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AIX
June 11, 2026
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AI Engineering Summit Tokyo 2026 月2億円の広告予算を自律運用する AIエージェントを、 1年かけて現場で作った話 — 1年伴走型
FDE のリアルな実装記 井上聖司 / AIX(株式会社AIX) 2026-06-09 15:50-16:20
登壇者紹介 元脚本家。代表作に「絶対零度」「せいせいするほど愛して る」など。 17歳で起業し、 AIXが6社目となる。 システム開発領域に 7年携わり、前社を事業譲渡後に AIXを 設立。 1期目から上場企業を含む
10社と契約し、年間 5億円のイン パクトを創出。 井上 聖司 (イノウエ キヨシ)
1年前の現場 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026 広告運用者は、ディズニーランドにも PCを持っていっていた。
休日・深夜に CPA が暴発する 想定の10倍の CPA で、数百万円が溶ける事故も年に数回 でも社長含む全員が思っていた —— 「広告運用なら、仕方ない」 CPA 暴発 ×10 想定比のCPA悪化 → 数百万円が溶ける 2 / 33
1年後 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026 いま、その判断は AIエージェント
が自律運用している。 月2,000万円 暴発(CPA超過)の削減 24時間 人間を張り付きから解放 約5億円 1年トータルの収益アップ 「仕方ない」から「自律運用」へ —— その1年を、設計と事故まで公開します。 3 / 33
1 AIXとFDE AIXについて AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
AIX —— プロダクトを持たない、 FDE クライアントの現場で 1年単位で伴走 経営レイヤーで入り、現場でシステムを作って 収益に効かせる 体制(1クライアント) PM(井上) エンジニア 1〜2名 4 / 33
1 AIXとFDE FDEとは何か AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
FDE = 現場理解し、要件発見から実装導入、 KPI検証までを回しきる人間 現場理解 要件発見 導入 KPIで効果検証 改善 この PDCA を「現場で」マネジメントする。 5 / 33
1 AIXとFDE Palantirとの違い AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
プロダクトを「持たない」ことが、現場では効く プロダクト型 FDE 独立系 FDE(AIX) 主眼 自社プロダクトを現場にフィット 現場に最適なものを0から作る 合わない時 苦しい 作り直せる 利益相反 起こりうる 起きない 6 / 33
2 Before:属人運用 現場の規模 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
月2億円を、20人が手動で運用していた 約20人 運用担当(1人あたり 約3媒体) 対象6媒体(自社商材を内製運用・代理店なし) Yahoo! Google META LINE SmartNews Bytedance 7 / 33
2 Before:属人運用 データが分散しきっている AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
「正しい数字」が、どこにも一つにまとまっていない 媒体管理画面 媒体側 CV / CPA / CTR / CPM ECforce 実際の CV スクワッドビヨンド 記事LP スプレッドシート 実CPA計算 媒体側CVと実際CVは「乖離」する —— その乖離自体が、広告の学習を読む手がかり。 8 / 33
2 Before:属人運用 一番の問題 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
「最高の広告運用」を、現場の誰も定義できていなかった 属人 運用が上手い人・下手な人で差が激しい バラつき チームごとに体制がバラバラ(同じ社内なのに) 未整備 システムはほぼ未導入 → DX余地が巨大 9 / 33
3 なぜPoCでは無理か どう入ったか AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
「広告システムを作って」とは言われていない 依頼:1年間「常に AI最適化された状態」を保つコンサル 組織図・決算・人員・給与から分析 売上比率の高い 通販部 門 広告 キー変数 =「予算消化額」 予算が消化されないと売上が立たない —— だから効くのは「予算消化額」。 10 / 33
3 なぜPoCでは無理か なぜ3ヶ月PoCでは無理か AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
現場が「最高の運用」を定義できていない → 要件は降りてこない 要件をくれと言えば「 CPAだけじゃ運用できない」と返ってくる 言われるまま作る → 何がしたいか分からないシステムに 受託もPoCも、ここで必ず詰む だから「理解」から始め、フェーズを分けて設計した —— これが1年かかる理由。 11 / 33
4 フェーズ1:あえてAIを使わない フェーズ1の方針 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
最初の一手は、 AIではなかった。 まず潰すべきは「損切りラインのないキャンペーン」 ここにAIは要らない。安いシステムで現場が変わる。 12 / 33
4 フェーズ1:あえてAIを使わない KPIを定義した AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
「良質な予算消化」と「悪質な予算消化」 良質な予算消化 ROAS の合う CPA で回っている予算 悪質な予算消化 それ以外(=暴発) 全員の方向が、この 2語 で揃った。属人性を消す最初の一手は、コードじゃなく定義。 13 / 33
4 フェーズ1:あえてAIを使わない 一番難しかった「定義」 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
人間の “様子見” を、どうルール化するか 暗黙の感覚値 「CPAは超えてるけど、消化額がまだ少ないから 様子見」 「クリックはついてるから、もう少し待つ」 設定可能なパラメータへ 深夜は CPA許容 を広げる クリック数が一定以上なら許容を広 げる 14 / 33
4 フェーズ1:あえてAIを使わない 作ったもの:独自管理画面 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
全媒体・全キャンペーンを、 1画面で 全媒体のリアルタイム情報を一元表 示 オン/オフ・日予算変更もここから 担当者ごとに停止ロジックを自由に 設定 15 / 33
4 フェーズ1:あえてAIを使わない Build vs Buy AIX / AI Engineering Summit
Tokyo 2026 なぜサードパーティを使わず、内製したか 既製ツール=各媒体の管理画面の延長 → 要件を満たさない 実際CV(ECforce)・複数の外部ツールを束ねる必要 現場の運用を変えずに、その “上” に被せる必要があった だから、内製のほうが速かった。 16 / 33
4 フェーズ1:あえてAIを使わない フェーズ1の成果 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
AIを使う前に、月 2,000万円 の暴発を止めた グローバル設定:一定 CPA超過で 強制ストップ 停止ロジック未設定の担当者には Slackで自動アラート 「損切りラインなし」を確定で潰す 結果:AIゼロで、悪質な予算消化を 月2,000万円 削減。 17 / 33
5 本番事故と多層防御 本番事故 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
「止めたはずのキャンペーンが、動き続けていた」 原因:ドメイン知識不足(キャンペーンとアドグループの階層理解が浅い) 人間は「システムが止めてくれる」と信じ、気づきが遅れた 救ったのは “一元管理画面 ” —— 別の人が気づいて事なきを得た。 18 / 33
5 本番事故と多層防御 学び:多層で止める AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
システム依存は「人間が気づかない」を生む 1層目 担当者ごとの停止ロジック 2層目 グローバル強制ストップ 3層目 Slack 自動アラート 4層目 人間の最終監視 自動化の裏で、人間の監視能力は必ず落ちる —— それを前提に設計する。 19 / 33
6 フェーズ2:定義をAIで拡張 フェーズ2へ AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
定義が揃って初めて、 AIの出番が来る フェーズ1で「取れていなかったデータ」が取れるようになった 各人の運用ロジックが、強制的に可視化された 20 / 33
6 フェーズ2:定義をAIで拡張 AIXの型 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
フェーズ1で「定義」、フェーズ 2で「AIが拡張」 フェーズ1(非AI) 現場で未定義の部分を、システムで定義 する。裏付けデータが揃う。 フェーズ2(AI) 定義をAIが実行する。さらに、 AIが 定義を拡張・組み合わせて計画す る。 21 / 33
6 フェーズ2:定義をAIで拡張 AIが出した結論 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
長年の現場の直感は、間違っていた “CPA超過でも消化が少ないから様子見 ” —— そんなパターンは無視。 とにかくガチャ的に入稿を回す方が、良質な予算消化は増える。 ↑ システムによって管理できるキャンペーン量、入稿数が増えたことによって実現した 22 / 33
6 フェーズ2:定義をAIで拡張 なぜそれが可能になったか AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
システム化が、人間の「打席数」を 1.5倍 にした ×1.5 1人あたり運用 キャンペーン数 イレギュラー( CPA悪化→後で良質化)を待たずに当てられ る 精神と稼働を削っていた作業を機械に渡した 打席が増えたから、当たりを引けるようになった 23 / 33
6 フェーズ2:定義をAIで拡張 フェーズ2の構成 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
仮説を出す AI + 結果を返す AI、最後は人間が承認 仮説エージェント 全媒体ナレッジから、この商材向 けの推奨ロジックを提案 結果エージェント 結果を返す 人間が後承認 開始後の細かい設定 から解放 24 / 33
6 フェーズ2:定義をAIで拡張 あえて完全自律にしない AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
「実験→効果検証→自動採用」のループは、まだ作っていない 今は「AIが仮説 → 人間が評価」で止めている 完全自律は見えるが、開発コスパで “今はやらない ” 判断 部下と同じ。任せきりにはしない。最後は上司(人間)が見る 25 / 33
7 評価メカニズムと文化変革 評価の思想 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
「この設定は正しいか ?」を個人に委ねると、属人化する 人間も “絶対に正しい設定” は分からない だから判断ではなく「良質/悪質の消化額」というKPIで揃える 評価軸を共通化したことが、属人性を壊した本体。 26 / 33
7 評価メカニズムと文化変革 人はどう変わったか AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
恐怖より、解放だった before 数字に張り付く 属人運用 after クリエイティブ作成・媒体拡大へ時間を回せる 上手い人 → AIを駆使する “分析マン” に進化 27 / 33
7 評価メカニズムと文化変革 文化が変わった AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
朝の「広告方針会」が、エージェント改善会議になった before:広告方針会 人間が運用方針を決める会議 after:改善会議 エージェントの改善案・追加機能 クリエイティブの良し悪しを議論 入稿も半自動/クリエイティブの作成・チェックまでエージェントが担当。 28 / 33
8 クロージング 再現可能な「型」 AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
これは1社の話ではなく、再現可能な型 1 現場理解 2 キー変数を決める 3 定義するシステムを作る 4 AIが実行 5 AIが精度向上・拡張 29 / 33
8 クロージング メッセージ ① AIX / AI Engineering Summit Tokyo
2026 AIの前に、「定義」がある。 人間の判断は曖昧で、あまり正しくない まず非AIで定義を炙り出し、その上で AIが拡張する 「いきなり AI」は、たいてい目的不明のシステムを生む 30 / 33
8 クロージング メッセージ ② AIX / AI Engineering Summit Tokyo
2026 これからのエンジニアは、 “作る人” ではない。 現場を理解し / キー変数を決め / 定義をシステム化し / AIに渡す人 「作るだけ」「レビューだけ」のレイヤーが残る —— それも時間の問題 現場と話し、コンサルのようにシステムを導入できる力が必須スキルに 31 / 33
8 クロージング 締め AIX / AI Engineering Summit Tokyo 2026
エンジニア 1人で、月2億円を動かす。 この案件、エンジニアは 1人。フェーズ 1=2ヶ月 / フェーズ2=+4ヶ月 AIXは PM + エンジニア 1〜2名で、現場理解から全部やる AIXでは“辞めた後も大活躍できるエンジニア ” が育つ場所を作っている 32 / 33
Thank you ご清聴ありがとうございました このあと 16:20- ブースで Ask the Speaker AIX
/ LoreOS