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_事務局修正3_03_富士山エリア観光DX革新コンソーシアム__1_.pdf

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  1. 目次 1. 事業概要 2. 活用する観光資源 3. 開発する技術 4. 事業スケジュール 5.

    実証内容とKPI 6. 実証結果の分析・評価 7. 考察と課題 8. 事業継続に向けた取組
  2. 3 1.事業概要 背景・ 課題意識 及び狙い 富士山エリアは、雄大な景色や多くの観光施設を有する日本を代表する観光地である。しかし、特定の観光施設 のみを訪れて帰る観光客が多く、このエリアの魅力を最大限に活かしきれていない課題がある。そこで本事業では、 各観光施設と移動手段とをシームレスに繋ぐ仕組みとして、顔認証と周遊eチケットを融合した「手ぶら観光サー ビス」を構築することで、回遊性の向上と地域観光収益の拡大を目指す。 応募団体名

    富士山エリア観光DX革新 コンソーシアム 構成団体 (代表団体は★) • パナソニック システムソリュー ションズ ジャパン㈱ ★ • パナソニック㈱ • 富士急行㈱ • ㈱ナビタイムジャパン <後援> 富士吉田市、富士河口湖町、 鳴沢村、忍野村、山中湖村、 ㈳富士五湖観光連盟 実施エリア 山梨県 富士五湖周辺エリア 事業内容 富士五湖周辺エリアの5つの自治体に跨る複数の観光施設、交通機関(周遊バス、鉄道)に、顔認証と周遊eチケッ トを融合した「手ぶら観光サービス」を導入し、エリア全体の回遊性の向上と観光収益の最大化を検証する。 周遊eチケット サービス概要 アプリ画面 利用シーン 施設入場 バス利用 鉄道利用 決済 富士急ハイランド1日フリーパス、観光8施設・ 周遊バス4路線・鉄道5駅の2日間使い放題 対象施設は すべて顔認証可能
  3. 2.活用する観光資源 分野 【場所】 富士五湖周辺エリア 【技術】 共通ID管理技術、顔認証技術、パーソナルレコメンド技術、周遊チケットのダイナミック プライシング技術、自動着券精算(収益配分)技術、リアルタイム混雑可視化技術、 旅程プランニング作成コンテンツ技術 【コト】 ①新たな観光コンテンツの提供

    ・周遊eチケットと顔認証技術を融合した地域交通・施設の回遊性向上 ・行動分析による観光促進・体験価値向上 ②新たなエリアマネジメントの創出 ・周遊eチケットのダイナミックプライシングによる地域収益の最大化 ・会員アプリを活用し電子クーポン発行、地域情報提供による消費機会の拡大 概要 本事業で対象とする富士山エリアは、年間延約4,000万人の観光客が訪れ、雄大な風景、多くの観光施設や 歴史・文化があり、国内外でも有名な観光地である。令和3年度の事業では、富士山エリアの中でも観光客の 来訪者数が多く、雄大な風景に囲まれた中に遊園地や温泉、洞窟、遊覧船、博物館など多くの観光施設や周遊バ スなどの交通機関を擁する、富士五湖エリアを実証実験の対象とし、新たな地域観光モデルの検証を行う。 活用する観光資源の概要 ▪富士五湖周辺エリアの魅力 ・富士山を中心とした豊かな自然と、多くの観光施設を有する観光地 ・年間の観光客数 3,768万人 (山梨県全域 コロナ禍以前 平成30年※1) ▪観光産業の課題 ・特定の観光施設のみ立ち寄って帰る観光客が多い (エリアの魅力を活かしきれていない) ★平均訪問施設数 1.3ヵ所※1 ・コロナ禍からの観光需要回復が急務(感染症対策との両立) ★観光客数 対前年比▲51.3%※2(1,688万人) ▪実証実験の狙い 「手ぶら観光サービス」により回遊性を向上し、 一度の観光での訪問施設数を増加 ※1:平成30年山梨県観光入込客統計調査報告書 ※2:令和2年山梨県観光入込客統計調査報告書 本実証の対象エリア: 富士五湖周辺エリア ~5つの自治体にまたがる観光施設(9ヵ所)、交通機関(バス、鉄道)~ 4
  4. 5 3.開発する技術 知的財産戦略等 • ダイナミックプライシングに関する特許3件 2021年12月に特許出願済 開発する技術の概要 技術名 技術の概要 特徴・新規性(場所・技術・コト)

    ①共通ID管理技術 対象の施設/交通機関の利用や決済を、共通ID (顔認証)で利用する為の、様々な認証機能やデータ 基盤の統合サーバ、及び本人情報登録やチケット購入 機能を有するサイトを開発。 • 富士五湖エリアを回遊する顔認証周遊eチケットに適用 • 複数の顔認証エンジンやQRコードの認証が共通IDで利用可能 • 施設、交通機関、決済のすべてが顔認証により手ぶらで利用可能 ➁顔認証技術開発 マスクに対応した顔認証エンジンで、コロナ禍でも顔認証 による観光を可能にする。鉄道向けには最先端の 顔認証技術を活用したウォークスルー型改札を開発。 • 観光施設9ヵ所、周遊バス4路線、鉄道5駅で顔認証利用可能 • 鉄道改札(2駅)にはウォークスルー型顔認証を適用 • コロナ禍でマスク装着時でも顔認証を利用可能 ③パーソナルレコメンド 顔認証ログによる位置情報を活用し、利用中の施設 以外の施設への誘客を促し回遊を促進する電子 クーポン配信の仕組みを開発。 • 個人毎のリアルタイムの位置情報(顔認証ログ)に応じた 周辺施設の電子クーポン(16種類)を配信 • 広域観光エリアの回遊における多くの施設を訪問する楽しみを促進 ④ダイナミックプライシング 来場者実績データ、天候などから遊園地の来場者 予測、それに基づく周遊eチケットの価格カレンダーと 購買分析。実証全期間と購入実績を加味した2週間先の 価格カレンダーを生成。 • 前日の実績データを反映 • 天気・コロナ禍影響の有無を予測に反映 • 観光向け周遊eチケットへの適用 ⑤顔認証ログを利用した 自動着券精算 各施設や交通機関の顔認証ログから、ダブルカウント等 を排除した正確な利用人数実績を抽出し、実績に 応じた周遊eチケットの収益配分が可能な仕組みを開発。 • 顔認証ログにより対象の施設及び交通機関の利用実績を可視化 • 周遊eチケット収益の参画施設への収益配分に適用 (合理的な新たなエリアマネジメントモデルの実現) ⑥リアルタイム混雑可視化 観光施設の混雑情報を、画像解析技術による人数カウ ントにより可視化。またバスの混雑情報と現在位置を、 BLEスキャン解析技術による人数カウントにより可視化。 • 観光施設(7ヵ所)、バス(4路線)のリアルタイム混雑情報を提供 • 画像解析、BLEスキャン解析による人数カウントで混雑可視化 • 混雑情報から、密集回避や、施設利用時の待ち時間短縮を促進 ⑦旅程プランニング作成 旅行前に、観光地の情報収集や旅行プランの作成 を簡単に行うことができるおでかけサポートツール を開発。 • 効率的な回遊を促進するための旅行前の計画作成をサポート • 魅力を最大限に堪能できるお勧め周遊プランを提供 • 個人の好みに合わせた旅程プラン作成で回遊性・体験価値向上
  5. 6 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2022年 1月

    企画・ 検討 プロ モー ション 実証 評価 4.事業スケジュール イベント振り返り 実証実験 本事業における全体スケジュール 全体評価 事業計画更新 ★6/1 コンソーシアム全体会議 (後援団体含む) SNS投稿 Webページ、チラシ ★10/27 プレスリリース、メディア体験会 (66媒体以上に掲載) 広告 (富士急グループHP、自治体HP、NAVITIMEアプリ等) ★12月~ 検索サイト広告 ★10/27~ Web販売、事例紹介HP、電車バス中吊広告、ポスター掲出 ★12/17~ 現地・大学チラシ配布 ★10/27~ 各社アカウント投稿 ★12月~ SNS広告 ★11/12~ インフルエンサー投稿 青文字は追加施策 ★9/22 コンソーシアム全体会議(後援団体含む) 実証実験詳細設計 ★1/19 コンソーシアム全体会議(後援団体含む) プロジェクト全体連絡会 (2週に1回) ※11月以降は週1回 ★11/1~実証開始 追加実証 ★1/1~1/16 追加実証 ★10/27~チケット販売開始 システム開発、テスト
  6. 7 5.実証内容とKPI 実証イメージ、実証風景 実証項目 実証内容 活用技術 KPI 新たなコンテンツ提供 (回遊性・体験価値向 上)

    ①利用施設数増加の検証 利用ログ(顔認証ログ)、アンケートから、施設利用の傾向や 利便性の分析・評価を行い、本事業が回遊性・体験価値の向 上により多くの施設への訪問に繋がったかを評価する。 ・顔認証共通ID管理 ・パーソナルレコメンド ・旅程プランニング 平均利用施設数 3.0箇所 【結果:3.4箇所】 考察は後述 ➁行動特性変化の検証 顔認証ログ等による行動ログ、電子クーポン発行ログ、アン ケートによる行動分析により、電子クーポンによる行動変容 の効果や、回遊性向上の課題を評価する。 新たなエリアマネジ メントの創出 (地域観光収益最大化) ③ダイナミックプライ シングの効果検証 遊園地の来場者予測に基づき実証期間の価格カレンダーを設 定。前日実績データを基に、2週間先の価格カレンダーを生成。 価格変動幅は基準価格8,500円とし、6,300円~10,000円の 範囲で、実稼働日の頻度で価格変動を実施する。 ・ダイナミックプライシング ・自動着券精算 ・混雑可視化 周遊eチケット販売 1,700万円 (2,000枚販売時) 【結果:689万円】 (1,011枚販売時) 考察は後述 ④プロモ―ション施策の 効果検証 顧客ターゲットである若者グループに対する各プロモーショ ンの有効性及び課題を分析・整理し評価する。 ⑤自動着券精算方法の検証 施設利用実績(顔認証ログ)による、施設毎への合理的な収益 配分を実証し、本方式の有効性と課題を整理する。 ⑥地域収益性 過去の周遊チケット等の販売実績に対する、本事業の有効性 と課題を整理し、対象地域やターゲット層の拡大に向けた今 後の取組をまとめる。 実証事業詳細 ①利用施設数 (顔認証による施設入場) ②行動特性変化 (電子クーポン配信) ③ダイナミックプライシング (価格カレンダー) ④プロモーション施策 (キービジュアル) ⑤自動着券精算 (顔認証による施設利用実績) ⑥地域収益性 (地域消費最大化)
  7. 8 満足 33% まあ満足 21% やや不満 11% 不満 2% 利用していない

    33% 0% 25% 50% 75% 100% 旅程プランニング レコメンド(クーポン) 混雑情報表示 経路検索 顔認証決済 顔認証入退 5.実証内容とKPI ①利用施設数増加の検証 実証風景、対象観光施設(9ヵ所) 利用施設数(顔認証ログ活用) 平均利用施設数は3.4箇所となりKPI(≧3.0ヵ所)を達成。手ぶら観光の快適な回遊への有効性を確認。 回遊性向上に有効だった機能(アンケート) 顔認証に対する満足度 ▪検証方法 顔認証ログから、1人あたりの利用施設数の カウントを行い、KPIの達成度を確認 (KPI: 平均利用施設数 3.0ヵ所) ▪結果 ・平均利用施設数 3.4箇所 (KPI達成) ・チケット販売枚数 1,011枚 ・利用頻度が高い施設は、富士急ハイランド 周辺、及び河口湖周辺であった 富士急ハイランド 98%が利用 ふじやま温泉 61%が利用 富士山パノラマロープウェイ 50%が利用 河口湖遊覧船 45%が利用 ・距離の遠い山中湖などの利用が限定的だった ▪検証方法 アンケートにより、回遊する上で 便利と感じた機能を調査 ▪結果 ・84%の人が顔認証が快適な回遊に有効と 回答し手ぶら観光の回遊性向上への寄与が 確認された ・34%の人が顔決済が有効と回答し、 手ぶらでの決済方法の利便性向上への 有効性が確認された ・経路検索、混雑情報は、20%の人が 有効と回答し回遊する上で一定の効果が あった ・レコメンドや旅程プランニングについては、 有効と回答した人が1割程度で限定的だった ため、その要因については分析が必要 ▪検証方法 アンケートにより顔認証の満足度を調査 ▪結果 ・施設、交通での顔認証利用については77%は 概ね満足の回答があり利便性が確認できた ・顔認証決済は54%の方が概ね満足と回答 しており、利便性を確認することができたが、 利用していない人が33%あり、登録のしやすさ や利便性の分かりやすい説明の工夫が必要 ・満足点として下記の意見があった -チケットやスマホを出さずに利用できてとても快適 -顔認証が速くて良かった -顔認証決済はスムーズで実用化もしやすいと感じた ・不満点として下記の意見があった -顔決済で顔認証後の暗証番号入力が手間 -顔認証されないことがあった -バスなど場所により認証速度が遅い場合があった 顔認証入場(施設・交通) 顔認証決済 富士山パノラマ ロープウェイ 富士急ハイランド ふじやま温泉 フジヤマ ミュージアム 河口湖遊覧船 富岳風穴、 鳴沢氷穴 忍野 しのびの里 山中湖遊覧船 回答人数比率 0% 10% 20% 30% 1 2 3 4 5 6 7~ 利用施設数 総 利 用 者 数 に 占 め る 人 数 比 率 平均利用施設数 3.4箇所 満足 41% まあ満足 36% やや不満 19% 不満 4% 周遊バス、鉄道はカウントに含まず
  8. 9 0% 10% 20% 30% 40% 50% 5.実証内容とKPI ➁行動特性変化の検証 パーソナルレコメンド(電子クーポン配信)の目的

    実証風景 電子クーポン配信を行った場合の方が、配信を行わなかった場合より平均3%多くの人が施設を訪問 電子クーポンによる誘客効果検証 ▪目的 レコメンド(電子クーポンのプッシュ配信)による施設への誘客で、来訪期間中 (2日間)に、利用者により多くの観光施設に訪れてもらう(平均利用施設数の増加) ▪配信の考え方 ・個人毎のリアルタイムの位置情報(観光施設9ヵ所での顔認証入場情報)に応じて、 周辺施設の電子クーポン(割引券や利用特典)を配信し、次に訪れる施設の誘客を行う ・各クーポンを配信した人と配信しない人での、対象施設への訪問割合を比較して 誘客効果を検証 ▪電子クーポン種類(16種類) 【例】 山中湖遊覧船のクーポン ⇒エサを一袋プレゼント (鳥にエサを与えて楽しむ様子) アプリ画面 利用シーン クーポン内容 配信済クーポン一覧 周遊eチケット対象施設 7種類 【例】忍野しのびの里 貸衣装サービス 近隣施設 9種類 ※自治体関連施設を含む 【例】山中湖温泉 紅富士の湯入浴特典クーポン 訪 問 率 ※ ▪電子クーポン配信なし ▪電子クーポン配信あり ※訪問率:クーポン配信後にそのクーポン 対象施設に行った人の割合 クーポン対象施設 ▪検証方法 ・顔認証ログから各施設の入場数を集計 ・電子クーポン配信元施設を経て、 配信先施設へ入場する割合を比較 (各対象施設に対して、クーポンを 配信した人と、クーポンを配信しな かった人の訪問率を比較) ▪結果 ・「配信有の入場割合」が「配信無の 入場割合」より平均3%高く、電子 クーポン配信をした人の方が施設に 訪問した人数が多かった ・一方で、前述の利用者アンケート では回遊性の向上に有効だったと 回答した人は1割程度に留まっており、 電子クーポンの認知度の課題も考え られ、誘客への有効性については、 更に深掘りした検証をしていく 必要がある。 利用者行動傾向分析 施設を訪問したグループの属性比較 河口湖遊覧船 富士急ハイランド 0% 20% 40% 60% 80% 100% 山中湖遊覧船 忍野しのびの里 男女ペア 女性グループ 男性グループ 男女グループ ファミリー 単独 ※ファミリー:小人を含むグループ <富士急ハイランド、河口湖エリア> <忍野、山中湖エリア> ▪検証方法 ・購入チケット、顔認証ログ行動分析による 突合から、利用者毎のグループ属性を推定 ・施設毎に訪問したグループ属性を検証 ▪結果 ・全体の平均では、男女ペア、女性グループの 比率が高く、多くのターゲット層の利用が 見られ、加えて、ファミリーの比率も多かった <グループ数の比率> ①男女ペア 約2割 ②女性グループ 約2割 ③ファミリー 約2割 ・利用した施設数が多い利用者の属性においては 上記①②③のグループ属性の比率が高く、 このグループは回遊意欲が高いと推定される ・富士急ハイランドから距離が離れた忍野、山中湖 エリアの施設では、ファミリーの比率が比較的高く、 この層は行動範囲が広い傾向が確認された(左図) ・今後のチケット種類の追加に向けた参考となった
  9. 10 5.実証内容とKPI ③ダイナミックプライシング ダイナミックプライシングで受容価格帯、適正な変動幅を検証 KPIに届かずもチケット1,011枚(合計689万円)を販売 販売チケットの価格実績 価格による旅程行動の変化 購買行動分析 利用者の価格感度 ▪検証方法

    ・購入価格帯別の販売比率を集計し、 ダイナミックプライシングによる 価格設定の効果検証 ・購買属性分析 ▪結果 ・平均価格 約7,000円 ・基準価格帯8,000円台での購入が約13% 価格変動させ、需要に応じた購買層を 取り込む ・購入実績から適正価格と受容し購入した 価格帯は、7,000円台後半と推定 ▪検証方法 ・旅程の曜日パターン別の利用比率を分析 ・アンケート調査 ▪結果 ・平日を含む曜日パターンと休日での 利用割合が1:1であり、利用曜日の 平準化効果と推定 ・各世代を共通で、1,000円以上の価格差 で旅程変更を検討する可能性があり ・購入検討者に価格差の付加価値を 付けることで低価格に捉われない 企画も検討事項と考える ▪検証方法 ・アンケートにて、PSM分析手法に 基づく質問を設定し、 本実証チケットの受容価格を分析 ▪結果 ・アンケートから算出した受容可能な 価格帯は6,100~7,500円と推定 (適正価格帯6,500~7,000円) ・受容価格帯と利用者の平均利用施設数に 基づく価格設定が今後必要 ・アンケート回答は、体験後の 価格感度であり、購入時の価格感度と 差異が生じると推定 価格差1,000円以上が旅程行動の変化点であり、適正な価格変動幅を確認 販売金額689万円、販売枚数1,011枚(大人900枚) 目標平均価格(大人)8,500円に対し、実績平均価格 約7,000円 基準価格帯:8,000円台 日程優先で購入 適正価格と 受容して購入 価格優先で購入 アンケートによるPSM分析で利用者の受容価格帯を確認(6,100~7,500円) 購入者の半数は価格変動を見極めてチケットを購入していることを確認 ▪検証方法 ・アンケート調査 ・購入者の購入サイトの アクセス状況を分析 ▪結果 ・アンケート回答者の84%が、 ダイナミックプライシングと認識 ・購入者の45%が、購入までに複数日 アクセス 価格変動を確認して購入したと推定 上限価格:7,500円 下限価格:6,100円
  10. 11 若者グループ (カップル、女性グループ) 5.実証内容とKPI ④プロモーション効果の分析 ターゲットとプロモーション施策 実証風景、プロモーション施策一覧 プロモーション施策は、検索サイト広告、富士急行グループホームページ及びメルマガの効果が特に高かった 購入者の属性 ▪ターゲット

    ▪検証方法 本実証では購入者はCLUBフジQ会員への 登録をしてもらい、登録時の入力属性を集計 ▪結果 ・ターゲットであった若者グループによる購入は 全体の49%であった(19歳~35歳) ・30代後半~50代の購入者が約半数であり、 周遊を好む中年層の利用も確認された ・購入者の居住地は首都圏が70%を占めた ・本実証前から加入していたCLUBフジQ会員の 購入者が全体の1/4を占めた 年齢: 10代後半~30代前半 居住地: 首都圏、富士山周辺エリア 職業: 社会人、学生 趣味: 遊園地や観光地巡りが好き 特長: SNSが主なコミュニケーション手段 本エリアで集客力が高い富士急ハイランドと、周辺の観光 施設を含む周遊eチケットを発行し、富士急ハイランドでの 利用割合が多い若者グループを、本年度のメインターゲット とした。富士急ハイランドは2018年から顔認証が導入済みで あり、利用者層の顔認証利用の認知度も高い。 施策 (ランディングページへの流入元) 閲覧ユーザ数比 率 計 画 施 策 富士急行グループ会社ページ、メルマガ 27% SNS、ニュースサイト広告 13% 自然検索 4% NAVITIMEアプリ バナー広告 3% SNS投稿 0.6% Panasonicグループ会社ページ 0.4% その他 2% ( 12 月 ~ ) 追 加 施 策 検索サイト広告 50% 合計 100% プレスリリース 広告デザイン変更 ポスター、バスマスク メルマガ、SNS投稿/広告 ホテル連携販売 検索サイト広告 チラシ配布 ▪プロモーション施策と結果(Webアクセス:3.7万アクセス) 計 画 施 策 ( 10 月 ~) 追 加 施 策 ( 12 月 ~) ▪結果 以下のプロモーション施策による販売ページ流入が多かった ①ディスプレイ広告(検索サイト等) ②富士急行グループ会社ページ ③NAVITIMEアプリバナー広告 コンバージョン率は1.3%であった (=チケット購入者数/サイト訪問数) 首都圏 70% 甲信越 6% 関西 10% 九州 2% 東海 9% その他 3% 10代 3% 20代 34% 30代 24% 40代 26% 50代 11% 60代~ 2% チケット購入者年代 ・利用者性別 男性:女性:小人=39%:50%:11% ターゲット (19~35歳) 49% バナー広告 (各社Web、アプリ等) 富士急行グループ会社 ページ、メルマガ 27% SNS、ニュースサイト 広告 13% 自然検索 4% NAVITIMEアプリ バナー広告… その他 3% 検索サイト 広告 50%
  11. 12 5.実証内容とKPI ⑤自動着券精算 ⑥地域収益性 ⑤自動着券精算 ⑥地域収益性 利用者の満足度は高く地域観光消費拡大の可能性を確認 ▪周遊eチケットの満足度(アンケート) ▪手ぶら観光の地域観光消費拡大への貢献可能性について 昨年度に同地域で実施した顔認証周遊パス実証※1を、本実証でエリア拡大

    及び回遊性向上機能追加することで、販売方法やコロナ禍での社会環境は 異なるものの、チケット販売数が昨年度の5倍以上に増加した。 また、一度の旅行での平均利用施設数は、山梨県の平均の1.3ヵ所※2に対し、 本実証では2倍以上の3.4ヵ所を実現した。 今後の更なる手ぶら観光サービス拡大による体験価値向上で、利用者が増加し エリア内の観光消費拡大に有効である可能性を確認することができた。 項目 2020年度 2021年度 (本実証) 地域 富士急ハイランド、河口湖エリア 富士五湖周辺エリア 顔認証 対象施設 ・観光施設2ヵ所 ・周遊バス1路線 ・観光施設9ヵ所 ・周遊バス4路線、鉄道5駅 提供機能 ・顔認証入場、バス乗車 ・顔認証入場、バス/鉄道乗車 ・顔認証決済 ・スマートフォンアプリ (経路検索、混雑情報表示、 施設情報、クーポン配信など) 実施期間 2020年11月~2021年3月 2021年11月~2022年1月 チケット販売 199枚 1,011枚 増加 ※1:周遊バスと観光施設を含めた「顔認証周遊パス」の実証実験 https://biz.panasonic.com/jp-ja/case-studies/fujikyu ※2:平成30年山梨県観光入込客統計調査報告書 満足 52% まあ満足 43% やや不満 5% 利用者の9割以上が今回の旅行を概ね満足と回答。 多くの施設を観光できるお得な周遊チケットである 点や、手ぶら観光による回遊性向上や非接触に よる感染症対策を実現した、新たな観光モデルと して、今後の地域観光の発展に貢献できる可能性 を確認することができた。 データを活用し利用実績に基づいた合理的な収益配分を実現 ▪施設毎の収益配分結果 ▪検証結果の考察 利用実績に基づき収益を配分するため、合理的な収益配分が可能となった ▪今後の課題 ・認証等のエラーが発生した場合の対応 ・参画施設がリアルタイムで利用実績や収益配分を確認出来るような仕組みづくり <従来の配分方法> 各施設の利用実績が把握できないため 各施設の利用者数に関わらず 配分割合は固定 <今回の配分方法> 各施設の利用実績に基づき 周遊eチケット1枚毎に 配分割合が変動 顔認証ログにより ▪収益配分方法 前提:全施設のチケット定価合計に占める各施設の定価の割合で配分 (施設毎の配分額=販売金額×定価/全施設の定価合計) ※複数回利用しても配分額は同一 ※ ※鉄道・バス・船舶・索道の運輸施設は、配分額を固定していたため変化なし。 0% 20% 40% 60% 80% 100% 各施設のチケット単価比較 従来 今回
  12. 13 6.実証結果の分析・評価 実証結果の分析・評価 実証結果 広域な観光地の回遊性の向上と観光収益の最大化を実現するため、観光施設と移動手段とをシームレスに繋ぐ新 たな地域観光モデルとして、顔認証と周遊eチケットを融合した「手ぶら観光サービス」の開発を行った。 開発にあたり、雄大な自然を擁する富士五湖エリアに点在する観光施設や、それらを繋ぐ周遊バス及び鉄道の移 動手段を、スマホや紙チケットを提示しなくても顔認証ですべて利用できる仕組みを構築し、更に回遊性の向上を 支援する混雑情報表示や経路検索、レコメンド配信などの機能を搭載したスマートフォンアプリの開発を行った。 本実証実験では、回遊性の向上により従来の2倍以上の平均利用施設数の実現や、利用者の9割以上の高い満足度

    を実証することができ、またデータ活用により対象施設に対する周遊eチケットの実績ベースの合理的な収益配分 方法の有効性の実証も行うことができた。一度の旅行で多くの施設を巡り、地域観光消費を拡大する新たな地域観 光モデルの有効性を確認することができた。 分析・評価 ▪新たなコンテンツ提供(回遊性・体験価値向上) ①平均利用施設数は、従来の2倍以上の3.4箇所に増加し、回遊性の向上に 魅力ある周遊eチケットの設計と、複数の施設を効率的に回遊する為の 仕組みとして、特に顔認証(施設・交通利用、決済)、経路検索、混雑 情報表示の機能との融合が有効であることが確認できた。 ②行動特性変化においては、電子クーポン配信を行った場合の方が平均 3%施設訪問が多かったが、アンケートでは配信が有効という回答者が 少なく、要因深掘りやクーポン利用増加への認知向上等が今後の課題。 ▪新たなエリアマネジメントの創出(地域観光収益最大化) ③ダイナミックプライシングでは1,011枚のチケットを販売し、目標の 2,000枚には届かなかったものの、次に繋がる事業性のある一定の販売 規模を実現できた。昨年度の顔認証周遊パス実証と比較すると5倍以上 の販売枚数増加を実現した。平均価格は目標の8,500円より低い 約7,000円だったが、今後に向け受容価格帯などの検証ができた。 ④プロモーション施策は、特に検索サイト広告や、富士急行グループホー ムページ及びメルマガの効果が高かった。実証期間後半の販売が伸び、 早期からの告知や実証期間拡大が今後重要であると考える。 ⑤自動着券精算の検証を行い、顔認証ログデータを活用し利用実績に 基づいた対象施設間の合理的な収益配分を実証できた。 ⑥地域収益性の観点では、今回の新たな観光モデルについて、利用者の 9割以上が満足と回答し、回遊性向上による地域観光消費拡大の可能性を確認できた。 従来 平均利用 施設数 1.3ヵ所 (山梨県) 本実証 平均利用 施設数 3.4ヵ所
  13. 14 6.実証結果の分析・評価 実証結果の分析評価(KPI) 設定したKPI 達成状況 結果と考察 平均施設利用数 3.0ヵ所 平均施設利用数 3.4箇所

    • 目標を達成し、山梨県の平均施設利用数である1.3ヵ所※1の2倍以上となり、 回遊性向上と感染症対策を両立する新たな地域観光モデルの有効性を確認できた • 距離の遠い施設への訪問数が少なく、ユーザ行動などに合わせたチケット造成が 今後の課題 • アンケートから、回遊性の向上に貢献した施策としては下記が有効であった ①顔認証入退(施設、交通)による手ぶらでの周遊 (利用時にチケットやスマホの提示が不要) ②顔認証決済 ③経路検索 ④混雑情報表示 • 電子クーポン配信を行った場合の方が平均3%施設訪問が多かったが、アンケー トでは配信が有効という回答者が少なく、要因深掘りや認知向上等が今後の課題 • グループ属性推定では男女ペア、女性グループ、ファミリーが多かった 周遊eチケット販売 1,700万円 (2,000枚販売時) <目標平均価格8,500円> 周遊eチケット販売 689万円 (1,011枚販売時) <平均価格約7,000円> ※大人用のみの集計 • 同エリアの過去の周遊券の実績等を参考に、大幅な販売増加に向けて2,000枚を 販売目標としたが、目標に届かなかった主な原因としては下記が考えられる ①認知から利用に至るまでの準備・実証期間が短かった(期間後半に販売増加) ②コロナ禍での公共交通の利用控え(マイカー利用の増加) • 前年に実施した顔認証周遊パス実証※2の販売実績と比較し、対象施設の拡大及び 回遊性向上機能追加により、5倍以上に販売枚数が増加し一定の成果は得られた • ダイナミックプライシングにおいて目標平均販売価格8,500円(大人)を下回った 原因は、利用者の受容価格帯が6,100円~7,500円程度だった為と考える 受容価格帯や想定利用施設数などに基づく価格設定方法について新たな知見が 得られた • ターゲット層(10代後半~30代後半)の利用に加え、30代後半~50代の利用が 約半数を占め、今後の拡大に向けた新たな利用者層の発見ができた • 自動着券精算はデータを活用した収益配分モデルとして有効性を検証できた ※1:平成30年山梨県観光入込客統計調査報告書 ※2:周遊バスと観光施設を含めた「顔認証周遊パス」の実証実験 https://biz.panasonic.com/jp-ja/case-studies/fujikyu
  14. 15 7.考察と課題 上手くいった点 要因(工夫したところなど) 【回遊性向上】平均施設利用数の増加 ・多くの施設をパッケージにした周遊チケットとしてお得感のある価格で提供 ・回遊性向上と感染症対策を両立する「手ぶら観光」で快適に周遊できるサービスを提供 【体験価値向上】利用者の満足度 ・アンケートでは利用者の9割以上が今回の旅行を概ね満足と回答しており、回遊性と 感染症対策を両立した新たな観光モデルとして、今後の地域観光の発展への有効性を確認できた

    ・オンラインでチケット購入し事前に顔登録すれば、旅行中の観光施設及び交通機関利用 が、すべて顔認証によりスマホや紙チケットを提示せず回遊可能とし、快適な周遊を実現した ・顔認証決済により財布やスマホを出さずにスムーズな買い物を実現し評価が高かった ・経路検索や混雑検知など、コロナ禍での回遊に便利なアプリ機能を提供した 【エリアマネジメント】自動着券精算 ・顔認証ログによる利用実績データに基づいて、対象施設への収益配分を合理的に 行うことにより、参画した各施設への収入配分の納得性が高い仕組みを提供 【プロモーション】追加施策による販売増加 ・チケットの認知度を幅広い層で高める施策として、Web上でのディスプレイ広告を 実証実験の後半から追加することで、実証期間後半での大幅な販売増加に貢献した 【既存資産活用】既存ユーザの取込み ・従来からのCLUBフジQ会員が約1/4の販売枚数を占め、収益の底上げに大きな貢献を しており、既存の会員制度(メルマガ会員100万人以上)活用の有効性が確認できた 実証の考察と課題 上手くいかなかった点 要因(課題など)・改善点 【事業ターゲット】チケット種別の設定 ・ターゲット層(若者グループ)に加え、30代後半~50代(ファミリー層など)の購入が 見られ、チケット種別増加など、今後の拡大に向けた新たな利用者層の発見に繋がった ・滞在型観光では地域連携による対象施設の更なる拡大の必要性を感じた 【プロモーション】顧客認知の不足 ・実証期間前半の利用者数が限定的で後半に増加した事からも、認知から利用に至るまで のチケット販売期間が短かったと考えられ、今後早期からの告知や実施期間拡大が必要 ・来訪者の多い繁忙期も含めた時期での実施を望む声が自治体などからあった 【ダイナミックプライシング】適正価格の設定 ・利用者の受容価格帯が想定より低かったが、今後に向けて、今年度蓄積したデータを 活用した新たな価格設定方法検討の知見を得ることができた 【技術課題】顔認証精度の更なる向上 ・屋外環境等に対する顔認証精度の更なる向上や、様々な通信環境での対応の更なる向上 【運用課題】機材の安定運用 ・低温下、通信環境など、利用環境に応じた機材安定運用の仕組み向上
  15. 16 8.事業継続に向けた取組 継続に向けた 取組方針 【回遊性・体験価値向上】 ・地域連携による、対象となる観光施設、交通手段、エリアの順次拡大で体験価値を更に向上 ・エンターテイメント要素を加味し地域が活性化する収益性の高い新たな観光コンテンツへ進化をはかる 【事業ターゲット】 ・今年度の知見を参考にターゲット層を拡大し、移動手段や旅行行動に応じた複数チケットを造成 【商用化/マネタイズ】

    ・実用化に向けた費用面や運用面での具体策検討及び機材安定運用の強化 ・地域の旅行環境や利用者の認知期間を考慮した実施時期/期間の設定、及びチケット販売方法の拡大 【地域との関係性強化/持続可能な観光地経営】 ・今年度の事業者に加え、自治体運営施設、地元観光施設、飲食店等の参画で地域全体を巻込み運営体制強化 ・移動や利用コンテンツに、環境配慮や地域貢献の観点を強化し、持続可能な観光地経営を目指す 必要(継続すべき) な体制 【今年度から継続】 今年度コンソーシアムメンバの継続連携 【回遊性・体験価値向上】地域イベント、地域でのエンタメタイアップ連携 【商用化/マネタイズ】 宿泊施設や旅行代理店/OTA連携、Web以外の現地販売による販売方法拡大 【地域との関係性強化】 自治体直営施設、地元の宿泊/中小規模観光/飲食施設、タクシー、レンタカーなど 【持続可能な観光地経営】シェアサイクル等事業者、自然環境や地域の歴史ガイドとのSDGs関連連携 具体的な取組内容 【回遊性・体験価値向上】 ・対象施設の拡大に加え、タクシー、レンタカー、レンタサイクルなどラストワンマイル強化 ・楽しい回遊を促す、対象エリアのイベント等と連携した新たな観光コンテンツの造成 【事業ターゲット】 ・新たな利用者層向けチケット追加(ファミリー層など)、今年度の知見を活かした価格設定 ・公共交通/マイカー利用、富士五湖全域/一部エリアのみ観光など、旅行行動に応じたチケット造成 【商用化/マネタイズ】 ・各施設等へのヒアリングを通じ、導入コストや収益性観点での継続性の検証 ・低温下や通信環境への対応、屋外等に対する顔認証精度の更なる向上による機材安定運用の強化 ・対象エリアの環境を最も楽しめる夏~初秋での、3~6か月程度の運用期間 ・宿泊込みの周遊チケット販売増加に向けた対象エリアの宿泊施設との連携販売 【地域との関係性強化/持続可能な観光地経営】 ・今年度クーポン対象となった自治体施設や、地元観光施設、飲食店の周遊チケットへの組込み ・利用実績や属性分析情報など地元の参画施設とのマーケティング情報共有基盤構築 ・チケット造成時のエコフレンドリーな移動提案や、地域の歴史を学べるガイドツアーとの連携 次年度以降で予定している取組、方針