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プロダクトディスカバリーから見る、アウトカムに向き合う価値観と習慣

lightnet328
July 31, 2024
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 プロダクトディスカバリーから見る、アウトカムに向き合う価値観と習慣

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July 31, 2024
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  1. 2 自己紹介 • Yutaro Kido @lightnet328 • 株式会社 dinii /

    Software Engineer ◦ 2020年9月入社 ◦ 不確実性が高い領域の探索を行う Discovery Team 所属 ▪ 新規機能や新規事業の検証など ◦ ワンチームで複数プロダクト開発 → 機能開発チームの TL → 現在 • 最近ハマっているものは台湾まぜそば
  2. “飲食”をもっと 楽しくおもしろく Mission すべての人の “飲食”インフラになる Vision “飲食” は、人々にとって欠かせない衣食住の1つです。 新型コロナウイルスの流行をきっかけに、私たちは、 “飲食”

    の豊かさが 私たちの暮らしの豊かさに繋がっていることを実感したのではないでしょう か。 友人と楽しく会話したり、恋人とドキドキする時間を過ごしたり、家族と心温 まる団らんをしたり、 取引先とタフな交渉をしたり ……。 私たちが生まれてから今日まで、人びとの生活や文化を支えてきた尊い空 間が“飲食” の現場には存在します。 私たちはテクノロジーの力を活用して、飲食ビジネスを楽しくやりがいのある ものに、飲食文化をおもしろくエンターテイメントなものにしていきます。
  3. dinii History 2018年の創業以降、圧倒的なスピード感でプロダクトを次々にリリースしています 2018〜 2019〜 1月 モバイルオーダー事業を開始 六本木の天ぷら味覚にて初のサー ビス導入 5月

    6月 dinii法人化 12月 初のナショナルチェーン サブウェイにサービス導入 6月 イートインのモバイルオーダーリ リース 4月 レジアプリリリース ダッシュボードリリース 7月 8月 根津オフィス移転 9月 Kioskリリース 12月 キッチンディスプレイ リリース 1月 推しエール リリース 浅草橋オフィスへ移転 8月 5月 dinii CRM リリース 浜松町オフィスへ移転 6月 12月 ユーザー300万突破 6月 ダイニーAIくん リリース ユーザー800万突破 10月 11月 DINII Payリリース 12月 ユーザー1000万突破
  4. 6 開発組織の特徴 : ミッションによるチーム分割 Feature Team Platform Team Data Team

    Discovery Team 機能開発 安定化・スケール データによる顧客価値の最大化 新規プロダクトの探索
  5. プロダクトで問題を解決するために 重要な 2 つの課題 1. ディスカバリー 問題の解決策の発見・把握 2. デリバリー 堅牢でスケーラブルな実装の提供

    ディスカバリーのためには迅速な学習が必要で、デリバリーのためには自信のある実装が必要 7 ディスカバリーとデリバリー * * Marty Cagan, Silicon Valley Product Group, “Discovery vs. Delivery”
  6. 8 dinii のプロダクトディスカバリー ディスカバリーチーム組成の目的 • 自社にとって新しい領域に対して、問題の解決策を発見するために 必要な学習を迅速に行う ディスカバリーチーム組成の背景 • 多くの顧客に

    dinii をいただけるようになり、 POS 事業*がスケール • 顧客の数と要望の絶対数が増える ◦ 顧客が増えることで、担保したい堅牢性・拡張性が増える ◦ 要望が増えることで、アウトカムの見通しが以前よりも立てやすくなる • デリバリーの重要度・難易度が増す中でも 新しい領域における問題の解決策を発見したい * dinii においてはモバイルオーダー、レジ、ハンディ、 CRM などのプロダクト群による事業領域
  7. 目的 • 飲食店における従業員領域 *の課題をより具体的に把握し、解決策を発見する → 既存の事業とは全く関係なく、新しいプロダクトを立ち上げて学習する必要がある なぜやるのか? • 特にコロナ禍以降に飲食店をとりまく環境に変化があり、従業員領域の課題感が強まっているから •

    dinii は飲食店の All in One Cloud として飲食をもっと楽しくするための課題をより多く解きたい 11 プロダクト立ち上げの目的と背景 * 従業員領域といっても多くの種類のプロダクトがある (人事、採用、教育、従業員満足、評価、給与、勤怠、シフト、チャットなど )
  8. 12 立ち上げの成果 3ヶ月で…… リリースした機能の数 22 件 (週1.7件) 顧客との会議・商談数 66 件

    (週5件) 顧客の声・反応 • 訴求して実装した新しい価値を顧客自身の声で語ってもらう • トライアルしていただいている顧客からのリファラルで新しいトライアルが決まる • 売り込んでいないのに、dinii しかやらなさそうな部分が良いので有料契約したいという反応
  9. 16 習慣: 顧客と話す • 顧客が成功するプロダクトを作るために顧客と継続して話すことは必要不可欠 • 顧客の成功の段階ごとに 顧客と話したくなること が変わる ◦

    プロダクトがなければ、アイディアやデザインを見て使ってみたいかを話す ◦ 顧客が使ったことがなければ、どうしたら使いたいかを話す ◦ 顧客が習慣的に使っていなければ、何が習慣化の妨げになっているかを話す ◦ まだプロダクトや機能が無くても顧客とは話せる! • ただし、顧客が言ったことは必ずしも正解ではない • 単に「プロダクトをつくる人も顧客と話そう」というだけの話ではない
  10. • 顧客を理解するためには顧客と話すだけでなく、 同じ体験をすることも重要 • 顧客の会話から学ばせてもらうため、 LINE グループにも入る ↓ • LINE

    グループに溶け込みすぎて、 シフト交代依頼をいただけるように 17 顧客に溶け込みすぎてシフト交代依頼
  11. 20 早く出すためにできること 1. 作らないものを早く決める a. 作るものが多いと実装にも品質保証にも時間がかかる 2. 小さく出し続ける a. リリースの単位が大きいとリスクが大きくなり、顧客への説明コストも増える

    3. 機能の使われ方を理解する a. 顧客の業務の知識だけでなく、どの顧客がどの頻度でどの機能を使っているか理解する b. ここまでの理解があると変更に対するリスクを考慮しやすくなる 4. 安定したリリースを続ける a. インシデントが増えるとブレーキを踏む必要がある b. 「最初から堅牢に作る」わけではないが、安定したリリースは速度を落とさないために重要 5. 上手く動いていないものを捨てる a. スクラム、バックログ、ロードマップなどの作成をやめる b. プロダクトディスカバリーにおいて、顧客と対話してものを作るサイクルと合わなかった