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インサイトを捉える・活かす技術

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December 30, 2025
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 インサイトを捉える・活かす技術

人の行動や意思決定の背景にあるインサイトを捉える構造について整理した資料です。
インサイトという言葉は聞いたことがあるものの、「何を指すのか」「どうやって捉えるのか」「どう活かせばよいのか」が曖昧な方に向けて、基礎的な考え方から順を追って解説しています。

顕在ニーズ・潜在ニーズとの違いや、行動・感情・前提・欲求・物語といった層構造を通じて、
なぜ人はその行動を取るのかを構造的に理解し、企画や構想に活かすための思考の型をまとめています。

<本資料の内容>
・インサイトとは何か
・洞察・ニーズ・インサイトの違い
・インサイトを捉える構造
・よいインサイトのポイント
・捉えたインサイトを構想に活かすステップ

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December 30, 2025
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Transcript

  1. ©Akihiro Kato All rights reserved インサイトを捉える構造が解決する課題 3 価値提案が 「機能説明」から 抜け出せない

    顧客像(N1)が 曖昧で議論が中々 噛み合わない アイデアはあるが 「なぜそれをやる のか」が弱い 課題設定が浅く、 解決策が コモディティ化する
  2. ©Akihiro Kato All rights reserved インサイトを捉える構造によって得られる効果 4 提供価値を 「機能 →

    意味充⾜」 に翻訳できる 「どんな⾏動を、 どんな前提‧物語 で取る⼈か」 顧客定義できる 課題を「⾏動が成⽴ する意味の歪み」と して再定義できる 「なぜその⼈に とって重要なの か」が説明できる
  3. ©Akihiro Kato All rights reserved 前提:インサイトを捉える‧活かす技術とは 6 ⼈の⼼理や本⾳、価値観、無意識の欲求を捉え、構想に活かす、その⽅法について解説 技術とは‧‧‧ 1.物事を取り扱ったり処理したりする際の⽅法や⼿段。

      また、それを⾏うわざ。   「—を磨く」「⾼度な表現—」 2.科学の研究成果を⽣かして、   ⼈間⽣活に役⽴たせる⽅法。   「先端—の導⼊」「産業界における—⾰命」 インサイトとは‧‧‧ 物事の本質を⾒抜くこと。洞察。明察。 ※マーケティングにおけるインサイトとは‧‧‧ 顧客⾃⾝も気づいていない、購買⾏動や消費の背景にある 深層⼼理、本⾳、価値観、無意識の欲求
  4. ©Akihiro Kato All rights reserved 洞察‧インサイト、その違いとは? 8 観点 洞察 インサイト

    品詞的性格 動作‧⾏為 名詞的な理解内容 主体 観察する⼈ 得られた理解 状態 プロセス 結果 ニュアンス 能⼒‧働き 内容‧成果 洞察とは「⾒抜く⾏為‧能⼒」、インサイトとは「⾒抜いた結果としての理解」である
  5. ©Akihiro Kato All rights reserved ニーズとインサイト、その違いとは? 11 ⾃覚 ⾔語化 深さ

    正体 例 顕在ニーズ ある 容易 表層 要求 要望 今、こうしたい こうしてほしい 潜在ニーズ ほぼない 難しい 中層 隠れた 欲求 本当はこう感じたい こうしてほしい インサイト ほぼない ⾮常に 難しい 深層 ⾏動の 理由 ⾃分は、 こういう⼈でありたい こういう⼈だと思われたい
  6. ©Akihiro Kato All rights reserved インサイトを捉える構造 13 ⾏動 この⼈は、何をしているか? 感情

    その⾏動のとき、どんな気持ちだったのか? 前提 この⼈は、世界をどういう前提で⾒ているか? 欲求 この⼈は、何を満たそうとして動いているのか? 物語 この⼈は、⾃分をどんな⼈だと思っているか? 思いたいか? 把握すること 顕在ニーズ 潜在ニーズ インサイト 事実 深い理解 • 実際に取っている⾏動 • 発⾔‧操作‧選択‧回数‧タイミングなど • 誰が⾒ても同じように確認できること ポイント • 解釈しない • 評価しない • 事実だけを書く 把握すること • ⾏動している最中‧直前‧直後の気持ち • 不安、焦り、安⼼、期待、緊張など • ポジティブでもネガティブでもOK ポイント • 感情は理由ではない • あくまで「反応」 把握すること • 本⼈にとっての「当たり前」 • 無意識の思い込み‧価値観‧ルール • 「〜すべき」「〜であるはず」など ポイント • 本⼈は前提に気づいていない   ことが多い • 感情が⽣まれる“原因” 把握すること • ⾏動や判断を⽀えている深い動機 • ニーズ/〜したいではなく存在レベルの欲求 • 誰が⾒ても同じように確認できること ポイント • ⾏動は変わっても、欲求は   あまり変わらない • ここが⾒えると理解が⼀気に深くなる 把握すること • ⾃分はこういう⼈間だ…という⾃⼰認識 • どんな⾃分でありたいか∕どう⾒られたいか • ⼈⽣や役割に⼀貫して流れているストーリー ポイント • ⾏動‧判断‧欲求に意味を与える   最深層 •ここまでつながるとインサイトになる インサイトを捉えるとは、⾏動の背後にある「意味の構造」を⾒抜くことである
  7. ©Akihiro Kato All rights reserved 14 ⾏動 この⼈は、何をしているか? 感情 その⾏動のとき、どんな気持ちだったのか?

    前提 この⼈は、世界をどういう前提で⾒ているか? 欲求 この⼈は、何を満たそうとして動いているのか? 物語 この⼈は、⾃分をどんな⼈だと思っているか? 思いたいか? 把握すること 顕在ニーズ 潜在ニーズ インサイト 事実 深い理解 • 実際に取っている⾏動 • 発⾔‧操作‧選択‧回数‧タイミングなど • 誰が⾒ても同じように確認できること ポイント • 解釈しない • 評価しない • 事実だけを書く 把握すること • ⾏動している最中‧直前‧直後の気持ち • 不安、焦り、安⼼、期待、緊張など • ポジティブでもネガティブでもOK ポイント • 感情は理由ではない • あくまで「反応」 把握すること • 本⼈にとっての「当たり前」 • 無意識の思い込み‧価値観‧ルール • 「〜すべき」「〜であるはず」など ポイント • 本⼈は前提に気づいていない   ことが多い • 感情が⽣まれる“原因” 把握すること • ⾏動や判断を⽀えている深い動機 • ニーズ/〜したいではなく存在レベルの欲求 • 誰が⾒ても同じように確認できること ポイント • ⾏動は変わっても、欲求は   あまり変わらない • ここが⾒えると理解が⼀気に深くなる 把握すること • ⾃分はこういう⼈間だ…という⾃⼰認識 • どんな⾃分でありたいか∕どう⾒られたいか • ⼈⽣や役割に⼀貫して流れているストーリー ポイント • ⾏動‧判断‧欲求に意味を与える   最深層 •ここまでつながるとインサイトになる ★ ⼝コミを何⼗件も読む ★ エージェントに何度も確認する ★ 決断を先延ばしにする ★ 期待と不安が混在 ★ 失敗への恐怖 ★ 転職は⼈⽣の⽅向性を決める」 ★⼀度失敗すると取り返しできない ★ 納得して選びたい ★ ⾃分分の判断を肯定したい ★ ⾃分のキャリアをちゃんと   選んでいる⼈でいたい」 (例)決断できない転職検討者のインサイト インサイトを捉えるとは、⾏動の背後にある「意味の構造」を⾒抜くことである
  8. ©Akihiro Kato All rights reserved よいインサイトとは? 16 よいインサイト 5つのポイント 【①説明可能性】

    ⾏動を⾃然に 説明できること 「だから、この⼈はこの ⾏動を取るのか」が⼀撃 で腑に落ちる 【②汎⽤性】 複数の⾏動を⼀貫して説 明できること 1つの⾏動だけでなく、 別の場⾯‧別の選択も同 じ理由で説明できる 【③構造的⼀貫性】 ⾏動→感情→前提→欲求 →物語の⽭盾がない どの階層の理由を聞かれ ても、次の階層が“⾃然 な理由”として返せる ポ イ ン ト 説 明 【④存在欲求性】 「〜したい」ではなく 「どうありたいか」 行動欲求ではなく、存在レ ベルの欲求に到達してい る 【⑤⾏動変容性】 満たせば⾏動が 変わりうること 説明できるだけでなく、 未来の⾏動を変える可能 性がある
  9. ©Akihiro Kato All rights reserved 捉えたインサイトを構想に活かすか? 18 インサイトを確定する 意味の⽋乏を特定する 提供価値に翻訳する

    ⾏動変化を定義する ⾏動変化が起きるために 体験要件の定義をする サービスコンセプトを 1⽂にまとめる ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ どんな⼈が、どんな⾏動を、どんな理由で取っているのかをはっきりさせる。この⼈は 「何に困っているか」ではなく、「どんな物語/⾃分像を守ろうとしているか」を特定する。 なぜ今、その⼈にとって⼤事な意味が満たされていないのかを明らかにする。 情報不⾜や機能不⾜ではなく、「納得‧安⼼‧⾃信などの意味が⽋けている状態」を⾒つける。 ⽋けている意味を、サービスとして提供できる価値の⾔葉に置き換える。 「何ができるか」ではなく、「何が満たされればいいか」で価値を定義する。 その価値が満たされたら、⾏動がどう変わるかを具体的に描く。 ⽐較しなくなる、迷わなくなる、決断できるなど「Before∕After」で⾏動を⾔語化する。 ⾏動が変わるために、⼈はどんな状態を“体験している必要があるか”を整理する。 ここでは機能を考えず、「判断軸が⾔葉になっている状態」など体験の要件として定義する。 ①〜⑤を⼀⽂に束ね、「なぜこのサービスなのか」を迷いなく⾔える形にする。
  10. ©Akihiro Kato All rights reserved (例)決断できない転職検討者のインサイトを活かした構想 19 インサイトを確定する 意味の⽋乏を特定する 提供価値に翻訳する

    ⾏動変化を定義する ⾏動変化が起きるために 体験要件の定義をする サービスコンセプトを 1⽂にまとめる ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ どんな⼈が、どんな⾏動を、どんな理由で取っているのかをはっきりさせる。この⼈は 「何に困っているか」ではなく、「どんな物語/⾃分像を守ろうとしているか」を特定する。 なぜ今、その⼈にとって⼤事な意味が満たされていないのかを明らかにする。 情報不⾜や機能不⾜ではなく、「納得‧安⼼‧⾃信などの意味が⽋けている状態」を⾒つける。 ⽋けている意味を、サービスとして提供できる価値の⾔葉に置き換える。 「何ができるか」ではなく、「何が満たされればいいか」で価値を定義する。 その価値が満たされたら、⾏動がどう変わるかを具体的に描く。 ⽐較しなくなる、迷わなくなる、決断できるなど「Before∕After」で⾏動を⾔語化する。 ⾏動が変わるために、⼈はどんな状態を“体験している必要があるか”を整理する。 ここでは機能を考えず、「判断軸が⾔葉になっている状態」など体験の要件として定義する。 ①〜⑤を⼀⽂に束ね、「なぜこのサービスなのか」を迷いなく⾔える形にする。 転職検討者は、条件が決まらないから迷っているのではなく、「⾃分のキャリアを ちゃんと選んでいる⼈でいたい」という⾃⼰像を守ろうとして⾏動している。 今の状態では、⾃分の判断に対して納得や確信が持てず、 「この選択でいい」と⾔い切れない意味が⽋けている。 そこで提供すべき価値は、求⼈情報ではなく、 ⾃分の判断に理由と納得を持てる状態をつくることである。 この価値が満たされると、転職検討者は⽐較や確認を続ける状態から、 ⾃分の⾔葉で選択理由を語り、決断できる状態へ変わる。 決断に⾄るためには、⾃分のキャリア軸が⾔語化され、 過去の選択と今回の決断が⼀貫して⾒える状態を体験している必要がある。 このサービスは、「⾃分のキャリアをちゃんと選んでいる⼈でいたい」転職検討者が、 ⾃分の判断に納得し、理由を持って決断できるようにするためのサービスである。