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メンバーの成長を支援する考え方

Satoshi Yoshinaga
November 29, 2023
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 メンバーの成長を支援する考え方

ピープルマネジメントを追求するEMたちの集い【EM Oasis #2】
https://emoasis.connpass.com/event/300152/

Satoshi Yoshinaga

November 29, 2023
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Transcript

  1. 自己紹介 • 名前:吉永聰志 • 所属:株式会社カミナシ • 役割:エンジニアリングマネージャー(EM) • 2016年頃から徐々にEMを始めた •

    現職と前職ではマネジメント専業(プレイング要素なし) • Facebook: https://www.facebook.com/satoshi.yoshinaga
  2. 垂直的な成長 / 水平的な成長 • 垂直的な成長:意識の器の拡大、認識の枠組みの変化 • 水平的な成長:知識やスキルの獲得 • エンジニアリングの世界では成長 =

    水平的な成長 を想起しがち? ◦ 獲得しないといけない知識やスキルの幅と深さが大きく広がっているので ◦ 個人目標設定においても「 xyz な技術を身につけたいです」となりがち • 今日は、垂直的な成長について話します ◦ 「あの人は人間ができている」「器のでかい人だ」 とはどういうことか? ◦ 垂直的な成長を支援するには?
  3. 成人発達理論の5つの段階 • 成人発達理論には、以下の5つの段階がある ◦ 具体的思考段階 ◦ 道具主義的段階 ◦ 他者依存段階 ◦

    自己主導段階 ◦ 自己変容・相互発達段階 • 前の段階の特性を引き継ぎながら、前の段階の限界を超え、次の段階へ進む
  4. 発達段階1: 具体的思考段階 • 言葉を獲得したての子供にみられる段階 • すべての成人はこの段階を超えている • 特徴 ◦ 具体的な事物を思い描いて思考することはできる

    ◦ 形のない抽象的な概念を扱うことはできない ▪ 算数の計算はできるけど、方程式を立てて解くことはできない
  5. 発達段階2: 道具主義的段階(利己的段階) • 要は「ジコチュー」 • 成人の約1割はこの段階 • 特徴 ◦ 抽象的な概念を扱える

    ◦ 自分の関心事項や欲求 を満たすことに焦点が当てられている ◦ 他者の感情や思考を理解することが難しい ◦ 白黒はっきりしているという 二分法的な世界観を持つ ◦ 他社を自分の欲求を満たすための道具として扱うことから「道具主義的」
  6. 発達段階2: 道具主義的段階(利己的段階) • 次の段階に導くには ◦ わがまま、自己中心的な人、で終わらせない ◦ その人のことをより深く理解する ためのコミュニケーションをとる ▪

    どんな趣味があるのか、とかそういうレベルから ◦ 他者の視点に立つ、他者の気持ちを推し量るような機会 を提供する ▪ 教えるのではなく自分の頭で考えてもらうように
  7. 発達段階3: 他者依存段階(慣習的段階) • 組織や集団に従属し、他者に依存する形で意思決定をする • 成人の約7割がこの段階 • 特徴 ◦ 相手の立場に立って物事を考えられるようになる

    ◦ 意思決定基準が他者や所属する組織によって定義されている ▪ 「会社の決まりでこうなっているから」「上司に言われているから」 ◦ 組織や社会の決まり事を従順に守ることから「慣習的段階」とも ▪ 守ること、悪いことではないですよね
  8. 発達段階4: 自己主導段階 • 自律的に行動できる • 成人の約2割がこの段階 • 特徴 ◦ 自分なりの価値体系や意思決定基準

    を持つことができ、主体的、自律的に行動ができる ◦ 段階2との違いは、 欲求や願望 or 自分の価値観 のどちらに焦点があたっているか ◦ 自己成長に強い関心 をもつ ▪ 優秀なICはこの段階にいることが多い気がします ◦ 自分の意見を明確に主張する ◦ 健全な批判精神をもち、経験から持論を形成 できる
  9. 発達段階5: 自己変容・相互発達段階 • 自分の価値観や意見にとらわれず、多様な価値観や意見を的確に汲み取りながら 意思決定ができる • 成人の約1%未満 • 特徴 ◦

    自らの成長よりも、他者の成長 に意識のベクトルが向かう ◦ 他者が成長することで、自らも成長 できるという考え方を持つ(なので相互発達) ◦ 他者と価値観や意見を共有 しながら、コミュニケーションをとる ◦ (ピープルマネージャーっぽさがある)
  10. 意識の発達と曖昧さ • 「人間の意識の発達とは、曖昧さに対する耐久性の増加である」 ◦ 研究者 ジェーン・ロヴィンジャー の言葉 • 意識が成熟していくと、他者、置かれている環境など、自らを取り巻く曖昧なものを より受容できるようになる

    ◦ 例)新しいポジションに就いたばかりの時は、何もわからずアタフタ → 成長していくにつれて徐々に自ら果たすべき役割が定義できるようになる • 曖昧な状況を受け入れる必要があるマネージャーに求められる素養 ◦ 今すぐ白黒はっきりつけられないこと、多いですよね
  11. 発達段階の特徴 • 自分の発達段階より上の段階は、理解や認識ができない • 自分の発達段階より下の段階は、理解できる ◦ なぜならば、自分が発達してきた過程の段階なので • 他者の成長に関わるものの発達段階は、支援の質と効果に極めて大きな影響を与 える

    ◦ 振り返ってみると自分に影響を与えた人の視野や視座は、自分には持てないものだった • シチュエーションに合わせて段階を切り替えられるとよい ◦ 自分自身の成長にフォーカスするために、段階 5→段階4に意図的に変化させる