトマネージャー 📝⾃⼰紹介 • 地⽅出⾝で、⽣まれ育った環境に依存することなく選択 肢が広がるような世の中になればいいなと考えています • 2児のパパ、カメラ‧ギターが趣味 @mochi_vs_mochi • プロダクトマネージャー • AI-BPO オペレーション SNS運用 ディレクター プロダクト マネージャー バックグラウンド • プロダクトマネージャー
  2. © LayerX Inc.  3 メインオペレーションと周辺業務 メインオペレーション スキャンセンターでのスキャン作業 電⼦請求書の取得作業 シフト作成‧ 調整‧管理

    規約作成‧改定 設備検討‧導⼊ マニュアル 作成‧更新 社内問い合わせ対応 お客様への リリース周知等の調整 オペレーター採⽤‧ オンボーディング 社内理解浸透 メインオペレーションと周辺業務の オペレーションを作って運⽤できる状態にしていく
  3. © LayerX Inc.  6 請求書の受領 各取引先 担当者 メール送付 郵送 請求書を取引先から受け取った後、後続処理に⾄るまでに

    請求書受領業務が発⽣ 経理 サイトからの取得や 開封〜スキャン作業 申 請 や 仕 訳 な ど の 後 続 処 理
  4. © LayerX Inc.  7 バクラク受領代⾏とは 請求書の受領から開梱‧スキャン‧ダウンロード‧アップロードなどの業務負担を軽減 柔軟で創造性の⾼い働き⽅をサポート 各取引先 担当者 経理

    POINT 02 POINT 01 POINT 03 受領した請求書の 即時のデータ化 ワークフローとの シームレスな接続 あらゆる受領形式 の請求書に対応 アップロード メール送付 郵送 請求書受領業務をなくし、受領から申請‧請求書処理までを⼀本化 データ化の⼿間削減‧ペーパーレス化による⼀元管理‧決算早期化を実現
  5. © LayerX Inc.  10 求められること 内部的には、効率性を上げて行くことで時間的余裕を生むことになる 
 時間的余裕が生まれることで正確性を担保するための時間が確保できるようになる 
 正確性

    ミスなくお客様の環境に 請求書を連携することが求められる 効率性 決算の早期化に向けて迅速にお客様の環境 に請求書を連携することが求められる
  6. © LayerX Inc.  11 求められること 効率性 メインオペレーション の正確性UP メインオペレーション の効率性UP

    周辺業務の効率性を向上させることで メインの現場オペレーションに向き合える時間を⽣み出すことにもつながる 周辺業務 の効率性UP
  7. © LayerX Inc.  12 アプローチの軸 メインオペレーション の正確性UP メインオペレーション の効率性UP 周辺業務

    の効率性UP 周辺業務の効率性向上‧メインオペレーションの効率性向上 ‧メインオペレーションの正確性向上とAIを活⽤しながらアプローチをしている メインオペレーションの 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ メインオペレーションの 正確性の向上に AIを活⽤するアプローチ 周辺業務の 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ
  8. © LayerX Inc.  13 アプローチの軸 メインオペレーション の正確性UP メインオペレーション の効率性UP 周辺業務

    の効率性UP メインオペレーションの 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ メインオペレーションの 正確性の向上に AIを活⽤するアプローチ 周辺業務の 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ
  9. © LayerX Inc.  14 RAG 事業⽴ち上げ期、社内のメンバーでもわからないことは多数 その中で質問しやすい環境を作りつつも限られたリソースの中で回答を効率化する必要がある 周辺業務の効率性向上:FAQ slack窓⼝ オーケストレーター

    回答に必要な情報をNotion DB(必要に応じてzendeskのヘルプガイド記事)に貯めておく NotionやZendeskという誰でも管理できるツールかつ、 すでに活⽤されているツールでリソースを管理しながらFAQ回答を効率化 社内メンバー 管理者 解決しないときは⼈を呼び出す コンテキスト強化
  10. © LayerX Inc.  15 参考 2. オーケストレーターがRAGを実⾏して回答 1. slackでAIをメンションして質問 5.

    スレ元の投稿にスタンプを押すと、スレの内容を AIが読んでサマライズし、FAQ DBへの追加を提案 4. 担当者が回答 3. 解決しない場合、AIが担当者を呼び出し 例外処理 コンテキストの強化 Human-in-the-Loop
  11. © LayerX Inc.  16 アプローチの軸 メインオペレーション の正確性UP メインオペレーション の効率性UP 周辺業務

    の効率性UP メインオペレーションの 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ メインオペレーションの 正確性の向上に AIを活⽤するアプローチ 周辺業務の 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ
  12. © LayerX Inc.  17 メインオペレーションの効率性向上:AIによる⾃動取得 お客様の 取引先様 お 客 様

    環 境 に 連 携 内部オペレーション お客様 ⾃動取得チェック 可能な場合は⾃動取得 ⾃動取得できないものは オペレーターが⼿動取得 請求書付きメール AIとオペレーターが協業して請求書を取得することで、請求書の取得速度を向上 AIを強化していくことで、お客様に請求書を連携するまでのスピードは向上させながら ⼈の稼働を最⼩化していくことが可能となる
  13. © LayerX Inc.  18 アプローチの軸 メインオペレーション の正確性UP メインオペレーション の効率性UP 周辺業務

    の効率性UP メインオペレーションの 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ メインオペレーションの 正確性の向上に AIを活⽤するアプローチ 周辺業務の 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ
  14. © LayerX Inc.  19 メインオペレーションの正確性向上:AIによるダブルチェック お客様の 取引先様 お 客 様

    環 境 に 連 携 内部オペレーション お客様 AIとオペレーターが協業して請求書の取り違えなどがないかをチェック ⼈間が⾒落としてしまうような最悪のケースをAIと協業することで⾒落とさない状態を実現 紙の請求書 スキャンして データ化 AIと⼈による承認 with
  15. © LayerX Inc.  20 実際のアプローチ メインオペレーション の正確性UP メインオペレーション の効率性UP 周辺業務

    の効率性UP 周辺業務の効率性向上‧メインオペレーションの効率性向上 ‧メインオペレーションの正確性向上とAIを活⽤しながらアプローチをしている メインオペレーションの 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ メインオペレーションの 正確性の向上に AIを活⽤するアプローチ ex.FAQ⾃動化 周辺業務の 効率性の向上に AIを活⽤するアプローチ ex.AIによる⾃動取得 ex.AIによるダブルチェック
  16. © LayerX Inc.  22 AIとの協業の鍵、その導⼊には罠もある 鍵(Human-in-the-Loop) オペレーション設計において、AIとの協業をどう設計するか? 実際のオペレーションもHITLを中⼼に据えた設計になっている HITLの設計≒AIを絡めたオペレーション設計 スピードの喪失とコストの増幅:AIの強みであるスピードが失われ、コストが増幅する

    チェックの形骸化: ⼈間が思考停⽌で承認するだけの”ゴム印作業”に陥り、危険なエラーを⾒逃す 成⻑しないオペレーション:⼈間‧AIも改善されずオペレーションやアウトプットが設計当初から変わらない 罠 HITLは万能薬ではない
  17. © LayerX Inc.  23 ダブルチェックの有効性を再考する オペレーション設計において、AIとの協業をどう設計するか? × × リスクの⼤きな物に絞る 意識の覚醒を促す

    ⼈以外の要素を改善 京都大学医学部附属病院の医療安全管理部長の松村 由美様のスライドより ダブルチェックの有効性≒AIと⼈間の協業のポイント HITLを踏まえたオペレーション設計をするうえでの重要ポイントの⼤きなヒントに
  18. © LayerX Inc.  24 Formalising Human-in-the-Loop オペレーション設計において、AIとの協業をどう設計するか? リスクの⼤きな物に絞る 意識の覚醒を促す ⼈以外の要素を改善

    オートメーションバイアスの危険性 予期せぬ⼊⼒が招くAIの誤分類 スケーラブルな監視の限界 Formalising Human-in-the-Loop: Computational Reductions, Failure Modes, and Legal-Moral Responsibility(arXiv) ‧⾼度なAIに対し⼈間が全ての挙 動を監視することの困難性 ‧⼈間の認知能⼒を超えたAIに対 する意味ある監視の限界の⽰唆 ‧AIへの過度な依存による、AIの 誤りを⾒逃すリスク ‧⾃動運転事故におけるドライ バーの注意散漫という実例 ‧AIが想定外の⼊⼒に対応できない学 習不⾜のリスク ‧⾃動運転で「横断中の歩⾏者」を誤 分類し衝突直前まで対応が遅れた実例 過去のHITLにおける失敗事例等を踏まえても重要な視点
  19. © LayerX Inc.  25 意識する3つの設計思想 ヒントから得た3つの設計思想 介⼊は『点』で絞る ‧AIの確信度が低いケース、ビジネスインパクトが⼤きいケースに限定して、⼈間の判断を仰ぐ ‧⼈間は本当に価値のある処理に集中する ⼈間を『思考』させる

    ‧AIはあくまで提案を⾏い 、最終的な判断は⼈間が担う ‧思考を促すUIを設計し、”ゴム印作業”を防ぐ AIを適切に『成⻑』させる ‧⼈間の修正は、必ずAIの再学習に繋がるフィードバックループを構築する ‧⼈のミスや⼈の稼働を最⼩化していくことを常に⽬指す この設計思想を持って、AIと共に⾛り、現場オペレーションを進化させる