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Quality First & Fastを実現するオフショア開発のポイント9選

aketada
August 04, 2020
1.4k

Quality First & Fastを実現するオフショア開発のポイント9選

楽楽精算の開発規模が大きくなり、ベトナム拠点でオフショア開発をしています。
オフショア開発をする中で開発速度と品質をどうあげるかは常に課題になっています。
不確定要素があると認識齟齬が起きる、1から100までレクチャーすると準備に時間がかかるそのジレンマの中で
抑えておくべきマネージメントスキル、コミュニケーションスキルをご紹介します。

aketada

August 04, 2020
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Transcript

  1. #RAKUSMeetup 樋口朱理(ひぐちあけただ) 2013.04 某パッケージベンダーに入社 会計製品のログイン/セキュリティ/ ワークフローを担当 インド人4名の部下と英語でやりとり 2019.09 ラクス オフショア担当として入社

    オフショア担当 案件の手配と受入作業 レビューと管理 日本チームへの成果物の説明 2020.04 開発チームリーダー スマホ開発チーム4名 オフショアチーム3名 国内開発、オフショア開発問わず プロジェクトマネージメント 1989.07.29生 31歳 趣味 酒、犬、子
  2. #RAKUSMeetup Quality First & Fastを実現する • Quality First → 品質第一

    機能開発における品質の担保 • Fast → 速さ 機能開発における開発スピード • どちらも欠かすことのできない要素であり、トレードオフになりやすい
  3. #RAKUSMeetup オフショア開発のフェーズ • 黎明期:現地に長期出張し、依頼元のノウハウを依頼先に溜め込む時期 • 成長期:蓄積したノウハウを実践しつつ Try & Errorを繰り返している時期 •

    成熟期:今までの経験から安定して高い成果を出せる時期 • 衰退期:依頼元の事情により、依頼先の縮小/撤退をはかる時期 黎明期 成長期 成熟期 衰退期 RAKUS
  4. #RAKUSMeetup パートナーの国の特徴を捉える • ラクスの場合は、ベトナム (2014年5月子会社 RAKUS Vietnam Co.,Ltd) • 親日である

    • 若い世代が多い • 組織はフラット型、キャリア志向は弱め、給与の優先順位は高め • 仕事は熱心、勤勉、そして思考は柔軟 • プライベート優先、家族をとても大事にする、帰属意識が高い • 対立型、合意志向、自分への自信は高め • 良いコミュニケーションはシンプルで明確で直接的である • 時間は柔軟に考える
  5. #RAKUSMeetup 日本が特殊な国だということを理解する • 良い会話は繊細で含みがあり、行間があり、はっきり言わない • ネガティブなフィードバックは間接的にする 〇〇としてどうか • 世界から見てもコミュニケーションの取り方が独特 日本

    オランダ オーストラリア ドイツ デンマーク アメリカ カナダ イギリス イスラエル スペイン ロシア イタリア フランス ブラジル アルゼンチン メキシコ インド サウジアラビア ケニア 中国 タイ ローコンテクスト ハイコンテクスト 直接的な ネガティブ フィードバック 間接的な ネガティブ フィードバック ベトナム
  6. #RAKUSMeetup 日本が特殊な国だということを理解する • スケジュールに対する意識はかなり計画的 日本 スイス オランダ ドイツ デンマーク アメリカ

    ナイジェリア イギリス スウェーデン スペイン ロシア イタリア フランス ブラジル チェコ メキシコ インド サウジアラビア ケニア 中国 トルコ 計画的 柔軟 ポーランド ベトナム
  7. #RAKUSMeetup とにかく褒める • そもそも文化も考え方も仕事の仕方も違うもの • ネガティブなフィードバックは重く捉えられがち • 日本とのコミュニケーションが億劫になる • 日本のやり方を吸収しやすい、したいと思う関係づくりをつくる

    • 小さい良いことも褒める、たくさん褒める • コードが良かった、レビューが良かった、バグがなかった、学習が速かった • 一部不足があっても、良い点を褒める • FBは「〇〇やってくれてありがとう」「次はこうしたらもっと嬉しい」 • 成果も過程も、その価値をわかりやすく伝えてあげる
  8. #RAKUSMeetup 動向を数値をもって定点観察する • 目標値と見積もりを決定 労働投入量 例:3ヵ月180人日規模 労働生産性 成果を出す上での効率 • 日次進捗を管理

    ・進捗が悪くても会議の場で深堀りはせず「OK 」と返答し、後ほど考察 ・見積もりが甘い、難易度が合わない、資料の不足/変更 見積もり直し、追加の労働投入量の検討 ・アサインが合わない、情報不足、仕様理解不足 情報伝達、コミュニケーションの頻度を増やす 労働による成果 (付加価値) 労働投入量 (人×時間の労働量) 労働生産性 = Action Action
  9. #RAKUSMeetup 具体性の高い情報伝達をよくする • 依頼する資料が情報のすべて →日本側の依頼の経緯まで現地メンバーは追えない • 考えてほしいポイントを明らかにする 決まっていること・・・ Databaseの定義、ソースの構成など 決まっていないこと・・・ロジックの組み立て

    • タイムラグのない情報伝達をする ・疑問があることはすぐに解消する ・日本側で窓口を用意してメンバーが気軽に質問できる環境をつくる →密にコミュニケーションをとることで大きな手戻りの発生が少ない
  10. #RAKUSMeetup 日本の設計観点を伝える • 製品開発の経験を積んでいくと、メンバーの開発熟練度も自然にあがる • 経験のみでスキルを培った場合、メインケースに考慮が偏ることが多い • あらゆる業務シナリオを網羅する • 利便性の追求

    ユーザー目線の簡易な操作、簡易な把握 • 異常系のパターンの深堀 通信の失敗、Databaseの登録の失敗、誤操作があったとき • 日本側の良しとする判断基準、その判断に必要な材料を提示する • 調査時に発覚した追加要素の対応
  11. #RAKUSMeetup 段取りを大切にする • 品質担保の観点ですべて現地で完結させることは難しい • 日本側で有識者/ステークホルダーにレビューを依頼する必要がある • 登場人物が増えることでフィードバックも複雑になりがち • 日本の開発スケジュールにあわせる場合予め計画立てる

    現地の言語がある場合は翻訳作業がある 成果物をオフショア担当がよく理解し、ステークホルダーに正しく伝える ステークホルダーのフィードバックを、現地メンバーに正しく伝える 現地メンバー オフショア担当 ステークホルダー
  12. #RAKUSMeetup オフショア開発のポイント9選 • パートナーとなる国の特徴を捉える • 日本が特殊な国だということを理解する • とにかく褒める • 動向を数値をもって定点観察する

    • 具体性の高い情報伝達をよくする • 供給と受入の中間報告を設ける • 日本の設計観点を伝える • 段取りを大切にする • 日本チームに向けてアピールする